人気ブログランキング | 話題のタグを見る

風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱

なぜ5時に目が覚めたのだろう。きっかり5時だった。たぶん周りが5時で活動を開始したのだろうか。どれどれ、と私も鷹揚に片肘ついてジッパを引き下げ外を見た。既に遠くの空は赤みが差すが周囲は海底のような深い藍色でヘッドライトが動いていた。富士はモッコリと山の形のままで黒い雲に被われている。
まだだなぁ...もう少し待つことにしてジッパを閉じた。
風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱_e0024555_3501495.jpg


そろそろか、次ぎに開けると、やがてそれは始まった。下層と上層の雲の間に登った太陽はその両面をオレンジから茜へのグラディエーションを付けながら染め上げてくる。そうすると不思議なことに光の圧力に押さえられて雲の波も凪ぐのか、富士もスッキリ姿を現し出した。これよ、下界の雲上で繰り広げられるショーの始まり。今日の生まれたこの場所に居られて良かったと、そう思う。
風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱_e0024555_3505362.jpg

やがてショー終わって辺りは長い影を映す朝になった。今朝も風は強い。

ヤベ、まだ暗い5時には出るんだったっけ...しかし14時間寝たおかげか、疲れも取れ、酸欠にも少し慣れたのだろう、動こうという気が湧いていた。いつもならキャンプサイト最終組の私だが、今日はさっさと事を始めた。
朝食は特に湯を沸かして摂ることはしなかった。昨夜の残りが体にあるだろうから、ナッツだけ放り込んで、でも良く噛んでドロドロにして胃に流し込む。とりあえずはこれで充分なはずだ。
さっさと食ったら体を起こしテント内のパッキングを始めた。先ずはテント内に散らかった物を着替え袋、食料袋、その他用の袋に分類整理する。その他袋の中は機能別に更に小分け袋に分けたり、必要ならAlocSackで防水してある。何であれ、袋に入れずに直接ザックに放り込むことをしないのが結局早い。
さて、中が片づいたら風が強いのでテントから抜けてすぐに骨を抜いて撤収に掛かった。のでテントの写真がない。今回のザックは背面フレームがないMLDのZipなので、先ずはマットを抜いてザックの骨格を作ってやらなければならない。来る時はマットを円筒状に巻いたが、ザックの容量を食われるのとザックが丸く仕上がってしまうのを嫌って今日は背中側に平坦に折り畳んで入れてみる。雨が予想されていたのでSeaToSummitの35L防水ライナーを押し込み、先ずはスピンのスタッフザックに詰めたQuiltを放り込み、次ぎにテント、防寒具、着替え、食料の順で入れて防水区画を閉じ、その上に雨具類、その他袋の順でザックの中に積んだ。カメラ、行動食等は別途MFDのベーベーポーチに入れた。この中にも2Lの防水ライナーを入れてある。今回は徹底的に防水だ。ベーベーポーチはスペクトラ生地の薄いA4サイズのポーチで肩から袈裟に掛けてからザックを担ぐ。腰の少し上に口が来て邪魔にならずに日用品と緊急用品を放り込めるので便利だ。ポーチが揺れて前に来ないようにショルダーストラップに100円カラビナで留めるのがミソ。

風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱_e0024555_3512560.jpg

と、準備ができたのは6:05だった。出がけに山荘で水を1.5Lほど補給した。天水は全部セイシェルを通して使うことにしたが、今年の水は色も匂いもなかった感じ。でもセイシェル通す!

間ノ岳 7:26 風でよろめく
トレッキングポールとしてODBoxのFoxTailを持ったが、これはすぐに短く折りたためるので、岩場では面倒くさがらずに畳んでベーベーポーチに入れて両手を解放して安全に渡ることができたのは良かった。
風が強いがmontbellのウインドシャツはよく効いた。体が冷えるのを防ぐし、少しジッパを開けると熱を逃がして快適な状態を長く保つことができた。
しばらく間ノ岳頂上横の平坦地にヘリが何度も荷下ろししてるのを見てた。道整備の資材だろうか?
さて、ここから農鳥方面は初めての道になる。
農鳥小屋 8:30 
ここで雲行きが雨っぽかったが、西農鳥岳への登りの途中で雨になった。少し様子を見たが続きそうなのでmontbellのブリーズドライテックの雨具(上はUS仕様のPitZip付き!)を付け、待ってましたとGoreTexの靴下を履き、すぐさま雨装束を完成した。
今回の足元はMontrailのHardRock、いわゆる非GoreTexな運動靴である。ここまでは蒸れずに調子良い。岩場の通過も問題ない。底がガチガチの登山靴とは勝手が違うが、しなやかに歩けば良くグリップも効くものだ。
西農鳥岳 9:49
農鳥岳 10:31 雨が上がったので雨具系を脱ぐ
ここまで結構時間が掛かってしまった...
大門沢下降点 11:19
暫し岩稜との別れを惜しむ。ここでもナッツだけで済ませた。
途中で抜きつ抜かれつ顔なじみになった数組を先にやり過ごし、やがて私もハイ松の中、下降に入った。
実はここからが長く、珍道中の始まりだった。


参加中...風 の 中 お の れ を 責 め つ つ 歩 く ...山頭火 Click!

by ulgoods | 2007-09-20 03:52 | 山行
<< 雨に打たれて 白根三山縦走二日... 長い一日 白根三山縦走一日目 >>