さてigloo構築場所の定であるが、マニュアルに依れば斜面を崩して造成すべしとある。出入り口の設置が楽なためである。が、ここでは足の下に確実に2mの積雪がある、というか斜面に入ると積雪が胸で面倒だったので平地に作ることにした。さて、イグルのサイズを決めなくてはならない。今日中に作って泊まる予定が既に12:30になっている。小さいイグルーの方が圧倒的に少ないブロックで作れる(直径の二乗で効いてくる)のだが、ちょっとデカめの男3人が今夜泊まるつもりで作るのだから、ここは奮発して4人用、直径3mを作ることにする。大きいのを作る練習だからね、小さくまとめてもしょうがない。黙っているとそれなりに寒いので、2人にグルグルと円を描いての整地をお願いし、私は担いできた製造器を組み立てに掛った。スノーシューでは圧雪が足りない気もするが、ツボ足では果てしなく潜るだろうし...完成したイグルーが自重で沈まないかちょっと心配はあるが、不等沈下でなければ入り口を掘り直せばいいか。なんしか、もう作業に掛らねば絶望的だ。
このigloo ice boxによるイグルー作りは、基本的には中心を固定した竿の先に付いた箱に雪を詰めて円を描くようにブロックを置いくことを繰り返す。最初の数個のブロックは傾斜を付けおいて、一周したらその上に乗ってとぐろを巻いて上の段に移ってまた巻いて、巻いて巻いて半球のてっぺんに最後の1個を置いたら完成となる。って、てっぺんには置けないので途中で積み方を変えるのだが、とにかく今は土台になる一段目を丁寧に作らねばならない。しかしフワフアで良い雪。雪を投げ入れてもらって手でぺたぺた叩いて固めるのだが、容積的には4倍くらい必要だろうか。ひたすら雪を投げ入れ、叩いて固めて、枠をずらして進むを繰り返す。雪盛り係もぺたぺた係もすこし汗ばんできた頃、2人の呼吸が餅つきの感じでシンクロしてきた。 二段目に上がるときにちょっと竿の長さを調整するのがミソらしいのだが、ここで過ちに気がついた。一段目を地面に垂直に置いたのだが、本来なら内側に10度以上の傾斜を付けることになっていた。マニュアル通りに竿を短くするとものすごい段差ができてしまう...ぐぐぐ、コレはまずい。仕方がないので、ここを一段目と考えることにして、二段目はごまかしながら積んでいった。破綻しなければよいが。ちょっと心配だが、そんな顔色を悟られないように... とぐろを巻いて作るので下段ほど円周が長く、多くのブロックを要する。日没は17時を想定しているが、どーやら完成しないことは確実なので予め16時の段階で撤収か泊まり込みかを決めることにしてあったのだが、2周半ほど巻いたところでその刻限になってしまった。 実は私、出来上がるものと思って屋根を持って来ていない。他の2人は泊まる用意があるらしい。実はテントを持とうと思っていたのだが...夜の宴会の食材などが嵩んでしまって、どーせ屋根は要らないしとか思い込むことにしてその分の容積と重量をPRIMUS ETA POWERストーブに振り替えてしまっていたのだ。拙い...一応、退却を提案してみたが、多数決で棄却されてしまった。何とか寝床を作らねばならない。どーするULG? 敷物用にビニールのシートがある。シートというか、昨年VBL用に使った全身がすっぽり入る巨大な袋なので、それに入って寝るか、切り開いてシートにして屋根にするか。寝袋は-15度実績のあるMnt.Flyダウン900g入りを持って来ているし、低地のお陰でそんなに冷えていないので、雪にさえ埋まらなければ何とかなるだろう...と思ってザックを取りに戻ったが、ん?目に留ったのは埋もれた小屋。ここの雪を掘って軒先に寝れば屋根の分だけ楽かということに気がついた。他の2人がテントを張り始めた時、私はスコップを振るって雪を掘り始めた。少し掘ってというか、踏みつぶして小屋の軒先に頭を入れて中を覗いてみたが、幸い奥の方は大棟の下に空間が空いていた。 屋根の雪が崩れたら怖いのだが、幸い屋根の雪も固いし、屋根裏は切妻の端面が空いており、いざとなれば梁の間をすり抜けて脱出できそうな気配である。ここで寝るのが良さそうだな。決心を決めて、万が一の屋根雪の崩落に備えて奥の方を寝られる分だけ棚状に掘り出した。ついでなので、庇の下も堀って宴会場とした。なにしろガイドの風間さんがフルスペックの角スコを担いできてくれたので、雪相手に振るうには無敵の掘削能力を発揮する。こちらの作業は捗って、2人がテントを張っている間に寝袋を広げて宴会場にストーブを据え、首尾良く雪を溶かして湯を沸かし始めることができた。 今回の火器はPRIMUS ETA POWERのガス版に、近所のホームセンターで買ったcolemanのプロパン入りregularガス500を二缶持って来た。ガス消費が140g/hだから900gの燃料だと、液出しで低燃費だとしても5時間は燃やし続けられる算段だ。このストーブ、というか、Jetboil的な熱交換機を備えた専用鍋が付いたクッキングシステム、だいぶ前に海外で安かったので買っておいたのだが、グループ向けの重さなので今まで使わずに塩漬けだったのだが、風除けも付いて気化管も付いて液出しできるから冬場には良いだろうと連れてきた。国内版とは異なり、海外版は鍋の蓋がフライパンになる。その辺の鍋の性格に合せて考えた今夜の献立が、おでん。紀文のネタパックを4人前とウインナーソーセージも入れて煮る。次はその残り汁を当てにして餅入りうどん。フライパンではベーコンを焼いて、最後はコンビーフを焦し焼きしながら酒の肴にする予定だ。酒は日本酒を2L担いだので(JOTAROさんに担いでもらった)、別途熱燗用にJETBOILを持って来ている。回りの雪をどんどん投入してお湯を作り、おでんを煮込んで2人の野営準備の完成を待った。が、お腹も減ったし...大きい声で、おーいごはんだよー、って(笑)お袋さんの気分である。テント内じゃないので盛大に湯気を上げて煮込んで待った。 ETA POWERの風除けは確かに機能している。液出しも問題ない。担いできて正解だな。 やがて3人が揃ったので、JETBOILで熱燗を作って乾杯した。きゅーっと胃の腑に染みこむ堪らない。おでん!ハフハフ言わして、鵜が魚を飲み込むように喰らい、口から盛大な蒸気を吐く。外は当然真っ暗、頭上は風が吹きピットに雪も舞うのだが、熱燗おでん、この上なく幸せだ。おでんは直ぐに売り切れたので、残ったつゆに雪を足して沸かし直し、粉の出汁も入れてうどん玉を茹でて、薄切りの餅を投入して煮た。溶けた餅がうどんに絡んで、これも堪りませんな。うどんは4玉に餅は一袋もあるので、心ゆくまで炭水化物を摂取していただく趣向だ。その間もお袋さん役は熱燗を作っては飲ませ、湯の加減を調整し、消えた蝋燭を点け直してと忙しい。うどんの後は風防を外してフライパンモードに切り替えて厚切りベーコンをジュウジュウ焼いた。タンパク質も取らないとね。この頃には日本酒2Lの紙パックも空く目処が付いてきた。ジェットボイルで直接沸かすので、アルコールが飛んで屠蘇みたいな熱燗を飲むのであまり酔わない。翌日に残っても重いだけなのでどんどん食べて飲んでいただく。やっと腹も満たされ、酒も回ってきたところで、コンビーフ缶を開けてフライパンの上を転がし、焼けたところから箸で突っついて食った。体温生成用に油も摂らないとね。コンビーフ焼きの途中で2Lの酒が空いたのでガイドの風間さんが担いできた缶入りの谷川岳という酒をジェットボイルに空けて燗をして飲んだ。このメニュー、おでん、ベーコン、コンビーフはタンパク質と油分で筋肉の補修と睡眠時初期の体温生成用カロリー源として、うどんの炭水化物で夜通し体温維持用の燃料のつもりで食べてもらった。必要な物を腹に詰め込んでもらったし、酒もなくなって寒いので、とっとと寝ることにした。 それぞれ分かれ私は雪の棚に敷いた寝袋に入ったのだが、やはり外で風が吹くと雪が舞い込んで顔に降る。このぶんでは顔がびしょ濡れになるので、向こうを向いて顔に雪が当たらない姿勢キープで寝ることにした。 ああ、新しいマットの具合を見るのも今回の目的だった。前回の北ヤツではダウンマットの不調で寒い夜を送ったので、今回はPacific Outdoor Equipment Peak Oyl Aero Mountain Sleeping Padの短いヤツととRidgerestのやはり短い3/4を持って来た。躯体部分は二重化で足元にはザックとなる。POEのマットは夢の断熱材、AeroGel入りで軽い割にはR-Valueが高いという売り込み文句を信用してみようと思うが、裏切られると夜が辛いのでRidgerestで補強という構成だ。広げて思ったのだが、Aerogelといっても申し訳程度にしか部分部分にしか入っていない手触り。こんなんで利くのか不安だった気持ちもある。 やれやれ、旨い飯は食ったがこんな夜を迎えるとはね。 この稿、さらに続く... 降り積もる 野にも山にも 屍にも ...軒下で寝る心境ULG詠む Click! Thank you!! 次回予告、でけた... #
by ulgoods
| 2010-01-20 23:30
| 山行
東京では情けない程度のミゾレ交じりの雨で初雪宣言がされた頃、群馬の水上(ミナカミ)では、わんさか雪が降っているらしいとLOCUS GEARのJOTAROさんから一報が入った。いよいよ谷川イグルー(igloo)プロジェクト2010の発動である。実は、年末とある飲み会でJOTAROさんに紹介されて知り合った水上にあるラフティング会社ネイチャー・ナビゲーターに所属するガイドの筏漕師こと風間アキラさんが今年から始めた冬場のスノーシューツアーのコースの途中に、どーせなら大きなiglooを作って休憩宿泊場所にしようゼ!ということになっていたので、早速、週末を待っての出動となった。
土曜の未明、杉並でJOTAROさんに拾ってもらい、渋滞もなく快適に車を走らせて(もらって)一気に水上へと突き進む。こっち方面に来るのは久しぶりだ。子供が赤ん坊の頃に託児所があるノルン水上スキー場に何度か来たが、もう10年以上も来ていないだろうか。インターを下りると、やはり期待にそぐわずに、カラカラの東京とは打って変わって重い雪布団をまとった風景に出会うことができた。野山が静かに休んでいる。で、インターすぐにあるネイチャー・ナビゲーターの事務所で風間さんと再会を果たした。冬場は彼一人で留守居役らしい。少し寂しいと言うが、ちょっと羨ましい気もする。雪を握ってみると、ギュッと締まる...太陽は出ていないが、こりゃigloo日和だ。一服してから1台の車で土合駅の駐車所に向かった。 車道を少し歩き、白髪門への登り口を過ぎ、一の倉沢へ向かうトレッキングコースに入った。JOTAROさんと風間さんは先週も一の倉沢までトレッキングし、素晴らしい風景を写真に納めている。できるならそこまで歩いてiglooを構築したいと考えていた。ががが、この一週間降り続いた雪で、踏み込んだコースはスノーシュー履いて股下までの新雪、しかもトレースは無い...初っ端からヘビーなラッセルを強いられることになった。コースは殆ど平坦なのだが、緩い登りに入るとたちまち積雪は胸まで来る。こうなるとスノーシューも足が抜けないから一歩一歩が重労働だ。それぞれ踏み方はあると思うが、私の場合は...雪の中に踏み込み(腰の高さまで足を上げては歩けないからね)膝を折って胸も使って前方の雪を崩してから更に体重を掛けて踏み込むという動作である。踏み込む労力は同じなので大股で歩くことにしている。三人で交代しながら雪の中を半ば泳ぐように道を造っていたが、振り返るとラッセル跡にお客さんが来ていらっしゃった。年配のカップルであるが、お父さんもラッセル部隊に加わっていただくことになった。なんせ、予定の1/3のスピードも出ていない。そのうちもう1カップルが追いついてきて、屈強なお兄さんを得て、合計で男子ラッセル要員5名、女性2人はお客さんというラッセル部隊の構成となった。大汗をかかないように交代しながら、先頭の番が回ってくると決死の覚悟で雪を切り開く。隊列の2番目といえども普通のスノーシューイングと同じくらいの労力で足場を固める必要があり楽ではない。が、さすがに重労働を交代してもらって最後尾にまわると、踏み固められた道を、眼下に流れる川を見ながら歩く余裕が与えられるのである。陽は出ていないし、風も吹き雪も舞ってはいるが、こういう雪深いのも悪くない。こういう景色に会いたくて来たんでしょ!という感じだ。ラッセル先頭は深雪の開拓者な訳だから、名誉ある労働である。 んなわけで写真は無い... 目前にこんもり盛り上がったモノが見えてきた。あれが小屋の屋根だろうとガイド風間氏が言うので、暗黙のうちにそこが目標地点になった。終わりが見えて救われた。予定(前週実績)では30分なのだが、今回はその4倍、2時間チョイを掛けて辿り着いた。30分の4倍だから良いものの、4時間の予定の4倍だと16時間で、殆ど死の雪中行軍となる。しかも今回は比較的平坦だったが、登りが多いと更に時間増加係数はUPすると考えるべきだろう。 小屋は三面板張り構造らしいのだが、何とか屋根の梁だけが見える状態にまで雪に埋まっており、そのままでは小屋の使用は不可能。 そのうち、ガイドツアーの三人、単独のお兄さんなどがトレースを通ってやって来たが、この先は断念して小屋影に雪を掘って風を防いでお茶など始めたりしたので結構賑やかになっている。我々はというと、ここからがお仕事なので休憩も早々に切り上げて近くの空き地の整地作業に取り掛った。今回作成するのは4人用、直径10ft.の大型である。先ずは目見当で直径4mくらいの円を踏み固めた。スノーシューで股まで沈む。横では壺足で雪に溺れかけている人も居たりするくらい。小屋の埋まり具合からして2~3mは積もっているだろう。最初が肝心なので丹念に踏み固めた。のだが、ここまで来て雪質は..上等のパウダーである。踏んでも踏んでも容易には固まらない。滑る系には最適なのだが構築系にとっては一抹の不安が湧く。大丈夫なのか俺たち。小屋の雪を掘って雪洞気分でも良いかな、なんて気もしてきたぞ。 この稿、続く... がんばれ谷川イグルー野郎ども く Click! Thank you!! 予告、現地泊での宴会風景... #
by ulgoods
| 2010-01-19 07:05
| 山行
以前、雑誌記事に出させてもらったときに多数のLEDランタンを触る機会を得たが、一人用程度の狭いテントで補助光として身の回りを照らすだけなら小さなLEDランタンの方が眩し過ぎずに塩梅よさげな印象を持った。しかも電球色のLEDの方が暖かみがあって個人的には落ち着いて好ましく、記事中で欲しいもの第1位に押したパナソニック製の軽量LEDランタンを購入したのだが、明るさの切り替えができなくていいとか、そんなに長時間保たなくても良いとか削っていくと、100均で売っているLEDライトをチョチョっとやれば何とかなるくらいの慎ましい気持ちになってきた。
欲しいのは ・電球色であること ・防水であること ・お安いこと ・もちろん最軽量であること である。 で、電球色LEDは探してみたら案外安価に手に入るので、導電糸を買うついでに数個頼んでみた。LEDを点けるのも電流制限抵抗など噛ませるのが本筋のようで、ちょっとググると調光回路なども得られるのだが、100円モノは電池から直接LEDで接触でON/OFFを制御するという小学3年生理科の豆電球的な単純な仕組みでも実用になっているので、その辺には凝らないことにした。 ライト本体は100均の適当なヤツ、スイッチ固定ができる物にした。 CR2016が2個付いて100円...電池自体を買うより安い。付いてくるのは寿命が短い評価用電池なんだろう。ちゃんとした電池を入れると30時間とあるから、1日3時間程度の点灯で10泊もできて普通そんなに泊まらないから過分に充分だ。1、2泊程度ならちゃんとした電池でなくても充分だろう。電池が切れそうだったらまた百円でライトを買えば安く済むし、これの電池が切れてもヘッドライトがあるから基本の生活には支障ない。 これはネジ止めなので、組み立て分解が簡単そうだった。 LEDにも光度、指向角など種類がある。ランタンに使うならビーム照射じゃなくて広域に照らして欲しいので指向角が広い方が良いようだが、角が広いのは光度が低い。これは、元々の発光量の違いなのか、ビームを絞って集光有り無しのことかよく分からなかったので2種類取り寄せてみた。 ■日亜化学工業 NSPL500S φ5電球色LED 標準輝度:6400mcd 指向特性:15deg 順電圧:3.6V(If=20mA) 最大順電流:30mA ■日亜化学工業 NSPL510DS φ5電球色LED 標準光度:4700mcd 指向角:50° 順電圧:3.2~3.5V 順電流:20mA 取り出した電池で点けてみた。これはNSPL500で指向角15度のもの。 工作は簡単。LEDライトの移植だけである。が、LEDの足の微妙な接触でスイッチON/OFFしているので、電気的と言うより針金細工的に少し調整が必要であった。それとLEDの砲弾型の底に付いているコバの厚みが微妙に違うようだったが、そこは無理矢理押し込むことで解決させた。 LEDは2種類を試したが、やはり指向角が広いモノが良さそうだったが、これで完成とするにはまだ早い。防水性と防眩性を付加しなくては芸がなさ過ぎる。 最初、防水と光の拡散を狙ってフィルムの空きケースに入れてみたのだが、どーもケースの底から少し離れた位置に固定しないと、あまり拡散の効果がない感じだし重量も嵩む。スイッチの度に蓋の開け閉めも面倒で、ちょっと満足度に欠ける仕上がりだったので、何か無いかな..と見渡したら、ありました良さそうなモノ。 100均のゴム手袋。良く伸び破れにくい天然ゴム手袋と書いている。年末に換気扇でも掃除しようと買ってあった物だ。ゴムを伸ばして光を透過させてみたら、フィルムケースより調子が良さそうだったので、指の部分を切り取ってライトを入れて縛ってみた。 直視したときの眩しさはだいぶ軽減されたし、光の拡散も促進されている。スイッチのON/OFF性も損なわれていない。きつく縛ってあるから防水性もある。コップに入れておいたが水漏れは無いようだ。 最後に尻尾の結び目に糸か輪ゴムでも付けておけば吊るしたりするのに便利だろう。 で、こいつ、なんしか軽い。これで8gだ!パナのランタンが77gだったから69gもお得!2oz.の軽量化を300円以内で達成したのだから優秀である。 明るさ的にも真っ暗なところで70cmくらい離れて単行本の文字を追うくらいは大丈夫だった。パナのLEDランタンよりは暗いけど、昔使っていたUCOのキャンドルランタンよりは明るい。 やっぱ暗かったら、2個を背中合せで詰め込んで個別にスイッチ操作すれば強弱の切り替えもできる。それでも16gだ。 ちょっと連続点灯のテストをして保つようだったら合格。 蝋燭と比べても詫び寂び感で劣っていないし...これで充分だな。 当初の構想よりだいぶ簡略化したが、結構使えそう こちらもクリっと Click! Thank you!! #
by ulgoods
| 2010-01-12 07:08
| エレキ系
Mountain Laurel DesignsのPatrol Shelter、しかもレアなCuben Fiber版だ!
昨年の暮れにzzz_bearさんから珍しい幕が手に入ったからと聞き、張り具合など確かめたくてチョトお願いし借り出したのだが、なかなか張る機会に恵まれずにいた。先日、香港モノのUltralight "e" Hook Windproof Titanium Stakeも来たので併せて今年の初張りを行った次第。 ■Patrol Shelter このShelterはJardine-style tarpのようにBeak(くちばし)を持った形状であるが、軽量化のために後方は絞ってあり、しかも耐候性が高まるよう後の端はBeakではなく三角形の布地で閉鎖されている。Shelterと言っているが、タープとシェルターの中間を狙った感じである。 寸法は、 Front Width: Adjustable 4.5 - 5.5’ Rear Triangle: 34” Wide X 25” Tall Baseline Length: 8’ Ridgeline Length: 8.5’ w/o beak Rear Wall Width: 34” Each Side Front Wall Width: 42” Each Side Height: Adjustable 30” - 48” (36” with tight ground level pitch) で、少し小振り。後部を閉鎖しているので、その分長さを短縮できる効果がある。 Tarpを設計する場合どの程度の広さが必要か?という問題を解決する指針としては、タープの四辺から45度の角度で地面までの空間は風雨が干渉するので除外して、残った地面&そこから45度で広がる空間を居住区域とする考え方がある。後縁が閉鎖されていればそこは45度の縛りから解放されるので、後縁の高さをどのように取っても余分な庇を取らずに長さ方向を短縮できるという訳だ。同社のGrace Solo Spinntex EXPなどもリッジライン長は8.5'なので、Patrol Shelterは後縁方向に潜り込めば耐候性がUPしていると考えて良いだろう。これはサイズ的には、おおよそ5ヤードの布地があれば作成可能と思われる。 後端が固定の形状なので制約を受けてTarp並の張り方のバリエーションはとれず、せいぜい高さを変えることくらいとなる。後端だけ見ればGossamer GearのSpinnShelterと似ているが、SpinnShelterはベルクロが仕込んであって換気や変形張りのための開閉が利くことになっているが、Patrol Shelterの方が前部が開放的な作りだから換気不足による結露の心配が少なく、調整の余地の無い固定端面でも問題ないのかもしれない。 重量・価格的にはSilnylon製が 11 oz.で$150のところ、Spectralite.60(Cuben Fiber)では 6.5oz(184g、実測189g)と4.5oz.(128g)の軽量化を果たすも価格は$305と跳ね上がる。かつて100gの軽量化に$100掛る(ドルが120円台の頃の感覚)覚悟からすれば納得すべき範囲内の重量・価格比なのだが、MLDは店主のRonさんが一人で切り盛りしており、この手の幕は注文してから手にするまで1ヶ月といったところだろうか?zzz_bearさんは運良くUSEDな出物を見つけて手に入れたらしい。待たなくて済むなら価格が少々アレでもついつい手が出てしまうかも。 張った印象だが、ガイラインを張るLineLoc Tensionerは9箇所付いている。それぞれが自由度を持つのでキレイに張るのは少し手間だ。後縁がFixとは言へ特にそれによって張りやすくなった感じは少なく、後ろの三角形が作る角度に合わせないと側面のシワと稜線の懸垂曲線の曲がり具合(懸垂曲線ものは開く角度が仮定されているので皆同様だが)、ならびにBeakの尖り具合が変わってくるので、私としてはやりにくい部類だった。風の強い状況で一人で張るのはチョト難儀しそう。通常は後縁を地ベタに貼り付け、前部は高めに張る(そーしないと出入りできないし)。耐風モードでは前部も地ベタに貼り付けるスタイルも取れるが、出入りが辛い。たぶんサイドからころがりこむのだろうが、高さがないので内部ではBivy並の寝たきりを強いられる。頂点部分を座った高さにセットするにしても、せっかく耐候性を高める意図なのだが実は生活空間は前部寄りにならざるを得ない。 まー、Sierraの夏などは、これと蚊帳をセットにすれば快適に過ごせそうだ。突然のストームの際は低く張ってやり過ごす。日本では使い勝手はどうだろう。オーナーのzzz_bearさんに頑張っていただきたいところ。 この手のTarpとShelterの中間を狙ったモノとして、以前MFD(Mnt.Fuji Designs)の亀の子タープ(Chelonian Tarp)を2007/10/13に書いたが、Chelonian Tarpも重量削減のために後縁を絞ったtrapezoidであり、パトとの違いはサイドリフターによって居住性を高める工夫がしてあった。 Chelonian Tarpも2008年の土屋氏のJMT Thru Hikeで使われたが、耐風性と居住性共に充分に用を為したと聞いている。Chelonian Tarpは敢えてリッジラインに縫い目を作らない&生地を有効に使う戦略であり張り方のバリエーションも出てくるので、カテナリカーブでなくても良いと思っている。 亀の子をCubenで作れば...と、初妄想。 最近のCuben系のシェルターは他には見ていないが、このCuben Fiberの幕には接合に粘着テープが多用されている。 Cuben Tapeと言うもので3Mから発売されており、Tyvekにも使えるようだ。確か、片面と両面があった筈で、力が掛かる場所などでは針穴を開けなくて済むので針穴からの破れを防止でき、しかも別途針穴からの防水のための目止めが不要である。接着力は強力で縫製と遜色ないと聞いている。Tyvekの場合は、接着の剥がれよりも素材自体の剥離が起こるのは海外からのTyvek封筒の開封時に体験した人も多いと思う。Cubenでも剥離は起こるかもしれない。 その他、ポール受けの対摩擦性の強そうな補強材も接着されている。 コレで保つなら針穴を開けないのは精神的に救われる。 今年はCuben Fiberは従来の貴重品から普及品とまではいかないが低価格の製品が出てきているので広まるような予感だ。国内ではローカスギアが非常に美しいKhufu Cuben / クフ・キューベン シェルターを発表しているし、海外でもZPacks.comがCuben製の低価格な幕を出す予定と聞いている。 ■Ultralight "e" Hook Windproof Titanium Stake 昨年からちょこちょこ買っているeBayの香港のお店を久々に覗いたら面白いペグが売っていたので取り寄せてみた。6本入り、しかも多用途に使えそうなケースも付いて$12でお安い。 これはペグの頭が見慣れたU字型でなくe型になっている。ペグはガイラインの引っぱられる方向に90度で打つ&綱を地面の方に掛けるべしと言われているが、風で揺れると綱が頭部にずり上がり、回転に抵抗しない棒状のペグでは180度回転してガイラインが抜けてしまう事があった。頭部をe型にすることによって抜けを防止するこのアイディアはすばらしいと思う。私の感覚ではガイラインに90度より少し大きな角度で打てば、引っぱり力の分力でペグが刺さる方向に力を利用できるのだが、下向きの力が掛かっても綱が抜けないeペグを使えばそういうことも可能になる。 OEM品の流出なのか独自の製品なのかは不明だが、単なる安価な下請け工場ではなく、工夫も盛り込まれてきているのは今後の注目に値すると思う。 ことしもよろしく Click! Thank you!! #
by ulgoods
| 2010-01-03 17:52
| 宿泊系
|
memo
doting on ultralight gears more than mountains...
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