Mountain Laurel DesignsのPatrol Shelter、しかもレアなCuben Fiber版だ!
昨年の暮れにzzz_bearさんから珍しい幕が手に入ったからと聞き、張り具合など確かめたくてチョトお願いし借り出したのだが、なかなか張る機会に恵まれずにいた。先日、香港モノのUltralight "e" Hook Windproof Titanium Stakeも来たので併せて今年の初張りを行った次第。 ■Patrol Shelter このShelterはJardine-style tarpのようにBeak(くちばし)を持った形状であるが、軽量化のために後方は絞ってあり、しかも耐候性が高まるよう後の端はBeakではなく三角形の布地で閉鎖されている。Shelterと言っているが、タープとシェルターの中間を狙った感じである。 寸法は、 Front Width: Adjustable 4.5 - 5.5’ Rear Triangle: 34” Wide X 25” Tall Baseline Length: 8’ Ridgeline Length: 8.5’ w/o beak Rear Wall Width: 34” Each Side Front Wall Width: 42” Each Side Height: Adjustable 30” - 48” (36” with tight ground level pitch) で、少し小振り。後部を閉鎖しているので、その分長さを短縮できる効果がある。 Tarpを設計する場合どの程度の広さが必要か?という問題を解決する指針としては、タープの四辺から45度の角度で地面までの空間は風雨が干渉するので除外して、残った地面&そこから45度で広がる空間を居住区域とする考え方がある。後縁が閉鎖されていればそこは45度の縛りから解放されるので、後縁の高さをどのように取っても余分な庇を取らずに長さ方向を短縮できるという訳だ。同社のGrace Solo Spinntex EXPなどもリッジライン長は8.5'なので、Patrol Shelterは後縁方向に潜り込めば耐候性がUPしていると考えて良いだろう。これはサイズ的には、おおよそ5ヤードの布地があれば作成可能と思われる。 後端が固定の形状なので制約を受けてTarp並の張り方のバリエーションはとれず、せいぜい高さを変えることくらいとなる。後端だけ見ればGossamer GearのSpinnShelterと似ているが、SpinnShelterはベルクロが仕込んであって換気や変形張りのための開閉が利くことになっているが、Patrol Shelterの方が前部が開放的な作りだから換気不足による結露の心配が少なく、調整の余地の無い固定端面でも問題ないのかもしれない。 重量・価格的にはSilnylon製が 11 oz.で$150のところ、Spectralite.60(Cuben Fiber)では 6.5oz(184g、実測189g)と4.5oz.(128g)の軽量化を果たすも価格は$305と跳ね上がる。かつて100gの軽量化に$100掛る(ドルが120円台の頃の感覚)覚悟からすれば納得すべき範囲内の重量・価格比なのだが、MLDは店主のRonさんが一人で切り盛りしており、この手の幕は注文してから手にするまで1ヶ月といったところだろうか?zzz_bearさんは運良くUSEDな出物を見つけて手に入れたらしい。待たなくて済むなら価格が少々アレでもついつい手が出てしまうかも。 張った印象だが、ガイラインを張るLineLoc Tensionerは9箇所付いている。それぞれが自由度を持つのでキレイに張るのは少し手間だ。後縁がFixとは言へ特にそれによって張りやすくなった感じは少なく、後ろの三角形が作る角度に合わせないと側面のシワと稜線の懸垂曲線の曲がり具合(懸垂曲線ものは開く角度が仮定されているので皆同様だが)、ならびにBeakの尖り具合が変わってくるので、私としてはやりにくい部類だった。風の強い状況で一人で張るのはチョト難儀しそう。通常は後縁を地ベタに貼り付け、前部は高めに張る(そーしないと出入りできないし)。耐風モードでは前部も地ベタに貼り付けるスタイルも取れるが、出入りが辛い。たぶんサイドからころがりこむのだろうが、高さがないので内部ではBivy並の寝たきりを強いられる。頂点部分を座った高さにセットするにしても、せっかく耐候性を高める意図なのだが実は生活空間は前部寄りにならざるを得ない。 まー、Sierraの夏などは、これと蚊帳をセットにすれば快適に過ごせそうだ。突然のストームの際は低く張ってやり過ごす。日本では使い勝手はどうだろう。オーナーのzzz_bearさんに頑張っていただきたいところ。 この手のTarpとShelterの中間を狙ったモノとして、以前MFD(Mnt.Fuji Designs)の亀の子タープ(Chelonian Tarp)を2007/10/13に書いたが、Chelonian Tarpも重量削減のために後縁を絞ったtrapezoidであり、パトとの違いはサイドリフターによって居住性を高める工夫がしてあった。 Chelonian Tarpも2008年の土屋氏のJMT Thru Hikeで使われたが、耐風性と居住性共に充分に用を為したと聞いている。Chelonian Tarpは敢えてリッジラインに縫い目を作らない&生地を有効に使う戦略であり張り方のバリエーションも出てくるので、カテナリカーブでなくても良いと思っている。 亀の子をCubenで作れば...と、初妄想。 最近のCuben系のシェルターは他には見ていないが、このCuben Fiberの幕には接合に粘着テープが多用されている。 Cuben Tapeと言うもので3Mから発売されており、Tyvekにも使えるようだ。確か、片面と両面があった筈で、力が掛かる場所などでは針穴を開けなくて済むので針穴からの破れを防止でき、しかも別途針穴からの防水のための目止めが不要である。接着力は強力で縫製と遜色ないと聞いている。Tyvekの場合は、接着の剥がれよりも素材自体の剥離が起こるのは海外からのTyvek封筒の開封時に体験した人も多いと思う。Cubenでも剥離は起こるかもしれない。 その他、ポール受けの対摩擦性の強そうな補強材も接着されている。 コレで保つなら針穴を開けないのは精神的に救われる。 今年はCuben Fiberは従来の貴重品から普及品とまではいかないが低価格の製品が出てきているので広まるような予感だ。国内ではローカスギアが非常に美しいKhufu Cuben / クフ・キューベン シェルターを発表しているし、海外でもZPacks.comがCuben製の低価格な幕を出す予定と聞いている。 ■Ultralight "e" Hook Windproof Titanium Stake 昨年からちょこちょこ買っているeBayの香港のお店を久々に覗いたら面白いペグが売っていたので取り寄せてみた。6本入り、しかも多用途に使えそうなケースも付いて$12でお安い。 これはペグの頭が見慣れたU字型でなくe型になっている。ペグはガイラインの引っぱられる方向に90度で打つ&綱を地面の方に掛けるべしと言われているが、風で揺れると綱が頭部にずり上がり、回転に抵抗しない棒状のペグでは180度回転してガイラインが抜けてしまう事があった。頭部をe型にすることによって抜けを防止するこのアイディアはすばらしいと思う。私の感覚ではガイラインに90度より少し大きな角度で打てば、引っぱり力の分力でペグが刺さる方向に力を利用できるのだが、下向きの力が掛かっても綱が抜けないeペグを使えばそういうことも可能になる。 OEM品の流出なのか独自の製品なのかは不明だが、単なる安価な下請け工場ではなく、工夫も盛り込まれてきているのは今後の注目に値すると思う。 ことしもよろしく Click! Thank you!!
by ulgoods
| 2010-01-03 17:52
| 宿泊系
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doting on ultralight gears more than mountains...
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