谷川イグルー構築 その2

さてigloo構築場所の定であるが、マニュアルに依れば斜面を崩して造成すべしとある。出入り口の設置が楽なためである。が、ここでは足の下に確実に2mの積雪がある、というか斜面に入ると積雪が胸で面倒だったので平地に作ることにした。さて、イグルのサイズを決めなくてはならない。今日中に作って泊まる予定が既に12:30になっている。小さいイグルーの方が圧倒的に少ないブロックで作れる(直径の二乗で効いてくる)のだが、ちょっとデカめの男3人が今夜泊まるつもりで作るのだから、ここは奮発して4人用、直径3mを作ることにする。大きいのを作る練習だからね、小さくまとめてもしょうがない。黙っているとそれなりに寒いので、2人にグルグルと円を描いての整地をお願いし、私は担いできた製造器を組み立てに掛った。スノーシューでは圧雪が足りない気もするが、ツボ足では果てしなく潜るだろうし...完成したイグルーが自重で沈まないかちょっと心配はあるが、不等沈下でなければ入り口を掘り直せばいいか。なんしか、もう作業に掛らねば絶望的だ。

このigloo ice boxによるイグルー作りは、基本的には中心を固定した竿の先に付いた箱に雪を詰めて円を描くようにブロックを置いくことを繰り返す。最初の数個のブロックは傾斜を付けおいて、一周したらその上に乗ってとぐろを巻いて上の段に移ってまた巻いて、巻いて巻いて半球のてっぺんに最後の1個を置いたら完成となる。って、てっぺんには置けないので途中で積み方を変えるのだが、とにかく今は土台になる一段目を丁寧に作らねばならない。しかしフワフアで良い雪。雪を投げ入れてもらって手でぺたぺた叩いて固めるのだが、容積的には4倍くらい必要だろうか。ひたすら雪を投げ入れ、叩いて固めて、枠をずらして進むを繰り返す。雪盛り係もぺたぺた係もすこし汗ばんできた頃、2人の呼吸が餅つきの感じでシンクロしてきた。
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二段目に上がるときにちょっと竿の長さを調整するのがミソらしいのだが、ここで過ちに気がついた。一段目を地面に垂直に置いたのだが、本来なら内側に10度以上の傾斜を付けることになっていた。マニュアル通りに竿を短くするとものすごい段差ができてしまう...ぐぐぐ、コレはまずい。仕方がないので、ここを一段目と考えることにして、二段目はごまかしながら積んでいった。破綻しなければよいが。ちょっと心配だが、そんな顔色を悟られないように...
とぐろを巻いて作るので下段ほど円周が長く、多くのブロックを要する。日没は17時を想定しているが、どーやら完成しないことは確実なので予め16時の段階で撤収か泊まり込みかを決めることにしてあったのだが、2周半ほど巻いたところでその刻限になってしまった。
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実は私、出来上がるものと思って屋根を持って来ていない。他の2人は泊まる用意があるらしい。実はテントを持とうと思っていたのだが...夜の宴会の食材などが嵩んでしまって、どーせ屋根は要らないしとか思い込むことにしてその分の容積と重量をPRIMUS ETA POWERストーブに振り替えてしまっていたのだ。拙い...一応、退却を提案してみたが、多数決で棄却されてしまった。何とか寝床を作らねばならない。どーするULG?
敷物用にビニールのシートがある。シートというか、昨年VBL用に使った全身がすっぽり入る巨大な袋なので、それに入って寝るか、切り開いてシートにして屋根にするか。寝袋は-15度実績のあるMnt.Flyダウン900g入りを持って来ているし、低地のお陰でそんなに冷えていないので、雪にさえ埋まらなければ何とかなるだろう...と思ってザックを取りに戻ったが、ん?目に留ったのは埋もれた小屋。ここの雪を掘って軒先に寝れば屋根の分だけ楽かということに気がついた。他の2人がテントを張り始めた時、私はスコップを振るって雪を掘り始めた。少し掘ってというか、踏みつぶして小屋の軒先に頭を入れて中を覗いてみたが、幸い奥の方は大棟の下に空間が空いていた。
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屋根の雪が崩れたら怖いのだが、幸い屋根の雪も固いし、屋根裏は切妻の端面が空いており、いざとなれば梁の間をすり抜けて脱出できそうな気配である。ここで寝るのが良さそうだな。決心を決めて、万が一の屋根雪の崩落に備えて奥の方を寝られる分だけ棚状に掘り出した。ついでなので、庇の下も堀って宴会場とした。なにしろガイドの風間さんがフルスペックの角スコを担いできてくれたので、雪相手に振るうには無敵の掘削能力を発揮する。こちらの作業は捗って、2人がテントを張っている間に寝袋を広げて宴会場にストーブを据え、首尾良く雪を溶かして湯を沸かし始めることができた。

今回の火器はPRIMUS ETA POWERのガス版に、近所のホームセンターで買ったcolemanのプロパン入りregularガス500を二缶持って来た。ガス消費が140g/hだから900gの燃料だと、液出しで低燃費だとしても5時間は燃やし続けられる算段だ。このストーブ、というか、Jetboil的な熱交換機を備えた専用鍋が付いたクッキングシステム、だいぶ前に海外で安かったので買っておいたのだが、グループ向けの重さなので今まで使わずに塩漬けだったのだが、風除けも付いて気化管も付いて液出しできるから冬場には良いだろうと連れてきた。国内版とは異なり、海外版は鍋の蓋がフライパンになる。その辺の鍋の性格に合せて考えた今夜の献立が、おでん。紀文のネタパックを4人前とウインナーソーセージも入れて煮る。次はその残り汁を当てにして餅入りうどん。フライパンではベーコンを焼いて、最後はコンビーフを焦し焼きしながら酒の肴にする予定だ。酒は日本酒を2L担いだので(JOTAROさんに担いでもらった)、別途熱燗用にJETBOILを持って来ている。回りの雪をどんどん投入してお湯を作り、おでんを煮込んで2人の野営準備の完成を待った。が、お腹も減ったし...大きい声で、おーいごはんだよー、って(笑)お袋さんの気分である。テント内じゃないので盛大に湯気を上げて煮込んで待った。
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ETA POWERの風除けは確かに機能している。液出しも問題ない。担いできて正解だな。
やがて3人が揃ったので、JETBOILで熱燗を作って乾杯した。きゅーっと胃の腑に染みこむ堪らない。おでん!ハフハフ言わして、鵜が魚を飲み込むように喰らい、口から盛大な蒸気を吐く。外は当然真っ暗、頭上は風が吹きピットに雪も舞うのだが、熱燗おでん、この上なく幸せだ。おでんは直ぐに売り切れたので、残ったつゆに雪を足して沸かし直し、粉の出汁も入れてうどん玉を茹でて、薄切りの餅を投入して煮た。溶けた餅がうどんに絡んで、これも堪りませんな。うどんは4玉に餅は一袋もあるので、心ゆくまで炭水化物を摂取していただく趣向だ。その間もお袋さん役は熱燗を作っては飲ませ、湯の加減を調整し、消えた蝋燭を点け直してと忙しい。うどんの後は風防を外してフライパンモードに切り替えて厚切りベーコンをジュウジュウ焼いた。タンパク質も取らないとね。この頃には日本酒2Lの紙パックも空く目処が付いてきた。ジェットボイルで直接沸かすので、アルコールが飛んで屠蘇みたいな熱燗を飲むのであまり酔わない。翌日に残っても重いだけなのでどんどん食べて飲んでいただく。やっと腹も満たされ、酒も回ってきたところで、コンビーフ缶を開けてフライパンの上を転がし、焼けたところから箸で突っついて食った。体温生成用に油も摂らないとね。コンビーフ焼きの途中で2Lの酒が空いたのでガイドの風間さんが担いできた缶入りの谷川岳という酒をジェットボイルに空けて燗をして飲んだ。このメニュー、おでん、ベーコン、コンビーフはタンパク質と油分で筋肉の補修と睡眠時初期の体温生成用カロリー源として、うどんの炭水化物で夜通し体温維持用の燃料のつもりで食べてもらった。必要な物を腹に詰め込んでもらったし、酒もなくなって寒いので、とっとと寝ることにした。

それぞれ分かれ私は雪の棚に敷いた寝袋に入ったのだが、やはり外で風が吹くと雪が舞い込んで顔に降る。このぶんでは顔がびしょ濡れになるので、向こうを向いて顔に雪が当たらない姿勢キープで寝ることにした。
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ああ、新しいマットの具合を見るのも今回の目的だった。前回の北ヤツではダウンマットの不調で寒い夜を送ったので、今回はPacific Outdoor Equipment Peak Oyl Aero Mountain Sleeping Padの短いヤツととRidgerestのやはり短い3/4を持って来た。躯体部分は二重化で足元にはザックとなる。POEのマットは夢の断熱材、AeroGel入りで軽い割にはR-Valueが高いという売り込み文句を信用してみようと思うが、裏切られると夜が辛いのでRidgerestで補強という構成だ。広げて思ったのだが、Aerogelといっても申し訳程度にしか部分部分にしか入っていない手触り。こんなんで利くのか不安だった気持ちもある。

やれやれ、旨い飯は食ったがこんな夜を迎えるとはね。


この稿、さらに続く...


降り積もる 野にも山にも 屍にも ...軒下で寝る心境ULG詠む Click! Thank you!!


次回予告、でけた...
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# by ulgoods | 2010-01-20 23:30 | 山行

谷川イグルー構築 その1

東京では情けない程度のミゾレ交じりの雨で初雪宣言がされた頃、群馬の水上(ミナカミ)では、わんさか雪が降っているらしいとLOCUS GEARのJOTAROさんから一報が入った。いよいよ谷川イグルー(igloo)プロジェクト2010の発動である。実は、年末とある飲み会でJOTAROさんに紹介されて知り合った水上にあるラフティング会社ネイチャー・ナビゲーターに所属するガイドの筏漕師こと風間アキラさんが今年から始めた冬場のスノーシューツアーのコースの途中に、どーせなら大きなiglooを作って休憩宿泊場所にしようゼ!ということになっていたので、早速、週末を待っての出動となった。
土曜の未明、杉並でJOTAROさんに拾ってもらい、渋滞もなく快適に車を走らせて(もらって)一気に水上へと突き進む。こっち方面に来るのは久しぶりだ。子供が赤ん坊の頃に託児所があるノルン水上スキー場に何度か来たが、もう10年以上も来ていないだろうか。インターを下りると、やはり期待にそぐわずに、カラカラの東京とは打って変わって重い雪布団をまとった風景に出会うことができた。野山が静かに休んでいる。で、インターすぐにあるネイチャー・ナビゲーターの事務所で風間さんと再会を果たした。冬場は彼一人で留守居役らしい。少し寂しいと言うが、ちょっと羨ましい気もする。雪を握ってみると、ギュッと締まる...太陽は出ていないが、こりゃigloo日和だ。一服してから1台の車で土合駅の駐車所に向かった。

車道を少し歩き、白髪門への登り口を過ぎ、一の倉沢へ向かうトレッキングコースに入った。JOTAROさんと風間さんは先週も一の倉沢までトレッキングし、素晴らしい風景を写真に納めている。できるならそこまで歩いてiglooを構築したいと考えていた。ががが、この一週間降り続いた雪で、踏み込んだコースはスノーシュー履いて股下までの新雪、しかもトレースは無い...初っ端からヘビーなラッセルを強いられることになった。コースは殆ど平坦なのだが、緩い登りに入るとたちまち積雪は胸まで来る。こうなるとスノーシューも足が抜けないから一歩一歩が重労働だ。それぞれ踏み方はあると思うが、私の場合は...雪の中に踏み込み(腰の高さまで足を上げては歩けないからね)膝を折って胸も使って前方の雪を崩してから更に体重を掛けて踏み込むという動作である。踏み込む労力は同じなので大股で歩くことにしている。三人で交代しながら雪の中を半ば泳ぐように道を造っていたが、振り返るとラッセル跡にお客さんが来ていらっしゃった。年配のカップルであるが、お父さんもラッセル部隊に加わっていただくことになった。なんせ、予定の1/3のスピードも出ていない。そのうちもう1カップルが追いついてきて、屈強なお兄さんを得て、合計で男子ラッセル要員5名、女性2人はお客さんというラッセル部隊の構成となった。大汗をかかないように交代しながら、先頭の番が回ってくると決死の覚悟で雪を切り開く。隊列の2番目といえども普通のスノーシューイングと同じくらいの労力で足場を固める必要があり楽ではない。が、さすがに重労働を交代してもらって最後尾にまわると、踏み固められた道を、眼下に流れる川を見ながら歩く余裕が与えられるのである。陽は出ていないし、風も吹き雪も舞ってはいるが、こういう雪深いのも悪くない。こういう景色に会いたくて来たんでしょ!という感じだ。ラッセル先頭は深雪の開拓者な訳だから、名誉ある労働である。
んなわけで写真は無い...

目前にこんもり盛り上がったモノが見えてきた。あれが小屋の屋根だろうとガイド風間氏が言うので、暗黙のうちにそこが目標地点になった。終わりが見えて救われた。予定(前週実績)では30分なのだが、今回はその4倍、2時間チョイを掛けて辿り着いた。30分の4倍だから良いものの、4時間の予定の4倍だと16時間で、殆ど死の雪中行軍となる。しかも今回は比較的平坦だったが、登りが多いと更に時間増加係数はUPすると考えるべきだろう。

小屋は三面板張り構造らしいのだが、何とか屋根の梁だけが見える状態にまで雪に埋まっており、そのままでは小屋の使用は不可能。
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そのうち、ガイドツアーの三人、単独のお兄さんなどがトレースを通ってやって来たが、この先は断念して小屋影に雪を掘って風を防いでお茶など始めたりしたので結構賑やかになっている。我々はというと、ここからがお仕事なので休憩も早々に切り上げて近くの空き地の整地作業に取り掛った。今回作成するのは4人用、直径10ft.の大型である。先ずは目見当で直径4mくらいの円を踏み固めた。スノーシューで股まで沈む。横では壺足で雪に溺れかけている人も居たりするくらい。小屋の埋まり具合からして2~3mは積もっているだろう。最初が肝心なので丹念に踏み固めた。のだが、ここまで来て雪質は..上等のパウダーである。踏んでも踏んでも容易には固まらない。滑る系には最適なのだが構築系にとっては一抹の不安が湧く。大丈夫なのか俺たち。小屋の雪を掘って雪洞気分でも良いかな、なんて気もしてきたぞ。

この稿、続く...



がんばれ谷川イグルー野郎ども く Click! Thank you!!
予告、現地泊での宴会風景...
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# by ulgoods | 2010-01-19 07:05 | 山行

イグルー構築中

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昨日に引き続き作業開始。
天候雪、時折風つよし
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# by ulgoods | 2010-01-17 09:02

100Yen電球色LEDランタン

以前、雑誌記事に出させてもらったときに多数のLEDランタンを触る機会を得たが、一人用程度の狭いテントで補助光として身の回りを照らすだけなら小さなLEDランタンの方が眩し過ぎずに塩梅よさげな印象を持った。しかも電球色のLEDの方が暖かみがあって個人的には落ち着いて好ましく、記事中で欲しいもの第1位に押したパナソニック製の軽量LEDランタンを購入したのだが、明るさの切り替えができなくていいとか、そんなに長時間保たなくても良いとか削っていくと、100均で売っているLEDライトをチョチョっとやれば何とかなるくらいの慎ましい気持ちになってきた。
欲しいのは
・電球色であること
・防水であること
・お安いこと
・もちろん最軽量であること
である。
で、電球色LEDは探してみたら案外安価に手に入るので、導電糸を買うついでに数個頼んでみた。LEDを点けるのも電流制限抵抗など噛ませるのが本筋のようで、ちょっとググると調光回路なども得られるのだが、100円モノは電池から直接LEDで接触でON/OFFを制御するという小学3年生理科の豆電球的な単純な仕組みでも実用になっているので、その辺には凝らないことにした。

ライト本体は100均の適当なヤツ、スイッチ固定ができる物にした。
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CR2016が2個付いて100円...電池自体を買うより安い。付いてくるのは寿命が短い評価用電池なんだろう。ちゃんとした電池を入れると30時間とあるから、1日3時間程度の点灯で10泊もできて普通そんなに泊まらないから過分に充分だ。1、2泊程度ならちゃんとした電池でなくても充分だろう。電池が切れそうだったらまた百円でライトを買えば安く済むし、これの電池が切れてもヘッドライトがあるから基本の生活には支障ない。
これはネジ止めなので、組み立て分解が簡単そうだった。

LEDにも光度、指向角など種類がある。ランタンに使うならビーム照射じゃなくて広域に照らして欲しいので指向角が広い方が良いようだが、角が広いのは光度が低い。これは、元々の発光量の違いなのか、ビームを絞って集光有り無しのことかよく分からなかったので2種類取り寄せてみた。
■日亜化学工業 NSPL500S
φ5電球色LED
標準輝度:6400mcd 指向特性:15deg
順電圧:3.6V(If=20mA) 最大順電流:30mA

■日亜化学工業 NSPL510DS
φ5電球色LED
標準光度:4700mcd 指向角:50°
順電圧:3.2~3.5V 順電流:20mA

取り出した電池で点けてみた。これはNSPL500で指向角15度のもの。
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工作は簡単。LEDライトの移植だけである。が、LEDの足の微妙な接触でスイッチON/OFFしているので、電気的と言うより針金細工的に少し調整が必要であった。それとLEDの砲弾型の底に付いているコバの厚みが微妙に違うようだったが、そこは無理矢理押し込むことで解決させた。
LEDは2種類を試したが、やはり指向角が広いモノが良さそうだったが、これで完成とするにはまだ早い。防水性と防眩性を付加しなくては芸がなさ過ぎる。

最初、防水と光の拡散を狙ってフィルムの空きケースに入れてみたのだが、どーもケースの底から少し離れた位置に固定しないと、あまり拡散の効果がない感じだし重量も嵩む。スイッチの度に蓋の開け閉めも面倒で、ちょっと満足度に欠ける仕上がりだったので、何か無いかな..と見渡したら、ありました良さそうなモノ。
100均のゴム手袋。良く伸び破れにくい天然ゴム手袋と書いている。年末に換気扇でも掃除しようと買ってあった物だ。ゴムを伸ばして光を透過させてみたら、フィルムケースより調子が良さそうだったので、指の部分を切り取ってライトを入れて縛ってみた。
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直視したときの眩しさはだいぶ軽減されたし、光の拡散も促進されている。スイッチのON/OFF性も損なわれていない。きつく縛ってあるから防水性もある。コップに入れておいたが水漏れは無いようだ。
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最後に尻尾の結び目に糸か輪ゴムでも付けておけば吊るしたりするのに便利だろう。

で、こいつ、なんしか軽い。これで8gだ!パナのランタンが77gだったから69gもお得!2oz.の軽量化を300円以内で達成したのだから優秀である。
明るさ的にも真っ暗なところで70cmくらい離れて単行本の文字を追うくらいは大丈夫だった。パナのLEDランタンよりは暗いけど、昔使っていたUCOのキャンドルランタンよりは明るい。
やっぱ暗かったら、2個を背中合せで詰め込んで個別にスイッチ操作すれば強弱の切り替えもできる。それでも16gだ。
ちょっと連続点灯のテストをして保つようだったら合格。

蝋燭と比べても詫び寂び感で劣っていないし...これで充分だな。
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当初の構想よりだいぶ簡略化したが、結構使えそう
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# by ulgoods | 2010-01-12 07:08 | エレキ系

MLD Patrol Shelter & "e" Hook Titanium Stake

Mountain Laurel DesignsのPatrol Shelter、しかもレアなCuben Fiber版だ!
昨年の暮れにzzz_bearさんから珍しい幕が手に入ったからと聞き、張り具合など確かめたくてチョトお願いし借り出したのだが、なかなか張る機会に恵まれずにいた。先日、香港モノのUltralight "e" Hook Windproof Titanium Stakeも来たので併せて今年の初張りを行った次第。

■Patrol Shelter
このShelterはJardine-style tarpのようにBeak(くちばし)を持った形状であるが、軽量化のために後方は絞ってあり、しかも耐候性が高まるよう後の端はBeakではなく三角形の布地で閉鎖されている。Shelterと言っているが、タープとシェルターの中間を狙った感じである。
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寸法は、
Front Width: Adjustable 4.5 - 5.5’
Rear Triangle: 34” Wide X 25” Tall
Baseline Length: 8’
Ridgeline Length: 8.5’ w/o beak
Rear Wall Width: 34” Each Side
Front Wall Width: 42” Each Side
Height: Adjustable 30” - 48” (36” with tight ground level pitch)
で、少し小振り。後部を閉鎖しているので、その分長さを短縮できる効果がある。

Tarpを設計する場合どの程度の広さが必要か?という問題を解決する指針としては、タープの四辺から45度の角度で地面までの空間は風雨が干渉するので除外して、残った地面&そこから45度で広がる空間を居住区域とする考え方がある。後縁が閉鎖されていればそこは45度の縛りから解放されるので、後縁の高さをどのように取っても余分な庇を取らずに長さ方向を短縮できるという訳だ。同社のGrace Solo Spinntex EXPなどもリッジライン長は8.5'なので、Patrol Shelterは後縁方向に潜り込めば耐候性がUPしていると考えて良いだろう。これはサイズ的には、おおよそ5ヤードの布地があれば作成可能と思われる。

後端が固定の形状なので制約を受けてTarp並の張り方のバリエーションはとれず、せいぜい高さを変えることくらいとなる。後端だけ見ればGossamer GearのSpinnShelterと似ているが、SpinnShelterはベルクロが仕込んであって換気や変形張りのための開閉が利くことになっているが、Patrol Shelterの方が前部が開放的な作りだから換気不足による結露の心配が少なく、調整の余地の無い固定端面でも問題ないのかもしれない。

重量・価格的にはSilnylon製が 11 oz.で$150のところ、Spectralite.60(Cuben Fiber)では 6.5oz(184g、実測189g)と4.5oz.(128g)の軽量化を果たすも価格は$305と跳ね上がる。かつて100gの軽量化に$100掛る(ドルが120円台の頃の感覚)覚悟からすれば納得すべき範囲内の重量・価格比なのだが、MLDは店主のRonさんが一人で切り盛りしており、この手の幕は注文してから手にするまで1ヶ月といったところだろうか?zzz_bearさんは運良くUSEDな出物を見つけて手に入れたらしい。待たなくて済むなら価格が少々アレでもついつい手が出てしまうかも。
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張った印象だが、ガイラインを張るLineLoc Tensionerは9箇所付いている。それぞれが自由度を持つのでキレイに張るのは少し手間だ。後縁がFixとは言へ特にそれによって張りやすくなった感じは少なく、後ろの三角形が作る角度に合わせないと側面のシワと稜線の懸垂曲線の曲がり具合(懸垂曲線ものは開く角度が仮定されているので皆同様だが)、ならびにBeakの尖り具合が変わってくるので、私としてはやりにくい部類だった。風の強い状況で一人で張るのはチョト難儀しそう。通常は後縁を地ベタに貼り付け、前部は高めに張る(そーしないと出入りできないし)。耐風モードでは前部も地ベタに貼り付けるスタイルも取れるが、出入りが辛い。たぶんサイドからころがりこむのだろうが、高さがないので内部ではBivy並の寝たきりを強いられる。頂点部分を座った高さにセットするにしても、せっかく耐候性を高める意図なのだが実は生活空間は前部寄りにならざるを得ない。
まー、Sierraの夏などは、これと蚊帳をセットにすれば快適に過ごせそうだ。突然のストームの際は低く張ってやり過ごす。日本では使い勝手はどうだろう。オーナーのzzz_bearさんに頑張っていただきたいところ。

この手のTarpとShelterの中間を狙ったモノとして、以前MFD(Mnt.Fuji Designs)の亀の子タープ(Chelonian Tarp)を2007/10/13に書いたが、Chelonian Tarpも重量削減のために後縁を絞ったtrapezoidであり、パトとの違いはサイドリフターによって居住性を高める工夫がしてあった。
Chelonian Tarpも2008年の土屋氏のJMT Thru Hikeで使われたが、耐風性と居住性共に充分に用を為したと聞いている。Chelonian Tarpは敢えてリッジラインに縫い目を作らない&生地を有効に使う戦略であり張り方のバリエーションも出てくるので、カテナリカーブでなくても良いと思っている。
亀の子をCubenで作れば...と、初妄想。

最近のCuben系のシェルターは他には見ていないが、このCuben Fiberの幕には接合に粘着テープが多用されている。
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Cuben Tapeと言うもので3Mから発売されており、Tyvekにも使えるようだ。確か、片面と両面があった筈で、力が掛かる場所などでは針穴を開けなくて済むので針穴からの破れを防止でき、しかも別途針穴からの防水のための目止めが不要である。接着力は強力で縫製と遜色ないと聞いている。Tyvekの場合は、接着の剥がれよりも素材自体の剥離が起こるのは海外からのTyvek封筒の開封時に体験した人も多いと思う。Cubenでも剥離は起こるかもしれない。
その他、ポール受けの対摩擦性の強そうな補強材も接着されている。
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コレで保つなら針穴を開けないのは精神的に救われる。
今年はCuben Fiberは従来の貴重品から普及品とまではいかないが低価格の製品が出てきているので広まるような予感だ。国内ではローカスギアが非常に美しいKhufu Cuben / クフ・キューベン シェルターを発表しているし、海外でもZPacks.comがCuben製の低価格な幕を出す予定と聞いている。

■Ultralight "e" Hook Windproof Titanium Stake
昨年からちょこちょこ買っているeBayの香港のお店を久々に覗いたら面白いペグが売っていたので取り寄せてみた。6本入り、しかも多用途に使えそうなケースも付いて$12でお安い。
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これはペグの頭が見慣れたU字型でなくe型になっている。ペグはガイラインの引っぱられる方向に90度で打つ&綱を地面の方に掛けるべしと言われているが、風で揺れると綱が頭部にずり上がり、回転に抵抗しない棒状のペグでは180度回転してガイラインが抜けてしまう事があった。頭部をe型にすることによって抜けを防止するこのアイディアはすばらしいと思う。私の感覚ではガイラインに90度より少し大きな角度で打てば、引っぱり力の分力でペグが刺さる方向に力を利用できるのだが、下向きの力が掛かっても綱が抜けないeペグを使えばそういうことも可能になる。
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OEM品の流出なのか独自の製品なのかは不明だが、単なる安価な下請け工場ではなく、工夫も盛り込まれてきているのは今後の注目に値すると思う。



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# by ulgoods | 2010-01-03 17:52 | 宿泊系

iPhone対応手袋

iPhone対応手袋

最近手にしたiPhoneは実に気の利いた電子ガジェットで感心した。CP/Mの衰退後はDOSからのマイクロソフト路線で彼に上納金を納め続けている私であるが、本体実質ゼロ円キャンペーンに乗っかって手にしたiPhoneは敢えて手を出さないように気をつけていたApple文化の一端を知るには良い契機となった。今更ながらだが、気が利いたアプリが集まるのはソフト開発者に愛されてきたOSの文化の蓄積なのだと感じた次第である。
さて、UIの殆どをタッチスクリーンを介して行うiPhoneは従来のマウス系のポインティングと異なり、摺ったりマルチタッチによる摘むの操作を解し、今まで以上に豊かな操作の意図を伝えることができるのだが、それも静電容量・投影型センサーが指先を感知してこそ、防寒手袋をはめてはいては思いを伝えることは叶わない。冬の手袋姿でも電話の着信や地図での位置確認、カメラでの撮影くらいは何とかしたいでしょ、と言うわけで、既にあちらこちらのblog記事でも見かける導電糸を知人から分けてもらって縫い物に勤しむことにした。
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これはLily Pad Arduinoマイコンを布地に縫いつけ配線する際に使用されるものだが、30番手相当で10cm あたり約15Ωの抵抗値らしい。試してみたが、糸を介して結線した発光ダイオードくらいは問題なく点灯させられたので、これを手袋の指先の表裏を貫通して縫いつけ、私のエレキっ気をタッチスクリーンに伝えることで手袋のままiPhoneを操ろうという算段だ。そーいう意図の手袋としてはTHE NORTH FACE Etip Gloveという手袋があるが、私としては山で使うインナー手袋に導電機能を組み込みたい。アウターを外してサッと操作できる感じで。

縫いのパターンであるが、最初はできるだけ接触面積は少ないほうがピンポイントの操作ができるかと思ったが、そうでもないらしい。試しにチタンネイルペグをペン代わりにしてみたが、尖った側では反応せず、反対側の太い部分では操作が可能だった。指での操作を想定しているから、ある程度の広さで接しないとドライバーが無視するのかもしれない。で、縫って触れてと何度か試したが、きれいに縫ったのでは縫い目が生地に埋没して十分に接触面積を得られないらしく感度が悪い&接触する箇所の調整が微妙。
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テストで糸を使ってしまったので、新たに通販で20mほど買い足して昨日テストを行ったのだが、見た目はアレだが、わざと毛羽立たてみたら各種動作で概ね満足いく結果を得られた。
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見た目は今イチだが、金属光沢のある糸はちょっと豪華な感じ。操作時は糸の丸めが指先に感じるが、小石をつま先に挟んだような不快感は無い。
裏は表面以上に無駄な結線(それこそ結んだ)を行い、電気が行き渡るようにしてある。
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ウールの手袋に仕込んだので、指先の動きが楽でメールくらいは何とか打てる。マルチタッチ摘む動作での拡大縮小の操作は片手ではうまく接触を得られないことがあるので、左手の親指にも電極を仕込んで左の親指と右の人差し指で操作すれば確実だった。
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また、滑って落とさないように下のネジを利用したストラップを取り寄せて付けたので手袋にシリコンで滑り止めパターンを描かなくてもOKで汎用性が高まっている。

糸は20mで1000円ほどであった。この調子で2、3の手袋に仕込めば元は取れるだろう。というか、導電糸を調べていてArduinoマイコンにぶち当たったが、あれは面白そうで困っている...結局高くついてしまうのか>俺

なお、自転車用の防寒手袋は手が汗ばむと電気が伝わり、細工無しでも操作可能であった。ちなみに自転車は10ヶ月で4200kmを消化。


サンタ来たりと 喜ぶ子ら見て 我もまた ... そろそろお役御免のルドルフULG詠む

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# by ulgoods | 2009-12-26 18:11 | エレキ系

定点観測2009

定点観測

クリスマス前の週末の北八ツ定点観測も昨年のソリ敗退を除いては順調に回数を重ねている。今年は星を撮りたいというBBさんと方角が重なったのでガス割り同行していただくことにした。
やっとパッキングも終え少しでも寝ておこうと眠りに就いたとき、予想を遙かに遅まわる時刻に「今起きましたー」とメールが来たが、余計に寝られるので実は嬉しかった。今日の歩く時間が短くなるだけ、どーせ北八ツのあの辺を出ないハイキングの予定なので問題ない。もう一眠りっと...
高速は諏訪南IC辺りでチェーン規制をやっていたが、事前に金曜の夜は降ってもおかしくないと情報を得ていたので前日にスタッドレスに履き替えておいて良かった!規制をさっくり通過して諏訪で下り、徐々に増える積雪の下道を通ってピラタスに着いたのは11:30くらい。2000mくらいから上がガスっているのは気がかりだが...行くしかあるまい。上がって昼過ぎからの行動になる。
今回の足ごしらえだが、積雪が少ないことも考慮してズック(montrail namche)、軽登山靴、ワンタッチアイゼン対応の冬靴とスノーシュー、Kahtoolaのアイゼンを持って来ていたが、このぶんでは上の駅を出て直ぐに積雪だろうから、ズックとオーバーブーツ、スノーシューを選択した。オーバーブーツは往年のForty Below Light Energy Overboots TR modelであるが、中間にCrescent Moon Over-Shoe Booties を持った。これは5mm厚のネオプレーンで以前までの自転車用に比べて厚くて履きやすい。
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スノーシューはMSR DENALI EVO ASCENTだが、縞枯山荘のHPに依ると以前湿った雪が降ったとのことで、下は固いだろうからフローティングテールは付けなかった。
ザックは夏の間にUSのバッタ屋で安売りしていたGoLite Odysseyを投入した。95Lで1.64kg、背が高く大容量、嵩張る寝袋や防寒着類をあまりキツく圧縮せずに放り込めるのでパッキングが楽であった。実は、この選択が我が身を助けることになるのは後述...

ほぼ100%ユルい服装のスノボの人たちに紛れて12時のゴンドラで上がった上は風も強く白くガスって雪も舞う、絶好のシーズン最初の慣らし歩行日よりであった。先ずは情報収集のために縞枯山荘に向かった。山荘までは踏まれており、ツボ足でなければ問題ない。いつもながビュンビュン回る風力発電の羽根が怖いが..暗い小屋に入りストーブ脇に座って甘酒を頼んだ。小屋はスキーの客8人くらいが出るところであったが、客に同行して出かけそうな小屋の人に尋ねたところ、雪は昨夜50cmくらい降ったと、縞枯山と雨池方面は踏み跡がないこという情報を得た。で、同行のBBさん、分散保管しているスノーシューを回収できずに今回はワカンである。新雪が深いと辛そうということで、坪庭まで戻り踏まれている五辻方面に向かうことにした。
その後は踏み跡の付いた、既に貫禄の付いたモンスターの、心配した木道もそれなりに埋まった道を快適に歩いた。適度に寒くて気持ち良い。白駒池のキャンプ場まで歩けそうであったが、気がつくと15時を回ったので平地を見つけてビバーク態勢に入ることにした。

ちょうどテーブルのある平地を見つけたので、テーブルの間の夏なら通路であろう場所を野営場所とした。踏み固めて設営に移ったとき、出てきた幕は...二人とも申し合わせたようにBDのOneShot、しかもカーボンポールである。これを2台並べて張る!チームBDみたいで良いかもしれないと思った。OneShotもカタログ落ちすると聞いている。小さく固くて冬場も良い幕と思うが、新作にも期待したい。
一年寝かせたOneShotであるが、カーボンポールのショックコードが伸びきっていた...カーボンは継ぎ目がキッチリ入らないで力を掛けると折れるという話しをUSの人から聞いていたので、ここは慎重に継ぎ目を確かめてから押し込んだ。少々風があったのでペグとしてスノーバスケットを外したトレッキングポールを深々と刺した。他の2箇所はMSRのスノーペグを使ったが、これも良く効いた。綱は取らなかったが大丈夫そうである。
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気温は-11度くらいである。水が凍ると厄介なので固くなる前に湯を沸かすことにした。持って来たのは、冬場には頼りなさげな空き缶の自作カーボンフェルト芯のアルコールストーブである。これをCaldera Coneと合せて使い、BPLの550cc鍋に湯を沸かすのが今回のテストのひとつ。以前10月末にテストしたとき以来、燃料を染みこませたまま放置したままであったが、中には湿り気も残り、そのままでも火が点きそうだった。チタンテルモス一杯500ccの湯が欲しかったのでとっておきのエタノールを少し足してオイルラーターで点火したが、そこそこの風の中、一発点火し、風に吹かれながらも延焼し、即座に実用強度になった。すばらしい!コーンを被せ水を張った鍋をセットしたが、コーンの内部は殆ど風の影響を受けず、炎が着実に鍋の底を外さない。カルデラコーンは空気穴が偏在しているので、穴のない側を風上に向けてある。あとは時間だけ、余計な騒音を立てずに時々ボっと言いながら、たぶん冷えて力を失ったキャニスタストーブよりは確実に湯が沸く感じだ。ストーブとカルデラコーンの最適化をしていないので蒸発しすぎか?少し不完全燃焼臭がするのでテント内では使わない方が良いと思ったが、もう少し芯の出し方とかフェルトの詰め方とかで調整が効くと思う。
とにかく野外の、どちらかというと強い風の中で湯を得ることができた。幸先がよい。テルモスに湯さえあれば飯も食えるしスープも飲める。安心だ。
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次に寝袋を広げたときに不幸の種を運んできたことに気がついた。昨年買って室内試しのみの新型ダウンマット7,しかもレギュラーサイズを膨らましているときに異変は起きた。縦に走る隔壁の一部が膨らんでいるではないか!保管中に隔壁の接着が剥離し隣と繋がってしまったらしいが、それは悪い知らせ。というのは剥離した部分は、以前の旧版の修理の経験から恐らく気密層が破れていると予想されるからだ。ともかく、凍える中、手を弁にする必要性から素手になって、いつもより長い時間掛って膨らましたマットをテント内に放り込んで寝袋を広げた。が、はやりマットは予想を超える速度で張りを失っていた。抜けながらでも一晩保てばと思ったが、どやら辛い夜を強いられる予感だ。予定では今夜はIntegral Designs VBL Hooded Vapor Barrier Liner を使ってベーパーバリアのテストであったが、底が冷えるのではスッポンポンで寝る訳にはいかない。昨年、ポリ袋でVBLをやって不評だったので、機能的にはさほど変わらないと思えるが、見栄えだけの問題で夏の間に入手しておいたVBL、ま、何のことはないシルナイロンのライナーなのだが今回はテストを見送ることにした。仕方ないのでザックを、Odysseyを潰れたマットの上に敷いた。このザックはサイズや形状的にGoLite Treckの後継であろうが、しっかりした背面パッドが付いているので少しは断熱になるだろう...
となれば、食って体温を絶やさないようにしなければならない。先ほどのストーブに燃料を継ぎ足し(コレ便利!)更に湯を沸かしてドライカレーを仕込んで、更にも一度沸かしてポタージュの粉を溶いて夕食を整えた。
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CFアルコールストーブは絶好調である。湯さえ沸かせれば何とでもなる。

食ったら寝袋を温めなければならない。寝袋はいつものMt.Fryの900gダウンの信頼を寄せている袋を持って来た。VBは寝袋を湿らせない以外に、多少の温度の付加が期待できるが、まだ自分の中で見極めができていないので現時点では温度付加を当てにして薄い袋を持つ気にはならない。だが、やはり背中が冷たい。Odysseyの場所を調整しつつ、肩と腰だけザックに乗るようにし、首は靴の甲を枕とし、足元は履いてきたネオプレーンのオーバーブーツを敷き、モモの辺りはダウンジャケットを敷く&半身で寝ることで何とかやり過ごせそうな体勢を編み出した。地面に奪われる体温より生成の方が勝っていたようで、やがて心地よくなってきた。本当にストイックなULとか指向したら次回からこのスタイルが最も軽いのだろうが、袋とマットだけは削りたくないのが本音だ。寒さに凍えて寝るのは詫び寂を通り越して惨めさが漂うからね。
寝心地は悪いがOdysseyの上に乗っかってひととき良く寝た。風が吹き、雪が舞い、只だそれだけしかない夜を味わった。ら、夜中にBBさんが起き出して...元々BBさんは星の写真が撮りたくて、D90と魚眼レンズ+UL野郎にあるまじき1kg超の三脚をGoLite Treckに詰めて担ぎ上げていたのだが、白濁した空と風に舞う雪では星は望むべくもなくテントの撮影に切り替えて活動を開始した模様だ。
私も前回奥多摩で好評を博した竹鶴12年の湯割りを啜って過ごした。凍りそうな容器の(首の細いペットボトル)の水を沸かしてしまうことにし、OneShotのドアを開けて寝そべったまま湯を作った。この時、持参したプロパン含有率を高めた再充填式ガスライターの点火性を試したがのだが着火しなかった。胸ポケットに入れて温めておいたのだが..で、ダメ元でCFに押しつけて火花を飛ばしたところ、ナンと!ライターの燃焼室内に飛ぶ圧電素子の火花だけで-13℃超まで下がった風のある環境でカーボンフェルトに一発点火したのには驚いた。炎が着実に延焼したのでコーンを被せて難なく沸騰した湯を500cc得た。完璧である。
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BBさんが、私のヘッドライトが天幕を透過して辺りを照らしている写真を長時間露光で撮ってくれた。おお、梟ほどの目の感度があればほんの僅かな光でもこんなに明るいのか...
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やがて本格的に眠りに落ちた。テント内結露を避けるためにドアの上部は開け放ってある。少し寒いが元々テントの暖かさは期待しておらず風除けのつもりなので問題ない。夜中、1、2度テントを揺すって雪を落としたが、結局明るくなってから起きて時計を見たら7時過ぎ、BBさんも活動の様子がないので寝直して8:30くらいに名残惜しい寝袋から体を抜き去った。テント内部の霜の付き方は、ポールが白くなっているが、さほど深刻ではない。大方、昨夜の湯割りの湯気のせいだろう。寝袋はカバー類は用いなかったが、濡れるほど温度が高くないのでこれもOK!
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靴を履く間にコーヒーの湯を300ccくらい沸かしたが、片足を履く前に沸騰してしまったので、片足の状態で寝起きのコーヒーと餡パンで朝飯にした。ああ、Forty Belowのオーバーブーツは薄手のモンベルのテントシューズの上に履けばトイレくらいは大丈夫で便利だった。
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いい加減9時になるのでBBさんを起こし、撤収して、山頂とか池とかは視界がないのでサッサと帰ることにして来た道を引き返した。
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今回、VBLのテストはできなかったが、CFストーブ+カルデラが予想以上に好成績で成果はあった。鍋などせずに湯だけで過ごせればバカ重い冬用の湯沸かし道具はもー持たない。その分の重量を酒と寝袋に捧げよう。着火性もアレだが、消火して燃料を再利用できるし、予熱用に燃料を垂らす必要もなく、今回は合計2Lほど沸騰させたが、燃料消費は50-60cc位だと思う。
あと、私の所に来るダウンマットは素性がよろしくないので、別のマット、信頼性の高いマットの重ね使い+ザックも動員してR値を確保する方法を考えたい。その方が不幸があってもダメージが少ない筈だ。


それにしても良い雪だった...
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BBさんのTrangiaとULGのCF Stove
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CF Stoveは予熱なしの一発炎上で、重量のみならず取り扱い的にもTrangiaを越えています。BB氏に進呈したので公園のゴミ箱で空き缶探さないと...



シーズン変わりは出かける前に細部までチェックをしないとね...

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# by ulgoods | 2009-12-21 20:59 | 山行

FS: Gossamer Gear Squall Classic Shelter

粗忽者の友人が重複で買ってしまった装備を訳あって処分したいというので試し張りを条件に預かりました...Gossamer Gear Squall Classic
二人用で軽量なSpinnaker製、最低重量実測で(本体、後縁フープ)670g。
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センターポールも付属ですがトレッキングポールで張ると重量がお得。

詳しくはこちら、
GGのページ、張り方のビデオがあります
BPLのReview

試し張り2回(本人、私)のみ。とてもきれいな状態で、本家のGGでは来年まで在庫切れ予定です。
シームシール未処理。
価格US$325 -> 最低価格ULG$310(ULG$=90Yen)から、入札制でメールアドレス(ulgoodsアットexcite.co.jp、あっとは@に置き換えて下さい)までお寄せ下さい。質問はコメント欄でお願いします。非公開でも投稿できます。
晒し期間は12/17 0:00まで、複数希望があった場合は一番高値の人に行きます。同じ金額の場合は早い人の所に行きます。

よろしくご検討下さい。

張って目立つことは請け合います...目の保養にいくつか写真をUPしておきましょう。
設営はとても簡単です。
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縫製元のTarpTentのタグも付いています。
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床もSpinnakerバスタブです。後ろも解放で風通しは良好
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祝!ありがとう100万Hit
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# by ulgoods | 2009-12-13 22:57 | 宿泊系

PossumDown HARAMAKI / ポッサムダウン腹巻き

人の何とかは糾える麻の如く、と言われるが人の繋がりもまた然り。知人の知人で6人介せば世界中の見ず知らずの人に手紙が手渡せる(六次の隔たり)というものらしい。
■前振り
それのPossumDownの腹巻きとの関係だが...以前の記事で手持ちのPossumDown製品をこの備忘録に加えておいたのだが、そこで「ひつじ丸」さんという編物作家から「Possum fur 気になる..。」とコメントをいただいた。実はこの方、なかなか年季の入った山歩きの人。知り合いのカワサキさんいる某SNSでコメントなど改名前の名前を見たことがあり時々HPを巡回していたが、最近は紡ぎ&編みの人に転じてひつじ丸式として活動していることは知っていた(知人の知人2Hop)。で、そーいう人がいる予備知識で仕事の知人とランチの帰りに畑の話になり、区民農園歴7年連続を誇った私としては幕の内弁当式のチマチマ栽培を止めていずれは一面を広々と綿花の栽培をしてみたいとか言ってみたところ、実は彼が数年前に奥方の要請に応えて畑を借りて綿花を栽培した話しになり、そーいえば山のblogで知っているひつじ丸という人が紡ぐ人で..と話したら何と彼は既に面識があると言う話しにもなり、知人の知人2Hop繋がりが二重に張られていることが判明して驚いていたりした。

■Possumが紡ぐ人
そのひつじ丸さんから今年の夏にPossumDownの原毛を輸入してサンプルを作ったとメールをいただいた。私はPossumの原毛の話しは3/4ほど忘れていたのだが、ひつじ丸さんは着実に進めるお方である。というか私は興味が散漫だが、ひつじ丸式的には紡いでみたいという気持ちが強かったのでしょう。せっかく原毛から紡いだPossumDownモノが出来たと聞き、手持ちの機械編みのモノと比べてみたかったので、もしも東京に来ることがあれば拝見したいとお願いしたところ、三鷹のHiker's Depotに寄る予定があるとのことだったので即座に面会をお願いしたのは当然のこと。やがてHiker's Depot隣の喫茶店でお目に掛り試作の小片を見せていただいたが、機械編より軽いのにふっくらと嵩があり、保温効果は高そうだった。脱色していない生成の色合いが私には好ましいし、これは冬の帽子に良いなと思った。というのも、私が歩く程度の冬期の山で行動するときはオーバーヒートに気をつけないといけないが、かといって帽子の脱着が頻繁だと耳は冷えるし紛失の機会も増える。Possumは軽いだけでなく保温性も高いが厚く編まれていないので風通しも良く、被ったままで過熱時は上着のフードを上げていれば適温になり、冷えればフードを被って防風すれば温かいので重宝していたが、手編みのコレは更に良さそうに見えた。などPossumDownモノの話しで盛り上がってしまった。その中で、以前blogにPossumDownの腹巻きが欲しいと書いたが、私は腹が冷える質ではないがQuilt寝するときにどーも背中が冷えることがあるというのは何度か書いたとおりで、腹巻きというより温かい背当てがあれば!と書いたことをひつじ丸さんは覚えていてくれたようで、いずれ編んで下さるとも。何とも嬉しいお申し出であるが、先ずは帽子をいくつか仕立ててHiker's Depotに置いてもらうことを勧め、Hiker's Depotの店主の土屋さんに紹介させてもらった。私もたまには人のお役に立つようなことをする。

■腹巻きとして
秋も深まった頃、帽子も何点か納入されボチボチ売れ始めた話しを土屋さんから教えてもらっていた矢先、久々にひつじ丸さんからメールをいただいた。件の腹巻きが編み上がったので送って下さるとのこと。おおお、何ということ!腹巻き、しかも決して細身ではない私の腹巻きである、帽子何個分の毛と手間を注いで下さったことか。お店で毛糸を買うのではなく毛から紡ぎ、そこから編むのである..考えただけで気が遠くなる。
途中、糸が足りなくなったので紡ぐと連絡をいただいたが先週末に届いた!油紙に包まれ、手書きのラベルも付いているぢゃないですか。
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Bozeman Mountain WorksのUL 60 Quiltと合せるとこんな感じ。
せっかくの腹巻きであるが、上下のゴム編み二重部分にドローコードを入れて絞るか、二重にして背中だけに当てるか、ちょと使い方を考えているところ。これからは厳冬期になるのでQuitを使う機会が無くなるので、使うのは春先になると思う。
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■合点
送られたPossumDownの編物を開封して最初にハテ?と思ったことがある。見た目、羽毛状の毛が織り込まれている。面妖な?と摘みだしてよーく見たら何故に有袋類カンガルー目(双門歯目)クスクス亜目の獣毛がダウンと呼ばれるか合点した。混毛されているひつじの毛なら、私の早合点ですが...これ、Possumの獣毛が鳥類のダウンボールのように広がっているんじゃないかしら?
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一本の毛から出来ているとしたら彼らはとても凄い枝毛の持ち主だが、絡まって出来ているとも見えない。何とも不思議な毛を持つ生き物なのだと思う。不意に編み込まれたとしたら、どんだけPossumなDownが舞う環境で編んでくれたのだろう。感謝!根気と忍耐の要る仕事だったろうに。


■Snow Crashとして
三鷹でお会いしたときに本格的な製作活動の始動のお話も伺った。製品タグの案を見せていただいて名前も伺っていたのがSnow Crash。うむむ、冬のお山でCrashしたくないしなーと思ったのだが、これはひつじ丸さんが好きなSF小説のタイトルだと聞いた。ググってみたが、難解なストーリーな感じ。マークも雪の結晶を思わせて可愛らしいが、私には編物を介した人の繋がりを図案化したようにも思える。
織のタグは結構費用が掛るのに
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さすがに腹巻きは置いていないが、帽子は三鷹のHiker's Depotにある。手で紡いた糸を手編みで作ったPossum Downな帽子が他にあるという話しは聞いたことがない。軽さと暖かさに触れて見ることができる。
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■日本のガレージメーカ
今年も暮れに近づいて、ひつじ丸式SnowCrash以外でも国内でもいくつかのUL指向ガレージメーカが産声を上げた。
Locus Gear 超軽量シェルター類を手がける。試作品を見たが縫製技術は素晴らしい。素材探しも半端ではない。あれは一度寝てみたい...
Mountain Laboratory Vagabund 自由な発想と確かな技術で生み出された保温ふろしきコージーはUSモノを越えたね。買うより作る、筋金入りの人。
・ご存知T's Stoveさんは今年海外進出を果たした。

産まれたばかりの、小さいけど真摯な姿勢で作られるユニーク無比な製品たち。買うことと要望やフィードバックを寄せて広く多くの人がインキュベーションし、着実に成長していくことを願ってやみません。
がんばれー


やっと100万Hit目前に!
何かと気に掛けていただき感謝しております。
ついでにこっちもよろしく... Click Thank you!!


キリ番プレゼントを考えていましたが、あらびっくり、明日にも到達しそうな勢い。
告知期間が短すぎるので出直します...
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# by ulgoods | 2009-12-10 00:28 | 生活系

LEDランタン Panasonic BF-444

山と渓谷誌の2009年12月号の「こだわり山の小物インプレッション」というコーナーに出していただき、LEDランタンを多数しかも同時に触れる機会を得たのは甚だ有意義な体験であった。
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というのも絶対感覚に乏しい&お店に出不精な私としては、このような機会がなければ好ましい物を選ぶためには結局全部通販で買って..という事を繰り返す事になり、いささか効率が悪い。で、今回、欲しいもの第1位に選ばせてもらったパナソニックのLEDランタンは少し惚れてしまったので撮影終了後即購入済みである。あれこれとライターさんに語り尽くしたのだが、紙面の関係もあり書ききれないのは仕方ないので補遺としてメモを残す。主に今まで持つことが多かったUCOの真鍮製キャンドルラタンとの比較になる。

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■良い点
・軽い(後述)
・明るい(後述)
・壊れない。ホヤが割れる心配がないので、持ち運びに気を遣わなくて済むし、豆電球のように切れる心配がない。
・防滴。雨の中でもテント位置を示すくらいには使えそう。
・電球色LED採用で優しい光を発し、蝋燭ほどの風情はないが青みがかった白色LEDの寒々しさに比べるとほんわか和む。
・光が均質なのがよい。
・蝋燭と違って逆さ吊り下げができるので周辺を広く照らすことが出来る。その際、直下に影が出来ない。

特に以下の点は私の中で蝋燭を駆逐しそうな勢い
・軽さ
LED 77g:これはリチウムイオン電池を入れた場合の重量。アルカリ電池では90gとなる。
キャンドル 339g:UCOブラスランタン、蜜蝋の蝋燭、組み立て笠、運搬用COCOON込み。
その差262g、きゃーーーと言うくらいLEDが軽い。リチウム電池での使用はメーカーの推奨ではないと思われるが、わたし的には冬期の使用を考えるとリチウムが使えないエレキ物は持ちたくないので、先ずはリチウムを詰めてみて壊れるならそれはそれで仕方ないと思っているが、このパナのランタンは私の所ではOKだったので先ずは第1段階クリアである。

・明るさ
絞りとシャッター速度を固定して同距離で単行本に光を当てて文字の見え具合を撮影した。これで測定条件は同じだよね?文庫本は寺田寅彦の随筆集。
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LEDはLOWで光を絞ってある。両者置いてみたが、LEDは高さがチビなのでちょと分が悪いが、明るさの差は歴然である。これまで山では何度も蝋燭の下で本を読んでいたが、まー読めるのだが、読んでいて目を悪くしそうなのに比べてLEDの明るいこと!また、LEDは逆さに吊れて直下に影が出来ないのが良い。

・使用中の安心
キャンドルランタンを倒すと、あるいは吊っていて頭突きを喰らわせた場合どうなるか...裸火ではないから火事になるほどではないが、炎が消えるだけでなく、溶けていた蝋が火屋に飛び散り、収納時に無理に削れて火屋を押し込むので滓が出るとか、火屋の掃除は熱湯を掛けなければならないとか、憂鬱でもって心も暗くなる。が、LEDではそんなことは起こらない。転がそうが逆さにしようがまったく平気なのは当然。
バックパッカーには有名なメイベル男爵のバックパッキング教書でも、キャンドルランタンをゴム紐で吊って必要なときには手元に引き寄せるようなことが書かれていたが、かの達人にしても勢いよく手を離して蝋を飛び散らせ、自分が嫌になったことは一度や二度ではないと思われる。

・保ちが良い
ハイパワーで16時間、ローで55時間。キャンドルランタンは9時間と言われているので、ローであれば6本に相当する。ローでも蝋燭より明るいし。で、蝋燭って結構重い。UCOの9-Hour Candleで50g、6本で300g。
エレキ物と自然物を比較する際に、使用期間が長くなるとエレキ物は電池が嵩んで結局重くなる、という結果になることがあるが、リチウム単四4本で28g、電池は電気が抜けても重さが変わらないから抜け殻を持ち歩くことを考えると相当長い日数使えば逆転も起こるが...本体重量差だけでも272g(笠とCOCOON込み)-46g=226gで、この重さを電池に割り振ると4本が8セットで440時間相当になる。440時間灯す蝋燭の重量は2444gであり、勝負しようと担いで出るには絶望的な重量だ。また、太陽電池充電で持続的に使えれば更にお得。エネループはリチウムより少し重いが、4本セットで本体込み90gとして、太陽電池Power Filmの重量が110gだったから総重量200gで電池の充電性能限界1000回まで使えることになり、地の果てまで往復してもまだ大丈夫そうだ。
で、LED自体は切れる心配は、蝋燭を踏み砕いて粉々にしてしまう確率より低いような気がする。

と、良いことづくめ。

■あまり良くない点
・吊り下げの折り畳みフックが内蔵されているのだが、その作りが残念。安易な形状なので吊り下げていて頭がぶつかったりすると即座に外れて飛んでいく。まー、どういう物にぶら下げるかを想定しきるのは悩ましいと思うが、もう一工夫の余地がある。というか、壊れやすそうな部分なので、壊れたら吊れなくなるから、穴に紐を通して、あとはミニカラビナでドーゾとするくらいで良かったと思う。
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で、面白かったのは、紙面で触った別のランタンも全く同じフックを使っていたということを発見してしまった。製造時に必要なのだろう切り欠き部分も全く同じ場所に付いている。たぶん、どこかに朝から晩までこのフックを作っている工場があって安く調達できるのだろうが、そういうところが家電屋さんだなと思ってしまった。

・電池入れ
単四を4本入れるのだが、四本を上から見て四角形に固めて入れるのだが、普通は+-が交互にセットすると思うが、このランタンは++--とセットする。しかも、最初の+の位置が中のラベルを見ないと確認できない。電池の入れ方は配線をちょっとやればいい話でアフォーダンスさに欠ける。また暗闇でも電池交換が出来るように+位置は触って分かるくらいにして欲しい。

■少しだけ気になる点
・色
最近のパナに多いシャンパンゴールド。悪い色ではない。ベッタリ黄色に塗られたり色分けしてコストが嵩むよりは、なんらしか高級感が漂って、好きな人には抵抗がないだろう。私もLumix GH1のコンフォートゴールドは実際に見てみたら悪い色じゃないなーと思ってたし。見た人が、この成金趣味野郎めと舌打ちしないことを願うだけである。

■希望
・無段階調光機能。Low Highの所を回すと無段階で蝋燭より暗い所から眩いくらいまで。
・BDのオービットのようなダブルフックがあれば無敵
・電池の入れ方改善
・そんなに長い時間保たなくても良いから電池2本でやってほしい

■その他
ランタンはパワーだけではない。狭いテントで直接光が目に入る場合、目が瞳孔を閉じるので肝心の照明対象物が真っ暗にしか見えない。


■結局
実は最近はランタンを持つことはあまり無い。ライト系はPetzl Tikka XPとPhoton Microの組み合わせで満足しており、まともなシェルターで寝る訳でもないから明かりを灯してホノボノとというチャンスもない。でも年に一二度はキャンドルランタンを持って、時には炎に見入り物思いに耽った気分を味わったりするのだが、さて、UCOのキャンドルをパナのLEDに置き換えるべきなのか?仮にLEDが気を利かせて1/f揺らぎ回路とか内蔵されたりしても炎のダイナミズムや透明感を再現することは出来ない。燃えている炎を見て楽しむという楽しみ方もあるから。し、燃焼している訳ではないので文字通りの暖かみも炎には敵わない。光が私の中で単なるモノに成り下がってしまう懸念がある。LEDの発光現象も自然の物理だから、分かってその仕組みが石に焼き付けられたらば炎が燃える原理とどっちが高級か?問われてもどっちとも言えず、LED発光を見てもスゲーと感心する人は最近では少ないから、所有する歓びとして考えると昔ながらのどっしりとしたキャンドルの方だ。使ってきた履歴を匂わせる真鍮の鈍い光沢はプラスチックに塗ったシャンパンゴールドでは表現できない深みがある。たぶん、シャンパンゴールドは使い込むほどに塗装が剥げて、はしゃいだパーティーの後のような、少し切ない気分を誘発しそうだ。
と、思考が尻切れトンボでまた悩みが増える気もするが、適材適所で余分な物は持たないという姿勢からすると、少なくとも歩きメインの単独で行く場合はランタンは持たない。たまには山で本を読みたいときはLEDを持つ。山でシミジミと人生を考えたい夜にはキャンドルランタンを灯すか。ん!そう決めた。後で悩みたくない。

なるほど、身や心が軽いほど装備も軽くできるということだ。

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持てなくなるのは少し寂しいがね..



よ び か け ら れ て ふ り か へ つ た が 落 葉 林 ...山頭火

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# by ulgoods | 2009-11-20 11:16 | エレキ系