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LEDランタン Panasonic BF-444

山と渓谷誌の2009年12月号の「こだわり山の小物インプレッション」というコーナーに出していただき、LEDランタンを多数しかも同時に触れる機会を得たのは甚だ有意義な体験であった。
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というのも絶対感覚に乏しい&お店に出不精な私としては、このような機会がなければ好ましい物を選ぶためには結局全部通販で買って..という事を繰り返す事になり、いささか効率が悪い。で、今回、欲しいもの第1位に選ばせてもらったパナソニックのLEDランタンは少し惚れてしまったので撮影終了後即購入済みである。あれこれとライターさんに語り尽くしたのだが、紙面の関係もあり書ききれないのは仕方ないので補遺としてメモを残す。主に今まで持つことが多かったUCOの真鍮製キャンドルラタンとの比較になる。

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■良い点
・軽い(後述)
・明るい(後述)
・壊れない。ホヤが割れる心配がないので、持ち運びに気を遣わなくて済むし、豆電球のように切れる心配がない。
・防滴。雨の中でもテント位置を示すくらいには使えそう。
・電球色LED採用で優しい光を発し、蝋燭ほどの風情はないが青みがかった白色LEDの寒々しさに比べるとほんわか和む。
・光が均質なのがよい。
・蝋燭と違って逆さ吊り下げができるので周辺を広く照らすことが出来る。その際、直下に影が出来ない。

特に以下の点は私の中で蝋燭を駆逐しそうな勢い
・軽さ
LED 77g:これはリチウムイオン電池を入れた場合の重量。アルカリ電池では90gとなる。
キャンドル 339g:UCOブラスランタン、蜜蝋の蝋燭、組み立て笠、運搬用COCOON込み。
その差262g、きゃーーーと言うくらいLEDが軽い。リチウム電池での使用はメーカーの推奨ではないと思われるが、わたし的には冬期の使用を考えるとリチウムが使えないエレキ物は持ちたくないので、先ずはリチウムを詰めてみて壊れるならそれはそれで仕方ないと思っているが、このパナのランタンは私の所ではOKだったので先ずは第1段階クリアである。

・明るさ
絞りとシャッター速度を固定して同距離で単行本に光を当てて文字の見え具合を撮影した。これで測定条件は同じだよね?文庫本は寺田寅彦の随筆集。
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LEDはLOWで光を絞ってある。両者置いてみたが、LEDは高さがチビなのでちょと分が悪いが、明るさの差は歴然である。これまで山では何度も蝋燭の下で本を読んでいたが、まー読めるのだが、読んでいて目を悪くしそうなのに比べてLEDの明るいこと!また、LEDは逆さに吊れて直下に影が出来ないのが良い。

・使用中の安心
キャンドルランタンを倒すと、あるいは吊っていて頭突きを喰らわせた場合どうなるか...裸火ではないから火事になるほどではないが、炎が消えるだけでなく、溶けていた蝋が火屋に飛び散り、収納時に無理に削れて火屋を押し込むので滓が出るとか、火屋の掃除は熱湯を掛けなければならないとか、憂鬱でもって心も暗くなる。が、LEDではそんなことは起こらない。転がそうが逆さにしようがまったく平気なのは当然。
バックパッカーには有名なメイベル男爵のバックパッキング教書でも、キャンドルランタンをゴム紐で吊って必要なときには手元に引き寄せるようなことが書かれていたが、かの達人にしても勢いよく手を離して蝋を飛び散らせ、自分が嫌になったことは一度や二度ではないと思われる。

・保ちが良い
ハイパワーで16時間、ローで55時間。キャンドルランタンは9時間と言われているので、ローであれば6本に相当する。ローでも蝋燭より明るいし。で、蝋燭って結構重い。UCOの9-Hour Candleで50g、6本で300g。
エレキ物と自然物を比較する際に、使用期間が長くなるとエレキ物は電池が嵩んで結局重くなる、という結果になることがあるが、リチウム単四4本で28g、電池は電気が抜けても重さが変わらないから抜け殻を持ち歩くことを考えると相当長い日数使えば逆転も起こるが...本体重量差だけでも272g(笠とCOCOON込み)-46g=226gで、この重さを電池に割り振ると4本が8セットで440時間相当になる。440時間灯す蝋燭の重量は2444gであり、勝負しようと担いで出るには絶望的な重量だ。また、太陽電池充電で持続的に使えれば更にお得。エネループはリチウムより少し重いが、4本セットで本体込み90gとして、太陽電池Power Filmの重量が110gだったから総重量200gで電池の充電性能限界1000回まで使えることになり、地の果てまで往復してもまだ大丈夫そうだ。
で、LED自体は切れる心配は、蝋燭を踏み砕いて粉々にしてしまう確率より低いような気がする。

と、良いことづくめ。

■あまり良くない点
・吊り下げの折り畳みフックが内蔵されているのだが、その作りが残念。安易な形状なので吊り下げていて頭がぶつかったりすると即座に外れて飛んでいく。まー、どういう物にぶら下げるかを想定しきるのは悩ましいと思うが、もう一工夫の余地がある。というか、壊れやすそうな部分なので、壊れたら吊れなくなるから、穴に紐を通して、あとはミニカラビナでドーゾとするくらいで良かったと思う。
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で、面白かったのは、紙面で触った別のランタンも全く同じフックを使っていたということを発見してしまった。製造時に必要なのだろう切り欠き部分も全く同じ場所に付いている。たぶん、どこかに朝から晩までこのフックを作っている工場があって安く調達できるのだろうが、そういうところが家電屋さんだなと思ってしまった。

・電池入れ
単四を4本入れるのだが、四本を上から見て四角形に固めて入れるのだが、普通は+-が交互にセットすると思うが、このランタンは++--とセットする。しかも、最初の+の位置が中のラベルを見ないと確認できない。電池の入れ方は配線をちょっとやればいい話でアフォーダンスさに欠ける。また暗闇でも電池交換が出来るように+位置は触って分かるくらいにして欲しい。

■少しだけ気になる点
・色
最近のパナに多いシャンパンゴールド。悪い色ではない。ベッタリ黄色に塗られたり色分けしてコストが嵩むよりは、なんらしか高級感が漂って、好きな人には抵抗がないだろう。私もLumix GH1のコンフォートゴールドは実際に見てみたら悪い色じゃないなーと思ってたし。見た人が、この成金趣味野郎めと舌打ちしないことを願うだけである。

■希望
・無段階調光機能。Low Highの所を回すと無段階で蝋燭より暗い所から眩いくらいまで。
・BDのオービットのようなダブルフックがあれば無敵
・電池の入れ方改善
・そんなに長い時間保たなくても良いから電池2本でやってほしい

■その他
ランタンはパワーだけではない。狭いテントで直接光が目に入る場合、目が瞳孔を閉じるので肝心の照明対象物が真っ暗にしか見えない。


■結局
実は最近はランタンを持つことはあまり無い。ライト系はPetzl Tikka XPとPhoton Microの組み合わせで満足しており、まともなシェルターで寝る訳でもないから明かりを灯してホノボノとというチャンスもない。でも年に一二度はキャンドルランタンを持って、時には炎に見入り物思いに耽った気分を味わったりするのだが、さて、UCOのキャンドルをパナのLEDに置き換えるべきなのか?仮にLEDが気を利かせて1/f揺らぎ回路とか内蔵されたりしても炎のダイナミズムや透明感を再現することは出来ない。燃えている炎を見て楽しむという楽しみ方もあるから。し、燃焼している訳ではないので文字通りの暖かみも炎には敵わない。光が私の中で単なるモノに成り下がってしまう懸念がある。LEDの発光現象も自然の物理だから、分かってその仕組みが石に焼き付けられたらば炎が燃える原理とどっちが高級か?問われてもどっちとも言えず、LED発光を見てもスゲーと感心する人は最近では少ないから、所有する歓びとして考えると昔ながらのどっしりとしたキャンドルの方だ。使ってきた履歴を匂わせる真鍮の鈍い光沢はプラスチックに塗ったシャンパンゴールドでは表現できない深みがある。たぶん、シャンパンゴールドは使い込むほどに塗装が剥げて、はしゃいだパーティーの後のような、少し切ない気分を誘発しそうだ。
と、思考が尻切れトンボでまた悩みが増える気もするが、適材適所で余分な物は持たないという姿勢からすると、少なくとも歩きメインの単独で行く場合はランタンは持たない。たまには山で本を読みたいときはLEDを持つ。山でシミジミと人生を考えたい夜にはキャンドルランタンを灯すか。ん!そう決めた。後で悩みたくない。

なるほど、身や心が軽いほど装備も軽くできるということだ。

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持てなくなるのは少し寂しいがね..



よ び か け ら れ て ふ り か へ つ た が 落 葉 林 ...山頭火

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by ulgoods | 2009-11-20 11:16 | エレキ系 | Comments(21)

雨雪の奥多摩に遊ぶ

三日目、雨なので行動中の写真は無い。

07:30 雁坂小屋
08:07 水晶山
08:28 古札山
09:22 雁峠
11:26 唐松尾山
12:27 将監峠
12:39 将監小屋
16:17 飛龍山

沿面距離 17.3km
行動時間 09:17

7時チョイ前か、お隣が出立してからBivyから体を抜き取り、撤収して歩き始めが7:30であった。小屋の客もさっき出立したらしく私で最終である。シメシメ、暫くは静かな山歩きができるというもの。小屋は旨い水が豊富に出ていたので2L程汲んだ。出がけに小屋のご主人と少し立ち話をしたが、ストーブのことは根に持っていない様子なので安心して小屋を後にすることができた。しばらくトラバース道を歩き、雁坂トンネルの真上を通り、水晶山へと続く機能分岐した先の縦走路へ出る。雨は細かな霧雨であり、背の低い笹原では風も強い。気温は3、4度台。モンベルのブリーズドライテックの雨具の上のPitZipを開け(US版には付いている)、下はTシャツで熱の収支が拮抗して汗をかかずにちょうど良かった。ミスト充満の天候だったので、荒い呼吸を続けても喉が渇くこともない。手はフリース手袋の上にeVent製のRain Mittをはめているので温かく濡れていないし、袈裟懸けにしたCuben Fiber製のサコッシュも、脇の下に位置するのが良いのだろう殆ど雨の侵入もない。また、靴は非防水だが、Goreの靴下を履いているので足は濡れていないし冷たさも感じなかった。今のところ全て順調だ。ただ眺望が利かないことを除いては...
やがて雁峠へ下りていったが、晴れていれば気持ちの良い笹原なのに勿体ないな。あの景色に結構そそられていたのだがね、仕方ないからまた来よう。で、どーも奥秩父の甲武信からこっちは、要所要所の看板がやたらとデカい。記念写真用のサービスだろうか?有名観光地の案内板でもあんなにデカくはあるまい。かといって下が開いているので風除けににもならず、私にはあまり有難味はなかった。あんなに大きくなくとも地名は分かるのにね。もう少しヒッソリして欲しいかな。
雁峠へは水晶山とか古札山とか通過するが、両者ともさほど高低差もなく一気に雁峠へ下るという感じ。水晶に古札と来れば何やらお金持ちになれそうな気もするが、うっかり見逃しそうな小ピークである。雁坂峠(かりさかとうげ)、雁峠(がんとうげ)と、どうも名前がややこしいし。
ここで向きを変え、笠取小屋へは寄らずに笠取り山方面へ歩く。笠取山直下の水源公園へ通じる道は整備されて広く、ここも天気が良ければと悔やまれる道だ。笠取山は巻き、途中から唐松尾山を通る尾根道になった。気温は下がっている感じ。時々小物の出し入れで不用意に防水手袋を脱いだせいか、古くなってフェルト状に潰れたモンベルのフリース手袋は冷たい水を吸ってしまって指先が痛くなった。辛いのでPossumDownの手袋に交換し、指先をマッサージして血行を戻した。緩い防水手袋のインナーとしては厚みのあるウールが良いようだ。この手袋は濡らさぬように気をつけなければならない。
唐松尾山からは高度を下げて牛王院平へ出た。緩コンター好きとしては堪らない等高線の間隔、一度来てみたかった場所だ。武田の時代には金の採掘もされたというが、今は背の低い笹に埋もれている。さて、喉が渇かなかったし、将監小屋にも立ち寄りたかったので途中で水を1L程捨てたが、将監峠からのスキーのゲレンデを思わせる広大で急な刈り払いの斜面を見た時に後悔した。地図上ではさほどではない気がしたが、水を捨てた罰で風雨に身を曝しながらだいぶ下る羽目になった。こんな天気でも小屋からは煙が立ち上る。温かさげな感じは端から見てもホットする。天場には昨夜見たテントを含めて2張り張られており、寝袋で温々しているんだろうなと思いながら手を切るように冷たい水を2L程補給した。小屋の外に流れている水は豊富で清冽、旨そうだ。まだ12時、沈殿するには早すぎるので先へ進む。下がったからには登り返さなければならない。水を粗末にすると汗をかく羽目になる。下ったのと違う道で縦走路に戻った所で顔を上げたら人が居てびっくりした。そこで結構大きめの荷物のお兄さんに将監小屋へ行ったものかと尋ねられた。水があるなら寄ることはあるまいと答えたが、どーやら売店に立ち寄りたいようなことを言っていた。将監小屋に売店はあるのだろうか?分からないけど期待薄と思うと感想を伝えた。何か要る物があるのかと尋ねたが特に無いと言うし、よく分からない人だった。冷たい雨に打たれて人恋しくなったか?ま、こんな天気でも歩いている人が居たのは私も少し元気づけられた。ここからは飛竜山目指して歩を早めた。というのも夜間の氷点下が予想されたので充分に明るい時間帯にキャンプの準備を済ませたかったから。張る場所は見当を付けてある。とにかく急がねば。
16:17に予定地に到着。まだ歩けるがこの先は痩せた道で張れそうな場所の記憶がなかったので、ここまでとした。17.3kmか、まずまずの稼ぎである。と座って湯を沸かして一休みしたときに、またもや尾根を登り切って来た青年に会った。どーも道を間違っちゃって..と言う。どこで間違ったか分からないが、降りればよいものをここまで登って来た様子。で、どーするかね?と尋ねたら、こーなったら三条の湯へ行くと言う。時間的には日没を越すだろうが、日のあるうちに三岩の分岐まで行けば何とかなるだろう。ま、ザックはデカかったから色々入っているだろうし、最悪ここに人が居ることは分かっているから少しは安心だろう。しかし、道を間違うとは..サオラ峠で三条の湯へ行く道と間違ってそれでも登って来たのだろうか?私も万年初心者だが、私も心配になるくらいの元気者が多い。
湯を飲んで体を温め防寒着を着てBivyの設営に移った。ああ、冷えてガスライターは役に立たなかったので、香港モノの小さなオイルライターと小さく切ったTinder Quickで固形燃料に着火した。持ってて良かったという感じ。また、雨具は撥水剤漬けの高温乾燥後だったので良く水を弾いて面白かった。
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幸い、その場所は真っ平らなのでシワ無くきれいに張ることができたが、少し湿っぽいのが気になっていた。これが後の敗因か?その後、やはり袋のαドライカレーを食い、今夜の雪に備えて防寒ズボンも穿いてBivy内に横になった。この時、ドロ靴を入れる袋がなかったので靴を外に出して置いたのだが、翌朝はやはり凍り付いて紐を緩めるのに固形燃料で炙る羽目になる。ビニール袋を余分に持って靴は枕にするんだった。
17時を過ぎ、日も落ち雨も強くなり時々突風も吹いて天気が荒れてきたが、頭骨入りのLightsabre Bivyは狭い空間を3本のポールで張っているので突風が吹いてもミシリともしない。また、ペグが良く効いたので思いっきり張力を掛けて張った胴体部分も風で拉げることもなく、居住空間は完全に確保された。これからすべき事、どんどん体温を生成して湿ったダウンQuiltをふっくらさせなければならないが、どーも熱が袋に回らない様子だ。背中が冷たい。やはり冷えて湿った場所にRidgeRestマットだけでは地面に熱が奪われて上まで熱が回らない。せめてProLite4くらいにするんだったな。背中が冷たいので半身になって接地面積を減らしたが、微妙に体温生成が追いつかないらしく、定期的に体が震えた。
ふとBivyの側面がピカリと光った。ヘッドライトの電源でも入ったかと確かめようとしたとき、ゴロゴロおいでなすった。まさか雷まで、しかも側面で鳴るとは..前線でも通過するのか外は大騒ぎである。彼らの饗宴を覗いて見る気にもならなかったが、やがてカサカサと乾いた音が耳に入り、どうやら雨は雪に変わった模様。もーこうなったら朝まで体温が保つことを頼んでじっとしている他はない。しかし、寒くて寝られないのは困ったモノだ。同じ方向では接地面が冷えるので頻繁に寝返る。朝までウトウトしながらも寝た記憶がない。かと言って時間が退屈だったこともなく、半寝半覚醒状態で時間だけが過ぎていく感覚を味わった。少し悟りの境地に近づいたかしら?
とかしているうちに外に明るさが認められた。風は既に収まっている。ジッパーの隙間から覗いてみたら向こうの空が赤黒い。それから安心して少し寝たのだろう、次に外を見たときは日も充分に昇り、やはり周囲は一面真っ白であった。Bivy内温度は零度、風雨の吹き込みを避けるためジッパーを閉め気味にしていたせいで結露が凍っていた。中で暴れてBivyの雪を払いのけ、ジッパーを開けて上半身を起こした。やれやれ、ホントに降りやがった、雪だよ...先ずは半身を起こした状態で湯を飲まねば、あらら、外に置いたペットボトルはかなり内部まで凍っているじゃないか。ペットボトルにパンチを3,4発見舞って氷を砕き液体の水を得た。ま、Bivy内にはセイシェルの水を500cc程度Keepしていたのだが、これは末期の水のつもりで滅多に手を付けないことにしている。Bivyを開けたせいか、温度計は外気温のマイナス2.5度を指しており、日が昇ってこれだから昨夜はもっと冷えたのだろう、靴はガチガチに凍り付き、履こうにも紐が緩まない。
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参ったなぁ。仕方ないので固形燃料で鍋を空焚きし、その熱気で上の数段だけ紐を溶かしてGore靴下の足を押し込んだ。Gore靴下の中は昨夜厚手のPossumDownの靴下に履き替えていたお陰で氷の靴に足を通しても冷たさを感じなかったのは幸い。その他は昨日雨で濡れたから、Bivyに入れなかったあらゆるものが凍り付いていた。
最後の餡パンを食って、トレールミックスもボリボリ食って、たくさんお湯を飲んでやっと体温が戻った気がした。人心地付くまでは寒かったのでQuiltを身に巻き付けた。たぶん見た目はアレだろうが誰が居る訳でもなし、たっぷりのダウンが入っているのだ、別途ダウンジャケットを持つような贅沢は出来ないし。

今日も先が長い、あまりゆっくりもしていられない。寒いの嫌ならとにかく動くことだ。7:30撤収完了し四日目を歩き始めた。今日は雲取を越えて、できるなら石尾根経由で奥多摩駅まで歩きたい。飛竜から雲取は昨年に逆回りで村上さんと歩いた道だ。昨年は温かくて乾いていたのだが...でも足跡のない雪道を歩くのはガキの頃から好きなことの一つだ。少し嬉しい。
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08:44、三岩の三条の湯への分岐で四角いフットプリントがあった。おそらく昨日のお兄さんだろう。ここで無事に過ごしたかよかった。でもここも吹き曝しだから難儀したろうな。足跡からすると三条の湯に降りずに雲取へ向かったらしい。
雪は1,2cmくらい積もったようだが、地面はまだ凍えていないので日の当たる南面に付けられた道は一部雪も溶けかかり、不安無く歩くことが出来た。にしても昨日の夜が嘘のように素晴らしい天気だ。水蒸気が全て落ちたせいか、展望のある場所からは富士山はもちろん、海も見え、おそらくあれは相模湾、また東の方のグルリの海岸線は東京湾だろう、であれば富津岬まで見えたことになる。おそらく駿河湾で湧いた呑気なマッシュルームのような雲が順に風に流され次第に成長している様子も見て取れた。
09:43狼平通過。吹き曝しで一面雪であるが、小動物の足跡が付いているのがほほえましい。みんな夕べは大変だったな。
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さて、凍った靴であるが未だ溶ける様子はないし、靴には雪が付着しており、しかも中敷きなしであるが、Gore靴下とPossumDown靴下のお陰で全く冷たさは感じない。
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よく考えればGoreの皮登山靴とてさほど保温性がある訳でなく(ホントに寒いときは革ジャンじゃなくてダウンを着るだろ)、保温は専ら靴下に頼る訳だから、ズックにゴア靴下+保温靴下でも遜色がある訳でも無かろう。むしろ、Goreブーティーが破れ掛った靴よりはマシだと思う。それと、安いゴア靴などは足裏部分にはゴア膜が無く、しかも側面とは一体ではなく縫い付けられているので、どこかしらから水が回ってきて靴下が湿って冷たい、あるいは雨なら時間と共に濡れは免れないが、この仕組みでは足裏もゴアであり、全く濡れないので余計に有利かもしれない。靴が濡れないように外側に近い場所で防御するのよりは、本当に守るべき近傍で完全に防御する方が簡単なのかもと、つま先を見ながら考えた。また、自転車で育成した足の筋肉のお陰か、ボリボリ食ったアミノ酸のお陰か、足の筋肉が痛くなく通常戦力で四日目を歩けていることは嬉しかった。
10:23 三条だるみで大休止。お約束だから富士山の写真も撮る。
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11:27 雲取山。既に山頂には大勢の人が休んでおり、静かな場所もないのでそのまま下りに掛った。予定では石尾根から奥多摩駅に下ろうと思っていたが、寝坊をしたせいで時間が怪しい。日没に掛る危険があった。食料もまだあるし標高も低いから心配はないが、明日の午前の仕事に穴を開けてまで石尾根を歩く気は無いからそのまま鴨沢に降りることにした。そうと決めればサッサと降りる。結局、2.5時間で鴨沢まで降り、5分差でバスに間に合い、奥多摩のそば屋で一杯やって岩魚の燻製も食って天ぷらも食って田楽も食ってホリデー快速に乗って帰途についた。
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酒は澤ノ井の一番汲みというのが季節限定で出ていたので720ml瓶を一本買ったが、飲みきれずにザックに挿してある。

結局山ではチタンフラスコに詰めた酒は飲まなかったので運良く座れた電車の中でフラスコから直接飲み、まだ凍っているペットボトルの水をゴクゴク飲んでいたら、隣のおじさんに声をかけられた。その水は凍らせて持って来たんで?と言うので、昨夜のいきさつを話して応えたが、それにしても良い匂いの酒ですなと...おお、お判りで!せっかく担いでくるので今回は近所のスーパーで一番お高いニッカの竹鶴12年を仕込んであったのだ。とは言え、口を付けて飲んでしまったのでドーゾとも言いにくく、先ほどの余った一番汲みをセイシェルのカップに注いで味見して頂いた。一番汲みもアルコール度数は19%でけっこう旨い。期せずして山のお話など伺い、結局三杯ほど献上させてもらったが、最後におじさん一言、そっちの酒も...わはは、気になさらない方のようなので、チタンフラスコから酒を注いで飲んで頂いたのは言うまでもない。いや愉快愉快。山へ持っていく酒は奮発するのが正解だ。


長々と書き散らしました。読んでくれてありがとう。
何か情報として残ると幸い&こちらもね→


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by ulgoods | 2009-11-16 02:33 | 山行 | Comments(16)

二日目、大弛から雁坂峠まで

二日目の記録

11月1日、
大弛峠発 06:02
国師ケ岳 07:03
両門ノ頭 09:47
甲武信岳着 11:35
甲武信岳発 12:02
甲武信小屋着 12:12
甲武信小屋発 12:31
破風小屋 13:27
破風山 14:41
雁坂嶺 15:54
雁坂峠 16:30
雁坂小屋 16:41

沿面距離18.933km
所要時間 10:39

なんとか波乱の初日をやり過ごし、本来の山歩きに移ったのは11/1の06:00であった。こんな時刻であるが峠の駐車場はほぼ満車である。車道にはテントも張られ、少し年季の入ったカップルが朝餉の最中であった。また、6時丁度に活動開始を予定していた人もいたようで、青年が独りディパックを担いで金峰山方向へ向かっていったりと、日の出後の切りの良い時刻には人の動きががある。タクシーで時間とお金をやり繰りした私も歩き始めることにした。
大弛小屋は峠から梢越しに赤い屋根の見える小屋である。幸いタクシー仮眠所で水を汲んで来たので、ここは小屋のラジオ体操組みに軽く会釈をして素通りした。小屋の前からは夢の庭園と名付けられた木道の階段が続く。出だしから木道は少し萎えるが、峠に来た山の用意のない人でも展望を楽しめるようにと整備されたのだろう、立派な階段だ。カツカツと乾いた音を立てて夢の庭園へと向かったが、樹木が繁茂して展望は今イチと思う。
大弛から甲武信岳までは一旦国師ヶ岳2591.8mに上げられ、国師のタルまでは下降一辺倒、400mも下げられるのは悔しい。辺りは数日前に降ったという初雪が所々に残り、水の流れる場所は凍結もしており、ガシガシ下るには少し気を遣う。国師ヶ岳に登るのに軽く汗をかいたが、それ以降は気温が低いので汗もかかず、また平坦な道や陽の差す開けた空間もあり、気持ち良い尾根道歩きができた。歩が捗る。
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途中、両門ノ頭という絶壁の上に出る。眼前の塩山(これが塩山の由来?)と両門ノ滝の上流部である西俣がキラキラ光った筋に見えて美しい。
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あの先に両門ノ滝やナメ滝の宝庫がある。下から入るにしろ多少なりとも沢屋さんの真似をしなければ辿り着けまいが、それだけに全くの平和な土地のように見えた。
途中で膝や脹ら脛に違和感を覚えた。もしやアレか?と思ったが、甲武信岳に着くまで靴の点検は見送った。やがて千曲川源流への分岐辺りから空荷の人々も増え、おばさま方の途切れることのない声が明瞭になってくるその先の開けた空を目指して岩場をひと登りすると、そこが甲武信岳の山頂である。私もMariposa Plusの背からリッジレストを抜き取って敷き、大休止をとった。
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山頂というより、各方面の分岐として重要な場所だ。
靴を脱ぎ足を乾かし、トレールミックスを囓って水を飲んだが、やはり...靴の中敷きが無い。忘れ物をするのにも程がある。クッションの無いせいと踵が沈み込んでいるせいで脹ら脛と膝に違和感を生じたのだろう。困った...かと思ったが、実はあまり困っていない。クッション性の高い土の道だし、踵の沈み込みと言っても傾斜ばかりで基準になる水平が希な道を歩くのだから問題ないはずである。その昔、ワラジで歩いた人々はいかばかりであろうかと思えばゴア膜もない現代ワラジでこの道を歩くのも一興である。何より軽いじゃないか!中敷きがないことが分かった以上は、意識してヒタヒタと足と地面に優しく歩くことにして、筋や腱に障害が出るようなら下山することにした。ああ、飯と中敷きに敏感な村上さんに更にお目玉を頂戴しそうな気がする。
甲武信岳から国師岳や金峰山は見上げる形になる。ざっと一回り見てみたが、この辺の山は金峰山頂の五丈岩ばかりでなく、頂に小さな岩の突起を持っている山が幾つか確認できた。みな似た成因の似た風化過程を経てきたのだろう。
天気も良いし山頂は賑やかだ。今回は高さに満足せずに距離を稼ぎたい。木の実を食い水をゴクゴクと飲んだ私は早々に山頂を辞して甲武信小屋に向かった。途中、警察のパトロール隊とすれ違ったが、山を登る時くらいは暴走族の特攻服みたいな服から解放されて欲しいと思った。暑いだろうと思う。いついかなる時でもあの服のあの靴でヤル!という訓練なのだろうか?そういえば上高地でもJ隊の登山訓練に会ったことがあるが、軍靴だった。軍靴は万能なのか、軍靴で何処でも行けるようになる訓練なのかは分からない。下で会って、翌朝奥穂の上で寝て起きたら丁度登って来たところだったので、さほど歩みは速くないようだが。いずれもご苦労様である。

下った小屋ではご主人の徳さんが大工仕事に精を出しておられた。入り口の左側一階を全面改装中。屋根を支える?つっかえ棒が新しくなっていた。以前伺ったときは徳さんは休暇で下山しており、小屋番の爪さんだけだったので徳さんとは面識がない。水を汲ませて下さい。ああ、50円ねと、大工仕事の手も休めずに最初はちょっとぶっきら棒であったが、以前来たときにお会いできなかったこと、爪さんに大いに飲ませてもらったことなどから話しが始まった。前回買い忘れた25周年記念の手ぬぐいが欲しいと言ったら、残念ながら先日売り切れたからこれでよいかと「日本百名山甲武信岳」と無骨に書かれた手ぬぐいを渡してもらい、更に小屋で作ったDVDも前回は品切れだったので在るかと聞くと、ここがツボだったのだろうか、奥から出してくれ、表面の印刷がないからマケとくよ!とか、いろいろ説明をしてもらった。と奥からギターの音が聞こえてきた。昼休みの爪さんが弾いているのだという。邪魔しても悪いので小屋を出ようとしたら徳さんが、おーい、○×さんが来ているぞー、と声を掛けてくれた。ら、ギターの手が止まり、ああ○×さん!と爪さんが出てきてくれたのは嬉しかった。一泊、しかもテントで小屋泊まりではなく、そのくせ図々しく飲ませてもらったのだが、覚えてくれていたのだ。本来なら芋焼酎の1本でも担いできたかったのだが、今回は先を急ぐのでまた次回と気の利かなさを詫び、でも表まで出てきてくれた爪さんを交え、徳さんも大工の手を休め三人で歓談した。爪さんは徳さんに私が道具マニアだと紹介してくれたが、何か話が合わないので良く聞くと徳さんは大工道具の人だと思っていたようで笑ったり、自転車でダイエット頑張って入ると話したら、自分の足で歩けるなら少々肉が付いていても良いんだよ、と言ってくれた。徳さんは膝を悪くして、ちょっと辛いと言うことだった。11月も末になれば小屋を閉めて下界に下りるだろう。爪さんの帰路の冒険が安全に成功するよう祈っている。このまま泊まろうかとも思ったが、次回ゆっくり飲もうと約束し、小屋を背にして再び歩き始めた。ああ、爪さんと徳さんと写真を撮っておくんだった。次回お願いしよう。
甲武信から破風山への鞍部の小屋辺りまでは更に300mも下げられる。ああ勿体ない勿体ないと言いながら降りた破風小屋は改装工事中で壁のみ、屋根のない状態で、中には朽ちた薪ストーブがそのまま置かれていた。
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甲武信に行くにも破風山に行くにも気持ちの挫けた人には重要な休憩所になる場所だから早期の完成が望まれる。後で聞いたが、ここは雁坂小屋のご主人が管理しているらしい。
破風山に登り返す途中でシャリバテを自覚。急に動悸が速くなり足が重くなるのだ。登る気が失せる。そーいえば炭水化物も採っていなかった。先は急ぐがカーボン系の食料をインストールし、飴をなめた。また、今夜に備えて甲武信小屋で3Lほど調達した水も、この先の雁坂小屋で汲みなおすことにして1Lを残して廃棄した。腹も張ったし、急に身軽になったので歩く気が戻り、もはや夕方が意識される刻限なので先を急いだ。黒い雲が甲武信岳方面に沸いてきている。雨になるかもしれないと思って歩いていたら、丁度、雁赤嶺頂上ベンチの辺りで雨になった。本降りになりそうなので雨具装着。今夜はここで張るかと思いふと見ると頂上看板の裏で張っている先客が居た。細い尾根道が続くが、支尾根を発する頂上箇所は平坦地もあり、なかなか良い場所なのだ。同じ場所に二人はアレかと思い、私はこの先の張れる場所を探すことにして、更に歩いた。良い一夜を!
水を捨てた罰なので小屋に寄らなければならない。雨は止まず日も落ちてきた。雁坂峠も雨でかすんで何も見えやしない。
小屋へ向かう途中キョーンと鹿が鳴いた。私も負けずに鳴き返したら鳴き返され、しばし鹿とコールのやりとりをしながら暗い道を小屋へ急いだ。今夜は小屋の天場にお世話になるか。
小屋に入るとオヤジがまだ来ぬ4人組みを気遣いながら待っており、私の鹿とのコールを客の到着と思ったらしく、天場を貸してくれという私と暫し話しが噛み合わなかったが、やっと話が通じ、天場は裏の方、雨だから宿泊棟の土間で暫し安めと言ってくれた。宿泊棟には側面が破れた薪ストーブがあり、来る客のために火を落とし気味にしているのか、濛々と煙が漏れている。写真はだいぶ明るく撮ってあるが本当はヘッドライトが必要なほど薄暗い。
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煙に燻され続けて黒光りした木材に裸電球が一点、心細く灯っていた。が、少しでも火の気があるのは何より嬉しい。宿泊棟は先客があり、ちょっと品の良いおばちゃま、自炊素泊まりらしい。私もせっかくなので土間でαドライカレーを食い、Bivyまでセットアップして天場に持って行った。反則かもしれないが、こんな雨の夜だ、使えるモノは有り難く使わせていただく。
土間で休んでいるときに、先客のおばさんが少しストーブの火を大きくしてくれくれないかと、壁に立てかけてあった火掻き棒とちりとりを持って来た。ストーブに触るのは憚られたが、そーお願いされたらせぬ訳にもいかず..といじり始めたらオヤジが入ってきて、「山のストーブに触るもんじゃねぇだ」とこっぴどく叱られた。おばさんは..知らん顔である。確かにいじっていたのは私なので弁解もせず、頭ごなしに叱られるに任せたが、そう悪い気はしなかった。こんなお願い、次回からは断るか、それとも見張りに立ってもらおうか。
天場はもう暗かった。50張り可と地図にあるが、雨で視界も悪く、奥にどれほど開けているのかは分からない。小屋側の良い場所は占拠されていたが、もう暗くて見えないので先客のテントから2mほどの空いた場所に張り、雨の中、エイヤとBivyに潜り込んだ。暗くなってからゴソゴソしたので天場の先客は少し迷惑だったろう。この夜テント3張り、Bivy1張りであった。さすがに10時間も歩くと疲れたようだ。酒も飲まずラジオも聞かず、筋肉の超再生用にアミノ酸錠剤をボリボリと食って寝た。気温がさほど低くないのでよく寝むれた。
翌朝は雨は小康で霧雨状態だった。Bivy内は結露あり。床に垂れていたが、さほど深刻ではない。Bivyの中で餡パンをかじっていたが、撤収前に体を温めたく、Bivyから上半身を起こして傍らのカルデラコーンで湯を沸かし、少し雨風に吹かれながら珈琲を飲み熱源を体に入れた。
撤収の図。Bivyに入りきらない荷物は防水スタッフザックに入れて、一晩横に転がして置いた。
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いよいよ3日目は雨あり雪あり雷まで来た夜を迎える
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昨日、Hiker's Depot主催のタープ・ツェルト教室にちょっとだけお邪魔した。
なかなか盛況!
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奥多摩の紅葉も過ぎつつあり

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by ulgoods | 2009-11-15 14:26 | 山行 | Comments(6)

プランBのそのまたB

...続き

長いです。
山行とは殆ど関係ありません。どーでもいい話なので読まなくても山歩きの記録には支障ありません。

■荷造りの続き
で、問題だったのはNunatak Sukaha Plus Down Sweterが見つからないと言うこと。軽くて温かく、これまたEPICシェルで手の保温用にカンガルーポッケ付き。土屋さんのJMT thru Hikeにも同行した遠征経験を持つ果報者ジャケット。このくらいの季節にちょうど良いだろうと、屋根が決まる前から登板が予定されていた。確か、去年の11月末頃までは見た記憶があるのだが、その後の記憶が途絶えていた。だいたいダウン物は寝袋袋に一緒に入れて押し入れに突っ込んでいるはず、ということで押し入れをふっくら占領している寝袋袋を一つずつ開け始めた。この時点で夜中の2時。朝一のあずさ1号まではまだ時間があるから余裕である。が!一通り袋を開けたけど無い。おかしいなー?ともう一度寝袋の中まで開けてみたが無い。部屋には寝袋や防寒ジャケット類がうずたかく積まれ、ダイブしてもふんわり受け止めてくれそうな堆積を作っていた。というか、作業場所がない。仕方がないので順に袋に収納し、押し入れの隅も探し...この辺で顔が青ざめてきた。やっぱり無い、のである。まー、たまに袋を全開にすると離ればなれになった寝袋とスタッフザックのペアが完成していくのは嬉しいのだが、ああ、こんな袋も、という冷遇されきった袋を発見したりと、それはそれで意義があるのだが、大山鳴動させても肝心の探しているモノがピンポイントで見つからないのは気持ち悪い。というのも、道具の管理がちゃんとできていない訳で、そんな状況で山へ行ったら無くすは壊すわ事故るは、というのは火を見るより明らかだ。お山の第一歩は正しい道具管理から始ると常日頃から固く信じている次第。よって、山心がだいぶ萎えてきた。この時点で4時。こんなカルタ大会のようなペアを作る作業に喜々としている場合ではないことがジワジワと心に突きつけられてきた。Sukaha、昨年の11月末に一度外に持ち出している所までは記憶がある。家の中から勝手にジャケットが歩いて出る訳がないので、そのとき置き忘れてしまったか...とか考えている場合ではないが、どーも気になって荷造りの手が止まってしまった。
山より道具としては、道具が揃わないと山へは行けない。道具揃えが60%くらいの比重を占めており、山を歩くのは道具を味わい、ついでに体力のチェックと野宿生活術の経験値を増すくらいのこと。まじ困った...行くべきか止めるべきか。繰り返しだが、道具揃えで一つケチが付いて、まぁいいやと安易に片付ける心が山での安全を脅かすのだ。
暫し放心状態であった。が、EPICなBivyにEPICなQuiltでEPICなジャケットというのも芸がないなぁーと無理矢理気持ちの向きを変えるのに成功したようで、再度手を動かし始めた。ジャケットはBackpacking Light PRO 60 Parkaを持つことにした。Pertex Quantum EnduranceシェルのPolarguard Delta化繊綿で濡れには強いだろう。
あー、疲れた。
続いて飯の支度が必要。晩飯は考えるのも面倒なので各回ともα米にフリーズドライのドライカレー具を調合したもの。朝飯は餡パン。行動食は先日サンフランシスコ旅行の土産に頼んだTrader Joe'sのトレールミックスにマーブルチョコをまぶしたモノとカロリーメイトで済ます。湯を沸かすだけで飯が食えるが、湯沸かしは先日作ったCarbob-FeltアルコールストーブではなくエスビットをCalderaCone Stoveで使うことにした。鍋はBPLの550ccである。なぜ固形かというと、高々3,4泊では固形燃料の方が軽いから。アルコールはストーブ本体の重量+アルコール容器の重量が余計に要り、燃料も多めに持つ傾向があり、しかも栓が甘いとアルコールを失ってしまうという危険性を伴っているので雪の季節にはちょと躊躇した。16gの固形燃料を1日2個使えば豪勢な湯沸かしができるのは保障されているし、踏み砕いたところで固形なら燃える。
さて、準備も進んだが外も白んできた。7時新宿のあずさ1号に乗るためには6時には杉並を出ないと間に合わないが?...もー駄目だ。間に合わねー。10/31の予定は10:30くらいにバスで瑞籬山荘前に着き、金峰に登り、大弛を少し越えたあたりで野宿の予定であったのに、もー無理だ。次善の策として、次のバスに間に合う電車で出て金峰山頂泊まりとし、翌日頑張るというのがある。まだ諦めない。
もーこうなってくると小物の選択はいい加減だ。が、やはり発火キットはちゃんとしたい。以前調べたフリント発火棒とTinder Quick+Wet Tinderを用意し、香港モノの小型防水オイルライターを抱き合わせた。ああ、水も!セイシェルを出して来て水道水で通水チェックをしてザックに詰めた。あああ、防水カメラが見つからない。数日前に部屋を片付けて置き場所を変更したのだが敗因だ。しかたがないからGX100を果物緩衝材に押し込んでジップロックに詰めて代用する。あれもこれも、あれもこれもと、ここからの働きは鬼神の如くである。
おっと、足回りも疎かにできない。靴は今回はミドルカットのMontrail Namche、もう半年くらい陰干しにしてあるヤツを玄関に放り投げ、雨雪なのでGore-Texの靴下で防水する。最後の砦にPossum Downのソックスを忘れる訳にはいかない。おっと、MLDのeVent Rain Mittも必需品だった。
てな具合に荷造りが完了したのはもはや絶望的な時間である。高尾山へ行くにしても遅いくらい。次次善の策として、大日小屋辺りまで到達すれば、翌日残業して遅れを取り戻せるだろうか?ええい、ままよ!ザックを担ぎ自転車に飛び乗ってJR駅へ向かった。何とか次次善策の電車には間に合いそうな希望が残っている。とにかく山へ向かわないことには、この努力は水泡に帰す。すでに山行の60%以上の労力は注ぎ込んでいるのだから勿体ない。

■荷造りの後
しかーし、商店街に差し掛かったとき、嫌なことに気がついた。4日間も駐輪場に置く自転車であるがチェーンロックを担いできていないではないか。長くパパチャリ生活だったから、自転車に鍵は付いていて当然の習慣が抜けきっていないのだ。戻るにしても行って帰って20分のロスでは絶望的だ。次次次善の策は無い。その時!!と閃いた。時計を見ると10時を回っているので100円のお店は開いているだろう。100円屋さんには自転車の鍵が売ってるね!3分でお店に行けて3分で買えればまだ希望はある...前へ前へと進むのだという道具たちの声に後押しされて最後の策に打って出た。勝手知ったる100円屋である、速攻首尾良く鍵を手に入れて、万年満杯の駐輪場の空きをウロウロと探し、総武線に乗り込んで(阿佐ヶ谷は土日は快速が停まらないので)、もう時計は見ない。ひたすらあずさ号が遅れる天佑を待って三鷹で乗換えて立川へ急いだ。立ったドアは階段の前だ、幸先がよい。猛然とダッシュし、こういう時に軽荷はありがたいなとか思いながら階段を駆け上がり、中央本線のホームになだれ込んだ。妙に閑散としたホーム、もうこんな時間だから山行きの人が居ないのは当然と言えば当然、案内板には目指す電車の案内は無い。遅れていることを祈って5分、10分。やっと策が潰えたことを認めるに至った。

■戦い終わって
策がない訳ではない。韮崎まで電車で行ってタクシーで瑞籬山荘まで行けば良いのである。大日小屋までは届くだろうし、念願の心細い野宿もできる。あの辺は泊まれそうな平地もあったし...が、ふと考えた。こんなにトラブル続きということは心構えというか、非物質的な部分で完全に破綻している。よしんばタクシーを急がせたところで良からぬ事の起きる予感がする。おまいさん、ちょっと落ち着きなよと、私のゴーストがそう囁く。ここは出直すべきだろう。とは言え、帰ればあのダウンの山に埋もれて寝てしまい、明日まで目を覚ますことはあるまい。それと全体行程への影響だ。遅れに遅れて無理に律儀に金峰を踏むとしたら、まるまる1日ロスだから、雲取山までは足がとどかない。それでも金峰か?と自分の心に小一時間問うてみた。ら、飛躍した。今晩じゅうに塩山へ行き、いつかwebで見たタクシー会社の仮眠所に泊まって明日の未明にタクシーを走らせて日の出と共に大弛峠に立っていれば、遅れを取り戻して平然と以降の行程に影響ないことになる。全て丸く収まるというもの。金峰は数年前の残雪季に登り済み。金峰から大弛まで歩けないのは残念だが、また行く機会もあるだろう。大弛まで車で行けばホンの散歩程度で往復できるらしいし。
考えがまとまった。とにかくこのズタズタの状態で行くのは止めにして、時間を調整して仕切り直してユルユルと鈍行列車にでも乗って塩山まで行くことにした。

■塩山タクシー仮眠所
あれやこれやの後に塩山タクシー仮眠所に着いたのはもうトップリと日も落ちた時刻である。電話で予約しておいたので営業所のオヤジに名前を言うと仮眠所を案内してくれた。タクシー社屋の三階、上がって右の畳の部屋を使ってくれとこのとであった。階段は暗いスイッチは分からない。が、こちとら野宿の装備を持っている。胸から下げた肌身離さずの三点セット(ライト、ナイフ、笛)のライト(PHOTON Freedom Micro Doug Ritter's Limited Edition)を点灯して迷わずドアを右に畳の間に着いた。
畳は...年季が入り滲みもあり、独房チックであることは否めないが、しかし湿ってはいないので痒くならないだろう。タダで泊まれるだけ有り難い。荷を解き寝床をこしらえてから階下に戻りオヤジに酒が買える店を聞くと向かいの自販機だという。コンビニは歩いて7分らしい。面倒なので、どうせ飲んで寝るだけだから向かいの自販機でカップ酒2本を購入して落ち着いた図が1日目の写真である。
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こんな写真ばかりですいません...
しかしここまで長かった。

タクシーの三階で眠りについことした時だ、手洗いでも済ませようとヘッドライトを付けて向こうの空間に行ってみたら、コンクリ床だが柔道場が開けるくらい広く、奥にトイレ洗面流し台完備、しかも壁際にセミダブル大のソファベットがあるではないか!
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もちろん即座にシミの畳から引っ越しして独り宴会のやり直し!と言うことで7分のコンビニまで行って酒をとつまみを買い足した。しかし、田舎のコンビニのおでんは買う人も居ないのか、ウインナーなどはこれでもか!と言うほどクタクタに煮込まれており、すっかり脂肪分や燻製っ気が抜け落ちた得体の知れない肉の集合体が皮に包まれているだけな事だけは悲しかった。
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ラジオを点けて、ソファに横になって、おでんを食いながらアルパチーノ(アルコール8%柑橘系酒)をのみつつ...わはは愉快!こりゃ明日からは何か良いことありそうだ。こんな写真ばかりですいません。
で、いつしかよく寝た。
翌朝は4:30起き4:45に階下に降り、待っててくれた担当さんと未明のドライブに出た。
大弛峠に行く途中では道に霜が降り滑り易いのでゆっくりしたが、当初話した金額に納まって、時刻も予定した6:00丁度であった。

天気は良いし、曲がり形にも二日目が始る運びとなったのは目出度いことだ。
短縮バージョンではあるがニ泊三日で奥多摩目指して歩き始めた。



たまには道具の名前を列挙しないと、本当に忘れてしまう...
今日も読んだよ、おむつテンテンClickなんてーちー

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by ulgoods | 2009-11-13 00:48 | 山行 | Comments(15)

プランBでの奥秩父主脈縦走


地図を眺めては奥秩父主脈縦走路を歩いてみたいと思ったのはずいぶん前からのことであった。関東近郊にありながら通しで歩くとすれば結構な手応えのあるルートだ。派手さはないので優先順位的には後ろの方であったが潜在的には憧れており、やっと機会を得たというか、恒例の誕生日山行の誕生日も過ぎてしまったので無理矢理都合付けて歩いてきた。
予定では10/31から三泊四日で瑞籬山荘から奥多摩駅まで石尾根も繋いでやることになっていたが、初日から躓いてしまい、最初と最後は割愛することになってしまったのは残念だった。

忘れないうちに、同じ轍を踏まぬよう記録しておく。ああ、歩きの記録ではない。道具の記録。
まとまった時間が取れないので細切れUPで加筆などもあると思うが...

■荷造り
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前日、仕事系の現場作業から帰宅が22:30、予定外に時間が掛ってしまい&帰りがけに品川駅構内の薩摩系居酒屋で一杯やったのでもうヘロヘロだった。まだ全然荷造りはできていない。今考えると、今回の山歩きではこれが最大の敗因となった。一週間も前から荷造りに励めばよいのだが、そこは山より道具であるからギリギリまで荷物の組み合わせを考えていたりする。屋根、ザック、袋やマット、この季節なら防寒着など、膨大な組み合わせの中から決めなければならないのは楽しくも辛い脳内作業なのだ。で、10/31、2時間ほどの仮眠の後、夜中にムクと起きて、この数日温めていたプランBの実装に取りかかった。
何故プランAでないかというと、この数日に確度を増してきた現地あたりの天気予報に依る。道中に想定される予報では
・10/31は快晴
・11/1から雨風
・11/2は低温、2000m程度で-3度程度か?
というおとになっており、片足を棺桶に突っ込んだような予報になっている。雨から氷点下で雪というのは途中に霙を経るわけで、北国育ちのわたし経験的にも霙は最も忌むべき天候である。雨で濡れたところに気温急降下で霙が付着して風に吹かれでもしたら...かなり危ない。そんな天気は寝て過ごすとしても耐候性のある屋根が要るので最もULなプランAで済ませるにはいかなくなってしまっていた。
で、屋根で思案していた。昨年から幕物コレクションにTerraNova Laser Photonなる800gを切る二枚壁AKTO型のテントが入った辺りから余計に話がややこしい。以前なら1kgを切るならBivyサック&Tarp系しかないと考え、それらを蒐集していたのだが、耐候性のテントであるPhotonの800g切りはその全てを雲散霧消させるインパクトがある。あれやこれや組み合わせても思い切ったULスタイルを採らないと800という数字を切るのは容易ではない。一方、歩き方であるが、できるなら田部重治と木暮理太郎の奥秩父歩きを偲んで自由快活に歩くとすれば、心細げな野宿も取り入れなければならないだろう。というか、距離を稼ぐなら明るい時間から小屋の天場に寝ている訳にはいかなくなってきて、かねてから標榜していた行き倒れ型ビバークというか、ステルスキャンプを取り入れる必要があるのだが、運悪く痩せた尾根筋ではテントを張るのはできまい。そういう面からはBivyサックでゴロ寝が有利、しかし耐候性が要る...と思案が交錯して決めかねていた。フットプリントが最小かつ耐候性のある幕モノ、いつまで悩んでも仕方ないのでBlackDiamondのLightsabre Bivyというところで決着させた。さて、別途Tarpを持つかについてだが、森林限界を超えることはないだろうから、適当な樹林帯で大まかな降雨が避けられればOKだろう。湿雪になったら薄膜の屋根など役にも立たないから持つ必要は無いということで却下。これでPhotonの800gを切ることができる。ああ、ここまで決めるのが辛かった。山に行く前から疲れ果てた。
で、やっと-3度をBivyで乗り切るための袋モノの選定に移った。幸い押し入れの中には-40度から夏場の薄々まで途切れることない温度帯の寝袋を取り揃えている。で、何を持つか、だ。夏用の零度程度の袋Western Mountaineering SummerLiteに少し着て寝る案、-7度用と言う主張のNunatak Arc Alpinist Quiltでやるか、-6度のISUKA AIR 450を連れ出すか..いや、濡れるだろうからMFD(富士手芸店)製の化繊Quiltにするべきか悩ましい。ドカンと暖かいヤツにすればいいのだろうが、それでは軽くない。ここは、EPIC外皮のNunatak Alpinist Quiltで重量を稼ぐことにした。ああ、Bivy一緒でEPIC素材が重なっているが..寒けれりゃBivy内も結露だろうからQuiltがEPICでも良いだろう。
これらを納めるザックは、余裕を持ってgossamer gearのMariposa Plusにすればいいだろう。マットは..まだRidge Restでいいかな、これをMariposaの背に入れて脱着可能にしとけば休憩の時に便利。
あとは防寒着、防寒着はNunatak Skaha Plusで決めていた。これもEPIC外皮なんだが雨や霙には少しは有利だろうという思惑。で、探しに掛った。のだが、、この辺から予定が狂い始めるとは、思ってもいなかった。



少し忙しくしておりました...
続きも読むよ、おつむテンテンClickなんちーてー

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by ulgoods | 2009-11-12 07:30 | 山行 | Comments(8)