そういえば、ストーブの名前を伺っていなかった...
先月、都内某所、日本アルコールストーブ協会(仮)設立準備会の寄り合いで初めてT-z_stoveさんにお会いした。blogでは行き来があったのだが、生は初めて。しかし、そこは好き者同士、話は盛り上がり、二人で飲んだ2次会では薪ストーブの話しに及び、既に薪も手がけていたT-z_stoveさんに100gを切る薪ストーブが出来ないか、相談したりした。BPLで売っている超軽量薪ストーブBushbuddy Ultra Wood Stove でも145g(5.1oz)だ。100gが達成できれば、これこそ脅威の!?軽さである。可能である、と答えたT-zStoveさん、試作品が出来たら販売送っていただく約束をしていたのだが、ついに先週送り届けていただいた。 感謝! 普通、ガス用のストーブの重量を80gくらい、110缶の燃料満タンで200gだから、ストーブケースだ何だで300gとすると、100gというのはとんでもなく軽い事がわかる。ガスストーブを持って1ヶ月も補給無しで歩くとすると、ザックの中は燃料缶だらけで肝心の食料さえ持つ事が出来ないことになり、使い終わっても体積は減らないし、缶もそれなりに重い。一方、どんなに長期間使っても松ぼっくりや枝が落ちている限り、薪ストーブは100gのままだ!短期間のトレッキングでも100gならガス缶に比べて充分軽くて魅力ある! 荷が届き、先ずは包みを開け、中から現れたステンレスのストーブに、ああT-zの仕事だ、とほれぼれ眺めてしまった。細部を見てもT-zさんらしい。 2つ送っていただいた。いずれも二次燃焼を可能とする二重壁薪ストーブだ。 1つは83g。底なしの極限に軽いモデル。 縦方向の強度も必用充分で実用になるが、これは内部構造の鑑賞用に取っておく。 もう一つは底付きで114g。 地面への影響を少なくするためには底付きが必用だし、これは空き缶のリムを使っているので、横方向の強度も強い。これはフィールドで使わせていただく。確かに、クッカーの蓋などを底に敷けば底なしの83g版でも地面に対する影響は少ないが、蓋をしないとお湯が墨汁臭くなるので困ってしまう。ま、別途アルミフォイルを蓋にすれば良いんだけど、それはそれでチョイと面倒。 このストーブたち、いずれもスノーピークの900クッカーにキッチリ収納できる。 400cc位の湯を沸かすにしても、このサイズなら吹きこぼれも安心だし、無用に大きな鍋でせっかくのストーブの軽量さを無駄にしないで済む。なにより、パッキングが楽だし、ストーブを潰す事もない。隙間が大きいとガタガタ動いて煩いし、ストーブや鍋の内側に傷を付けるが、ピニール袋に入れてピッタリ納まる絶妙のサイズ感だ。 二つに共通しているのは、逆円錐台に仕上げた内筒による、二次燃焼空気孔の構造だ。この構造なら上部のリムの張り出し分の重量が節約でき、作りも簡略化できる。ただし、精度の高い逆円錐台を作れればの話し。けがくだけでも大変だ。よく見ると五徳への荷重を内筒と外筒の接する部分に掛けてあり、外筒のみが挫屈するのを防ぐ工夫をしている。熱で金属の強度が落ちるので実用にするには重要。 作りは各所にネジ穴を切り、こんなのアリ?みたいな止め方をしている。これも正確で根気の要る加工と頭が下がる。 両モデルとも、底部に仕込まれたアルミパイプにシリコンチューブをつないで空気補給ができるようになっている。これは本家BushBuddyにはない。後発の強みでTrailStoveの工夫を取り入れている。しかも83g版の十字のパイプはログハウスの組み方と同じで、穴の開いたパイプの切り欠きをキッチリ合わせて、ホースがつながっていないパイプにも空気が供給されるという...悶絶の技である。 五徳も軽快で美しい。ただ、風防のデザインが凝りすぎている。これはSieraStove同様、巻き付けるだけで用をなすのではないかと思う。 実は、BPLで売り出しているBushbuddy Ultra Wood Stove も(勝手に)発注を掛けている。強度や燃焼具合などを比較したいためだ。が、何せ?米国。出荷担当が休暇を取っているらしく、かれこれ3週間待たされている。予定では今日、明日の出勤なのだが、いつ送られるやら... というわけで、今年はこのストーブをフィールドに持ち出してテストする予定。直近ではキッチンで火入れをしたいと思っている。 何度かレポートすることになる。もしかしたら、もっと素敵な報告が出来るかもしれない。T-z_stoveさんの作品をWebで拝見し、私はアルコールストーブのガレージメーカーになる気が削がれたが、T-z_stoveさんなら世界的に競争力のあるメーカーになれるだろう。ガレージメーカーの産声に立ち会えるのはとても光栄だ。使ってナンボ沸かしてナンボのストーブたち、使い勝手などフィードバックさせていただきたい。 分 け 入 っ て も 分 け 入 っ て も 青 い 山 ...山頭火
by ulgoods
| 2007-03-22 23:35
| 燃える系
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doting on ultralight gears more than mountains...
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