...続き
長いです。 山行とは殆ど関係ありません。どーでもいい話なので読まなくても山歩きの記録には支障ありません。 ■荷造りの続き で、問題だったのはNunatak Sukaha Plus Down Sweterが見つからないと言うこと。軽くて温かく、これまたEPICシェルで手の保温用にカンガルーポッケ付き。土屋さんのJMT thru Hikeにも同行した遠征経験を持つ果報者ジャケット。このくらいの季節にちょうど良いだろうと、屋根が決まる前から登板が予定されていた。確か、去年の11月末頃までは見た記憶があるのだが、その後の記憶が途絶えていた。だいたいダウン物は寝袋袋に一緒に入れて押し入れに突っ込んでいるはず、ということで押し入れをふっくら占領している寝袋袋を一つずつ開け始めた。この時点で夜中の2時。朝一のあずさ1号まではまだ時間があるから余裕である。が!一通り袋を開けたけど無い。おかしいなー?ともう一度寝袋の中まで開けてみたが無い。部屋には寝袋や防寒ジャケット類がうずたかく積まれ、ダイブしてもふんわり受け止めてくれそうな堆積を作っていた。というか、作業場所がない。仕方がないので順に袋に収納し、押し入れの隅も探し...この辺で顔が青ざめてきた。やっぱり無い、のである。まー、たまに袋を全開にすると離ればなれになった寝袋とスタッフザックのペアが完成していくのは嬉しいのだが、ああ、こんな袋も、という冷遇されきった袋を発見したりと、それはそれで意義があるのだが、大山鳴動させても肝心の探しているモノがピンポイントで見つからないのは気持ち悪い。というのも、道具の管理がちゃんとできていない訳で、そんな状況で山へ行ったら無くすは壊すわ事故るは、というのは火を見るより明らかだ。お山の第一歩は正しい道具管理から始ると常日頃から固く信じている次第。よって、山心がだいぶ萎えてきた。この時点で4時。こんなカルタ大会のようなペアを作る作業に喜々としている場合ではないことがジワジワと心に突きつけられてきた。Sukaha、昨年の11月末に一度外に持ち出している所までは記憶がある。家の中から勝手にジャケットが歩いて出る訳がないので、そのとき置き忘れてしまったか...とか考えている場合ではないが、どーも気になって荷造りの手が止まってしまった。 山より道具としては、道具が揃わないと山へは行けない。道具揃えが60%くらいの比重を占めており、山を歩くのは道具を味わい、ついでに体力のチェックと野宿生活術の経験値を増すくらいのこと。まじ困った...行くべきか止めるべきか。繰り返しだが、道具揃えで一つケチが付いて、まぁいいやと安易に片付ける心が山での安全を脅かすのだ。 暫し放心状態であった。が、EPICなBivyにEPICなQuiltでEPICなジャケットというのも芸がないなぁーと無理矢理気持ちの向きを変えるのに成功したようで、再度手を動かし始めた。ジャケットはBackpacking Light PRO 60 Parkaを持つことにした。Pertex Quantum EnduranceシェルのPolarguard Delta化繊綿で濡れには強いだろう。 あー、疲れた。 続いて飯の支度が必要。晩飯は考えるのも面倒なので各回ともα米にフリーズドライのドライカレー具を調合したもの。朝飯は餡パン。行動食は先日サンフランシスコ旅行の土産に頼んだTrader Joe'sのトレールミックスにマーブルチョコをまぶしたモノとカロリーメイトで済ます。湯を沸かすだけで飯が食えるが、湯沸かしは先日作ったCarbob-FeltアルコールストーブではなくエスビットをCalderaCone Stoveで使うことにした。鍋はBPLの550ccである。なぜ固形かというと、高々3,4泊では固形燃料の方が軽いから。アルコールはストーブ本体の重量+アルコール容器の重量が余計に要り、燃料も多めに持つ傾向があり、しかも栓が甘いとアルコールを失ってしまうという危険性を伴っているので雪の季節にはちょと躊躇した。16gの固形燃料を1日2個使えば豪勢な湯沸かしができるのは保障されているし、踏み砕いたところで固形なら燃える。 さて、準備も進んだが外も白んできた。7時新宿のあずさ1号に乗るためには6時には杉並を出ないと間に合わないが?...もー駄目だ。間に合わねー。10/31の予定は10:30くらいにバスで瑞籬山荘前に着き、金峰に登り、大弛を少し越えたあたりで野宿の予定であったのに、もー無理だ。次善の策として、次のバスに間に合う電車で出て金峰山頂泊まりとし、翌日頑張るというのがある。まだ諦めない。 もーこうなってくると小物の選択はいい加減だ。が、やはり発火キットはちゃんとしたい。以前調べたフリント発火棒とTinder Quick+Wet Tinderを用意し、香港モノの小型防水オイルライターを抱き合わせた。ああ、水も!セイシェルを出して来て水道水で通水チェックをしてザックに詰めた。あああ、防水カメラが見つからない。数日前に部屋を片付けて置き場所を変更したのだが敗因だ。しかたがないからGX100を果物緩衝材に押し込んでジップロックに詰めて代用する。あれもこれも、あれもこれもと、ここからの働きは鬼神の如くである。 おっと、足回りも疎かにできない。靴は今回はミドルカットのMontrail Namche、もう半年くらい陰干しにしてあるヤツを玄関に放り投げ、雨雪なのでGore-Texの靴下で防水する。最後の砦にPossum Downのソックスを忘れる訳にはいかない。おっと、MLDのeVent Rain Mittも必需品だった。 てな具合に荷造りが完了したのはもはや絶望的な時間である。高尾山へ行くにしても遅いくらい。次次善の策として、大日小屋辺りまで到達すれば、翌日残業して遅れを取り戻せるだろうか?ええい、ままよ!ザックを担ぎ自転車に飛び乗ってJR駅へ向かった。何とか次次善策の電車には間に合いそうな希望が残っている。とにかく山へ向かわないことには、この努力は水泡に帰す。すでに山行の60%以上の労力は注ぎ込んでいるのだから勿体ない。 ■荷造りの後 しかーし、商店街に差し掛かったとき、嫌なことに気がついた。4日間も駐輪場に置く自転車であるがチェーンロックを担いできていないではないか。長くパパチャリ生活だったから、自転車に鍵は付いていて当然の習慣が抜けきっていないのだ。戻るにしても行って帰って20分のロスでは絶望的だ。次次次善の策は無い。その時!!と閃いた。時計を見ると10時を回っているので100円のお店は開いているだろう。100円屋さんには自転車の鍵が売ってるね!3分でお店に行けて3分で買えればまだ希望はある...前へ前へと進むのだという道具たちの声に後押しされて最後の策に打って出た。勝手知ったる100円屋である、速攻首尾良く鍵を手に入れて、万年満杯の駐輪場の空きをウロウロと探し、総武線に乗り込んで(阿佐ヶ谷は土日は快速が停まらないので)、もう時計は見ない。ひたすらあずさ号が遅れる天佑を待って三鷹で乗換えて立川へ急いだ。立ったドアは階段の前だ、幸先がよい。猛然とダッシュし、こういう時に軽荷はありがたいなとか思いながら階段を駆け上がり、中央本線のホームになだれ込んだ。妙に閑散としたホーム、もうこんな時間だから山行きの人が居ないのは当然と言えば当然、案内板には目指す電車の案内は無い。遅れていることを祈って5分、10分。やっと策が潰えたことを認めるに至った。 ■戦い終わって 策がない訳ではない。韮崎まで電車で行ってタクシーで瑞籬山荘まで行けば良いのである。大日小屋までは届くだろうし、念願の心細い野宿もできる。あの辺は泊まれそうな平地もあったし...が、ふと考えた。こんなにトラブル続きということは心構えというか、非物質的な部分で完全に破綻している。よしんばタクシーを急がせたところで良からぬ事の起きる予感がする。おまいさん、ちょっと落ち着きなよと、私のゴーストがそう囁く。ここは出直すべきだろう。とは言え、帰ればあのダウンの山に埋もれて寝てしまい、明日まで目を覚ますことはあるまい。それと全体行程への影響だ。遅れに遅れて無理に律儀に金峰を踏むとしたら、まるまる1日ロスだから、雲取山までは足がとどかない。それでも金峰か?と自分の心に小一時間問うてみた。ら、飛躍した。今晩じゅうに塩山へ行き、いつかwebで見たタクシー会社の仮眠所に泊まって明日の未明にタクシーを走らせて日の出と共に大弛峠に立っていれば、遅れを取り戻して平然と以降の行程に影響ないことになる。全て丸く収まるというもの。金峰は数年前の残雪季に登り済み。金峰から大弛まで歩けないのは残念だが、また行く機会もあるだろう。大弛まで車で行けばホンの散歩程度で往復できるらしいし。 考えがまとまった。とにかくこのズタズタの状態で行くのは止めにして、時間を調整して仕切り直してユルユルと鈍行列車にでも乗って塩山まで行くことにした。 ■塩山タクシー仮眠所 あれやこれやの後に塩山タクシー仮眠所に着いたのはもうトップリと日も落ちた時刻である。電話で予約しておいたので営業所のオヤジに名前を言うと仮眠所を案内してくれた。タクシー社屋の三階、上がって右の畳の部屋を使ってくれとこのとであった。階段は暗いスイッチは分からない。が、こちとら野宿の装備を持っている。胸から下げた肌身離さずの三点セット(ライト、ナイフ、笛)のライト(PHOTON Freedom Micro Doug Ritter's Limited Edition)を点灯して迷わずドアを右に畳の間に着いた。 畳は...年季が入り滲みもあり、独房チックであることは否めないが、しかし湿ってはいないので痒くならないだろう。タダで泊まれるだけ有り難い。荷を解き寝床をこしらえてから階下に戻りオヤジに酒が買える店を聞くと向かいの自販機だという。コンビニは歩いて7分らしい。面倒なので、どうせ飲んで寝るだけだから向かいの自販機でカップ酒2本を購入して落ち着いた図が1日目の写真である。 こんな写真ばかりですいません... しかしここまで長かった。 タクシーの三階で眠りについことした時だ、手洗いでも済ませようとヘッドライトを付けて向こうの空間に行ってみたら、コンクリ床だが柔道場が開けるくらい広く、奥にトイレ洗面流し台完備、しかも壁際にセミダブル大のソファベットがあるではないか! もちろん即座にシミの畳から引っ越しして独り宴会のやり直し!と言うことで7分のコンビニまで行って酒をとつまみを買い足した。しかし、田舎のコンビニのおでんは買う人も居ないのか、ウインナーなどはこれでもか!と言うほどクタクタに煮込まれており、すっかり脂肪分や燻製っ気が抜け落ちた得体の知れない肉の集合体が皮に包まれているだけな事だけは悲しかった。 ラジオを点けて、ソファに横になって、おでんを食いながらアルパチーノ(アルコール8%柑橘系酒)をのみつつ...わはは愉快!こりゃ明日からは何か良いことありそうだ。こんな写真ばかりですいません。 で、いつしかよく寝た。 翌朝は4:30起き4:45に階下に降り、待っててくれた担当さんと未明のドライブに出た。 大弛峠に行く途中では道に霜が降り滑り易いのでゆっくりしたが、当初話した金額に納まって、時刻も予定した6:00丁度であった。 天気は良いし、曲がり形にも二日目が始る運びとなったのは目出度いことだ。 短縮バージョンではあるがニ泊三日で奥多摩目指して歩き始めた。 たまには道具の名前を列挙しないと、本当に忘れてしまう... 今日も読んだよ、おむつテンテンClickなんてーちー
by ulgoods
| 2009-11-13 00:48
| 山行
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memo
doting on ultralight gears more than mountains...
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