Aquamira Frontier Pro Filter

水が温む季節になると水遊びがしたくなるのが人の常。私の所では今年も気がつくと新しい浄水装置が手元にあった。
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Aquamira Frontier Pro Filter、フィルター式の浄水器であるが、ポンプ類が付いていない。吸ったり、重力で垂らしたりする方式で、Bite Meという吸い口が付いているが、吸い口は容易に取り外すことができ、Platypusのホースが丁度はまる径になっている。全体のサイズ感は丁度自転車のハンドルのグリップくらい。
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この手のシリコン物はほこりが付着していちょっとイヤだなぁ...
根元も2種類の口が付属し、それぞれPlatypusの細口というか普通のペットボトル口に適合するネジと、Platypusのプラグ式やCamel Bagのプラグ口に適合するようになったりと自由度が高い。

乾重量は67g、水を通した後振って脱水した後の湿潤重量で70gである。これはMSR MiniWorksの456gに比べると涙が出る軽さだし、同じ吸い込み式のKatadyn EXTREAM の替えフィルターカードリッジの109gと比べても1 oz.以上軽い。
除去率であるが、99.9%の Cryptosporidium, Giardia除去とあり、MSRのSweet Waterと同様である。値段も$20以下で買えてお安い。ただし、濾過できる水量が約200Lなので、Sweet Waterの750LやMini Worksの2000Lに比べると少ない。しかし、一日4Lを濾したとして50日、1回のロングトレールで使い切ることを考えれば特に問題はない量だと思う。100日に及ぶ超ロングであれば二つ持てば良いか。また、ポンプ機構がないので壊れない安心もある。

一番大きな留意点は濾過速度だが、MiniWorksやSweet Waterは1分間に1L程度濾過することができる。これはポンプで加圧(あるいは負圧?)を掛けて濾過するので腕力とフィルター抵抗で時間が決まってくると思うが、非ポンプ式のフィルターでは、袋を押して加圧するか、吸い口を吸って負圧を掛けるか、重力でポタリポタリと落ちるのを気長に待つかということになり、概してポンプ式よりも時間や手間が掛かる傾向だ。ま、飲むときだけ吸えば良いのだが、調理用にまとまった量が短時間で必要な場合はポンプ式の方が目処が立てやすい。

とりあえずドンだけ時間が掛るものか試してみないと分からないので、いつもの池に行ってきた。近所の公園の瓢箪池は今までも歴代のSweet Water濾過紫外線殺菌HyperFlowのテストを行ってきた馴染みの池であり、今年も例年並に年季の入った沼色をしている。テスト水質には不足がない。
やったのはPlatypusの口に直ネジ止めして重力で垂らす方式で、木の枝に引っかけて垂れるのを待った...
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がやっぱ遅い。ポタポタ...っという程度の速度で、本来なら1L濾す時間を計ろうと思ったが、遙かに期待を超す遅さなので、とりあえず池では水質テストに留めた。折り畳み式のワイングラスに水滴を受けて溜めて、透明度を見てみたが、見た限りは透明である。匂いもヤシ殻繊維配合のお陰か私の鼻では検知できなかった。飲んでみたが、お味は..旨い!



まだ水温が低くて池のあれこれが活動していないのかもしれないが、Sweet Waterの時に感じたマロみも無く、素直に美味しい水だった。生物化学的な検査方法を持たない徒手空拳なテストなのでアレだが、しばらくして腹が痛くなければOKということにしている。かれこれ一週間ほど経ったが問題ないようだ。
フィルターにパイプを付けて直接吸ってみたが、抵抗感は、ちょうどシェークを吸うときの感じで、そこそこの水量が得られた。


カメラ片手なのでしんどいのである...

濁った水用にプレフィルタが6枚付属する。池の水を少し濾したがやはり色が付いた。汚れると通水の抵抗になるから、200Lが限度だと思ってケチケチしないで交換しても良かろう。どこもかしこもここの水ほどは濁っていないと思う。

帰ってから重力式の濾過能力を計ってみた。Platypusの広口3Lの袋に水道水を入れてナルゲンで受けて..ポタポタと1L溜まるのに25分掛った。通常の休憩時間を超えるので急ぐときには辛いかも。でも、寝ている間に2Lくらい作って朝に1L使い、行動中は吸って喉を潤し、夜に1L使うなど、サイクルができれば良いんだし、歩きながら重力濾過や体の圧力を使って強制濾過する事も考えられなくもない。パイプの配線をうまくやれば可能だろう。実は今期は機会を逸しそうなのだが、春に雪のある山に行ったとき、Platypusの広口3Lに雪を詰め、ザックと背中の間に背負って体温で溶かして濾しながら歩くことを考えていた。体も冷却できるし一石二鳥かと夢想を。もちろんフィルターを凍らせてはいけないが。

使って気づいた点だが、このフィルター固有の問題ではないが、Platypusのプラグに填めた時に接合部からの漏れがあり、水滴程度なのだが、上手く密閉した系でないと濾過水に混入する恐れがある。あるいは短いパイプを付けての吸い飲みや袋を押して加圧して濾過する時も位置関係を間違えると漏れた原液を飲む可能性がある。
源水の袋とフィルターを介した溜用袋を空気を抜いてホース接合することでホース中の水の重量で吸引をかけて短時間で濾過できないだろうかと思うが、ハンズで経の合うホースを買ったら試してみる。

さて、これでフィルター式3種類、薬品1、紫外線2種類で池の水を飲んだのだが..Frontier Pro Filterの水が一番旨かった気がする。私も地図を見て、その場所の集水域(尾根に囲まれた範囲)で自分の位置より上に山小屋が無い、大勢が通る登山道が無い、放牧地が無い、鉱山跡が無いなどの条件が揃えば岩肌から垂れた水は飲んでいるが、上流に何が(動物の死骸とか)あるのかは判別しかねる。気になる様なら濾して煮沸、薬品処理や紫外線処理など気が済むようにすればよいが、何れにしろ溶け込んだ物質は取り除けない。

今月のヤマケイで 高桑信一さんが地面を流れる水を飲んでいる写真を見たが、私のお腹は多分それほどまで鍛えられていないので、せめてFrontier Pro Filterでチュウチュウ吸うことにするか。水溜まりが小さくても吸えるのは良いかもね。



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こっちは、たぶん押してもらった1/100くらいしか反映されない模様...
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# by ulgoods | 2010-04-21 02:19 | 生活系

X-Rocket / Luxe outdoor

雨のBivy泊は少し厄介だ。Tarpなどを張らなければBivyへの出入りの際に中を濡らすし、傘がなければ起き上がることもできない。横たわっての顔の直ぐ横で水が跳ねて飛沫が入り、ほんの少しだけど自分が哀れにさえ思えてくるものだ。で、Tarpを張るのもちょと面倒、というか、起き上がれるほど高く張ると耐候性を減じてしまう。耐候性があって起き上がれるだけの、何か最小限の屋根が欲しいとずっと考えていたのだが、考えていたデザインと似た製品が安かったので使い勝手の評価用に取り寄せてみた。
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Luxe outdoor社は香港の会社なのだろうか、どこかで見たデザインの製品が多いのだが、このX-Rocketはとてもユニークだ。下半分はBivy、上半分は体を起こすことができる急傾斜の尖りシェルター状で、トレッキングポール1本で立ち上げる。そうそう、こういう形が欲しかった。以前、アライのシングルツェルトを使ったが、無駄な下半身の空間を絞っていくと当然こういう形状になるよなと思っていたが、そんなことを考えていたのは私一人ではなかったらしい。TarpTentというメーカーがあるくらいだから、BivyTentというのも成立すると思う。
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下半分のBivy部分の終端にはX型の骨が入っており自然に開くので、TripodやLightsabreのようにポールが折れるかと肝を冷やしながら骨ねじ込まなくても済むので良い。しかも通気口が設けられている。広さはまぁ充分。アジア圏向けのデザインなのか無駄に長くないのも重量削減の意味から良いことだと思う。
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一方の上半分はメッシュになっており、フライを掛けていないときは開放感は高い。ポールは115cmにセットするように指定されており、一点だけだが上体を起こして座ることができる。首を屈めれば体の向きを変えることもできるし、Bivyの懸案であったパンツの着替だけではなく、雨具の脱着も可能になる。出入りのジッパーは、側面の横と縦、それとの正面の下に半分ついており、それぞれにスライダーが付いており締めると一カ所に集中するのはちょっと煩いか。
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ポンチョにもなるフライは上半分のトンガリ部分のみを覆い、前室が追加される。前室があると濡れた靴をBivy内に持ち込まなくて済むのでありがたい。ジッパーが半分しか開かないのでアクセスが悪いがその気になれば湯沸かしができるくらいの広さはあり、雨の日でも温かい食事が摂れそうだ。
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フライを被せての出入りはフライをペグから外してフライをめくり上げてということになるが、フライをめくり上げると内部が露出するので雨の時は中を濡らしてしまう。なぜ、正面の前室部分から出入りさせないのだろう?確かに真ん中にポールが立って出入りには邪魔だが、ここは2本のポールをA字型に組めば強度も増すし出入りも可能になるんじゃないかと思う。
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ポンチョとして被ってみたのだが、まぁ、使えないことは無さそうだが、雨の日にポンチョとして着るとすると、このBivyテント設営時に広大なメッシュ開口部の中身を濡らさないためには早めにポンチョを脱いで自分が濡れる必要があるので、脱いで被せるタイミングに悩ましいものがあろう。
開放感の演出と思われるが、メッシュ部分がかなり低いところまであるので、たぶん風による吹き込みが辛そう。内部で別のBivyに入る必要があるかも。野外で使って風雨のこともマジメに考えると、現在のメッシュ部分の下1/3程度は覆いが付いているべき。

肝心の重量は、
本体が570g
フライが300g
スタッフザックは35g
スタッフザックを使わずにペグ別で870g程。重い生地を使っている割には心配したほど重くない。
八本も付属するペグはアルミのY字で、重いし使い勝手も悪そうなので開封もしていないが、チタンペグと置き換えると900gちょいで済みそうだ。ガイラインの類も交換すればもう少し使いやすくなるかな。

もっと軽いテントがあるのでこれを担いで山に行くことはないと思われるが、Bivy気分を味わうには値段も手頃だし悪くない。わたし的にはだいぶ参考になった。たぶん屋根の部分だけを軽い材料でA型フレームで作ることになると思う。

変態天幕度的には結構ポイントを稼げると思うが、あの側面のデカデカとしたURLだけは消してもらいたいな。宣伝費分だけ割安というわけでもあるまいし。
張ったままにしていたら鳥にフンをかけられてしまった。この雨で流れたら一旦撤収するか。


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# by ulgoods | 2010-04-12 17:25 | 宿泊系

MLV フロシキコジー / Mountain Laboratory Vagabund Furoshiki COZY

Mountain Laboratory Vagabund Furoshiki COZY/MLV フロシキコジー

MLV製のアストロフォイルとカーボンフェルトを用いたCOZYである。
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山で使う袋飯の蒸らし用断熱袋でアストロフォイル製といえばAntiGravityGearのPot用COZYや封筒型COZYが古株だが、MLVの風呂敷COZYは従来のCOZYに比べ幾多の飛躍が認められる。これはFuroshikiというだけあって、元は平らな一枚物の長方形のアストロフォイルであるが、四辺の裏表にフリーマジックを縫い付けてあって、こうすることによって平面の長方形から封筒型、筒型、さらに巾着型へ、頑張れば相当ヘンな形にだって立ち上げることができる機能を与えられている。まさに日本が誇る変幻自在な万能包装材である風呂敷という名を冠するに当を得ており、私も試作を覧た段階で、あ、風呂敷...と思ってしまった。あるいは折り紙かとも言えるが、ORIGAMIは既にORIKASOの食器類やSierra Designの三角シェルターに名前をヤラれているので、ちょっと使いにくかっただろう。
しかし、このフリーマジックテープを使うという発想と、それを縁に沿って二つ折りで縫い付けてしまうという変態テクニックには只々敬服するばかりである。どーやら貼付けてから縫っているようでもなく、この辺のワザはMLV氏を相当酔わせても教えてくれない..。言っては何だが、AntiGravityの愛嬌のある手作り感たっぷりさと比べるのは如何なものかと言うほどの精緻さで縫ってあり、やはりこの辺の妥協を許さないMLV品質で作られた品と認める。

アストロフォイルは元々は断熱建材に使われているモノで、山道具の世界に引っぱってきたのは流石AntiGraviryのTimさんの目の付け所なのだが、MLVなFuroshiki COZYはアストロフォイルの内部に更に一回り小さなカーボンフェルトを内蔵しているのが念が入っている。カーボンフェルトも元々は溶接の火花受けに使われる耐熱性の高い軽量のフェルト材で、燃えにくい性質から最初はアルコールストーブの芯に使えるということで一躍ULストーブ界で注目を浴びた素材でもある。実はアストロフォイルには一枚モノと二枚を接着した高断熱モノがあるのだが、断熱性を考えれば二枚モノが良いのだが、長く使っていると剥離してくるという難があった。私の手持ちの二枚物封筒型コージーはもうすぐ二つの封筒になってしまうだろうという勢いであり、厚みがあるので折り曲げで接着面に力が掛かるのが原因だが、それに比べると内側にカーボンフェルトを持ってきて、しかも接着などしていないから無理な力も掛らないから断熱性能をUPしつつ分解の危険性を未然に防いでいるのは上手い考えだ。このカーボンフェルト、断熱補助だけではなく余裕で鍋掴みの手袋代わりに使うことができる。また、アストロフォイルで飯を蒸らす前段階としてストーブを使うわけだが、飯を蒸らしていないときはストーブのテーブルやテントの床を焦さない断熱材にも使うことが出来る。また、アルコールストーブを使うときにはアストロフォイルの上にカーボンフェルトを配してその上にアルコールストーブを置くと、万が一、ストーブをひっくり返してもアルコールがフェルトに吸われてそこで燃えるだけなので、一面を火の海にしてしまう危険を減らすという攻めの使い方もできよう。ULを標榜して持ち物を選ぶなら、一石三鳥くらいこなす所謂トリックのあるモノが吉であるから、このfurosiki Cozyはまさにそれだ!

と、それだけでも暫く遊べるのだが、わたし的には装備品に加えるにあたって、とあるテストを行う必要がある。私はα米をプラスチック袋に入れてそれをPossumDownの靴下で保温して蒸らすという方法を採ることが多いのだが、靴下もfuroshikiに負けずに多芸である。まずは飯を蒸らすCOZYとして、あるいは手袋として、もちろん靴下として、はたまたULザックの肩パットとして使ったこともある。そんな便利な靴下と決別してまでfuroshikiを持つ理由が私には必要でる。先ず挙げられるのは、靴下から袋飯を食う姿はイケてないという人の目気にしぃ的な理由だが、私としては独りで歩くことが多いので人の目もないし、残念ながら倫理的な問題も感じないので、幸いにもこの件は私にとっては無問題である。気になる人はこの段階でfuroshikiを選ぶべき。靴下は手袋代わりにはなるが鍋掴みとしてはカーボンフェルトに一歩譲る。毛の靴下は炎に近づくと烏賊臭いニオイと共に穴が開くので勿体ない。が、私としては鍋掴みを持つし汗拭きタオルも持つので、これも致命的な弱点にはならない。そうそう、第一に保温性能を考えるべきであって、これで決定的な打撃を受ければ如何なる靴下党といえども風呂敷に靴下を脱がねばなるまい。ということで、幸い今夜は冷えるのでテストをしてみた。

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比較は、一切の保温なし、靴下保温、風呂敷COZY保温の3パターンとし、地面からは断熱するが風には晒すという条件。それぞれいつものプラスッチク袋にα米100g,お湯160ccを加えて温度の経時変化を見るテストを行う。

結果は...と書く前にテストの不完全さに気がついたので先に書く。熱を貯めるのは体積、熱を放つのは表面積であるから、球に近い形が保温に有利なのは有名な理屈だ。今回の場合、靴下がそれに相当する。靴下の締め上げ効果によって袋飯は胃袋形状に保たれて自然と表面積が少ない。風呂敷は巾着型に組んだので、内部では袋はベッタリ広がって広い面積で底面に接していた。しかも、温度を測る際にも靴下は温度計が見えるので保温したまま計測できたが、巾着に組んだCOZYではたびたび口を開けて暖まった空気を外気と交換せざるを得なかった。電気的なセンサーを飯の中心部に置いて、COZYの口は赤子が泣いても開かないというのが本来の姿である。また、保温材なしも目に見えるところで飯が膨らんでいくので、親心として飯を球に近い形に丸めたくなるのは無理からぬこと。そーしないと飯が流れ出てしまうから..というわけで、実は風呂敷が最も悪い条件であった。
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で、結果は..あまり良いデータが得られていない。予想以上にと言うか、予想すべきであったが、飯のコアに対する温度計の位置によって温度差が出てしまうようだ。ので、途中端折って書くが、ちなみに外気は+1~+2度ほどを示していたが、

    なし 靴下 風呂敷
 0分 75 75 75 ℃
10分 48 58 60
20分 44 54 59
30分 41 51 51
となってしまった。あれ、風呂敷の最後がヘン..という結果であったが、寒いし眠いので再実験は行わない。これはこれなりに得る物があったということは、先の口上というか断り書きに書いてある。概ね風呂敷が優秀なのだが、最後の最後に飯中の温度計の位置が悪い&風に当てすぎたか、不運な値になっている。実験が終わって手に持った感じでは掌全体で受ける熱としては風呂敷の温度が高いようであった。一口ずつ食ってみたが、断熱材なしは冷えかけ、しかし、ほのかに温かいのは大健闘だ。靴下はいつもの感じ、ほんわか幸せ。風呂敷も同じく幸せで、気をつけてあげればアツアツだったかもしれない。
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たぶん、100g程度のα米勝負では、容積の大きな巾着型では中身比べて風に当たる面積が大きかったりするのも良くなかったのだろう。縦折にした細長い筒状を選べば良かったと思う。風呂敷は鍋ごと保温に向いている。鍋を収容するとなると靴下では手にというか足に負えないので。など、不完全なテストだったが飯の蒸らしを考える上では得るものはあった。

で、風呂敷と靴下のどちらを選ぶよ?といわれたら、人目を気にせずに詫び寂を受け容れるのであれば役得数の多さから靴下を選ぶことになりそうだ。複数人で行くときは見栄を張って風呂敷を持つかもしれない。ストーブの敷物としてだが、以前、カーボンフェルトを使って倒しても零れないアルコールストーブを手にしているが、ストーブの敷物を持つ人には多機能ストーブ敷としてもお勧めできる。

少し気になった点
・フリーマジックテープはもう少し幅の広いモノを使って、アストロフォイルの縁から少し離して(袋状の部分を作る)縫い付けた方が、接触面積が広く取れるので組んだときに頑丈になる。
・現状では細い筒状にしたときに、あと数mmの差でナルゲンボトルを包みきれない。せっかくだからナルゲンボトルを保温(断熱)できれば、使っていないときに他用途で使える一徳増える。

何やら応用編の秘策があるらしいので楽しみにしているところ。




この記事ではMLVから評価用に提供された製品を使用して書きました。しかし、製品の提供は記事の内容に何ら拘束を与えるものでないことはULの神様に誓っていますので


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# by ulgoods | 2010-03-30 05:08

Fire Bowlと蒸し器

実は近々、都内某所で開催される焚き火イベントに出場すべく焚き火&グリル台を調達しなければならなかったのだが、ありがちなスノーピークの焚き火台の堂々5kgとか勇ましいのは私らしくないから軽い物でと考えていたりした。笑'sさんのところに美しくて良さそうな物があるのだが...実はだいぶ昔に買ってしまっていたGrillPutという、収納すると一本の棒になる面白いグリル台が手元にあるのも何かの縁なのでそれを活かすべく下の燃やし台だけ用意することにしてみた。このGrillPutには鍋用蒸し器が火台として使えるのはよく知られているので、とりあえずアマゾンで一番大きなものを注文したのだが、同時期に別件で海外のお店で買い物をしていたらGrillPut用と書かれたFireBowlというものが$10程度で投げ売りだったので、以前から疑問に思っていたのだが、この両者何がドー違うのかという不必要な興味もあって、しかもFireBowlはカートに入れても出しても送料が変わらなかったのでそのまま注文してみた。

両方手にとってしげしげと眺めて見た感じ、ぱっと見では蒸し用の穴が空いているか無いかの違いしか分からない...ああ、蒸し器には摘んで取り外しが出来る取っ手が中心から立っているくらいは違う。
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よーく見たが、開閉の仕組みや素材感も強度感も同じである。若干の違は、手元にマイクロメーターが無いのだが触った感じでFireBowlの方が少しだけ厚手の素材かもしれない。基本の円の部分は蒸し器の方が大きく羽根は短く枚数も多い。
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開いたサイズはほぼ同じなのでFireBowlの方が羽根の長さが若干長くなっている。また、蒸し器が3本足なのに比べてFireBowlはより安定の良い4本足になっており、かつ足の太さも倍ほど太い。が、これは蒸し器の方でも底に石ころでもかませておけば安定するだろうからどうでも良いこと。蒸し器の全体に穴が空いている方が空気の供給的に魅力を感じるが、灰を下に落とすとか考えると穴がない方が良いのかも。ちなみに重量はFireBowlの286gに比べて蒸し器は325gであり、穴が空いていて羽根が短い蒸し器の方がずいぶん重いのは少し意外であった。羽根の枚数が原因か?GrillPutが567gなのでFireBowlと合せると850g程度となる。羽根の枚数が多くて羽根が短い方が、薪とかが羽根に掛ったときに強そうだ。
などなど微妙な違いはあるものの、どーも同じメーカーが作っているっぽくて小さな文字を追ってみたが、蒸し器はかの有名なパール金属@燕三条で Made in JAPANとあり、一方のFireBowlもキャンドルランタンで有名なUCOのロゴが付いており、こちらはMade in Taiwanである。が、どう見ても開閉ヒンジの機構は同じで部品の切り出しも相似形だ。特許とか効いていないのかしら?あるいは同一のOEM?にしても日本国内と台湾の二箇所に工場があるのも解せない気がする。唯一、羽根の重なりの方向がそれぞれ違うのだが、そんなのは最初の二枚をどう並べてどっち向きに重ねるかだけの違いしかないし..など、二つ並べたがばっかりに火を見る前から余計な疑問が沸き上がってしまった。

さてさて役にも立たない疑問はさておいて、先ずは焚き火会に向けて試運転してみるのだが、UCOのFireBowlはそれ用だろうから、先ずは蒸し器が使えるのかを試すことにした。燃料はオガ備長炭。おがくずを固めて備長炭式に焼いたもので、火力は備長炭に引けを取らないというので買ってみたが、燃えた灰が茶色で美しくないので、さっさと燃やし尽くしたい。が、さすがに備長炭と書くだけあって点火は難しい。別途トーチバーナーで長時間炙ったのだが、ちょっと焼き物をするくらいなら点火に使ったガスで充分に焼けるくらいの時間が掛るのが難点で、これは備長炭だからもアレだろうが、かなりのところ蒸し器に炭を直置きでは熱が蒸し器に取られてしまって宜しくないのだろう。
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暫く放置して燃え跡を見て、やはり接触した部分が燃え残っていたので、せめて100円くらいで買った網でも下に敷くべきと強く思った。やはりリハーサルしておいて良かった。会場で肉が焼けないのでは恥を掻くところだった。
結論...蒸し器もbowlも同じで、燃やす腕だけが問題だ。

GrillPut自体はさすが独逸製らしく、シッカリした精度で満タンな薬罐を乗せても危なげない。肉のかたまりを乗せても大丈夫そう。組み立てがちょっと手間だが、全てが一本に納まるところがスタッキング大好きな男心をくすぐる。が、ずっしり重いのが残念で、チタンで軽く作ってくれたら、あるいは横笛になったりしたら面白いのにぃと残念だ。
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なにはともあれ、焚き火会に参加する装備が出来たのだが、週末は雨だ...
土曜のスキーの予定がずれ込んで焚き火会には出られない模様(涙


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何か変

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# by ulgoods | 2010-02-27 03:41 | 燃える系

Ultra Sil DayPack / SEA TO SUMMIT

昨年のUltra Sil Shopping Bagに続く買い物系として、安かったので海外からの買い物のついでに購入した。
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容量20L(カタログ値)
重量75g(実測)
色使いとジッパーの付き方が印象的だ。

素材はトートバッグと同じくSiliconized CORDURA NYLON、リップストップ織り込みで軽くて強く、良く滑るので縫い付けの小さな袋に収納が楽である。トートバッグは暫く使っていて収納袋の口の締まるところが擦り切れた感じになってきたが、これは生地自体ではなく、シリコンのコーティングが剥離して来たのもので、収納袋の口の防水が緩くなってもあまり問題を感じていない。が、あまりアレでもナンなので、最近は収納せずにそのままポケットに突っ込んで買い物に行くが、嵩張らないのであまり問題はない。
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このUltra Sil DayPackも暫く使っていて気に入って、最近は買い物用としてはこちらの頻度が高い。何が良いかというと、まー、ザックで両肩に掛けられるという点に尽きるのだが..前かごが着いていない自転車で買い物に行くと、トートバッグでは肩からズリ落ちてきてハンドル操作に支障を来すという問題が解消できている。以前勤務していた会社の社長が、彼はゴルフとかテニスとか、左右非対称の運動は体に良くないという持論の持ち主で、私もその点は同意、というのは昔の話しだが、重いPCをショルダーバッグに詰めて移動することが多く、やはり体の片側に荷重が掛り、恐らくそれが原因で腰を痛めたことがある。それ以来、スーツを着る場面でもDayPackで担ぐことになっていて、以来その辺の不都合は解消されているので買い物もDayPaqckが望ましいはずだ。しかし、行きがけに空のDayPackを担いで行くのもペタペタで情けない感じがしているが、こいつならポケットにワシっと突っ込んで行けるのでいい塩梅である。また、寒い時期などはポッケに手を突っ込んで歩くこともあるから、手を使わないで済むザックは好都合だ。
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このザック、生地のコシで形を保つほどではないが、おそらくショルダーストラップの位置が良いのだろう、荷物が少なくても昔のナップザック的に下に垂れ下がる感じはなく、結構しっかりと担げているのも良い。縫製も荷重の掛る箇所はしっかりとバータックが入っており、不安がない。また、ショルダーストラップも芯など入っていないのだが、力が掛かる部分はシワにならず、面で荷重を受けてくれるので食い込んで痛いと言うこともないようだ。買い物専用のトートバッグに比べて口が狭いので長尺系の野菜は収納仕切れずに、しかも力が掛かるとジッパーが自動で開くのはスライダーの穴に紐を通して縛ればいいと思うのだが、実のところネギなどは二つ折りにしてしまうし、大根も小振りなものなら収納できているので、その工夫は試したことはない。概ね買い物かごに軽めで一つ分は収納できる。
収納サイズは肩掛けバッグに比べて横幅が一回り大きい感じ。
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唯一の問題と言えば、このDayPackを買い物用にすると、少し買い物の選択目が変ってくる。というのも背当てとかの骨格が全くないので、買い物時にはコレは背面に当てて、これは横方向の骨格にして..という具合にパッキング時の納まりで商品を選択する傾向が芽生える。とはいえ、余分な買い物をしては負けの意志が強い人には買った物で姿良くパッキングする練習になろう。買い物でも山でもザックがでこぼこでは格好悪いからね。刺身類を型くずれせずに持ち帰るにはだいぶ気を遣うが..と、夏場は背中に汗をかくだろうな。

山行きの時にはベースキャンプから遠出する形態の場合はサブザックとして便利かと思っている。先日の水上イグルーでは寝袋としてWestern mountaineeringのVersaliteを詰めていったが、結構大きな寝袋も難なく納まり(パンパンだとジッパーが閉めにくいが)、重量もオリジナルのスタッフザックの45gに比べれば1 oz.ほど重いのだが、何かと兼用ということであれば許せる範囲だ。
このDayPackで一泊山行をする度胸はないが、買い物用としては概ね満足している。



近所のスーパーはサミットというので、あながち山やこのメーカーと関係ない訳ではない

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# by ulgoods | 2010-02-15 03:41 | 運搬系

再びイグるも

今期二回目のイグルー構築に予定していた日は、折しも新潟でも二十数年ぶりという豪雪のニュースが飛び込んでくる程の大雪の日に当たってしまった。嬉しいやら困ったやら...
今回は新規調達したイグルー製造器を加えた2台体制で臨む。小型を二基、素早く構築するのが目的だ。
人員は六名。とあるルートで闇の人買い市場で参加を表明してくれた方々だ。
Locus GearYoshidaさん
水上の筏漕師 ガイド風間さん
新・放置民が行く ひとりでできるモン!いのうえさん
物欲と偏執の館nutsさん
ファミリーキャンキャンプynさん
わたくしULG

前日にマチガ沢出合いを通り、一ノ倉沢が見える場所まで1時間楽勝で行けたという風間さんの事前調査を受けていたが、この雪では前回のラッセルの再来だろう。嫌いではないが避けられる苦労は買っては出ない派、ということで予定地は武尊山の麓のスキー場の先の除雪が尽きたところ、緩やかな斜面を適当なところまで登って構築しようということになり、群馬県で3番目に売れているというコンビニで握り飯を調達して向かった。昨夜こちらに着いてから宴会の予行練習を盛大に行ったので少し残っている...この朝は豪雪のため電車は止まっているらしい。
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車を出したが雪は一層強くなっており、スキー場へ向かう道では多くの車がスタックし動けなくなっている。おつきあいしていられないので、立ち往生している車には救いの手を差し延べてサッサと路肩に寄せてもらうという善行を積みつつ予定地に向かうことになった。最近の車はペコペコなので下手に押すと凹ませてしまいそうで、善意とはいえ凹ましたらそれはそれで請求されるだろうから車体がカーブした固いところを探して押さなければならない。
宝台樹スキー場の道路脇を通るリフトを見上げながら現地に着いたが、なかなか立派な降りっぷりにチョット怯み、取り敢ず空荷で場所の選定に向かった。股くらいの沈み込み、強力な突風がホワイトアウトを起こす。
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ゴーグルしてなきゃ立ち往生だ。が、雪質は締まる系で期待が大きい。六名で交代ラッセルしながら200mくらい進んだが、うーん、いくら雪の中で寝たいと言っても、こんな強風雪下でやれるのか?ふと一人が口に出すと思いは皆同じ、さっさと退却することになったが時刻は早くも12時近く、大幅な時間ロスで痛い。
次に向かったのは出発点の至近、ガイド風間氏がキッズコースとして設定している沢沿いの林道を進むコースである。ここは頭上で風が轟くも平和な道だった。膝を越すくらいのラッセルで緩い登りを適当に進み、平らな広場を見つけて、先ずは予防的に各自のシェルターを設置してから作業に取りかかったので14時。時間的に厳しい。

今回は、iglooマシンを1台追加し、2チームでそれぞれ小振りなものを短時間で構築する方針であったので、私は8フィートの二人用に竿の長さをセットした。これは一昨年の八ヶ岳でも比較的短時間で構築した扱いやすいサイズである。風間チームも同様の筈。今回はビルーダー、シャベラー、雪収集係各1名の3名の2チームで臨んだ。収集係が専属というのは作業の効率が(シャベラーの疲労が)高い。雪は遠慮無くどんどんモリモリ降っているが、風が無いので作業に支障はなかった。途中で雪質が変ったようで良く締まるようになり、構築中の崩落の心配が無くなったので、どんどんと作業が捗った。作業方法も販売元のビデオを見直したり、マニュアルを再度頭にたたき込んだり、雪質がよいので締め固めの手抜きをしたりで、チーム各自が高速とぐろ巻きマシーンと化して汗を流した。
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16時を過ぎた時点で胸の高さまで積み上げることができ、これはイケるのかも!と思ったので、屋根の閉鎖を目指して働いた。うつむいたまま無心に雪を固める作業をしていたが、ふと目を転じてみると、風間チームも快調に作業を進めているのだが、何か変?2人用の筈だったのだが竿の設定を間違えたらしく前回同様4人用くらいのサイズで進行している...しかも、途中で支点が抜けたことに気がつかず、一部が膨らんでしまって真円ではないらしい。辺りも暗くなってきたが今さら縮める訳にもいかないので、それはそれで作業続行だ。16:30、急速に開口部が狭くなり、肩が壁面に触れるようになってきたので一気に閉鎖に取りかかった。ブロック積みから左官屋的な作業に移行する。そして17時、垂直に押さえを立てて、天井に雪を盛り、外から堅めに掛ることができた。既にトンネルも完成しており、あとは支え棒を外して天井が崩落しなければ完成である。三度目であるが天井の支えを外すときは緊張する。
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もー勘弁してくれと言いそうなくらい雪を盛って外から叩きいたので、頃合いも良かろうと支柱を緩めた。おおお、不思議と雪は天井の平面から崩れず、無事にドームを閉鎖することができた。成功である!その後、狭かったトンネルを拡幅し、床にこぼれて固まった雪を削って整地して完成とした。外は既に暗い。
風間チームもヘッドライトを装着して作業を進めているが、いかんせんデカ過ぎた。まだ胸の高さで、あと2時間は掛るだろう。取り敢ず完成した2人用は詰めて入れば座った状態の6人を収容できそうだったのでこれを宴会場とし、風間チームの作業も明日に持ち越すことにした。
お疲れさんでした。雪はワサワサ降っており、積んだブロックの不整を埋めて綺麗に雪化粧してくれた。同時に各自のテントも既に雪に埋まり...先が思いやられる。

各自、寝床の用などを済ませて完成したiglooに集合したのは18時も過ぎていたか。天井付近に換気口を空け、壁に枝を刺してCO感知器電球色LEDランタンをセットした。LEDランタンに照らされた壁面は蝋燭の時と同様、オレンジに染まり雪の中でありながら暖かみを添えてくれた。
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今日の晩飯は凄いのだ。風間氏が全員分のキャベツと豚バラの蒸し焼きポン酢添えと沖縄風ソバを出してくれることになっている。その他各位も概ね三人前の料理を提供することになっており、私は前回同様におでん、ポークソーセージ入り、他の方々もコラーゲンたっぷり美人鍋、カレーうどん、大根おろしで炊く常夜鍋、豚トロ焼き、麻婆豆腐などの出し物が予定されている。酒も充分。日本酒、焼酎、うおっと!危険なボンベイ・サファイア も一本飛び出てきた。火器はなぜかPrimus Eta Powerの2.1L+1.7L鍋セットが三つもある..常夜鍋はトランギアストームクッカーで炊かれる予定だし、焼きうどんは炭火でヤルという。外の豪雪をものともせずの宴会が始った。ら、すげーサプライズがあった。ガイド風間氏のBora80から、ナンと取っ手付きビールの3L缶が!食材のみならず、こんな重い物まで..雪遊び労働後には何よりのご褒美だ。途中そんな凄い物を担いでいるとは言っていなかっただけに感謝!男は黙ってビールを担ぐ、か。鍋を囲んだ車座で宴会が始った。
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Eta Powerを3台も出してもアレなので、火器は1台を据えて鍋は各自のを使って順に調理を行った。igloo内の気温も上がり、天井付近の荒れた部分から水滴が垂れだした。構築担当としては締め固めの手を抜いているので少し心配ではあるが、まー、20cm近い壁面厚だし、表面が少し融けたくらい平気だろう。酒も進み次々に出される料理に満腹中枢も満たされた頭はそれ以上のことは考えることができない。鍋類は大いに水蒸気を放散しているが、壁が雪であるから、全部吸収されて濡れ戻りがないのがテントと違って冬の宴会に理想的だ。
炭、大丈夫かな?とカレーうどん担当が言う。炭はCOを大量に出すので危険だが、通気口も拡大したしCO検知器もあるので、やってみるかとなった。が、炭というか大きな竹輪状の練炭は着火剤が着いていて、濛々と刺激性の白煙を上げだした。まだCO検知器は鳴らないが、目や喉が辛い...炭は退場していただき、野外での調理用となった。CO検知器は積算濃度で鳴るので瞬間的には反応しないようだが、人間は高濃度のCOに触れると瞬間的に落ちてしまうので、その差、狭小な空間内で着火剤付の炭を熾すということは厳に慎むべきである。
igloo内での食料消費にタイムリーに対応するため、私も屋外でおでんを煮始めた。雪室内でもにんにくホイル焼きなどの調理が進んでいたと思うが、複数の蝋燭も灯していたし、やはりCO検知器が鳴りだした。血中CO濃度10ppmで鳴り出すことになっており、その状態で小一時間は死なないのだが、センサーがうるさいのでCOに気をつけることにして電池を抜いて黙らせた。
おでんも好評のうちに売り切れ、雪の中、アルコールストーブで炊きあげられた常夜鍋も供され、熱燗も進んだ。が、ボンベイサファイヤも空きそうだ。特に冷やしておかなくても冷たい状態が維持される。壁面をコップで軽く擦って雪を中に削ぎ落とし酒を注ぐ。強いジン、よく冷えたジンほぼストレートは危険だが旨い。
馬鹿話の名手が揃い、酒も料理も充分堪能し、いやー、和んだ和んだ。
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寝落ちする人はテントに強制送還し、残りのメンバーで暫くやっていが、中は防寒着が要らないくらいに暖かくなっており、心なしか雪室が締まって縮んだ気がする。やがて、外のトランギアで作られた本格ドリップ珈琲に呼ばれたのでお開きとなった。〆のコーヒーは旨かったなー。
雪はなお強い。各自寝る前にシェルターの掘り出しが必要だった。
私のHex3も裾に雪が溜まって超トンガリ尖塔状の屋根になっている。本来であればVBLのテストのつもりだったが、やはり酔ってしまえば面倒だ。雪かきも面倒なので入り口のファスナーを開いて寝てしまった。

翌朝、雪はまだ降り続いている。幸い埋もれてはいないが、かなり居住面積が狭まってしまった。
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ああ、人の声が聞こえる..もう構築が再開されているのだな。暫くして外に出たら昨夜iglooに宿泊したメンバーが自分のシェルターを掘り出している。聞くと、igloo内部が凄いことになっているらしい。外見は昨日のままだが...若干狭くなったトンネルを潜って雪室に顔を入れてみたら、おおお、何ということか!外見形状は変っていなかったのだが、内部は一部の壁が大きく孕んで床に近づいているではないか!これでは寝ていた中の人は驚いただろう。
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昨夜の長時間の煮炊きと、発熱体が一晩居たことと、朝で+1度という暖かさで緩み、呆れるほど降り積もった湿雪の凶暴な重量と...壁面のブロックがゆっくり流動して潰れてきたようだ。この形は!基部の2段くらいはそのまま残り、壁面の一部が孕んで内部に落ち込み、反動で天蓋が盛り上がっている。前回の消失後の姿の途中経過であることが分かった。やはりコレだったか!雪は凹みに溜まるから、昨夜降った数十センチの雪で窪みは重点的に隠され、雪室の縮みも気がつきにくかった。
もう一基の構築中のiglooは..ああ、こちらも組み上げ途中の壁が飴細工のように内部に倒れかかていた。よく見ると..構築途中で残しておいた竿に力が掛かり、大きく曲がっているではないか。
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構築中は外れやすい支点であったが、なにもこんな時に頑張らなくてもと泣けてくる。昨日遅くまで頑張ったこちらチームも無念だろう。彼らには申し訳ないが壁面に倒れかかったり残ったアーチ状に登って強度を確かめた。人が乗っても壊れないほど結構固いことは分かったが、長い時間では流動するのだ。気温がプラスではどうしようもないな。
意気消沈したが、やることもなくなったのでお茶を飲んだり豪雪風景を楽しんだり、ゆっくりと時間を潰して帰途についた。昨日埋めたペグなどは最初は効きが頼りなかったが、撤収時には雪も締まったので掘り出すのに苦労した。昨日付けたトレースはほぼ埋まり、また新たに膝上くらいのラッセルを強いられた。林道入り口に停めておいた車は巨大な豆腐のような、白くて四角い物体になっていた。
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スコップで車を掘り出して帰った駐車場も雪が膝くらい。掘り出さねばネーチャーナビゲーターの事務所にも入れないし、何より帰りの車を出すことができない。一番の難所に思えた。運良く隣の自動車整備工場がブルトーザで除雪をしていたので、風間さんが話を付けてこちらもやってもらうことができたのは大いに助かった。でも、その後に車を掘り出すのに小一時間は必要...何をするにも雪をどかさなければ始らない。
一段落して事務所に入り、昨夜作りきれなかった料理を作り昼飯とした。いやいやコレはコレは、たっぷりと腹が苦しくなるほどの分量の料理が出てきた。どれも旨い。

やはり低地ではiglooを保たせるのは辛いようだ。しかし、3時間という短時間で構築できたのは成功とする。
次回は、パイプの曲がりを直したら、標高の高いところでの構築に取りかかろうと思う。
いや、今回も楽しかった!ありがとう。

igloo製造器の1台を風間さんの所に置いてきた。遊びたい人は連絡してみると良いかもしれない。


ただ自然の色々の現象について正当な理解を持ちたいと思っていられる人々に...「雪、中谷宇吉郎博士著」より
いまさらながら、名著です...
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# by ulgoods | 2010-02-11 11:13 | 山行

雪の夜に

雨が雪に変わった2/1の夜を、いつもなら裏庭にシェルターを張って雪見酒といくところを、今回は昨年来テストをしているVapor Barrierに捧げることになった。
従来の寝姿でのVapor Barrier(以下VB)はVapor Barrier Liner(VBL)という不透湿のサックに入って体を蒸らし、余分な発汗を押さえて水分のロスを抑制しつつ寝袋の濡れを防ぐという事をする。昨年は市販のVBLの代わりに全身がスポリ納まる巨大ビニール袋を調達して蒸れ具合を確認したのだが、どーやら見た目の問題があるらしいのでIntegral Designsの製品版SilNylon製VBLを調達して今シーズンの出動を待っていたところ、そんな格好で寝てたら夜の厠へ立てないじゃないのか?という素朴かつ切実な疑問が勃発していて、私としては厠へ立たないという方向を考えていたのだが、beyondxさんから着て寝られる衣服型VBLを採用してその上に防寒着を重ね、着膨れ対策でQuiltに入るという解が提示されテストに供された旨の情報が入った。衣服型VBLというのはいわゆるサウナスーツである。heatsheet blanket を使ってテストしていたbmpさんも未踏分野のテストをすべく既にサウナスーツを入手したらしい...確かにそれならQuiltから身を抜くだけでVB効果を維持したままで厠へ立つことができる。VBL史上画期的な転換点であると感心したので、私も安価なサウナスーツをAmazonで仕込んで到着したのがこの朝だった。何の因果か安物塩化ビニール製サウナスーツが来た夜に雪..これは庭先で試さねばなるまいと、私のGhostがそう囁いた。

日付が変わる頃、雪もワシワシ降っており既に5cm位は積もったか、寝姿の構成が終わった。
体にFineTrackのFloorRush Skinの長いのを着る。これは直接汗のサウナスーツが肌に密着する不快の軽減用だ。
サウナスーツを着る。
足は裸足にGoliteのVB靴下を履く。本来ならcoolmaxの薄手の靴下でも履くべきだろうが、どんくらい不快か試したかった。
上にBMWのcocoon 60 Hoodedを着て、下にmontbellのdown inner pantsを着けた&Possum Downの帽子。
足元はmontbellのテントシューズを履いた。
袋はNunatakのQuilt Arc Alpinist EPICをかぶる。
その上にBMWのVapor Bivyで濡れから保護する。防水ではないが、耐水性をチェックしたかったココロ&Bivyから顔を出さないと呼気でQuiltの外側を湿らせてしまう対策。
屋根は自作のSilNylon製MicroTarpを張って、顔面に雪が積もることを避けた。
マットはmontbellのU.L.コンフォート150、担いで行かないが、たまに使わないと腐るので。
シートには以前使ったデカいポリ袋を。これ、切り裂けば屋根になりそうだし、そのまま潜っても夜露を防げるのでツェルト代わりにも。
以上、失敗しても直ぐに家屋に逃げ込めるので気が楽だ。

これらをセットして庭に横たえて潜り込んだ。
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幸い風はないのでMicroTarpの庇で雪が顔には掛らない。先ず感じることは体の蒸れである。サウナスーツを着ているので当然か。靴下を履いていない足に早くも汗を感じた。やはり熱が籠るので寝袋の最低温度を押し下げる効果はあると実感するが、サウナスーツのバリアが破けるとヤバイので、いまのところは浮いた温度はヌクヌク方向に振り分けておく。何度の得をするとは定量的には言いにくい。
Pertex Quantum製のBMW Vapor Bivyは縫い目を閉鎖してはいないが、土砂降りでないので何とか保つかという気持ちで投入してみたが、積もった雪が表面で融けて水滴になるも良く弾き、生地と縫い目からは浸透はして来ない。今のところ大丈夫だ。VBの効果は朝方に分かるだろう。
目を転じ、雪化粧した殺風景な裏庭を見る。このくらいの雪があれば美しい。厳しさもないが愛でるには悪くない。
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遠くでサイレンの音が鳴り止まない。転んだり車を転ばしたりする人が多いのだろう。雪道で革靴かしら..格好はどうでもいいから長靴でも履けばいいのにと思う。内股に力を入れて地面の摩擦を期待しないで歩かないとダメだよ。とか思っているうちに寝てしまったか。途中何度か目を覚ましたが、VBで蒸れてはいるが一応超薄だが下着も着ているので不快感は少ない。生理的作用で汗が止まり、無限に汗をかき続ける訳でもないので自分の汗で溺れ死ぬ心配もない。どちらかというと少しベッタリした温さ、胎児の記憶なのか?雪の夜の裏庭だが、私にとってはむしろ心地よく、また眠りに落ちるを繰り返した。

最後に目を覚ました時は既に空も明るく、もう雪も止んでいた。ああ、よく寝た...
蒸れの具合であるが、やはり袖口や首の辺り腰の重ね部分から漏れるらしく、袋に潜ったと聞き比べて内部に留まる蒸れは少ない。ビニール袋で寝たときは外気の低さも相まって内部に相当の結露が生じたが今回はサウナスーツ内に液体としての汗の存在は認められなかった。ただ、足だけは完全に密封されたようで、靴下を履いていないことも相まって汗を感じた。
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BivyとQuiltを剥がしてサウナスーツの首を緩めてみたが、盛大な蒸気の放散は起こらなかったのは少し残念。体を抜き取ってQuiltの濡れを見てみたが、これは全く濡れや湿り気が無く良い状態だった。蒸気の漏れはあるものの、発汗自体はある程度抑制されていたのかもしれない。PertexQuantumのBivyもこの程度の条件なら立派に働いた。FineTrackの下着はややこしい部分を除いてはすぐに乾いた。
このサウナスーツは約400gある。暖かさの付加目的ならその分を羽毛に振り分けた方が安心できる。寝袋を濡らさない効果だが、まぁまぁあるような気がする。東京でも氷点下に下がる日が続けば条件を単純化するために室内テストで検証したいと思っているが、幸か不幸か暖かい。ああ、IDのVBLも試さないといけないな。
あまり過酷な条件下でなくともVBの効果はあると思っている。手間の問題だけ。
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個人的は、手足胴首からの漏れを防いで着られて軽いVBLとなるとCuben Fiberで作ったツナギ状のものが欲しいと思っている。靴下と手袋も一体化した、太い徳利首の長いもの。徳利の首の端を寝袋の顔から外に出せれば呼気や蒸気の漏れで内部を濡らさずに済み、適度に絞って顔は露出できよう。で、寝袋も非透湿、ただし収納やロフト作りに空気の出し入れは要るので、いっそORのDownMatが円筒になった物ができないかしらと夢想しているのは私だけではないはず!


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雪の夜は楽しいよね 呆れられても知りたいことがある...
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# by ulgoods | 2010-02-03 12:49 | 生活系

LEDランタン追記

年の初めに100円のLEDライトのLEDを電球色に換え、更に光の拡散と防水性を付加するために100円で買ったゴム手袋の指で覆ったものをデッチ上げたのだが..ラテックス姿は一部で不評のようだった。
ま、取り敢ずは情報を投げてみた感じだが、先週のこと、投げた情報がネギを背負って帰ってきた。

先週のとある寄り合いで、blog物欲と偏執の館の主nutsclubのnutsさんとお会いする機会を得たのだが、その際、氏から見せられた物がコレ、LEDの拡散キャップ。
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こーいうのもあるんだね~、1個数円の部品であるが、、あるとないとでは仕上がりに大きな違いが出る。元々ラテックス仕様は防水というよりも光の拡散が主な目的であり、LED部分さえ覆えれば良いのでこれは最適だ。
何個か頂戴したのでラテックスから置き換えてみた。更に、キャップにも高品質の日本製と、海外の廉価版があるということで、比較するために100円LEDライトを追加して並べて点灯してみた。写真右二つは日亜の510、超高輝度広角タイプにキャップを被せた物である。
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元々鍵穴探しにと書かれて売られているのでオリジナルの光は狭くて強く直視は困難なのだが、LEDを置き換えて更にキャップをすることで直視しても大丈夫になった。寝て過ごすことが多い狭いテント内では強い光が目に入ると瞳孔が閉じて幻惑を招き、結局暗い。で、どちらのキャップが高級品かは分からない...でも、情報を漁ってみたら、更にコレをプラスチックのケースなどに仕込むと差が出るという。
暗い部屋で点灯したところ、オリジナルは前面に集中した光の輪ができるが、電球色&キャップではそのような光の集中は表れず、さらに影の出方を見ると、広い範囲を照らしていることが分かった。テント内でヘッドライトを付けなくても何とか物の在りかが分かる程度の光源としては使えそう。テント内での使い勝手をテストしたいのだが、いつもの裏庭のテスト場は周囲の明かりが入るので適当ではない。街からは鼻を摘まれても分からないほどの暗闇は一掃されている。
で、色々調べたら、蝋燭の揺らぎを再現するLEDも凄く安く手に入るようだし、もう少し遊べそうな気がする。
30時間点灯を謳っているので新品電池も100円で購入してあり、連続点灯テストに供する予定。何なら2個くらいセットしても充分軽い!

情報を発信することで受信量も増えるって連鎖、いいなー

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# by ulgoods | 2010-01-26 05:03 | エレキ系

消失


追記
水上のガイド風間氏の追跡聞き込み調査によると、1/18時点ではまだiglooは存在していて、ツアーの人たちが入ったり記念写真を撮ったりしたという情報が入りました。

本文
イグルー無いですぅ..と水上のガイド風間氏から少し裏返った声で電話が入ったのは土曜の夕方の事だった。昼頃にも電話をもらったが掛け直すも通じず、少し悪い知らせの気もしていたが、知人と多摩川縁で珈琲を飲んで写真談義などしていた、その帰りの自転車で二度目の電話は鳴った。
イグルー無いです..
え”!そんな莫迦な
あんなに突き固めた大きな雪の固まりが消えるなんて??一瞬、知人の死亡通知を受けたに似た暗澹たる気分に突き落とされた。なんしか、我々は合計8時間余の時間を掛けて構築し、最後の30分ほどしかそのドームの下に滞在していないのだ。今シーズンはそのドームを使って遊ぼうという気持ち満々で後ろ髪を引かれる気持ちでドームを置いてきたのだから、それが無い!というのはどーにも信じたくない。で、電話で状況を聞くが何とも分からない。幸い、写真をたくさん撮ったというので送ってもらうことをお願いした。
可能性は二つ、破壊か溶解。どちらかというと破壊?などという邪な気持ちが頭をもたげる。キンキンに冷えた冷凍庫の中に置いてきた突き固めた雪の固まりが雪シーズン真っ盛りの1月に易々と溶けることは私の感覚では考えにくかったからだ。とりあえず、JOTAROさんと事故調査委員会を立ち上げた。実は溶解よりは人為的な破壊の方がある意味救われる。場所を秘匿して再構築すれば済む。しかし、溶解では..お天道様には敵わないから辛い。

送られてきた写真を見ると、一段目の円周を残してドーム型は存在していない。
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基部だけキレイに残るのも変な感じだ。まずは破壊を疑った。通常、私の知る限りiglooの崩壊姿は、壁がやせ細って穴が空くが最後までドーム型を維持していることになっている。とは言え、自分の目で確かめたのではなく、あくまで海外の事例(Backpackinglight.com)だが...

見方によっては危険な構築物な訳で、見回り役の人の指導が入って撤去されたのかと。

で、泣く泣く風間氏がスコップで切開した写真を追っていくと、天蓋がそのまま残っている。ん?変だぞ。
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床に天蓋が静かに覆い被さっている。空間も残っている。一気に崩落したのではこうはなるまい。側面半分を切り崩したドームの上に大人2人が乗って更に側面に蹴りを入れて崩壊させたビデオを見たことがあるが、やはり高さのあるところから落とすと天蓋なども粉々になっていた。これは...
また別の写真では残った一段目の断面が滑らかだということが見て取れた。となると側壁部分が溶解というか緩くなって静かに潰れていった、例えばロングスカートのご婦人がしゃがみ込むときのスカート形状の感じ?うーん...側壁の腰の辺りから均等に潰れていけばドームの頂上は押されて盛り上がる形を保つだろうから、1枚目の写真と、この形状は納得できる。
風間氏が地元のガイドの方々に電話で聞きまくった結果では、Week-Dayに人は入っていないという。

誰かの仕業を疑っていると人相が悪くなりかねないので、気象台から水上のデータを取り寄せて検討してみた。水上と現地では条件が違うが、標高的には+100m程度だろう。水平距離もさほどないから都市熱も考慮して仮に-2度位を想定して大きな違いはあるまい。
我々の作業は16,17日である。
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どうやら、前日の15日が最も冷えていて最低気温は-10度、最高でも-0.5度、パウダースノーな訳だ。16、17も最高気温が氷点下であり、私が穴蔵で粉雪の中で寝た夜は水上でも-5度くらいであったことが伺える。が一転、我々がドームを置いて帰ったその日以後、気温グラフは急上昇を見せ、なんと、最高気温が+10度!19,20,21日では平均気温が+1,2度であった。コレでは溶けて当然だ。丁度、風間氏がレスキューの講習で水上を留守にしていた頃か...仮に付きっきりだったとしてもお天道様というか、周辺の気温の雰囲気には敵うまい。
穴蔵として使った小屋も軒先まであった雪が沈み、今では楽勝で利用可能な感じになっていた。
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しばらく降雪と冷気中で養生されればもっと強度が出ただろうが、翌日からコレでは駄目だ。運も悪かった。
下図は最高気温が出た日の水上の1時間毎の気温の推移である。一枚目のグラフと最高気温の整合が取れないのが気がかりだが..
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朝の9時以降、氷点より上、しかも、夜間ですらである。これでは強度は出まい。
のと、製造過程を思い起こすと、いろいろ端折った点があり、特に側壁を滑らかな懸垂曲線に仕上げるべきところを段数が嵩むのを嫌って適当にしてしまったことが思い浮かんだ。途中に変曲点が存在したし、間隙が潰れて壁が締まることを考えると、もう少しトンガリコーン状に潰れマージンを取っておくんだった。マニュアルを読み直して器具の製造元の意図を充分に反映できていない点を反省した。また、製造器が作る壁の厚みは一定であるのに比較的大きなドームにチャレンジしたため、上部の重量に対して相対的に側面が弱いということも圧壊の原因として挙げられよう。

で、今後の方針だが..
昨年のデータも検討してみたが、1,2,3月共に最高気温が+10度程度に上がる暖かい日というのは充分にあり得るという前提に立つと、一冬保たせるにはだいぶ標高の高い場所に行かないとダメっぽい。ということは、時間を掛けて大きなものを構築するよりは小さなものを短時間で構築してその夜を泊まって帰ってくるのが良いだろう。帰りは...気温の急上昇で崩落の危険性も排除できないから、自ら破壊するか。滞在型を作って残置する夢は水上エリアでは山の上でやることを考えるべきか。

というわけで、イグルー製造器をもう一セット発注した。2組で並行して小型を二基作る。連結もしてみたいな。
など、まだやる!!
世界のigloo野郎が集うForumにも入ったし、もすこし理解を深める。キレイに速く作れるようになりたい。越冬性ももう少し検証したい。弱点が分かったから補強のことも考えたい。
あの陽を通したブルーの下で過ごすのは何とも気持ち良いからね!

忘れはしないぜ、igloo2号!
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今はラッセル不要で歩きやすいそうだ。風間氏も装備を充実させてお待ちの模様。一緒に行けば初体験の人でも楽しめるだろう...新米ガイドであるが、よろしく頼みます。
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条件が良ければ一ノ倉沢が見えるところまで行けるかもしれない

冬期の気温を追って勉強になった。冷えているだけじゃない。刻々と状況が変化している。これじゃ急斜面で雪崩も起こる訳だし、締めた雪のプラスチックな性質(可塑性)というか、流動性にも目を見張った。


もしも惜しみない哀悼があるとすればクリックで... Click! Thank you!!


昨夜は弔いのつもりで飲みましたとも...
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# by ulgoods | 2010-01-24 11:28 | 宿泊系

谷川イグルー構築 最終

ガイド風間氏から行く朝の写真が届いた。写真を撮る余裕があるとはさすが。先を行くのはJOTARO氏
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こちらは私のラッセル風景。後ろの2人は途中で追いついたお父さんと屈強なお兄さん。向こうに小屋が見える。この辺、雪は浅い。
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そー言えば、靴は10年も前に行った先の須玉の雑貨屋で急遽買ったボア付きの安い編み上げ長靴を履いていた。底のスパイクを立てた畳んだりもできるし、背が高かく脱着が容易で暖かさも充分だった。かんじき用だろうかカカトに段が出ているのでスノーシューとの相性も良い。

で、就寝中の話しから
顔に舞い落ちる粉雪の冷たさに時々睡眠を妨げられたが、ペロっと口ひげに付いた水を舐めて水分補給しつつ生きていることを確認してから睡眠継続に努めた。たしかナミブ砂漠のゴミ虫がこんな感じで水分を得ていたんだっけ...なんて朦朧と思い出す。たぶん足元とかも埋もれているんじゃないか?と思いつつも、見ることすら面倒だし、幸い暖かさに関しては問題ないので寝続けた。穴蔵生活もテントと違って換気とか結露とかの心配が不要なのでかえって気が楽である。熊の冬眠の気分を味わっていた。
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この夜の寝姿は、まず、Goreの類の膜シェル物は全て脱いでスタッフザックに詰めて転がし(枕にすれば良かった)、ダウンのインナーパンツとダウンジャケット、化繊綿のテントシューズ、帽子、フリース手袋を着用している。暖気を逃がさないためには寝袋の首の回りのチューブを苦しくなる寸前までキツク締めること。これが緩いと台無しだ。顔自体はいつも外気に晒されているから比較的強いと思う。呼気で寝袋の口元が濡れるので、タオルなど仕込んでおく。なことを仕込んでおいたので朝までよく寝た。
POEのAeroGelマットは、ありがたいことに冷たくなかった。というか充分。AeroGel部分が梁になってマットが潰れすぎるのを防ぐことで厚みを維持しているのだと思う。
翌朝は8時行動開始を申し合わせており、各自の朝のスタイルを逆算して起きていただく。別々に寝ているので人に煩わされずに済むのがありがたい。合宿じゃないしね。私は6時くらいにアラームで起き、二度寝を楽しみ、7時過ぎから寝たままで餡パンを放り込み、珈琲を飲むのに仕方がないから寝袋から身を抜いた。直ぐに上下ともGoreのシェルを羽織って羽毛服を濡らさないようする。Jetboilに雪を詰めてどんどんお湯を作って多めのコーヒーをすすりながら穴蔵から首を出した。曇天、風雪..昨日より悪い。また積もったようだ。トレースが埋まりかけている。
さて、今日中に仕上げないと...
大量の湯を飲んで体も温まったので、周囲を散策した。といっても踏み跡を外れると雪に溺れるので気をつけなければなならない。LOCUS GEARのJOTAROさんは自作の極薄Cuben FiberのKhufu Shelterを持ち込んでテスト中。
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裾は雪で埋まっている。ん?換気不足で大丈夫?と思って声を掛けてみたが返事がない。ふと悪い予感が過ぎり再び呼んでみた。ら、うおぉーっと返事があった。なんだ寝てたのか。もう作業開始の時刻が近いのに..ま、仕事じゃないからいいか。しかし、自分でデザインして縫ったシェルターで過酷な夜を越えたというのは良い気分だろうな。ガイド風間さんもREIのテントでよく寝たようだ。この日の風間さんはプライベートモードで参加なので寝坊しても問題ない。私は朝の準備が済んでしまったので、みんなが来るまで寒いのでイグルーの回りをグルグル歩いて圧雪に勤めた。

パウダー雪条件でのigloo構築、初段は粉雪を投入して締め固めに苦労したが、昨日の作業で一度踏んで空気を抜いた雪を投入する方が質の良い材料を得られることが分かったので、体温キープと材料確保のために歩くのだ。
皆が朝の支度を終えてイグルー回りに集まったのは9時くらいであった。今日中に屋根の蓋をして空間を維持しないと、小屋の例からして数日内に雪に埋もれて雪の中のただの壁になり、投入した労力の全てが無駄になる。みな無言のうちに持ち場に着いた。
私と風間さんは交代で積む係を、JOTAROさんは入り口トンネルの掘削に取りかかった。積む方は、なかなかうまくいかない。箱の角度によって下段とのギャップが大きくなり上手く詰めないし、箱自体が水平に近く傾斜が付いてくるので雪を詰めた後しばらく養生して雪粒子の再結合を待たないと次に進まない感じだった。騙し騙し少しずつ、尺取り虫が進むようにそろそろと、とぐろの長さを稼いでいった。箱が内側を向くので外からの雪の投入はビルダーの胸をめがけて雪を放り込むようになる。ビルダーは胸で雪を受け箱に落とし手首のスナップを利かせながら、時には肘打ちもかませながら、イグルー作りは雪と格闘技といった様相を帯びてくる。とはいいながら、段の上に行くと少ないブロックで一周できるので急速に屋根が狭まってくるのは嬉しい。
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とかやっているうちにJOTAROさんのトンネルも掘り進んだ。もはやトンネルを造らないと中の人が外に出られない。が、このトンネル、堀り進みすぎの懸念がある...あまり掘ると入り口と反対側に取る2人分の居住スペースが無くなってしまうし、作業中は竿の設置点は崩す訳にはいかない。10ft.イグルー内の人の配置は、中央まで開削したトンネルの両側に1人ずつ、奥に2人で計4名となる。トンネル堀も楽しそうだが、中の人に竿の支点と壁の間からピットを掘って貫通させ適当なところで切り上げてもらって、グルグル歩いての材料作りに専念してもらった。
出られるようになったので昨夜の宴会場で昼飯を摂った。私は凍ったコンビニ握り飯を煮て、粉末のうどん出汁とうどんの残りも投入した雑炊ヌードルとした。下界では残飯並と言われるだろうが、コレがなんとも旨いのである。
まだ屋根がふさがっていない。この頃では箱の傾斜がきつくなって崩落も起こったりで進みが遅い。何だかんだとあと3時間で16時を迎える。とりあえず、パッキングを済ませて作業に戻った。ここからは時間との戦いになる。
飯も食って元気になって作業を再開したが、どーにも捗らない。もはや傾斜的には限界だ。箱をずらすとヒビが入って崩れてくる。ブロックが重いのだ。屋根は結構高くて背が届かないので足元は雪を盛ってある。
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もーだめか、言わずとも皆に諦めの空気が漂った。このまま蓋をしないで帰るのは悔しい。ビニールで蓋をしても雪で潰れるだろう。何とか薄くても良いから蓋をしたい。ここで、戦法を変えた。予定ではあと数段積むのだが、一気に閉じるモードに入ることにした。駄目なら諦めるほか無い。
閉じるモードでは箱をやめて内側の板だけにして手で厚みを取りながら、ブロックを巻くと言うよりは端面に雪を押しつけて、ちょうど蜂が巣を作るように少しずつ巻いていく。確か、一回目もこうやって閉じたんだっけ。問題は雪が着いてくれるかだ。この頃では雪の空気抜きも上手くできるようになり、上質の締まった雪が得られていた。少し盛って板をずらし、おおお、崩れないじゃないか!と安堵しつつまた雪を着けて、を繰り返していった。もはや竿は垂直に近い。何とかなるんじゃないかと思い始めた頃16時になった。日没まであと1時間、明るい道を帰るならリミットの刻限だ。が、惜しい..協議の結果、踏み跡があるので暗くなっても歩けるだろうから、このまま作業を続行することにした。やはり、地形を覚えたガイドがいるのは心強い。
と決まれば気張って最後の仕上げに掛る。もはや上半身を出すこともできないくらい口は狭まった。腕だけ出して手の感覚でペタペタと雪を着けていく。出した手をめがけて外から雪を放り投げてもらう。中では頭から雪をかぶるが、板に残った少しの雪を着けていくを繰り返した。不思議に水平に近いのに崩落しない。イけるのか!
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最後は竿を垂直に立て、外から雪を投げ込んで、もはや腕も出ないので外からスコップで叩いて固める。手で締めていないので感覚が分からない。板を外して崩れはしないか...心配なので、長い時間掛けて締め固めを行った。中の人も補強に余念がない。
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蓋をした途端に内部は暗い。トンネルの出口が青く光る。そ、この感じだ!海底に沈んだ浮遊感がある。やがて、そろそろよかんべ、と恐る恐る竿を緩めてみたら...おおお、崩れないぢゃないか!これにて目出度く半球を閉鎖することができた。嬉しい。皆で喜んだ。しっかりアーチが組み上がったので、今後は雪が積もって厚みを増して強くなっていくだろう。時々、風間さんに見に来てもらう。
内部を整地して寝転がったりする。蝋燭を灯せば、外からの光の透過で青みがかった壁面がオレンジに染まる。これもこれで美しい。
モデルは安らぎの座敷童と化した風間さん...入り口の青と壁面のオレンジがイイでしょ!
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外の風と音から遮断された安心空間。壁が垂直に立ち、少し堀込んだこともあって内部はかなり広い。やったなーと、しばらく喜んでいたのだが、内部は呼気の蒸気がいつまでも浮遊して濁ってきた。あ、換気口を開けないと。スコップのブレードを外したシャフトでグリグリやって天井に拳の太さで屋根を開けることで空気も流通し、たちまち空気が改善された。あまり細い穴では効果はない。拳ほどがちょうど良いのは前回のCO感知器を使った実験で学習済み。
とか遊んでいたら外はもう暗い。昨日今日の重労働の末に出来上がったシェルター、いとおしい。名残惜しいのだが帰えらねば...

とりあえず、蝋燭と風間さんのスコップを残置した。使う人は私か風間さんに連絡して欲しい。蹴りを入れるとかは勘弁してくれ。あるいは使ったら状態を知らせて欲しい。床を汚したら雪を交換してね!
風間さんの連絡先は所属する事務所ネイチャー・ナビゲーター(冬期は風間氏が留守番役)、
あるいはスタッフのブログのコメントで!
入り口の場所と換気口の位置を教えてくれると思う。彼にコマーシャルモードの案内を頼むとあれこれ安心だ。今シーズンはこのイグルーをベースとしてさらに増築予定である。
様子を見に行ったらblogに書いてもらうことになっている。

とっぷりと日が暮れてから、ヘッドライトを灯して埋まりかけたトレースを伝って土合に戻った。ナイトスノーハイキング!やろうと思ってはやらないが、それも良い経験だった。

雪は全てを埋め尽くし凍らせる。厳しい。が、ふっくら優しい面も見せ、
恐れながらも防御怠りなく近づく努力をすれば遊んでもらえる。
あ”-おもしろかった!



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谷川イグルー野郎どもの記念写真(Clickで拡大)
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# by ulgoods | 2010-01-22 13:08 | 山行