最近のこと 2010暮れ

ずいぶん長い間blogの更新をサボっていた。これまで多くの時間をblogに注ぎ込んできた反動だろうか、いやー、書かないって自由!ってのはアレだが、昔はコミニュケーション手段としてblogを利用していた側面もあるが、最近ではもう少し手っ取り早い手段が発達してきたので、こちらがお留守になっていた感がある。しかし、自分自身への日記的な記録という面ではblogが優れているので、最近のことを記録しておくことにした。

・グレン隊のこと
グレンさん始め、ULハイカー達とのその後には長文を書いたのだが結局UPしていない。私は用事で二泊目は甲武信小屋の天泊で翌日下山したので、自身の行動としては特筆するモノがないので、雨の中を長駆活躍した方々にお任せである。
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彼らは最終日の雨の中を破風小屋から飛龍経由で丹波まで歩き!、グレンさんと温泉に浸かり、共に湯上がり気分の奥多摩線で帰る栄誉を得ている。

私はというと..壊れた足で参加してくれてもう保たなくなった隊員二人と甲武信小屋残留を決め込んだのだが、まだ日は高く、しかし寒いので、畑を造成していた小屋番の爪ちゃんを手伝って一汗かき、その功績で小屋にあがって暖かな土間ストーブ脇で熱燗を許され、そのまま夜の宴会になだれ込み、爪ちゃんやJさんのギター競演を聴き、小屋にお泊まりの人たちとみんなの歌など唄い、気持ち良くテントの中に果てた。来期稼働予定の甲武信小屋の畑には数滴だが私の汗も混じっている。
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これでは歩き続けた本隊に申し訳なくって..その後の話は今になるまで書けなかった。
下山して二日後くらい、三鷹のHiker's Depotのパーティーでグレンさんのお話を聞き、その後30名近くの大所帯で居酒屋に流れてグレンさん奥方様交えて大いに呑んだのは楽しかった。
グレンさんからは帰国後、お手製の誕生日カードを頂戴した。マメで律儀な方である。今後とも交流を深めていきたい人である。

・グレンさんの真似
真似という訳ではないが、グレンさんの被っていた帽子が格好良いので同じ物を探して手に入れた。Tilleyというメーカーであるが、確かに彼が言うとおり被るだけで男前が0.5UPするような気がして嬉しい。
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ついでに彼が帽子の鍔に挟んでいたLEDライトも買って、頭だけグレンさんの出来上がりであるが、真似してみて、このライトで少し考えたことがある。
Fenix L0DはAAAバッテリーの超小型のくせに5段階の発光モードを持つ芸達者であるが、最強モードで75 Lumensの高輝度を発揮するも1時間しか保たず、最弱の7.5 Lumensは8.5時間とあまり長く続かない。重量的には利点があって本体重量14.5gでLi-Ion電池を入れると合計で20.5gであり、Petzl e-Liteより6g少ない。照射時間はe-Liteは最長45時間と比ぶるべきもない。また一見安物と区別が付かない姿だが高機能なので国内では5000円以上の値札が提げられ、これはちゃんとしたヘッドライトが買える値段であったりもする。この辺を勘案すると、おそらく夜でもツバ広のTilleyを放さない彼には鍔が垂れ下がらない6gの差が重要で、最弱で8時間というライトは、暗くなる前に飯を済ませ、暗くなったら即寝て極力灯りを使わないという彼の行動パターンに適合する必要かつ十分なものであり、オマケ的に他に光源を持たないから瞬間的にはハイビームも欲しい、というココロであろう。自分に必要な性能でかつ最軽量を選んでいる姿勢がそこからも見て取れた。
ちなみに私は無造作にパッキングした旧版のPetzl Tikka XPの90gであったので、この時点で70gも負けている..これはイカンと思った。二三泊なら20gで充分なのである。
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グレンさんの雨具について、前の記事に装備の一覧を挙げたので彼が不織布製の、いわゆる使い捨てっぽい雨具を愛用し、かつ下はスケスケのCubenで作ったChapsを穿き、足は濡れるに任せている事は分かると思うが、その運用については..彼にその雨具は使い捨てかと聞いたところ、ななんと2シーズン使うらしい。毎回キレイに拭いて保管しているとのこと。その勿体ない精神には敬服である。不織布の雨具は私も数着持っており、重量的にはGoreとか何とかのものより遙かに軽量なので絶対雨が降りそうに無い日のザックの肥やしにしているが、実線投入は未だ無かったが、彼はウインドブレーカーとして雨具として着続けており、たぶんザックが重ければ短時間で肩から切れてくるだろうから、2シーズンってすごい。ULを極めてなせる技である。
幸い押し入れに在庫があったので、後日のHiker's Partyの時は手持ちの不織布ジャケットを着て行ったのは言うまでもない。私が着て行った旧版は彼の着ていたものより数グラム軽いのは彼も知っていたので、ささやかながら一矢報いた?
今後は不織布の雨具を見ても貧乏だからとか思ってはいけない。ま、適用限界は低いので、その辺を誤らないようにしたい。これでCuben Chapsを何とかすれば雨の日のグレンさんの劣化コピーが出来上がる。

など、グレンさんの装備を改めて味わうと、避けていた大量の文章書きが必要なので、彼の装備表を眺めて思いを巡らせるに留める。


・毛鉤と燻製の迷宮
今年に入って渓でも過ごすようになり、少し古風な感じのするテンカラ釣りを始めた。しかし10月にもなれば禁漁期間が始るので渓流で釣ることが出来ない。そこでOFFの間に毛鉤くらいは自分で巻こうかと思い立ち、今まではハマる怖さから手を出さなかった毛鉤巻きを始めた。道具は通販の一番安いヤツ。テンカラ毛鉤は羽毛と木綿糸さえあれば素手で巻けるくらいなので安いヤツで充分なはずであ..ったが、少し巻けるようになれば手先の練習にと洋風のフライも巻きたくなるのが人情であろう。フライ巻きの手本を取り寄せ、鳥やら獣の毛やシンセ素材を買い足していつの間にかフライも巻くようになってしまった。洋物を巻くとアレコレ素材の使い分けが要るので素材箱はいつしかパンパンである。
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なかなか、難しいのです..
巻いていて、目のピント合せに難が出ていることを悟り、眼鏡屋に○×両用眼鏡を作りに行くはめにもなった。
春用には思い切り小さいのを巻かなくてはならないのだが、やはり安物のバイスではあれやこれや不満が出てきているのは認めざるを得ない事実だったりもする。最初から高価な良いモノを買う度胸がないのは全ての趣味事に共通な弱点であるーるるるるる。

巻くとそれで釣れるのか?確かめない訳にはいかないだろう。ということで、竿と不細工な毛鉤を担いで近所の管理釣り場に初めて向かった。1回目は無残に二匹のみ。しかし自分が巻いたフライを魚が食ったのは嬉しかった。2回目は..前回釣れてた人に聞くと黒系の沈めるニンフが良いと言うのでドライフライ巻きを中断してテンカラとは無縁である沈むヤツをせっせとこしらえて行き、制限の10匹超を釣り上げた。これは嬉しい!って、思い浮かべればこの辺から道が逸れ始めた気がする。なんせ、ニンフを巻く度に釣れますか?ってお魚に訊ねに行かないと確信が持てないのは全く困ったことであるが、下手のせいか鉤のせいか、判別出来るまでは暫く時間がかかりそうだ。とんでもない沼に足を突っ込んだものである。唯一の救いはフライフィッシュに手を出していないこと。しかし、それさえ時間の問題だと言う人もいる。

釣った魚、キレイに掛けて素手で触らず優しくリリースするほどの腕がないので、専ら水から引き抜いて撲殺してお持ち帰りするのだが、そんなにたくさん食べられる訳も無く、その保存に頭を悩ませたところ、ふと十数年前に血道を上げた燻製の道具が仕舞ってあるのに気がついた。ほこりを払って古い箱を開けると..おお中からスモーク材が出てくるではないか!こんな事を見越してかの過去の自分からプレゼントをもらった気持ち、これは燻さねばなるまい..そこから燻製作りが始った。燻製箱のくんちゃん、久々の活躍である。チップは遺産のヒッコリーの他に公園で拾った桜の枝も使っている。最近は桜オンリーなので、公園に行けば無限に手に入る。
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当初の崇高な目的がどーして燻製に行ったのか、今思うと自分でも頭をヒネるばかりだが外道はその後も続いた。

さて久々に燻したのだが、昔取った杵柄的に案外上手く出来て、キャンプの時に配布したら評判も上々だったのに気をよくしてフと考えた。テンカラで釣ることのできる池の魚は小さいが、ルアーで釣れる池の魚は標準で二回りくらいは大きいようだ、どうせ燻製するなら大きめの魚の方が食い応えがあるだろう..ということは、ルアーで数を釣ってからテンカラの練習をするのが全ての面に於いてステキなのではないだろうか..それはいいアイディアだ!というわけで、今度はルアー釣りを始めなければならないことになった。
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最初、だいぶ昔にSierraで使ったペン形極小竿とリールで臨んだが糸絡みで釣りどころではなく意気消沈し、ルアー釣りの人に相談して少しマシな竿とリールを手に入れた。早くルアーの腕を上げないとテンカラの練習や毛鉤の出番がないので困っている。ああ、その前に自前のルアーを作らないと...これではもーなかなかテンカラに戻れない。キッチリと型にはめられてしまっている。

で、燻製と言ってもそう長く保つ物でもないので、保存用に真空パック器も調達した。今では燻製を真空パックし知人に配布して好評を博している。曰く売れるんじゃないのと。それに気をよくし...嗚呼。
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真空パック器であるが、これはちゃんと山でも使い道がある。担いで行っても役に立たないのだが、行動食のトレールミックスを小分けして湿気と食べ過ぎを防ぐとか、帰りの下着を思いっきり真空パックして容積の削減と万が一の水濡れを防ぐとか、ロールパンを真空パックして極限まで小さく携行するとか..ちゃんと山でのことも考えた上での選択であったことは言うまでもない。

今後どこまで道が拡散発展するのか、自分でも怖いようで楽しいようで困っている。



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# by ulgoods | 2010-12-15 04:32 | 駄文系 | Comments(15)

グレンさん軽荷の中身 Glen's Gear List - Chichibu Trail (Japan)

Glenさんのお許しもらったので彼のGear Listを掲載します。
Thank you, Glen-san!

クリックするとデカく見えます
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あ、靴下のメーカー同じだとかいろいろ分かって有り難い..

いわゆるベースウエイトでいうと2114g
着ているもの、帽子の重さまで..1977g
食料燃料込みで5363g
って、超絶

食料の重さも彼が言っていた一日の必要量×日数になってる
毎回ギアリスト見習いたい習慣。
コメント欄で意見交換して味わいたいですな


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# by ulgoods | 2010-10-21 18:30 | 山行 | Comments(9)

進めULグレン隊

進めULグレン隊

Glenさんに会えてそれだけで嬉しかったが、やっぱり挨拶や写真が済んだら歩き始めなければならない。そ、歩きに来たんだっけ。
コースの段取りは
DAY1 瑞籬山荘から金峰山を越え大弛小屋泊
DAY2 大弛を発して甲武信経由雁峠泊
DAY3 雁峠から雲取
DAY4 雲取から石尾根で奥多摩駅
皆さん歩く人たちなので妥当な距離割りか。
私はDAY3に東京で外せない用事があるので早朝に下山することになっている。
さてDAY1、歩き始め10:20頃。金峰山は山歩きを始めた年の雪の残る時期に歩いて以来だから久しぶりでだ。昨年は行こうと思うも道具迷いのせいで塩山からTAXIで大弛に入ってしまいパスしているし、金峰山から大弛峠までは歩いていない区間なので期待が膨らむ。
さすがに皆ペースが速い。
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Glenさんは長身で足が長く、汗もかかずにゆったり歩いているようでもちゃんと速い。普段は単独の人たちであるが、ネットで親交のあるULナカーマと会ったもんだから、途中で写真を撮り合ったりと、まるで修学旅行気分で楽しい山歩きとなった。

富士見平小屋11:11で水補給。Glenさんには日本の水は安全だと伝えてあったので、彼もフィルター無しで水を補給した。

大日岩12:36に大休止。岩に駆け上る人有り、腹にカーボン補給する人有り。Glenさんは車中で配給された?人生初の魚肉ソーセージと、大判のクラッカーのようなのにMiguelさんから差し入れのシシャモを乗っけて食べていた。この時取り出した行動食を見せてもらったが、これは1日分かと尋ねたらこれで4日分と言う。
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体がデカイ割りに食い物が少ないな..後でHiker's Depotで行われた講演で聴いたが、ハイキングに出る前と帰ってから食料の重量を量って、平均一日の炭水化物消費実績をチェックしているらしい。数多くの山歩きを経験して割り出した重量だから信頼性も高いだろう。私は食料に関してはいい加減、というか、あれば食う、無ければ食わない、不安だから多めに持つ感じだが結局は残して帰ることが多い。道具を揃えて軽いよねーとかの段階を過ぎたら、自分の体のことを(体重含めてね)管理しないと、その先には進めない気がした。

13:01出発、15:06金峰山着。ガスが掛かり眺望は無い。
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Glenさんと土屋さんはコマーシャル系の撮影で金峰山頂から狙う望遠レンズに合わせて何度か急登を行ったり来たりでちょっと気の毒であった。仕事の二人と大弛から登って来た撮影スタッフを残し、ここからは適当にバラけて大弛小屋を目指す。金峰から大弛を歩いたの初めてである。金峰周辺はかろうじて森林限界上の風景であったが、進んで鉄山、朝日岳あたりはお馴染み奥秩父的な森歩きとなる。
大弛峠16:48 いきなり立派な舗装道路に出るので少し興醒めであるが、大所帯だし水があってテントサイトも多いから野営場所としては適当。小屋もお留守だったので幕営代をポストに入れて(釣り銭がもらえないのでお札で..)各自設営に掛った。
各自のんな幕を張ってどんな寝姿なのか、興味津々である。

大弛ULテント村の様子

Beyond Integral Designs SilTarp2 充分長いので低く張れば吹き込みにも対応でき、雨天時の宴会用にと応用範囲は広い
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Tsuchiya FineTrack ツェルト2 堅い選択。どこで張っても安心感がある。軽いって自由!
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Chiyo Six Moon Designs Gatewood Cape 私もお気に入りの屋根。ただ、奥秩父で雨具にするには不安があるので、別途雨具を持つならと私は持ってこなかった。
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Glen GG cuben Wedge 77g サイドを折って耐候性を上げてある片屋根式住居。さすが本家で軽さはダントツ。
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Yaslow Golite Poncho Tarpであろうか?色が違うかな.. お馴染みの張り方。張る用に必要な1本ポールで歩く人。傘も利用して張っている。
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Jotaro Locus Gear Khufu Culen Shelterは Ryan Jordan氏も絶賛、美しく耐風性も高い
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Miguel GG SpinnShelter 暗くなってから張った割にはシワもなくきれいに張れている。シートもポールもGG製で揃えてきた感じ
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zzzBear MLDのCuben Poncho Tarpであろうか。スケスケで良い感じ
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Bmp ID SilPoncho改 リフターを二カ所追加してあるとのこと。入り口を狭めて風除けフォーメーション
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ULG アライのシングルツェルト 足元に換気口を付けてある
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写真上手く取れなかったのが残念だけど、FukushiさんはAnti Gravity Gear TarpTentという渋い選択であった。

設営と仕事が終わったので皆で夕食を摂ることにした。火器とメニューのチェックも面白い。
全体的にアルコールストーブ派が多いような気もしたが、私もGlenさんもEsbitとCaldera Cone Stoveである。Esbitは鍋底が汚れるのが難だが、収納時、他に汚れが移らない工夫をしていれば何の問題もないと思っている。
食い物は、私はずいぶん前に買って放置していたMountain Houseの野菜ラザニアを消費してしまわないとイケないので持って来て、野菜だけではアレなので、沖縄のハムやさんが作っているタコライスの具、レトルトの味付き挽肉をぶち込んで湯を入れた。一袋二食ぶんなので、夕飯と翌朝の朝食のつもりであったが、旨いので少し頑張って平らげてしまったが、ここでも食料計画が破綻していたことになる。
Glenさんは、CousCousのような顆粒状にアレコレ手間を掛けて数種の具を足し煮込みて、最後に大量にガーリックオイルを掛けて食べていた。重量削減と朝まで温かく眠るのに必要な体温生成のカロリーを得るの両立には油分を多く摂るのは正しい。私もCousCousの時はオリーブオイルを入れるが量が違う。馴れないと下痢するかもと思った。同じオイルでもガーリックオイルの方が食欲が増進するだろうから見習う。食事の仕方も、少しずつ時間を掛けて、慎ましい感じで食べていたのが印象的である。海外で食事をするときに見掛けるのだが、大柄な男性でも肉を小さく切り分けてホンの小指の先くらいに小さく切ってゆっくり食べていたっけ。ゆっくりの方がお腹によいのはもちろんだが、何というか、慎ましく食料を大事に摂り込んでいるという感じが印象的だ。
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他のメンバーの食料もα米が多いのだが、最近は無印のやつがイケるらしい。味見をさせてもらったが旨かったので今度試してみよう。
食事の方法であるが..Glenさん以外は皆でワイワイ食べることを見越して、上下の防寒着を着用し、そのぶん寝袋を軽めにする方向だったと思うが、Glenさんは正しいUL手法に則り、防寒着は薄手のベストのみで、集まっての食事では寒そうにしていた。というのも、正しくは、というか、心底重量を削減しようと思ったら防寒着は少なくして、飯を食ったら即寝袋に入るのが正解。あるいは日があって暖かいうちに夕飯を済ませてからまた歩いて日暮れと共にサッサと寝てしまう、これはキャンプサイトに食料の匂いを充満させて熊を引き寄せる心配が少ないし、夕食と夕方最後の休憩を兼用できるので無駄時間の削減もできる上手いサイクルだ。寒い中でキャンプサイトで座って話そうと思ったら、寝袋を着て防寒着にするのも見た目は怪しいのだが使える手だ。Jacks R Betterというハンモックの底に付けられるQuitで有名なメーカーがあるが、そこでは積極的に着られるQuiltを作っている。見た目は不思議だが、山の中で誰が見る訳でもなく、見られているとしても兼用マジックを進めて軽量化を図るUL的に正しい。また、 防寒着、寝袋と分けて重量が嵩むよりは防寒着を省略してその分をの重量を寝袋に与えるのが就寝時に得られる暖かさは大きい。このことは後のHiker's PartyでGlenさんが実例を挙げて説明してくれたが、Glenさんは実践で見せてくれた。今日くらいはイイかとかの甘えがない姿勢に三度の感心である。


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# by ulgoods | 2010-10-20 16:32 | 山行 | Comments(14)

ULグレン隊 集結す

ULグレン隊 集結す

Glen Van Peski氏と言えばご存知Gossamer Gearの創設者であり、World Wide有名な筋金入りのUL Hikerであるが、この度、機会があって来日の運びとなり、コマーシャル系の用事の合間というか、こっちがメインかもしれないが日本のTrailを一緒に歩く機会を得た。タイトルのグレン隊とは、Glen氏を囲んで軽荷で野宿散歩の会を意味しているつもり。
今回は平日含む3泊4日で奥秩父主脈を縦走するという課題が勧進元の一人Hiker's Depot店主である土屋氏から与えられ、平日を含むこともあり堅気系の仕事に就いていなさそうな?メンバーが招集された。
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写真左から
Miguel
ULG
zzzBear
Glen(Gossamer Gear)
bmp
jotaro(Locus Gear)
Tsuchiya(Hiker's Depot)
Chiyo(Moonlight Gear)
Yaslow
Beyond
Fukuchi(Evernew America)
それぞれUL道具の蒐集とそれを用いたハイキングの実践に一家言持つUL Hardcore系を自認するHikerである。
GlenさんとFukuchiさん以外とは既に夜の巷での濃い面識はあったが、基本的にSolo Hiker達なので私含めて一緒に歩くのは皆初めてであったと思う。

韮崎駅からバスに乗り着いた瑞籬山荘前で別働隊含めて全員集合となったのだが、早速Glenによる重量チェックが待っていた。
私は出がけに量ったところで食料水抜きベースウエイト5kg(4.5kgから快適方向に振って5.0kgを作った)であったが、現地で食料とbooze(酒、ですな)込みで16lb.(7.25kg)と計測された。
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私の主要装備を紹介すると
ザック MLD Prophet pack
寝袋 Nunatak Arc Ghost Quilt Down 2oz.増量済み
屋根 Arai single Zelt
マット Therm-a-Rest Ridge Rest 3/4
防水 Sea to Summit Ultra-Sil Pack Liner
火器 Trail Designs Caldera Cone for BPL FireLite 550 w/Esbit
防寒上着 BPL cocoon
防寒ズボン Montbell UL Down inner pants
雨具上 OR Helium Jacket
雨具下 Montane Featherlite Pants
水筒 2Lペットボトル
といったところ。
その他、救急箱、補修箱、雪隠具、替えの下着靴下、MLD eVent Rain Mitts、快適睡眠用にBPL PossumDown Beanie, gloves, socks
要らなくて重い物だがGarmin 60CSx、カメラ、iPhone+電池など。
だいたい気温で零度、樹林帯での小雨程度の天候に対応できる装備を作ったつもりである。Gossamer Gearはいろいろ持ってはいるのだが、直前になって天の邪鬼が顔をもたげ、GG以外で構成してみることとした。ああ、ザックの腰ベルトはオリジナルは薄くて滑るのでGG Murmur の物に交換してあるのと、ウエストポーチとシェルターに敷くポリクロシートはGossamer Gearであった。
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ここでGlen氏のザックを小指に引っかけて持たせてもらったのだが..軽い!とんでもなく軽いのである。ちゃんと4日分の食料も入っているらしい。その軽さと実際の生活術を拝見するのが今回の目的であったので、こりゃーすげぃ、何が入っていて何が入っていないのか、どういう生活を送るのか?歩きながら、泊まりながら拝見することになる。


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# by ulgoods | 2010-10-14 01:44 | 山行 | Comments(8)

渓流歩き岩魚釣り / TENKARA fishing

渓流歩き岩魚釣り

■口上
テンカラで岩魚をと思い、今期は釣れるまで尾根には出向かない願掛けをしていたのだが、幸運にも3回目の自然渓への釣行でやっと岩魚と出会うことができた。
結果として2回釣れた。1回目は5寸程度の小岩魚だったので撮影後にリリース。2回目は塩焼きにして充分サイズであったが、手にする直前に糸から針が外れて痛恨のエラーであった。針がついたまま逃がしてしまったので、あの魚も長くは生きられまい。ちゃんと取り込んで引導渡して骨まで食べてこの身にしたかったのに残念である。
今回のメンバーは総勢4名。前回の南ア釣行のメンバーにもう1人、西丹沢の猛者、その名も玄倉川の別名である丹沢黒部を名乗るT氏にも参加いただけた。いずれの方も経験豊富なULな渓流爆釣請負人である。テンカラは私一人で他はリール付きの洋式フライ竿。

■遡行開始す
行った場所は南ア深南部、東京から6時間車を走らせて干上がったダム湖が出発点となる。全長200mを越す針金と羽目板で作られた吊り橋を渡って向こうの世界に踏み出すのは結構勇気が要る。
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揺れるというか、裏返りそうでちゃんと怖い。
湖底に下りるとそこは干上がった別世界であった。ああ、今年は渇水なんだねって納得し掛ったのだが、肝心の水が流れていないではないか!川はどこだ?自分が降り立った異次元に一瞬たじろぐ。

とりあえず上流を目指して砂漠のようなダム湖底を歩き出した。10分くらい歩いたところか、微かに水音が聞こえた。音はすれど姿は無し。
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どうせ水まみれだろうからと飲料水を担いでいないので朝飯も食えずに、更に進むこと10分程か、水溜まりがあり、そこが川の終点になっていた。どうやら水が無い訳ではないらしい。気を良くして100mも上がると流れが現われ、更に行くと結構な渓流が出現したのは嬉しかった。おそらく渓流部分は生きていて、ダム湖の堆積部分で全部染みこんでいたものと考えられる。水を得たので安心して朝飯を摂った。

砂地を離れて岩の河原を進む。まだ若い角が多い岩だらけだ。この日の足こしらえは前回同様の沢足袋で足裏や爪先の保護が無いに等しい。次第に足裏のツボが刺激されというか、すぐに痛くなってしまった。たまにある数歩の砂地がオアシスに思える。その辺りは既に釣れそうな雰囲気もあるのだが先頭の人は更なる上流を目指し決して歩みを緩めない。ほどなく足裏に加えて爪先も泣きだした。2時間程か、予定通り最初の沢が差すところまで進んで竿を出した。1人J氏はは支流へ、残るT氏N氏と私は右岸左岸に分かれて追い越しながら釣り上がって行った。先ずは師範達の竿捌きやポイントの選び具合など見て、竿を振る練習などして後に続いた。
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ザックはGossamer GearのMariposaである。荷が軽いので担ぎながら釣り上がる。

しばらくは何でもなかったが、師範達もどうにも釣れない模様。そういえば来る途中でまだ新しい足跡を見た。神経質な岩魚のこと、先行者が居るとなると一気に難しくなるらしい。結局T氏とN氏が普段は放す骨酒サイズを一尾ずつキープするのみで3kmほど釣り上がり、14時くらいにビバーク予定地点に到着した。最初の沢で分かれた爆釣野郎AチームなJ氏も追いついて合流したが手ぶらである。ま、魚影さえ見ない私とは違ってアタリはあったらしいが、水量が少なく岩魚が警戒しているとのこと。今夜の岩魚尽くしの宴会計画に赤信号が点った。最悪、飯と塩昆布はあるが、何とか岩魚にはお出まし願いたいところだ。

■遊んで食う寝る
我々はビバーク予定地は支流が2本差すので三股と呼んでいたが、さっそく荷を置いて身軽になって散ることにした。確保の上限は一人4匹までとされた。私はしばらく泊地前で独り竿を振っていたが、岩魚の居ないことが明白なのでいよいよ渓を進むことにした。既にメンバーが入っている沢なので、彼らに釣り漏らしは無いはずであるが、もしもということもあるから釣れぬなりに丁寧にフライを流したつもりである。やがて行く手に釜が現われた。どうしたものかと思案したが、結局は竿を畳み胸近くまで浸かってヘツって突破した。ら、先行のJ氏が戻ってきた。どうやら滝がキツいらしい。高巻きは残置ロープで登れるが向こうに降りられないと。もちろん沢登りの技術が皆無な私には手も足も出まい。再び胸まで浸かって戻ったら、頭上の岩をJ氏が歩いていた。なるほど、ここは上を行くのか...少し沢歩きの技術がないと釣りにならぬと実感した構図の対比であった。

泊地まで戻り、J氏はもう一度釣り下がるという。ほどなく本流を行っていたT氏も戻る。泳ぎが必要な釜があるらしい。この時点で3尾程度の岩魚があったと思う。人数は4人。私は釣っていない。せめても薪集めで貢献することにした。1.2mスリングを2本、小学校の校庭の二宮尊徳のように薪を背にして対岸とこちらを何度も徒渉して薪を集積した。急峻な斜面に横たわる長さ10mくらいの猿梨の木も川の中を引きずって持って来た。タープの支柱が要るはずである。続いてT氏が魔法のザックから取り出した鋸で猿梨を切り、二間四方の農ポリシートを100円荷造りロープで立てる作業に入った。さすがは丹沢黒部氏である、全てが手馴れたものである。J氏も戻り支柱を建て終わったその瞬間、ザーーっと大粒の雨が落ちてきた。間一髪とはこのことか、とすればまだ天には見放されていないはずだ。
そんな折、独り沢に入っていたN氏が戻ってきた。どうやら腰の袋に膨らみがある。堂々5匹余の釣果らしい。いつもはこんなに確保はしない氏であるが、本日の状況に鑑み奮闘してくれたらしい。救われたと拝見したら..おお、尺ものも居るではないか。これだけあれば宴会はなる。
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早速T氏がガムテを着火剤にたちどころに火を熾し、続いて河原で岩魚を捌き始めた。あまりの手際の良さに私は火を育て飯を炊くことくらいしかできなかった。農ポリも2m程の高さに張っていたのでアホ程大きな火を立てねば溶けることもなく、渓の奥は余程のことがない限り風は穏やかだと言う。この環境であればこの屋根が最も理に適っている訳だ。
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やがて料理も出来上がり。
尺岩魚の刺身
岩魚ナメロウ
皮と臓物のバターソテー
岩魚骨酒
岩魚塩焼き
岩魚あら汁
飯4合
という豪華な夕餉になった。
刺身やナメロウも岩から出ている葉っぱを敷けば彩りも美しく、小さな演出であるがこの上ない清涼感と高級感を醸し出す。
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しかし、T氏の経験に裏打ちされた渓での確かな生活術とマメさにはほとほと脱帽した。いずれはああ在りたいものだ。

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酒も進み、飯も進み..4合の飯はあっという間に平らげられて、その夜のうちに更に4合を炊くことになった。飯炊きは私の担当だが、どうにも飯を失敗する気がしない。2回ともふっくら焦さず炊けて好評であったのはBOZEな私にはせめてのも救いであった。

ビールで始り骨酒で一升、仕上げはモルト酒1本と調子よく酒も回って、私も昨夜から寝ていないので急激に眠気が襲ってきた。予定の寝姿はGatewood Capeで屋根をこさえて薄手の化繊QuiktをPertex QuantumなBivyでくるむ予定であったのだが、まー、農ポリタープもあることだしと半袖姿でゴロリとリッジレストに横になった3秒後から記憶がない。夜半目が覚めたら皆様Bivyにくるまってちゃんと寝ていらっしゃる。私も慌てて寝具を整え、薪を足してから再び眠りに落ちた。
不思議なことに渓に充満する流れの音は気にすると聞こえるのだが気にしなければ3秒で消えるものだ。人間の耳というか脳は巧く出来ている。

翌朝、目を覚ますと既に明るく、T氏が朝餉の準備に取りかかっていた。岩魚は釣らないは、飯は喰らうは、酒は一人前だわ、朝は起きないでは立つ瀬がない。未練のQuiltから体を抜いて支度に掛った。
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朝はソーメン、揖保の糸を9束茹でるのが私の当番。そう、私は前回に引き続いて炭水化物担当を言いつかっている。火は既に熾きていた。ビリ缶に湯を沸かしてソーメンを茹で、バグネットに放り込んで川に晒して出来上がり。バグネットに移すときに間抜けにこぼさなければ失敗のしようもない簡単なお仕事だ。N氏が薬味を刻む、T氏が残り飯に岩魚の身を解いて混ぜて飯を握る。昨日の残りの岩魚汁も湯と味噌を足して温めた。まだ暗い渓にたなびく焚き火の煙に日が差して美しい。
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朝飯終えて、竿を損傷したT氏を残して三人が散った。私はN氏と交互に釣り上がっていくことにした。J氏が昨日岩魚を見たというポイントに岩陰から忍者のように忍び寄り、昨日の傾向から流心の白泡切れ目が狙い目だとアドバイスをもらってフライを流してみた。実は昨日の段階で軽いアタリは得てあり、フライの流し方など魚が居れば絶対掛ると言っていただいていたので、岩魚が居ると信じて2度3度流してみた。スゥうっとフライが沈んだので慌てて上げたが、どうやら早すぎたようだ。魚が掛るのは思ったより静かでささやかなサインでしかないと思った。TVで見るカジキマグロの1本釣りのような派手なジャンプなどはないのだ。1度失敗したので駄目かと思ったが、居ると分かったら勿体ない。もう一度フライを流したその時だ、再びフライが不意に水中に消えたではないか。キタ!と思ったが、そこは待ち、1、2秒後に竿を引き上げると、グビグビと竿に振動が伝わってきて魚が掛っていることが分かった。小さな魚だろう、針を掛けるに引き上げた反動でもう陸に引き抜かれていた。
よほど腹が空いていたのか、テンカラによる渓流岩魚の初釣果はかわいらしい小さな岩魚。これはキープサイズではないねとN氏に確認し、幸いにも返しのない針だったのですぐに針も外れたので放すことにした。
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小さいとは言え、引き抜いてから着地までのほんの数秒間、竿を介してだがその躍動感をこの手に感じることができたのは嬉しい。

その後、頭上の木を釣って針を無くしたので、ティペットと針を交換して先行するN氏を追った。その時点でN氏は一匹確保。さすがである。ここは試したので上へどうぞと言われて進んだポイントは、こりゃ釣れなきゃ嘘でしょという見事な一級ポイントに見えた。どうやら岩魚が居るかしら?とか半信半疑で臨んではいけないのである。先ほどの釣果でこれまでの確信の持てぬ気持ちが切り替わり、岩魚は居ると信じてフライを流すことが出来たその気が功を奏したか、3度ほど流してまた先ほどと同じように、フゥっとフライが消えたのを視認した。2秒待ち竿を引き上げたら、な、なんと水から揚がった岩魚は今度は塩焼きに充分なサイズ、腹の黄色も見て取れた。が、ここで慌てた。テンカラの場合は一気に引き抜くのが正しい揚げ方と後で聞いたのだが、こんなの初めて的なうぶな私のこと、岩魚を一旦水に落とし、ラインをたぐり始めた。今度は岩魚の振動と重さが直接指先に伝わってくる。私も狩猟本能が喚起される。ようやくラインをたぐり寄せ、水面から揚げようとしたときだ、それは不意にすっぽ抜け、揚げたのは針のない糸であった。糸が切れたのではない。縮れ具合からも糸が解けて針から外れたことが分かる。私も拍子抜けして立ちすくんだが、針を刺したまま逃走した岩魚も哀れである。今回はJ氏が巻いてくれた最後の1本、返しの付いた針であるから外れることもない。長くは生きられないだろう。ちゃんと釣らずに申し訳ないと詫びた。
件の釜まで進み、どうやらその上は岩魚の楽園なのかもと思ったが、登ってしまえば容易に戻れず、撤収時刻に遅れるので、余裕と余韻を残したまま引き上げることにした。
N氏の一尾をTさんが捌いてくれて、皮はソテーして、イクラも出来、再びソーメンを9束茹でて、残りのビールで乾杯して銘渓と別れの昼食とした。
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帰りは意気揚々とは行かないのは足のせいである。往路に増して足裏の刺激は許容量を超え、爪先をぶつけるのでおそらく内出血してるだろうと思いながら腰の引けた歩きをするものだから、みるみる遅れてしまった。休憩の度に追いつき、短い休憩での後、痛みに半べそをかきながら後を追うことになる。
やがて懐かしい足裏に優しいダム湖底に戻り、ほっと安堵して歩いたが、埋没していた石にけつまずき、涙ぐみながら石に悪態をついてしまった。やっぱ靴にするか。テンカラには足袋が似合いそうだが、こう痛いと釣りに障る。
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足裏と爪先を鍛えて思ったスタイルを通すのか、普通に靴を履くのか..どうしようか思いながら帰途についた。
数日経った。まだ足の裏に刺激は残り、足裏が厚くなった気もする。

さて、秋は尾根に戻れるな。今期中に釣れて良かった。


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# by ulgoods | 2010-09-11 04:44 | 釣りとか沢とか | Comments(18)

南ア釣行

人の身は何れは髑髏になる定めであるが、それまでは何かに成りたいと身悶えを続ける性がある。私なども脳の結線を組み直しては何かに成り掛るのだが、すぐに他のものに成りたいと願い、どれも半端だから結局マトモに成れるのは髑髏くらいかと思うが、それさえ怪しいかもしれない。もがくばかりで前に進まないのはシナプスの自己結線のやり方か、脳内物質の分泌に不具合があるのだろうか。
などと思いながらも最近ささやかに始めた釣りは魅力的だ。魅力的なので釣りに出かけた。

出かけたのは南アの山体を削り続けているトある川。渓で未だ泳ぐ魚を見たことがない私に初釣果を授けようと声を掛けてくれたのは..山あれば渓あり、渓あれば岩魚泳ぎて釣れぬ訳なしのJ氏とN氏のお二方である。幸い比較的近所にお住まいのお二方に近所のスーパー前で拾ってもらって意気揚々と源流部に向かったのは日付が土曜に変わった直ぐであった。
二人とも釣りは釣るために行うのであって喰うためにあらずの人なので、釣り好きで酒好きのN氏は岩魚の骨酒を飲んだこともなく、釣り好きでこれまた酒好きのJ氏は岩魚のなめろうなどは作ったこともないという聖人であるが、俗な私が予め籠絡しておいたので、N氏のザックには茗荷やショウガの薬味類が大量に、J氏のザックも骨酒用の燗映えする日本酒の酒蔵と化している。元来、単独ULスタイルで源流部を素早く釣り上がるが信条のお二人であるが、身を削る思いで稼いだUL的な軽量を俗な誘いに明け渡して戴いた。こりゃ宴会が楽しみだ。もちろん私も釣るつもり満々である。

夜の中央道をトあるICで下り、やがて市街地も抜けて漆黒の闇を切り裂くのは車のヘッドライトのみという道をひた走り、舐めロウだ骨酒だ、いや皮のソテーだと言っていた私たちの目の前に現われたのは「この先崩落でダメです」みたいなことが書いて閉じられた頑なゲートであった。え”、そんな!予定ではこの先20km以上の林道を走り抜け、行った終点から更に2時間以上も歩き詰め、本流に差すトある支流との出合にキャンプを張り、日の出直後の寝ぼけた岩魚をゴボウ抜きという筈であったのだが..魚を釣るには釣る気充満の気を悟られぬよう無我の境地で臨まねば微弱電流が伝わって魚に逃げられてしまうとは聞いていたが、なめろうとか骨酒とか2週間も前から舌なめずりしていた私の過大電流が崩落を招いた訳でもあるまいが、目の前の現実はあまりに無慈悲であった。
さて、ここから7時間も歩いて目的地に向かうか、あるいは別の手を考えるか..ボンネットに地図を広げて思案していたJ氏が、谷の向こう斜面に付いている林道を行けるところまで行って降りまして、目的地手前で不本意ではありますが小さな沢で励みましょうとおっしゃる。さすが、渓あれば岩魚釣れるのJ氏であるというか、渓がなければ始らないJ氏であるから、細かいことは考えずに突っ込んでみることにした。
対岸の林道を走るうちに日も昇り、今日も晴天の予感がする。良い朝であったが道は悪く、どちらかというと街用の車は頻繁に腹を擦る。乗っていても擦る毎に肩に力が入ったり軽量化しようと息を大きく吸い込んでしまうのに疲れたので運転手に必要のないN氏と私が下りて石など退かしながら進んだが、遂にこれ以上は行かれないようになったので2回目の作戦会議が招集された。すでに谷底からは遙かに高い。これを下るよりは戻って7時間の林道歩きが遙かに楽に思えたとき、さすが、迷った山では持つべき物は友より地図、J氏がだいぶ戻った所から谷に下る髪の毛よりも細い線を見出した。地図作り百有余年の国土地理院のご苦労が報われた瞬間である。が、残念ながら地図はそこで紙面が切れており...しっかーし、そこはそれ、山より道具のULGがGPSを起動して地形を追い始めた。確かに点線が谷底まで下りている。ご丁寧に向こうに登りの点線まであるし。なーに、下ってしまえば沢足袋の天下である。とりあえず下降点を求めて戻った。
以下長いので省略。
股下を濡らすほどの徒渉を何度か行ったが、腿のポケットに入れ忘れていたタバコに浸みも付いていなかったストームゴージュパンツは正解だったと思う。
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結局初日の私はBOZEであった。魚影すら目にすることなく渓をあっちへ行ったりこっちへ渡ったり。とは言え、障害物少なく広い本川は振りたい年頃の私にはストレス無く、抜けるような青空にぽっかりと白い雲も浮んで夏の空の下、沢足袋のスネまで洗う清流は心地よい。なんとも良い時間を過ごした。
釣れた話はJ氏N氏のblogに詳しい。

渓あらばのお二人は..さすが、釣れない私を見越してか10尾ほど確保していて下さった。とりあえず荷物を置いた場所から更に5分ほど遡ったところに天国があるとN氏が言うので、ゴツゴツ岩に沢足袋で足のツボを刺激されまくった足を引きずって約束の地へと向かった。

そこは河岸段丘と言うには大げさだが、流路から一段高くなった氾濫原的な平らかな草地が広がる素敵な場所だった。空も開けて星も見えよう。もう日没まで間がないので、それぞれ分担を決めるまでもなく作業に掛った。
岩魚を捌くN氏、薪と山菜集めのJ氏、私は焚き火&炭水化物α化担当である。釣れない腹いせではないが、せめて豪華な焚き火にしようと大人げない大きな焚き火を画策し、ぶ太い流木を2本並行に置き、先ずはその間に小さな焚き火を熾した。時間があれば燠火を作ってその側らにビリー缶を置いて飯を炊くのであるが、もう暗くなりそうなので直火炊きである。とは言え釜をひっくり返したのでは両氏に申し訳がないココロの私には秘策があった。針金を少しばかり持参してある。これで三脚を組んで上から吊すというボウイスカウト的な策である。我ながら用意がよーい。よく喰うお二人に+私なのでビリー缶2Lで5合くらいの米を炊いた。薪を入れたり引いたり三脚を移動したり高さを変えたりで火勢を調整して、手間隙かけたおかげで奇跡的に飯が上手く炊けたので私も面目を保つことができた。魚は釣らないは、飯は焦すはではどーしようもないからね。
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小振りな2尾を焼き枯らして骨酒用、3尾は遠火の強火で塩焼きね!残るは刺身とナメロウで、剥がした皮はバターでソテーだし、アラはスープの出汁になる予定である。余ったら明日朝のお握りとか思っていた5合の飯はナメロウと塩昆布を友としてあっという間に売り切れ、焼き枯らした小岩魚は3度も熱燗に漬けられたらもう勘弁と言って砕け果てた。何と言っても抜き出して内容物を検められた後の胃袋はコリコリと美味であり、塩焼きはちゃんとこの上ない塩焼きに仕上がっていた。
ああ、今夜は満月であったか..腹を満たして見上げた空には月も昇り、銀の光は釣らない私にも煌煌と降り注ぐ。焚き火の明かりと相まって、ヘッデン無しでも新聞が読めそうだ。飲み食い、語って笑った。

N氏がもー寝ると言い、焚き火の近くにマットを敷いてQuiltとバグネットをひっ被って2分後に落ちた。今夜は屋根は要らないだろう。
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私とJ氏はモルト酒に切り替えてまだ寝ない。星を見に来たのにこうも月が明るんじゃ見えやしないと残念がるJ氏と盛大な焚き火に取り憑かれた私であったが、やがて月も向こうの尾根に掛ろうかという頃にJ氏も沈んだ。やはり屋根無しで蚊帳を巻いて寝ることにしたようだ。私も焚き火の火勢が落ちるのを待って寝ることにした。焚き火はぶ太い幹に火がついているから朝まで燻るだろう。
冬にVBLに使った巨大ビニール袋(降ったら切り開いて屋根にするつもりであった)の上にリッジレストを敷き、BPLで買ったPertex Quantumのメッシュ付き袋に潜り込み、これまたBPLのUL 60 Quiltで眠りに就いた。明け方に少し冷えたが、マジメにQUiltをかぶり直したら温かくって目が覚めたら7時を回っていた。
私の脱皮跡
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二日目である。先ずは食わねばならない。
飯は昨晩食われてしまっているし、残った米を炊く時間もないので昨夜の熾きに手早く火を熾し、既に生活臭の染み込んだ三脚を物憂げに立てぶら下げたビリ缶に湯を沸かし、素麺6束を素早く茹でてお腹の空いた釣り人に供した。我々は瞬く間にソーメンを吸い込んだら林道に這い上がって更なる上流部を目指し歩き始めた。天気は上々、今日は私も釣れそうな気がしていた。
中略...
やはり釣れない。魚っ気がしないのだ。まぐれにでも引っかからないところを見ると、あえて魚を避けて針を流しているのだろう。教科書通りなんだがな...次の機会がああったら逆張りをして見ようかと思う。
時計も廻り、相変わらずの夏の空と清冽な流れに誘われて幸い周囲には人も居ないからパンツ一丁になって浅瀬に寝転んだ。パンツまで脱いでも問題はなかったのだろうが、不意に100年に一人くらいの割合で山スカートなど巻いたお洒落な山ガールが遡行してきたときに失礼なので最後の一枚は身につけていた。冷たい流れに洗われたら少しは岩魚とお友達になれるかもしれない。とは思っていなかったが、背中を流れる水は縮み上がるほどヒャっこくて気持ちいかった。寝転びながらスキットルから昨日の残りの余市を飲んだ。横を向けば自動的に口の中で水割りになる。目の高さに流れる透明な流れ、ボッカりと雲の浮かぶ紫外線のキツそうな空、泰然とそこに在るお山、あの尾根に上れば北岳がすぐに見えるはずだ。横に広がる草原を眺める私の背中に南アルプスの天然水が染みこんでくる。ああ、いつかこんな景色を見たっけと思う。
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そ、少し慎ましいがこれはLyell Forkの風景だな。ああ、ここでこんな風景に身を投じているのだから、無理に仕事をやっつけて飛行機に乗って太平洋を渡り、バスに揺られてYosemiteに入って、馬糞だらけのSierraの道を歩かなくたっていいやと思えるくらいに心まで洗われた。満足である。
いつまでもチジミ上がっても居られないので服を着て草原の奥のまた一段高い所が雑木林になっているところで雑用を済ませて振向くと河原にJ氏が釣り上がってきた。見ると釣果がないようである。J氏が釣れていないのだから私にアタリがないのも当然か。私も大人なので敢えてゼロですか?とは問わない。にこやかに微笑んでやり過ごし、少し遅れて私も竿を伸ばして行った。
中略...
試しにと私のテンカラを振る本来フライ一筋のJ氏の所に上流からN氏合流、昼飯とした。
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小さな流れが糸のように落ちてくる滝の岩場で揖保の糸である。再び6束を茹でてバグネットで濾して滝の清水で冷やして締めた。J氏に釣れませんねぇと水を向けたが、J氏曰く、いや面白いほどに釣れたけど、ゆんべ腹いっぱい食べたので今日は全部リリースですと、さすが余裕である。そんなJ氏と事前に遭遇し、あまりの余裕に打たれたN氏が慌てて確保に走ってくれたお陰で素麺のおかずに岩魚4尾が付いた。岩魚は..N氏曰く、釣ってる途中で小腹が空いたら皮を剥いて生でかじっておやつにするんです...そそ、サバイバル登山の服部氏ではないが、岩魚のかぶりつきは是非やってみたかった。本来は自ら釣った岩魚でやるべきと思っていたのだが、昼飯にて竿を畳むことになっていたので、それ用にと一人1尾の割り当てがあり、ありがたくかぶりつくことにした。岩魚の皮は..奥多摩の食堂では岩魚の燻製のあまりに潔い身離れの良さに感心する私であるが、皮まで潔く剥ける様には更に感心の度を深めた。生でかぶりつく身もほのかに甘く、アリや甲虫やかげろうやバッタやネズミを食って育ったとは思えない上品さである。
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残った一匹は...普段お二人はなさらないのだが、100尾も釣れたらどうしようと持参した糠に塩を混ぜたお持ち帰り保存材のテスト用にと私に下賜された。
後で聞いたのだが、釣ったお二人はやはり教科書通と違うポイントで釣れたとのこと。先ずは教科書通りにやってみてダメなら裏本的なポイントを狙うのが定石らしい。その見切りのタイミング、やはり渓あれば岩魚ありの自信に裏打ちされなければ難しいだろう。私など、この川には岩魚なんて居ないんじゃないかと思いつつもバカみたいに最初に教えられたようなポイントに糸を垂らしていただけだ。裏本も読んみなけりゃ裏も表もわからない。

帰りは延々と林道を歩き、道もないのに架かっている立派な橋を渡って朽ちた道を探して登って車に帰ることができた。ここでもGPSは大活躍であった。
人里に出て最初の自販機でコーラと三ツ矢サイダーを買うことを申し合わせて林道を下り、街では温泉に浸かって肩をほぐし、ラーメン屋で餃子ラーメンに更に餃子を追加して喰らい、大渋滞の中央道を途中運転を交代してしのいで出かけたスーパー前に戻ったのは日曜も終わる頃だった。

山あれば渓あり..一山につき渓は複数ある勘定だ。山も渓も、魚も菜も楽しめれば富士や百名山に行かずとも100年は遊べそうである。
次回はアタリが出ますように。

帰って糠漬け岩魚を取り出した。
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前の晩に飲んで取れ忘れ冷蔵庫で余計に一晩寝かしてある。さすが推奨される保存法だけあって、適度に水分が抜けて状態は悪くない。きれいに洗って、余計に寝かしたせいで皮がずる剥け気味であったが、水分が抜けているのでガス台の魚部屋ですぐ焼けた。塩味も程良くごちそうさまでした。
あと二日も漬け置けば乳酸発酵し岩魚のなれ寿司にでもなったかもしれないが、アレ系は私はちょっとアレなので試してみる気にはならない。

渓には自然の巨岩と共に巨大なコンクリート塊や強大な力でひん曲がった鋼材、赤く朽ちようとしているコンクリートミキサーやトラックの残骸まで転がっている。かつて人が治めたに見えたが、未だ山肌を削り出す激流は隙を見つけては土台から洗い流して抵抗するモノを許さない。コンクリート塊はいずれは砕けて砂利になり、鉄も溶けて流れ出すだろうし、費やした金の事も検査が済めば忘れ去るのだろう。


J氏、N氏、良い場所に連れ出してくれて感謝している。


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# by ulgoods | 2010-08-05 15:19 | 釣りとか沢とか | Comments(20)

杣工房KUKSAキット

飲んだ感想を末尾に追記した

時折コメントを戴いている杣工房さんは木工のプロでいらっしゃる。地元に根付いたしっかりした&お洒落な暮らしぶりはblogで垣間見ているだけでもステキだ。
私のKUKSAの記事も読んでいただいたのだろう、削って仕上げるククサKitを試作したので試してみないか、ということでサンプルをお送りいただいた。感謝。
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一つは木目も美しい白木の物で、これは既に削っていただいてある。枡で木の香りを楽しみながら酒を飲むことを考えればお猪口にちょうど良いかもしれないし、ジンやウオッカを飲むのにも使えそうだ。もう一つは固そうな木のブロックでこれがKitの原型だろう。肝心な、最も作業が大変なカップの中は既に加工済みなので特殊な曲がった刃物を要さずに、外側だけを好みに削ることに専念できるのは嬉しい。更にヘリの部分はテーパーを付けて削ってあるので大いに手間が省ける。驚いたのは取っ手部分が右利き用に少し湾曲して切り出されている念の入りようだ。三鷹のショップで同サイズのククサを見たことがあるが、やはり取っ手はビミョウに湾曲していたのを覚えている。

戴いたのは連休明けの頃のもうだいぶ前であるが、これを削るには鋭いノミが要るのかと思い込んで削るのを躊躇していたので時間が経ってしまったのだ。ノミは..100円屋で買った200円くらいのがあったが全然切れない。仕方ないので研ぐところから始めた。荒砥と中砥と仕上げに耐水ペーパーを買い、暫く研ぎ修行を行った。ついでに切出しナイフ、ナガサ、台所の包丁など、夜な夜な風呂場でギイコギコ研いでは紙など試し切りして喜んだり研ぎ直したり。包丁類はコピー用紙をサクサクと吊るし切りできるくらいには研ぐことができたが、肝心のノミがダメである。安物で鋼がなまくらなのかしらと、いくら研いでも上手くできないので、こっちは諦めていよいよククサを彫ることにした。

いやー、無心に二時間、結局は切出しナイフ一本で一気に削ってしまった。木目を見て刃の方向を考えないとササクレてしまったりするが、スパっと切れたときは気持ち良い。実はホンモノは白樺の瘤の固いところを使うらしいので固い木をリクエストしたのだが少し後悔した。あまり削りすぎないようにと自分に言い聞かせながら、たくさんの木屑を膝に受けながら、指を無くさないように刃物の向きと手の持ち方を変えながら、木がささくれないように木目を考えながら...削り出していく作業は楽しく、あろうことかblog用に写真を撮るのも忘れて取り組んだ。自分で研いだ刃物がサクサクと削っていくのも嬉しくてね。
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ともあれ、少々無骨であるが握り良い小さなカップを削り出すことができた。
仕上げには食用の胡桃油を塗った。胡桃油は良い光沢が出るので、いままでは時々思いだしたようにオリーブオイルやサラダ油を塗っていたKUKSAにも塗ってやった。瘤の木目あたりが金属光沢を発してイイ感じだ。その他、木のヘラやお玉など手当たり次第に塗ったのは言うまでもない。
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後で本家KUKSAの削り方が出ているサイトを見たが、水分を含ませた状態で削るのだそうだ。木口が乾かないように工夫するとも書いてある。なるほど、急激に乾かして割れないように気をつければ湿っている方が削り良いかもしれない。

この半削りKUKSA、試しに出した地域の催しなどでも好評とのこと。Hiker's Depotのご主人やLocusGearのご主人にも見てもらったが良い感触だったので話が進めばお店に置いてもらえるようになるかもしれない。というか、是非そのように話が繋げられるようにと思っている。
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追記
日本酒を注いで飲んでみた。
檜は芳香が素晴らしい。最後の一口は鼻がカップに収まる形になるので一層強い。樽酒か新品の升で酒を飲んでいる感じ。
桂はクセもなく、自ら削った満足感と共に飲む。
量はぐい呑一杯分くらいか。適量であった。


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# by ulgoods | 2010-07-21 14:10 | 生活系 | Comments(15)

テンカラ事始め / The beginning of TENKARA

書かないULGはただのGだという声も聞こえそうなほどサボっているが、何も部屋に籠って仕事ばかりしていたわけではない。ちゃんと、と言うか、どちらかというと遊んでいるのだが。
というわけで、いきなりではあるがテンカラ釣りに手を出してみた。釣りの経験は殆ど無いにもかかわらず、だ。というのもテンカラは比較的難しいとされているが、シンプルで竿と仕掛け込みで100gを切り、竿の片付けが手早いなど、これぞULな釣りである..って昔から沢屋さんがやってるスタイルだけど、最近とある方面で知り合った釣り系の方々、機動性を増すためにULの道具などを取り入れていると聞く。また、US方面でも日本人の釣り師匠がテンカラを布教し、TENKARA USAとしてBPLの連中もテンカラで釣り始めている。今やTENKARAはKARAOKEやTSUNAMIのように英語になっているのだ。そんな雰囲気の中、友人JYoもいち早くテンカラ竿を手に入れ、私もやりたかったところに格安テンカラ竿が売られていたこともあり、いよいよ禁断の釣りの世界に半歩踏み出すことになったのは当然の流れであろう。

まず要るものは竿。これは1980円(送料別)のカーボン製で3.3m、7:3調子のものを買うことができた。初心者の初期投資としては納得出来る。釣れるようになったら10倍もお高いモノを自分に与えても良かろうし。で、驚いたのが仕掛けの値段で、これが竿より高かった。竿だけあっても針と餌がないことには釣れないという事は子供でも知っていたはずであるが、竿を買った行きがかり上という理由であとには引けない原動力で買うことになる。しかも糸が切れたりするだろうから取り敢えず2セット。この時点で完全に竿の代金を超えていた。でもまだまだ釣りには行かれない。沢に入るには沢靴とか、裏にフェルトを張ったすべらない靴や草鞋を履くのが定石である。もしかしたら、よく見かける下半身ゴム着が要るかもしれないし、例の誇らしげなベストを着なければならないかも...あれもこれも要るじゃないか!と、この段階ですでに半歩ズッポリはまっていたことになる。

とはいえ、竿と糸針を買った時点で水の流れていて魚影の見える川でとっとと釣りたくなるのが人情というもの。早速その週に足回りやその他は割愛して、とりあえず津久井湖方面の川をJYoと釣り人の真似をして歩いてみることにした。釣れなくても良い、毛鉤を思った方向に投げられれば満足といった程度だ。
そんな負け戦のココロであるから半日歩いても、もちろん釣れない。この日は水位が低くてどなた様も釣れていなかったようだ。しかし、今までどちらかというと高いところを目指して歩いていたのだが、一転して降りる渓流の空が開けた透明で冷たい心地良さときたら、今更ながらだが別天地を得た思いがした。
この日はJYo奥様が作ってくれた稲荷寿司を頂き、Bushbuddy stoveで湯を沸かしてコーヒーを飲んで帰ってきた。
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もちろんただ行ったのではない。近所の駅まで自転車で行き、京王線を橋本まで輪行し、ソコからJYoの家まで汗して走るというおまけ付きである。私としては総合格闘技であった。ああ、一応焼き用の塩は持って行ってた。釣れたら困るからね...

でも釣りたい。日毎に釣りたくなってくる。昨年奥多摩で味をしめた岩魚の骨酒を自前でやりたい。というわけで、某方面で釣り師匠を釣り上げ(失敬!)、場所や装備などアドバイスを受けた。今度こそ沢靴が要る。前回はズックで水に入ったが、さすがに滑って怖かった。とはいえ、まともな靴は重くて受け入れ難い。歩くことと沢に入ることを考えれば地下足袋+草鞋が最強だろうが、草鞋は脱ぎ履きが手間で困りそう。情報収集の結果、沢屋さんの定番であろう秀岳荘のフェルト底付き地下足袋を買うことにした。3000円程度でOKなのだが、もはや安価だった竿の値段は初期誤差でしか無い感がある。
行ける日は雨が予想されたが、今後の釣り人生にはそんな日もあるだろうから朝早めに出て丹沢系のとある沢を目指した。ここでも途中でJYoと合流しゲートを目指した。朝六時、すでにゲート前には数十台の車が並んでいた。予想はしていたがみなさんお早い。と関心ばかりもしていられないので、我々も林道を二時間も歩いて目的の沢へ向かった。さすがに2時間も歩くと轟々と岩を洗う流れも透明な幽玄の楽園が始まってくる。

師匠に教えられた沢に着き、さっそく沢足袋ONで渓に入ることにした。新しい長靴を買ってもらった子供のように、咎められずにジャブジャブと水に入れるのがなんだか嬉しい。沢足袋と言うだけのことはあってヌル岩に対するグリップはズックとは比較にならず素晴らしく、踏ん張ることができる。この日はストームゴージュパンツの裾もそのままに足袋を履いてICIネオプレーンのゲーターを巻き、上もファイントラックの半袖にORのHelium Jkt.で頭はORのSeattle Sombreroとした。雨降るしね。ザックは旧JAMを、コーティングが腐る前に使ってやらないと成仏させられないので連れてきた。
とりあえず、釣りの格好に近づいているかも?
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しかし、そんな幽玄の渓谷は我々初心者には辛辣に敵意を剥き出しだ。私が最初に釣ったもの、それは自分の右足であった。...と、とりあえずはお約束だからと気を取り直して振って次に釣ったものは、後ろの木の枝。お次は..という具合。なんしか空が狭いのだ。YouTubeで見たあの技が使えないではないかっ!何気なく飄々とフライを繰り出すには相当の修練が要るようだ。魚影は...見えない。見えた気もするが、見れていないのかも。というか釣り始めたところで、どー言う感じで釣るのか二人共知らないことに気がついた。どこに魚が潜んでいて、どんな具合に餌を落として、どのくらい流して、体は露出するのか、隠れるのかなど、分からないのである。仕方がないからエサ釣りの感じで堂々と身を晒してフライを流して...ま、今日も練習なのだ。とはいえ、雨も降って数時間も川面に立っていると時折魚影を見ることができるようになった。取り敢えず魚は居るようだ。が、私に釣られる魚はいない。
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昼は、枝を集めて薪ストーブで湯を沸かした。さすがに雨なのでちょっとアルコールの鼻薬を垂らしたが、雨陰に落ちている枝は比較的乾いていたので、火を焚くことができた。この手のストーブは少ない小枝でも効率よく湯を沸かせるので助かる。
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水は念のため、上流に何が転がっているか分からないからMSRのフィルターで濾してある。

同行のJYoは粘り強い。何時間でも同じ場所で振っている。私はといえばチョチョイと釣ってダメなら場所を移すべしみたいな事前にちょと仕込んだ知識に従って、一通り周辺を荒らした後は座ってJYoの振るのを見てた。相変わらず雨は降っており、さすがにずぶ濡れにヤラれっぱなしも辛いので、これまた箪笥の肥やしになりかかったIntegral DesignsのSilPonchoを(実は初めて)被って(屋根としては使ったが..)雨をしのいでいるうちに座ったまま寝てしまったようだ。禁断の雨具二重構造ではあるが、ポンチョとHelium Jkt.の組み合わせは特にムレは感じず温かく、ホントは屋根として張ろうかと思ったが、着て正解だった。
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帰り道JYoと話した、こんな雨でも釣るもんなのか?という素朴な疑問だが、これはゲートに戻ったときに車が居るか居ないかで判明するはずである。釣果は無いが、今日は今後の課題を確認するのに有意義であった。で、果たしてゲートに着いたとき..やはり残っていたのは我々の車だけだった。釣る釣り師の人はあのくらいの雨であればサッサと帰るものらしい。ということも学んだのである。


今後の釣りの予定だが、さらに爆釣師匠の協力を得てアルプス方面の渓谷に分け入ることになっている。持って行く食料はコメと味噌。釣れなければ食えない状況が待っており、嬉しい限りである。

幸いにも沢足袋を買い足すくらいで釣りに入れたのは良かった。屋根類も袋類も手持ちのモノが使えそうだ。というか、あらゆる状況に対応すべく備えたUL道具たちの総力戦が始まるのである。


一応、以前Sierraを歩いた時はまぐれのルアーでゴールデントラウト(岩魚の類)を釣り上げたことはある。今度はテンカラマスターになって蛋白源を補給しつつ歩くのか?
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2007年 Lyell Forkにて
下手に匂いを出すと自分が熊のタンパク源になるので用心した...


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# by ulgoods | 2010-07-07 03:07 | Comments(22)

TERRA NOVA SOLAR ELITE

TERRA NOVA SOLAR ELITE

TERRA NOVA社の自立型で超軽量な二枚壁三期用テント。犬のトイレスタイルのような?尻すぼみな独特の形状が目を惹く。
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これはペグ、ガイライン、リペア材など含む購入した姿で実測895gであった。メーカー的にはフライとインナーのみなら825gと言っている。パーツ個別に計る前に張ってしまい、今は裏庭の雨に濡れているので、撤収して乾いたら計り直してみる。付属のペグはピンのようなφ1.5mmペグであり、これは畳に張るなら便利なのだが、野外ではそれだけでは厳しいので、もう少し太いペグを混ぜることになるから実用パッキング重量では900gを少し切るくらいになる予定。にしてもカーボン化したBigSkyのEvolution 1P 1D1Vでもペグ綱なしで920g、同じくカーボン化したBD One Shotが単壁で944gであるから、同条件で850gを優に切るSOLARは軽いテントである。なお、最近はテントのスタッフザックは携行しないので、最初っから重量には含めていない。

TERRA NOVA社の軽量一人用テントとしては非自立型のLASER PHOTON ELITEを持っているが、そちらは骨が一本と有利なので800gを切っている。SOLARもPHOTONもフライやインナーの材質は同一で、フライから内部が透けて見える感じも同じ。やはり自立にするには骨が余分に必要なので重量的には辛い。
で、広さ的にはSOLARはPHOTONに比べるとだいぶ狭い。とりあえずの前室はやっと靴が置けるくらいの広さしか無く、かなり制御された火であってもこれの前室での調理には私もビビる。極薄の素材なので、試してはいないが、炎っ気が擦っただけでも穴が空いてしまいそうな気がしている。もちろん公式には煮炊きは禁止されている。インナーの広さもBDのLightsabre Bivyくらいしかないが、高さは90cmなのでインナーに頭が少し擦るが内部であぐらをかいて座ったり、パンツの履き替えをしたり、前屈運動をすることが可能だ。
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Lightsabre Bivyも700g超あるから雨天を考慮した最低限の快適性のためにタープなど持参することを考えれば重量的&居住快適性&張る手間的にはそう悪い選択ではないだろう。狭いだけあって必要フットプリントも小さいので、それなりの使い方はできそうだ。

現在、梅雨時の裏庭に放置して降雨時の居住性などを試している。換気に関してだが、TERRA NOVAのELITE系は重量削減のために潔いほどに換気口などは付いておらず、たぶん二重壁だから結露とか気にするなと言うことだと思うが、気流がないと閉塞感が強まってちょと辛い。が、SOLARはPHOTONとは異なってフライドアのジッパーが上からも開くようになっており、これを開けるとだいぶ気流が抜けることが確認できた。写真で見る以上に裾と地面に隙間ができるのも換気に寄与している。雨天では雨の進入が気になるが、梅雨のボタボタ雨の下、ドアのジッパーを上から30cmほど開けて一晩過ごしたが雨の進入は殆ど見られなかった。
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ただ、フライのジッパーのRがきつい&フラップに噛みやすいのでので片手では完全な開閉がし辛い。縫い目にだいぶ力が掛かる感じ。取り扱いEasyなテントではない。

縫い目はシームシールしていないのだが、現状は縫い目から雨水の進入も見られない。というか、二重なので見えていないだけかもしれないが、少なくともインナー壁に雨滴は見られていない。床は高さ1"程度のバスタブになっている。明確な立ち上がりは無いが、気休め程度だが、精神的には少し安心できる。材質は30Dくらいのシルナイロンなので滑りまくる。床にSilNetで滑り止めのパターンを描かないと少しの傾斜でも体が流れて夢見が悪いだろう。
専用フットプリントを使えばフライのみでも張れるが今回は購入していない。たぶんTyvekで作ることになると思う。専用フットプリントが無くてもフライだけで張れるが、ちょっと恐い。
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インテリアは小さなポケットが一つ、これは眼鏡を仕舞うのにちょうど良い、それと天頂に小さなループが付いているだけ。いたって簡素。

耐風性だが、まだ強い風には当てていないのだが、やはり背骨が一本なので、あまり期待してはいけないと思っている。骨の形状だが、頭部は三股ジョイントで大きな三股を形成しているが、後部では構造が簡略化されて背骨が直接地面まで伸びている。これは左右への踏ん張りが利かないカタチ。
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冒頭で犬のトイレスタイと書いたのはその辺からの印象である。SOLARにはもう少し重いSOLAR COMPEDITIONがあるが、そちらの販売写真では明瞭に後部の三股足が写っている、足が無くて背骨のブレに対する踏ん張りが効かないから尻尾から張り綱を2本出さねばなるまいな。少し心許ない。というか、ギネスブックを狙って極限まで軽量化するには多少無理が出るのは仕方ない。分かって遊んでいる。強度を求めるならCOMPETITION系を選ぶべき。

岩の稜線上で使えるかどうかはまだ分からない。元々三期用であり、1本背骨では降雪にも弱いだろう。どちらかというと草原向きという印象だ。
このテント、公開されている写真が極端に少ない。現在のインプレは裏庭程度なので、あとは写真で補完する。
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blogをだいぶ更新していなかった。山に行けていないせいもあるが、実は、タイトルを「山より道具」にしたときに、こりゃ山に行かなくても道具で書けるからシメシメと思っていたのだが、最近は物欲ビームがロックオンするような素敵な買うべき物も見えず、同時に憑き物のようだった物欲も大量の買い物療法の末に失せてきた。これは良いことだろう。しかも相変わらずお山は遠い...
とはいえ仕事ばかりしている訳でもなく、自転車やテンカラ釣りなど、それなりに遊んではいる。
自分の中では軽量化のための軽量化には一段落付いて、これからはそのスタイルでどう遊ぶか、そちらの方に興味が移っているようだ。
タイトルに縛られずに好きに書くか、遊びを包含したタイトルに変更するのか、ちょと悩み中ではある。


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# by ulgoods | 2010-06-24 04:18 | 宿泊系 | Comments(21)

栃本から梓山への峠道

■口上
連休中の陽気で一気に季節も更新したが、その僅か一週間前(4/24-25)に名残雪を得た十文字峠を抜けて栃本から梓山へと歩いてきた。
秩父は盆地だけあって何処へ行くにも峠を越えなければならない。その峠道の数は100を下らず200とも言われており、峠道の宝庫といったところである。峠だらけで大変ではあるが、見方を変えると奥多摩、甲州、信州、上州、児玉や入間などへは峠を越えることでどこへでも最短距離で届くことになり、十文字峠は信州と江戸を結ぶ最短経路として甲州街道や中山道の裏街道的側面を持つ。古来から信仰の道、交易の米の道、馬産地からの馬の道であり、嫁入りの道でもあったという(山村と峠道/飯野賴治)。また別な本で同氏が書いた栃本辺りの木地師の生活を読んだこともあり、ナマの人々がさまざまな用事を抱えて往き来した峠道にふと温かみを感じていた。また、栃本、十文字、梓山の地名は田部重治の著書にも良く登場し、ワラジ履きの彼らが驚異的な速度で縦横に歩き回った山域の一端を歩いてみたいと思い始め、昨年は甲武信岳や奥秩父主脈縦走などをし、どちらかというと地味な山域ではあるが、やはり秩父側へいかなばなるまいという機運が醸成されていた頃のこと、同時に日本のULハイカーにとって峠越えは格好のフィールドではないかとも感じており、かつての峠越えは追いはぎや山賊や狼も出るから夜間に通ることは稀で、大体は明日は峠越えともなれば麓に一泊し翌早朝に大きな握り飯を持って歩を急いだというが、交通が発達しているので前泊までする必要はなく、朝一に都内を出ればバスで最奥地の峠の登り口に着くのはだいたい10時を過ぎで、この時点で4,5時間の遅れであるから、走る人や夜歩き系でなければ挽回するのは困難であって、お陰で按配良く途中で一泊する行程を考えることができる。道の多くは樹林帯であり、険しいところを避けて付けられた道であるし、張るにしても峠道は結構立派な道幅だったり、昔の休憩所や中継ぎ場の跡などはBivyを広げるくらいの場所が見つかるとくれば好都合。こんな道はデカいザックに重登山靴などという、おおよそ古人の格好から乖離したアルピニストの孫請けのような装備より、ズックと軽量装備で歩を進めるべきだろうし、可能である。泊まるにしてもBivy、ツェルトやタープなら古道の雰囲気にマッチするんじゃないかと思っている。
全くの負け惜しみであるが、山の高さや連泊数を誇るでもなく、普段の生息の場から手軽に移動して誰もいない山で充分に心細い一夜を思い知らされるような、そんな一泊山っ気補充型な過ごしをしたい恰好の場所として価値が高いのではなかろうか、と考えることにしている。

■装備(※は新規投入品)
最高所1800mm付近の最低気温は八ヶ岳の予報を参考に-5℃と見積もった。これを基に
屋根
・BlackDiamond Lightsabre Bivy
寝姿
・Nunatak Arc Alpinist Quilt
・POE Peak Oyl Mtn 2/3
Snow Crash PossumDown Haramaki
・BPL COCOON 60 Parka Pertex Endurance,full zip.
・Montbell Down Inner Pants
その他
Caldera Cone Stove, BPL 550 Pot, w/Esbit
Aquamira Frontier Pro Filter
・Six Moon Designs Swift pack'09※
・Montrail Hardrock Mid GTX
・Kahtoola KTS Crampon
・CyberShot DSC-HX5※
極力無駄な物を持たなかったので、そこそこ軽い荷で収まった筈。

■登山口まで
池袋から西武新宿線で秩父まで行って御花畑で乗換えて三峰口からバスってな感じだよねっていい加減に時刻表を引いたのが失敗だった。池袋を7:35発に乗ってから何気にiPhoneで確認したのだが、三峰口発9:35発バスに対して、秩父鉄道急行秩父路 1号で三峰口着が9:40で5分の遅刻となる事が判明。えっ?これってデスマーチ進行なの?急行と接続しない訳ないしとか思っていたけど、やはり秩父1号の到着時にはバスは出た後であった。このバスに間に合うためには池袋を7:30発の西武特急ちちぶ5号から秩父鉄道快速急行に乗り継がねばならなかったらしい。なんということ!閑散とした駅前で臍を噛んだも後の祭りである。ぽかぽか陽気になった駅前で暫し思案する。駅を一つ戻れば熊倉山から酉谷峠を経て日原へ下りる峠道も選べるのだが、GPSはあるが楽しむべきコースの下調べができていない。ちょっと考えがまとまらなかったので、客待ちのタクシーに栃本までナンボと聞いたら六千円ほどだという。安くはないなと思いつつ、先ずは駅前うどんを食ってから考えることにした。で、天ぷらの出来はアレだがうどんは安いなぁと感心していたら、せっかくうどんが安かったのでタクシーに乗ろうという気になった。次の使える休みが来るまで暫く間が空くし、酉谷も嫌いではないけれど、せっかく盛り上がった十文字の機運を没にしたくないしで。というわけで、場所が変わっても例の如くTAXIで時間を買うことにした。が、乗ったTAXIの運転手はいい人で、山歩きする人なので周辺の山の話も聞くことができたし、秩父往還を栃本関所までと走ってもらって5750円。流石プロである見積もりはかなり正確だった。メータを上げてから運転手曰く、先日雪が降ったので奥まで道を確かめたいので入るけど良かったら乗って行くかい?と言うことなので、有難くその上の栃本広場まで乗せていただいた。ラッキーであった。

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■歩き
11:00 栃本広場には立派なトイレが建っており水道もあったので水を補給した。途中の水場を知らないので、とりあえず無補給で行けるだけ3Lを補給し、フワフワしていたザックも落ち着いて安定が良くなった。実は前日に降雪があったので、充分な雪があったら水を捨てて広口のPlatipusに雪を放り込んでAquamira Frontier Pro Filterで吸いながら歩こうと思っていた。さて、本来なら栃本関所跡から両面神社方向へ行ってから一里観音で尾根道に入るのであろうが、今回は有難いことに楽をして栃本公園まで行ってしまったため、先ずは公園から見えている尾根に短い急登をして登ってしまった。実はこの辺は道が入り組んでいてよく分からない。歩き始めて、途中倒木や荒れて心細い道もあったが、一里観音に合流してからの道は流石に昔から踏まれた道らしく、時に軽トラックなら通れるくらいの幅になったりで歩きやすい。が、新旧取り混ぜた鹿の落とし物だらけなのには参った。下手に避けて転んでも運がないので、まだつやのあるヤツはアレだが、きな粉状の古い物は踏んで歩くことにした。JMT馬糞街道に比べたら小粒でかわいいモノである。暫くは南面に付けられた暖かな道を歩いたが、そこから見える向こうの山の北面はまだ雪で真っ白であり、なんでもその前の週にも降雪があり、三峯で50cmとか言っていたからこちらも北面に入ればそれなりかもしれないが、今回はズックに付けられるKahtoola KTS Cramponを持って来ているので安心することにしていた。
やがて東京大学の演習林の標高1500mくらいからか、日陰に昨夜の降雪の残りが現れるようになったが水を作れるほどは採取できないが、梢からは雪解けの滴が落ちてきて時に首筋に心地よい。昔の人ならいざ知らず、あまり急いで歩いて今日中に向こうへ突き抜けてもつまらないのでユルユルと歩く。

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13:42 いよいよ白泰山に掛るところで道は北面を巻くようになると、鬱蒼とした奥秩父の樹林帯の中、昨夜の雪の下に先週の雪も残っていて一変して冬の道となった。雪面を嘗めて谷から吹き上げる風は冷たく、手の指もかじかんでくる。Cramponを着けるほど凍結はしていないが、無造作に足を置くと滑りそうな箇所も増えて来た。早くも南面の春が懐かしい。白泰山山頂への分岐に差し掛かったが、看板によるとヤブで眺望もないとのことなので先を急いだ。二里観音まで歩けば南面に出られるはずである。

14:08 二里観音は残念ながら観音様は見つからなかったが立派な避難小屋が建っていた。奥の暗さの予感で少し躊躇われるような重い扉を開けてみたが、中にはストーブが据えられていて板間も小綺麗な感じでわるくない。
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のぞき岩の展望台でDSC-HX5でスイングパノラマ写真を撮ってみた。確か雁坂嶺方面である。
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一切の編集なしで下手くそな私が撮ってもパノラマ写真になるのは素晴らしいが、270度のパノラマになるので、けっこう腰をひねらなければならない。

その後も何度か春と冬を行き来したが、15:50、三里で観音様の姿を拝むことが出来た。文献によると「大村久兵衛、上田平右衛門、従梓山三里六丁」と刻まれているらしい。
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手がふさがっているので詫びるように片手で拝して礼をした。
黒戸尾根の様に所狭しと奉納されたお地蔵さんだらけというのも私念が渦巻く感じで薄ら気味悪いのだが、公に全ての旅人を想って建てられた里程ごとの観音様にはそれもなく、建立者や維持してきた人々が有難い。この少し先に昔の中継小屋跡(電波ではなく米とかの中継)があるらしいのだが、歩いているときは気がつかなかった。あるいは道が付け変わっていたかもしれない。1860mの南面を巻くように歩くと、岩の斜面に水が表れたのでAquamira Frontier Pro Filterの出番である。ホースを窪みに伸ばすことで無理な姿勢にならずとも冷たい水を腹いっぱい飲むことが出来るのは嬉しい。
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あまり急いでも十文字小屋に着いてしまうが、この辺りになると道幅も狭く寝床にするには頼りない感じだったので、17時まで歩いて良さそうな場所があったら少し戻ってでも泊まることにして、水が出ていればすすったりしながら歩を進めたが、四里観音様のお導きか刻限の17時丁度、目の前に避難小屋が現われた。とりあえず覗いてみたが、ここも小綺麗なログハウス造りである。水場も近いし、どーすんべ?と思ったが、17時を過ぎていること、あと一時間も頑張れば十文字小屋に着いてしまうこと等勘案し、とりあえずここで晩飯にして、18時を過ぎても誰も来なかったら避難小屋のお世話になると言う方針を立てた。
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今日は賞味期限を迎えそうなので連れてきたアルファちらし寿司である。Caldera Cone StoveにEsbitを使って湯を沸かす。付属の袋のままだったので保温用の靴下には押し込めなかったが、ちらし寿司などは冷たくても構わないだろうと暫し放置とす。
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延焼しないように石ころを台にしてEsbit燃やしている。
スープは..おお!食料庫の底から冬におでんをやったときのヒガシマル粉末出汁が見つかったので、そいつを飲むことにした。申し訳程度の乾燥ネギではあるが、ちょっとうれしい。

■泊まり
18時、他に人の来る気配がないので予定通りに小屋で寝ることにし、防寒着を着けて寝床をしつらえた。泊まりのBivyは担いできてあったが、ま、この状況で外で寝るのも変だろう。小屋の中の物干し紐に化繊の夏用の封筒型シュラフが干してあったので有難く敷物として使わせてもらった。Quiltにくるまり、でも背中が露出して冷えない様にPossumDownの腹巻きをして、スキットルからジンをストレートで飲みながら熊谷達也の短編を読んでいた。山の日はすぐに暗くなる。そうなると、こういう広い屋根を持つ建物っていうのはテントと違って音に敏感になる。というのも屋根の面積が広いので、時々どこかに落ちた松ぼっくりの音なども屋根全体に響いて驚かされるワケだ。夜も更けてジンも空になった頃、どうやら木の実や風の音以外にも何か生き物の音も聞こえてきたが、観音様の御利益があろうから気にせずに眠ることにした。マットをQuiltの底に巻き込み正しくCocoonモードにセットアップして肩グリも絞ると温かい。防寒着、マット、Quiltを一体にすることで無駄なく軽量で窮屈のない寝姿が得られる。Quiltの場合、肩と首が少しでも外気に触れると寒さを感じるので、フード付き防寒着とニット帽を着用するのがよい。今回は腰回りの腹巻きがあったので、更に按配が宜しかった。私の郷里の言葉で言うと、あずましいということになる。一度起きて屋外の気温計を読んだが予想通りの-5℃であった。

■翌朝
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7時くらいに朝日で目が覚めてから二度寝を楽しんで、でも仕方なく起き出して土間で湯を沸かして2杯分の珈琲を飲んだ。
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飯は握ったレーズンパンである。スティック状のレーズンパンは湿り気もあって良く握れる。体積も小さくなり、具のレーズンも嬉しいし、安いが朝飯にするには充分な量だし、いざとなったら火や水が無くても食えるので少し重いが重宝する。
腹巻きは、Quiltで寝以外でも無造作に背中が出ないのが嬉しいな。
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贅沢な腹巻きを...Snow Crashさん、ありがとう。
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8:30 サクっと撤収し、床を掃いて小屋を出た。ここから十文字までは小一時間で着くだろう。等高線に沿った北面の雪道をそろそろ歩き、どこが峠だったか分からないままに小屋が見えてベンチに腰掛けたのが9:30、丁度一時間だった。十文字小屋はまだ開いていないらしく人の気配がないが、登って下りた長靴の足跡があったので、小屋の人が昨夜は詰めていたのかもしれない。
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10分ほど休んでいよいよ信州側への下りに掛った。いままでの鬱蒼とした樹林帯から世界が変わり、明るい唐松の八丁坂をどんどん下る。千曲川の源流部であるから、やがて水の音も聞こえてきて顔を洗った。チョロチョロしていた流れが源流と合流する辺りに五里観音が立っており、これが見えれば梓山も近い。

10:56 橋を渡って毛木平の駐車場に入ったが、ここも立派なトイレが建ち自動販売機が置いてあった。いつもの習慣で、山を降りたから炭酸系でも飲もうかと販売機の前まで行ったのだが..実はお腹が千曲川の源流で満たされており、何も人工の物を詰め込むことも無かろうと腹が言うので買わずに済ませた。毛木平から梓山までは、田部重治の頃は見渡す唐松の林であったらしいが、同時期には既に都会の資本に買われてしまったとも書いていた。現在では切り開かれて高原野菜の産地になっているが、遠く八ヶ岳を正面に望み地面のうねりのままに真っ直ぐに伸びた道も気持ち良く、こんな景色も悪くない。
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一本道を歩き、だんだんと畑仕事の人たちを見かけるようになったら川を渡って梓山に入る。
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11:54 清冽な梓川にかかる橋の横に白木屋旅館を見つけた。田部重治や木暮理太郎ら縁の宿である。浴衣が干してあるから泊まり客も居たのだろう。私も今後何度かこの地に来たらお世話になることもあるかもしれない。
あと一時間、白木屋横のバス停の場所を確認し、千曲川の向こう側に細い橋で渡って鳥居の下の芝生の公園で寝転んでバスを待った。暖かで明るい光と心地よい水音に誘われ、不思議に満ち足りた気持ちで少し微睡んでから10分前にバス停に向かった。
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時刻表が調べてきたものとチョト違い10分遅くなっている。小海線の電車との接続が怪しいのでバス停に寄ってきた少年に尋ねると、ちゃんと接続は考えられているから心配ないと思うとのこと。なるほど、そうだよなぁと納得して行き過ぎてから先の広場でUターンしてきたバスに乗り込んだ。停留所でお年寄りが乗ってきては皆顔見知りなのだろう、四年ぶりの御柱祭りの話に花が咲いているご様子。互いにどこで降りるのかも知っているのだろう、名残惜しむ訳でもなく畑の真ん中から乗って来て林の真ん中で降りてゆき、未だ頂の白い八ヶ岳に向かってバスは走る。
田舎道、バスに揺られて帰り道...梓山の帰り道ULG詠む
信濃川上駅には定刻に着いたのだが、お婆さんが急いで降りていったのを見て、電車の時刻が変わっていない予感がした。とすれば接続は2分しかない。私も続いて降りるが..SUICAが使えない。お婆さんは切符売り場の人と世間話などしながら切符を買っている。一万円札のお釣りもゆっくりだ。そのうち踏切が鳴り出して電車が入ってきた。とりあえず近場までの切符で乗り込もうとしたが、切符売りのおばさんにどこまでかと尋ねられ、東京と言うとご親切に新宿までの料金を調べ始めて..もう電車がそこに入ってるし、後ろにもう1人居るし、全然急ぐ気配がないのには参った。発車ベルをホームで聞いたが、外に出ていた車掌にもう1人いる旨を伝え電車に飛び乗った。あら、電車にバスと同じ整理券発行機があるじゃないの!おばさん、無理に窓口で買わせなくても列車内で買えるとか教えて行かせてくれればいいのにね。
その後は沿線に咲く桜を眺め、いや桜以外も一斉に咲いていおり見事であった。小淵沢に着いてホームで蕎麦を食ってカップワインを買い込んで、ゆるりと鈍行で帰って参りました。
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週末とは言え、山の中では誰にも会わなかった。
突然笹藪に飛んでいったあの大型獣は、たぶん鹿だよね。
峠道で一泊か。良いじゃないか。



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# by ulgoods | 2010-05-10 20:14 | 山行 | Comments(39)