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MLV フロシキコジー / Mountain Laboratory Vagabund Furoshiki COZY

Mountain Laboratory Vagabund Furoshiki COZY/MLV フロシキコジー

MLV製のアストロフォイルとカーボンフェルトを用いたCOZYである。
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山で使う袋飯の蒸らし用断熱袋でアストロフォイル製といえばAntiGravityGearのPot用COZYや封筒型COZYが古株だが、MLVの風呂敷COZYは従来のCOZYに比べ幾多の飛躍が認められる。これはFuroshikiというだけあって、元は平らな一枚物の長方形のアストロフォイルであるが、四辺の裏表にフリーマジックを縫い付けてあって、こうすることによって平面の長方形から封筒型、筒型、さらに巾着型へ、頑張れば相当ヘンな形にだって立ち上げることができる機能を与えられている。まさに日本が誇る変幻自在な万能包装材である風呂敷という名を冠するに当を得ており、私も試作を覧た段階で、あ、風呂敷...と思ってしまった。あるいは折り紙かとも言えるが、ORIGAMIは既にORIKASOの食器類やSierra Designの三角シェルターに名前をヤラれているので、ちょっと使いにくかっただろう。
しかし、このフリーマジックテープを使うという発想と、それを縁に沿って二つ折りで縫い付けてしまうという変態テクニックには只々敬服するばかりである。どーやら貼付けてから縫っているようでもなく、この辺のワザはMLV氏を相当酔わせても教えてくれない..。言っては何だが、AntiGravityの愛嬌のある手作り感たっぷりさと比べるのは如何なものかと言うほどの精緻さで縫ってあり、やはりこの辺の妥協を許さないMLV品質で作られた品と認める。

アストロフォイルは元々は断熱建材に使われているモノで、山道具の世界に引っぱってきたのは流石AntiGraviryのTimさんの目の付け所なのだが、MLVなFuroshiki COZYはアストロフォイルの内部に更に一回り小さなカーボンフェルトを内蔵しているのが念が入っている。カーボンフェルトも元々は溶接の火花受けに使われる耐熱性の高い軽量のフェルト材で、燃えにくい性質から最初はアルコールストーブの芯に使えるということで一躍ULストーブ界で注目を浴びた素材でもある。実はアストロフォイルには一枚モノと二枚を接着した高断熱モノがあるのだが、断熱性を考えれば二枚モノが良いのだが、長く使っていると剥離してくるという難があった。私の手持ちの二枚物封筒型コージーはもうすぐ二つの封筒になってしまうだろうという勢いであり、厚みがあるので折り曲げで接着面に力が掛かるのが原因だが、それに比べると内側にカーボンフェルトを持ってきて、しかも接着などしていないから無理な力も掛らないから断熱性能をUPしつつ分解の危険性を未然に防いでいるのは上手い考えだ。このカーボンフェルト、断熱補助だけではなく余裕で鍋掴みの手袋代わりに使うことができる。また、アストロフォイルで飯を蒸らす前段階としてストーブを使うわけだが、飯を蒸らしていないときはストーブのテーブルやテントの床を焦さない断熱材にも使うことが出来る。また、アルコールストーブを使うときにはアストロフォイルの上にカーボンフェルトを配してその上にアルコールストーブを置くと、万が一、ストーブをひっくり返してもアルコールがフェルトに吸われてそこで燃えるだけなので、一面を火の海にしてしまう危険を減らすという攻めの使い方もできよう。ULを標榜して持ち物を選ぶなら、一石三鳥くらいこなす所謂トリックのあるモノが吉であるから、このfurosiki Cozyはまさにそれだ!

と、それだけでも暫く遊べるのだが、わたし的には装備品に加えるにあたって、とあるテストを行う必要がある。私はα米をプラスチック袋に入れてそれをPossumDownの靴下で保温して蒸らすという方法を採ることが多いのだが、靴下もfuroshikiに負けずに多芸である。まずは飯を蒸らすCOZYとして、あるいは手袋として、もちろん靴下として、はたまたULザックの肩パットとして使ったこともある。そんな便利な靴下と決別してまでfuroshikiを持つ理由が私には必要でる。先ず挙げられるのは、靴下から袋飯を食う姿はイケてないという人の目気にしぃ的な理由だが、私としては独りで歩くことが多いので人の目もないし、残念ながら倫理的な問題も感じないので、幸いにもこの件は私にとっては無問題である。気になる人はこの段階でfuroshikiを選ぶべき。靴下は手袋代わりにはなるが鍋掴みとしてはカーボンフェルトに一歩譲る。毛の靴下は炎に近づくと烏賊臭いニオイと共に穴が開くので勿体ない。が、私としては鍋掴みを持つし汗拭きタオルも持つので、これも致命的な弱点にはならない。そうそう、第一に保温性能を考えるべきであって、これで決定的な打撃を受ければ如何なる靴下党といえども風呂敷に靴下を脱がねばなるまい。ということで、幸い今夜は冷えるのでテストをしてみた。

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比較は、一切の保温なし、靴下保温、風呂敷COZY保温の3パターンとし、地面からは断熱するが風には晒すという条件。それぞれいつものプラスッチク袋にα米100g,お湯160ccを加えて温度の経時変化を見るテストを行う。

結果は...と書く前にテストの不完全さに気がついたので先に書く。熱を貯めるのは体積、熱を放つのは表面積であるから、球に近い形が保温に有利なのは有名な理屈だ。今回の場合、靴下がそれに相当する。靴下の締め上げ効果によって袋飯は胃袋形状に保たれて自然と表面積が少ない。風呂敷は巾着型に組んだので、内部では袋はベッタリ広がって広い面積で底面に接していた。しかも、温度を測る際にも靴下は温度計が見えるので保温したまま計測できたが、巾着に組んだCOZYではたびたび口を開けて暖まった空気を外気と交換せざるを得なかった。電気的なセンサーを飯の中心部に置いて、COZYの口は赤子が泣いても開かないというのが本来の姿である。また、保温材なしも目に見えるところで飯が膨らんでいくので、親心として飯を球に近い形に丸めたくなるのは無理からぬこと。そーしないと飯が流れ出てしまうから..というわけで、実は風呂敷が最も悪い条件であった。
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で、結果は..あまり良いデータが得られていない。予想以上にと言うか、予想すべきであったが、飯のコアに対する温度計の位置によって温度差が出てしまうようだ。ので、途中端折って書くが、ちなみに外気は+1~+2度ほどを示していたが、

    なし 靴下 風呂敷
 0分 75 75 75 ℃
10分 48 58 60
20分 44 54 59
30分 41 51 51
となってしまった。あれ、風呂敷の最後がヘン..という結果であったが、寒いし眠いので再実験は行わない。これはこれなりに得る物があったということは、先の口上というか断り書きに書いてある。概ね風呂敷が優秀なのだが、最後の最後に飯中の温度計の位置が悪い&風に当てすぎたか、不運な値になっている。実験が終わって手に持った感じでは掌全体で受ける熱としては風呂敷の温度が高いようであった。一口ずつ食ってみたが、断熱材なしは冷えかけ、しかし、ほのかに温かいのは大健闘だ。靴下はいつもの感じ、ほんわか幸せ。風呂敷も同じく幸せで、気をつけてあげればアツアツだったかもしれない。
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たぶん、100g程度のα米勝負では、容積の大きな巾着型では中身比べて風に当たる面積が大きかったりするのも良くなかったのだろう。縦折にした細長い筒状を選べば良かったと思う。風呂敷は鍋ごと保温に向いている。鍋を収容するとなると靴下では手にというか足に負えないので。など、不完全なテストだったが飯の蒸らしを考える上では得るものはあった。

で、風呂敷と靴下のどちらを選ぶよ?といわれたら、人目を気にせずに詫び寂を受け容れるのであれば役得数の多さから靴下を選ぶことになりそうだ。複数人で行くときは見栄を張って風呂敷を持つかもしれない。ストーブの敷物としてだが、以前、カーボンフェルトを使って倒しても零れないアルコールストーブを手にしているが、ストーブの敷物を持つ人には多機能ストーブ敷としてもお勧めできる。

少し気になった点
・フリーマジックテープはもう少し幅の広いモノを使って、アストロフォイルの縁から少し離して(袋状の部分を作る)縫い付けた方が、接触面積が広く取れるので組んだときに頑丈になる。
・現状では細い筒状にしたときに、あと数mmの差でナルゲンボトルを包みきれない。せっかくだからナルゲンボトルを保温(断熱)できれば、使っていないときに他用途で使える一徳増える。

何やら応用編の秘策があるらしいので楽しみにしているところ。




この記事ではMLVから評価用に提供された製品を使用して書きました。しかし、製品の提供は記事の内容に何ら拘束を与えるものでないことはULの神様に誓っていますので


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by ulgoods | 2010-03-30 05:08