Integral Designs / eVent Unishelter Exp その3
昨夜、東京は雷雨。9時くらいから激しい雨が降ってきた..チャンス!Bivyのテストができるぞ。 既に降り出した豪雨の中、どーやってBivyを設営するか悩んだが、とりあえず傘をさして自分とBivyの出入り口を濡れから守ることにしよう。どーせ山で降られても状況は同じなんだしと、多少の濡れは覚悟して予めフレームを通してあったBivyを庭に放り出した。ヘッドライトを頼りに頭部に一本、足部に2本のペグを刺してbivyに張りを与えてシャキンとさせた。1本しかフレームがないので張力を掛けないと頭部が起立しないのである。所要時間は1分くらいか。手早く設営できた。設営というよりは地面に貼りつけたという感じか。本当はフレームの両端部もペグダウンするのだが、今回は風で飛ばされる危険がないので省略。あと、足部の上面中央に小さなタイループが付いていて吊り上げてやれば足部の末端が三角形型で切妻屋根みたいな感じになる。Bivyを体から離したい時に有効かもしれないが今回は細かな細工をする時間がないのでパス。 傘で雨が進入しないようにしてジッパーを開けて内部に滑り込み、傘を放り出して手早く閉めた。シュラフとマットをは持ち込んでいない身一つで体を横たえると下半身や腹に大粒の雨の滴がボタボタと打ち付けているのが感じられる。普段、傘を忘れて雨に濡れることはあっても、こーいう横たわって雨に打たれるということは無いので妙な感じである。海水浴の海中で放尿してしまったときのような..普段はありえないんだけど、やってしまって、でも大丈夫で安心とか、初めてアクアラングを着けて海中で呼吸をした時みたいな..大丈夫と頭で判っているんだけどヘンな感じという類の感覚だった。内部は結構広い。両肘を左右に思いっきり張り出しても壁に届かないくらい。下はボトムまでもぐって両手を頭上に延ばした背伸びの姿勢でやっと向こう端に手が届くという長さ。私、174cmですが、190cmくらいの人でもいけるかなという大きだった。内部で上を見ていると外部の光で透けて雨水が勢いよく流れているのが見える。これもヘンな感じ。蚊帳部を開けて蚊帳越しに外を眺めると結構虫が飛んでいる。強い雨だが蚊の類は飛んでいるんだな。普段はこんなに目線低く庭を見ることもないので、しかも雨の中、これも新鮮な感覚だ。ウレシイ! さて、いきなり激しい雨に晒したのであるが、生地は防水で完全にシームシールされているので雨漏りは無し。最初濡れていた足も徐々に乾いていくようだ。ヨシヨシ。さすがeVent。と気をよくしていた。が、少し冷たいものを感じてヘッドライトを点けて室内を見回してみた。ら、らぁ、ナント、頭部キャノピーの出入り口にある垂直に立ったYKKの止水ジッパーからツーっと流れが光って見え、ついには滴となってBivy内部に落ちるではないか。え”信じられない。もっと観察してみた。ジッパーの外を水が流れていて、それがジッパーのかみ合わせから徐々に中へ回ってくるのだろう、10秒間隔くらいでツー、ツツゥーっと...次第にジッパーの下あたり、長いジッパーが通っている右側の床に水溜まりができはじめた。マジすか?生地は完璧、シールも完璧、ジッパーの縫い代も丁寧にシールしてあるのに、ジッパーから浸水なんて..止水ジッパーはザックやウエア類にも使われていて、結構信用していただけに、ショック。最近は軽量化のために止水ジッパーには雨蓋を付けないデザインが主流になっているが、内部から見るとこんなもんすか?という感じで幻滅。これじゃ困るよ。片手落ちも甚だしい。仏作って魂入れずというか、火の始末と窓も戸締まりオッケーで外出したんだけど、玄関の鍵は閉め忘れたサザエさん状態というか..ったく、連中は何考えてるんだ?雨蓋省略の微々たる軽量化に走り重大な問題を見落としているではないか。守るべきモノを守るための守れるレベルがちぐはぐなのだ。その辺のレベルを合わせるというネジが一本飛んでいる。豪雨でテストしていないんじゃないの?敵はこっちの一番弱いところを狙って来るんだから..これでは羽毛シュラフがビトビトになるではないか。濡れた羽毛シュラフは保温力を失って、状況によっては命に関わる重大な問題を起こすでしょ。これを想定の範囲内というのには無理があるぞな。 雨が強くて出るにもでられない状態なので暫く滞留した。ジッパーの反対側へ避難する。内部は広いのだ、まだ大丈夫逃げ場所はある。イザとなれば二人でハグハグしてシェルターとして難を逃れることができるかもしれない。でも私は入り口と反対を選びたいな。マットを持って入らなかったので地面からの冷えが容赦なく体を冷やす。一部、床の下に水溜まりができているようでプヨプヨした感覚が面白い、が冷える。Bivy上面からも結構冷えるし。これで風が出たら結構辛いだろう。しかも手を伸ばせば、そこには内部の水溜まり..困った。 懸案の息苦しさであるが、頭部のキャノピーは充分広いので閉所感はない。が、蚊帳部分が高いところにあるので二酸化炭素が心配だ。枕があればなんとか鼻孔を高くできるので良いかも知れない。時々脚を広げたり閉じたりしてBivyの体積を変化させて、ふいごの様に空気を吸ったり吐いたりの強制換気を行った。蚊帳を全開にできれば問題ないが雨が少し入ってくる。頭部キャノピーの張りを弱くするとフレームが前に垂れる作りなので、蚊帳を低い位置にすることもできるだろうが、雨の時は胸から蚊帳へ浸水するか..、無風の豪雨ではちょっと辛いかもしれない。シュノーケルが良いかもな。途中、気を失って2時間くらい寝たか、目が覚めても雨は降っており、内部の水溜まりも大きくなり、もう逃げ場がない。体も冷え切った。こんなところで疲労凍死しても仕方がないので、テストを切り上げて屋内に避難した。 朝見たらこんな感じ。抜け殻のふにゃふやBivy。 内部の浸水はこんな感じ。 ざっと、コップ一杯分くらいは溜まっただろうか。 いきなりハードなテストになってしまったが、ジッパーからの盛大な浸水についてはメーカーに問い合わせてみようと思う。やっぱり、雨の場面ではタープと併用して少なくともジッパー開閉部分は雨の直撃を避けなければならないことが判った。それと、雨が予想されるときは内部に使用するシュラフは合成フィルで耐水シェルのものを選ぶのが無難かも。 BiblerのTripodの写真を見てみたが、やはりジッパーに雨蓋は付いていない。LightSabreもだ。TripodもLightSabreも世界一のYKKを使っているんだろうから状況は同じなんだろうな..このヘンの止水ジッパーの漏水について、経験ご意見のある方が読んでくれていたら是非コメントをお願いしたい。 あるいはタープと併用が前提条件か?海外の記事を漁ったらみんなタープの併用を勧めているしなー、やれやれ、こいつの上に張るタープとEMSのQuantumシュラフを買わねばならぬか..漂泊するのも楽ではないな。ま、これも試してみないと判らなかったから、いきなりお山で降られて内部で溺死するよりはマシだろう。 追記 止水ジッパーについてYKKのページを読んでみた。止水であって防水ではないと..漏れるとあった。やれやれBivyメーカの先走りか?雨蓋は必須だろ!雨蓋無いのはタープ必須という設計思想か?雨に打たれることを想定するとジッパ無しタイプを選ぶのが良さそうだ。
by ulgoods
| 2005-08-13 10:41
| 宿泊系
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doting on ultralight gears more than mountains...
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