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風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱

なぜ5時に目が覚めたのだろう。きっかり5時だった。たぶん周りが5時で活動を開始したのだろうか。どれどれ、と私も鷹揚に片肘ついてジッパを引き下げ外を見た。既に遠くの空は赤みが差すが周囲は海底のような深い藍色でヘッドライトが動いていた。富士はモッコリと山の形のままで黒い雲に被われている。
まだだなぁ...もう少し待つことにしてジッパを閉じた。
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そろそろか、次ぎに開けると、やがてそれは始まった。下層と上層の雲の間に登った太陽はその両面をオレンジから茜へのグラディエーションを付けながら染め上げてくる。そうすると不思議なことに光の圧力に押さえられて雲の波も凪ぐのか、富士もスッキリ姿を現し出した。これよ、下界の雲上で繰り広げられるショーの始まり。今日の生まれたこの場所に居られて良かったと、そう思う。
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やがてショー終わって辺りは長い影を映す朝になった。今朝も風は強い。

ヤベ、まだ暗い5時には出るんだったっけ...しかし14時間寝たおかげか、疲れも取れ、酸欠にも少し慣れたのだろう、動こうという気が湧いていた。いつもならキャンプサイト最終組の私だが、今日はさっさと事を始めた。
朝食は特に湯を沸かして摂ることはしなかった。昨夜の残りが体にあるだろうから、ナッツだけ放り込んで、でも良く噛んでドロドロにして胃に流し込む。とりあえずはこれで充分なはずだ。
さっさと食ったら体を起こしテント内のパッキングを始めた。先ずはテント内に散らかった物を着替え袋、食料袋、その他用の袋に分類整理する。その他袋の中は機能別に更に小分け袋に分けたり、必要ならAlocSackで防水してある。何であれ、袋に入れずに直接ザックに放り込むことをしないのが結局早い。
さて、中が片づいたら風が強いのでテントから抜けてすぐに骨を抜いて撤収に掛かった。のでテントの写真がない。今回のザックは背面フレームがないMLDのZipなので、先ずはマットを抜いてザックの骨格を作ってやらなければならない。来る時はマットを円筒状に巻いたが、ザックの容量を食われるのとザックが丸く仕上がってしまうのを嫌って今日は背中側に平坦に折り畳んで入れてみる。雨が予想されていたのでSeaToSummitの35L防水ライナーを押し込み、先ずはスピンのスタッフザックに詰めたQuiltを放り込み、次ぎにテント、防寒具、着替え、食料の順で入れて防水区画を閉じ、その上に雨具類、その他袋の順でザックの中に積んだ。カメラ、行動食等は別途MFDのベーベーポーチに入れた。この中にも2Lの防水ライナーを入れてある。今回は徹底的に防水だ。ベーベーポーチはスペクトラ生地の薄いA4サイズのポーチで肩から袈裟に掛けてからザックを担ぐ。腰の少し上に口が来て邪魔にならずに日用品と緊急用品を放り込めるので便利だ。ポーチが揺れて前に来ないようにショルダーストラップに100円カラビナで留めるのがミソ。

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と、準備ができたのは6:05だった。出がけに山荘で水を1.5Lほど補給した。天水は全部セイシェルを通して使うことにしたが、今年の水は色も匂いもなかった感じ。でもセイシェル通す!

間ノ岳 7:26 風でよろめく
トレッキングポールとしてODBoxのFoxTailを持ったが、これはすぐに短く折りたためるので、岩場では面倒くさがらずに畳んでベーベーポーチに入れて両手を解放して安全に渡ることができたのは良かった。
風が強いがmontbellのウインドシャツはよく効いた。体が冷えるのを防ぐし、少しジッパを開けると熱を逃がして快適な状態を長く保つことができた。
しばらく間ノ岳頂上横の平坦地にヘリが何度も荷下ろししてるのを見てた。道整備の資材だろうか?
さて、ここから農鳥方面は初めての道になる。
農鳥小屋 8:30 
ここで雲行きが雨っぽかったが、西農鳥岳への登りの途中で雨になった。少し様子を見たが続きそうなのでmontbellのブリーズドライテックの雨具(上はUS仕様のPitZip付き!)を付け、待ってましたとGoreTexの靴下を履き、すぐさま雨装束を完成した。
今回の足元はMontrailのHardRock、いわゆる非GoreTexな運動靴である。ここまでは蒸れずに調子良い。岩場の通過も問題ない。底がガチガチの登山靴とは勝手が違うが、しなやかに歩けば良くグリップも効くものだ。
西農鳥岳 9:49
農鳥岳 10:31 雨が上がったので雨具系を脱ぐ
ここまで結構時間が掛かってしまった...
大門沢下降点 11:19
暫し岩稜との別れを惜しむ。ここでもナッツだけで済ませた。
途中で抜きつ抜かれつ顔なじみになった数組を先にやり過ごし、やがて私もハイ松の中、下降に入った。
実はここからが長く、珍道中の始まりだった。


参加中...風 の 中 お の れ を 責 め つ つ 歩 く ...山頭火 Click!

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by ulgoods | 2007-09-20 03:52 | 山行 | Comments(7)

長い一日 白根三山縦走一日目

結構タフな山行になった。

9/14 そうだ、北岳行こう! と思いついたのは昼飯の時だった。仕事終わって帰ってパッキングしても間に合うホイ!これが徹夜行軍の始まりだった。

新宿を23:54発のムーンライト信州81が甲府に着くのが26:21。寝ていないので日付が変わらない。その調子で書くと、広河原行きのバスが出るのが28:00で、広河原着はおよそ30:30...やはり寝られなかった。
途中で寝なきゃな!と思い、行きしなに高円寺で飲んでから新宿へ出撃も列車では寝られず。甲府の待ち時間に朝までやってるワタミを見つけて飲み、やはりバスでは寝られず。不覚にも結局そのまま吊り橋を渡って北岳に挑む人になってしまったのだ。

ちなみに、甲府は仕事で何度も行ったが駅前に派手さはない。飲み屋は少し離れた所にあるらしいことは聞いていた。そんな夜中の駅前はコンビニが2軒と吉牛がやっている程度だ。明かりの落ちた駅前のアーケード街を見ていたら、ふと学生時代の長岡の駅前を思い出した。こういう街の作り的には...駅前メイン通りを進み最初の信号を左に曲がると飲み屋があることになっている。右はダメだ。ホテルがあってお終いの筈。で、甲府でも最初の大きな角を左に曲がると、ほーら、ちゃんと居酒屋さんが開いている。一軒目は2:30がラストオーダーなのでダメだったが、更に信号を1つ進むと和民が開いていて、朝五時まで。これは嬉しいな。ま、これから山に行こうという人が来る場所ではないのだが、一時間半も吉牛にいてビールでも飲めば同じ事。潔く和民の世話になる。

甲斐駒方面
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31:00(7:00)広河原出発
32:47(8:47)白根御池、水を補給
35:39(11:39)肩の小屋、うどん食う
36:53(12:53)北岳山頂、岩陰で5分ほど寝た模様
38:19(14:19)北岳山荘
もう、めちゃくちゃな時間だ。足元がおぼつかない。今日は農鳥付近まで進むつもりだったが、根性ないけど死なないうちに北岳山荘テン場を行き倒れの地にすることとした。というか、ホントに行き倒れた。

頂上で同じバスだった単独のお嬢さんに会った。迷彩ズボンとニット帽が記憶にある。シャッターを押してもらう前振りで、眠くない?と聞いたら、私バスの中で爆睡したので..とおっしゃる。ああ羨ましい。

一応、登頂証明
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バスの乗り方だが、行くとオジサンが仕切ってザックを2列に並べてくれる。それで場所取りになるので呑気に飲みに行けたのだが..で、バスが来るとみんなワッショイと乗り口に移動する。バスがザック列の右側に着くので、右側に並べた人は早く乗れて一人掛けの席を占めてしまう。ザック左列しかも電車から早く降りて先頭付近の人はバスに乗るのが遅くなり二人掛けの席になってしまい、狭い座席だから二人掛けの人は睡眠不足に陥る構図が仕込まれているわけだ。場数を踏まないと寝られないな。
などとつまらぬ事を考えて山頂を後にした。

よろめきながらも北岳山荘に到着。早々にテントを張り小屋で買ったビールを飲んで39(15時)時就寝。長い一日が終わる。みな山荘到着を喜んで鐘を鳴らすが、もはやそんな音も聞こえない。バイオトイレの匂いが時々風に乗ってくるが、もーそんなのも臭わない。ただただ深く眠ったようだ。

一気に日付を替えて20時ごろ、ふと風の音で目が覚めた。あー、何もかも面倒だ。そうだ、食事をしていなかったっけ。でも面倒だ。外は風が出ていてバイオの香りもうまく拡散されている。1分に一回くらいの割合でドドーっと突風が吹いて来る。ああ、張り綱を取っておいて良かったと朦朧と思う。軽いカーボンフレームに取り替えたBlack DiamondのOneShotはテントのコンパクトさと相まって充分堅く、フレーム系はミシリともしない。この選択は正解だった。ここにいれば安心だ。

風が小康になったので湯を沸かして食事することにした。そう、固形燃料はテントの中では使えない。湯を150cc沸かしてネタはクスクス。袋に入れて湯を入れて保温容器で暫し蒸らす。その間に再び150ccほど沸かして今度はスープの湯とした。使った鍋はA&Fのチタントレールマグにスノピ極の蓋。これ、取っ手を畳んだ状態で蓋をすると完璧に噛み合う。最初は蓋をした状態で湯を沸かした。チタンフォイルの風防も密着して風の影響も少なく素直に湯が沸いた。が、鍋の中が見えない。蓋のつまみを持ち上げると湯が入った状態で鍋が釣れる。で、2回目は取っ手を開いて蓋を浮かせた状態にしたが、これはいけない。フォイルが密着しないので風が入り、湯沸かしに時間が掛かり燃料も無駄にした。ま、結構な風の中、2回湯沸かしをして蒸し上がったクスクスとフリーズドライのスープの食事にありついた。

低層な雲を照らしあげる街の灯であちらこちら雲が明るい。見上げれば快晴の天の川。その間で風に吹かれて飯を喰らった。

気温は10度くらいか。PatagoniaのMicroPuff p/oを着てMontbellのサーマラップパンツを穿き、重量1 lb.丁度のMFD GECKO Quiltを掛け布団状態で掛けている。これで充分。寒くない。今回は雨が予報されていたので全て化繊にしたのだ。防寒着を着て寝袋をQuiltとして軽量化する試みだが、この場合Quilt自体にはあまり保温性を求めなかった。Quilt無しでも冷えながらでも何とか寝られるくらいの保温量だったが、Quiltを掛けると暖気も逃げずに心地よく温いし、何より安心して眠ることができる。
食事後さらに寝た。次回の目覚めは朝の翌日の5時、かれこれ14時間くらい横たわっていたことになる。

朝からは肩の小屋でうどんを食った以外は自家製トレイルミックスばかりを食べていた。これはスーパーで売っていたアーモンド、カシューナッツ、胡桃、ドライフルーツミックス(何やら正体が分からない小刻みドライフルーツ、レーズン、カボチャの種)にマーブルチョコレートを配合したモノで、ナッツの塩味とチョコの甘さが混じった高カロリー食だ。7月のヨセミテハイキング、ハーフドームの裏側で休んでいると陽気なハイカーに声を掛けられて、もう下りだから重いのもらってくれる?と渡された大きな袋に入っていたのがSam's TrailMixだった。甘しょっぱいような複雑な味が好みではないのだが、疲れた時でも食が進んだので再現してみた。

再現
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本家
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ま、大体こんなもんか。たしかに嵩張って重いのが難点だが、食うと胃袋も納得し、力も出る。私に合っているようだ。ああ、本家には胡桃は入ってないな。確かに胡桃は余分な気がした。カボチャの種も良いが、結局は指をすり抜けて残ってしまうのでダメだ。バナナチップは最後まで入れるかどうか悩んだけど、あれは混ぜないで良かった気がする。



参加中...投 げ 出 し て ま だ 陽 の あ る 脚 ...山頭火 Click!

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by ulgoods | 2007-09-17 23:44 | 山行 | Comments(13)

Sierra2007

一部から、写真を出し惜しみしていないか?というご指摘を受けましたので人物の写らない写真を選んで時系列のアルバムを公開します。

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アルバム Sierra2007はこちらから



参加中...Sierra、いいねぇ、と思った方はココをClick!

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by ulgoods | 2007-08-03 05:29 | 山行 | Comments(5)

ただいま

サンフランシスコでUA便がオーバーブッキングし、一人だけホノルル送致され、余計に一泊してやっと戻って参りました。

旅の顛末はボチボチUPしますが、先ずは、気に掛けて下さった皆様、旅を一緒に歩いた仲間、現地での一切の面倒を見てくれたベーさんに感謝!

Upper Cathedral Lakeを望む
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まさか、最後の夜にワイキキを歩くとは...帰りはビジネスクラスでちょっと贅沢。


参加中...High Sierraは想像に違わず天国の地だった...

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by ulgoods | 2007-07-23 16:44 | 山行 | Comments(30)

最終装備リスト

最終的な装備リスト

SLEEPING AND SHELTER SYSTEM
Shelter 312 GatewoodCape
Pole 0 OdBox FoxTaiL Trekking pole
Bivy sack 275 Titanium Goat EPIC L
Sleeping bag 576 WM SummerLite +staff sack
Sleeping Pad 269 RidgeRsst
pillow 28 BPL
Stake 36 Titan*6
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SubTotal 1496g

PACKING SYSTEM
Backpack 304 MLD Zip
Waterproof liner 66 Sea to Summit 36L
Bear resistant canister 945 BearVault 350
Canteen 54 Platypus 1L x 2
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SubTotal 1369g

COOKING AND HYDRATION SYSTEMS
Wind screen 35 Caldera Corn SP600
Stove 17 AGG
Cup 80 SP 600
Sierra Cup 41 SP
Cup Cozy 28 AntiGravity EntrantWrap
Utensil 9 Light My Fire
fuel 250 +Bottle
Brush 6 Sweetwater
Water treatment 99 Seychelle 18 oz.
AquaMira 30
Lighter 18
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SubTotal 613g

OTHER ESSENTIALS
Medical Kits 140 +Sewing kit
Repair Kit 41 Duct Tape
Tooth Brush 10
Soap 39 Dr. Bronner's Magic Soap
Head Light 27 e+Lite
ウオシュレット 25 Handy Washlet
スコップ 38 MontBell
ペーパー 100 MontBell
Camera 195 Richo Caplio R5 +backup battery
Camera TriPod 49 Ultra Pod
Gloves 32 伸びる軍手
GPS 156 Garmin Vista HCx
GPS backup battery 30 Lithium AAA*2
Insect Repellent 84 Lemon EUCALYPUS
Sunblock 50 REI
工具 21 Victorynox StayGlow
時計 59 ProTreck
MAP+CASE 30
PEN+NOTE 27
Trekking Pole 280 OdBox FoxTail*2
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SubTotal 1433g

CLOTHING
WindShirts 93 Patagonia Houdeni
Insulated Jacket 210 Montbell InnerDawn
Micro Fleece pants 292 UniQlo
Rainware 0 Gatewood Cape
T-Shirts 158 Patagonia Capilene2
Trekking Pants 375 phoenix
ブリーフ 55
socks 67 Patagonia
替えソックス 67 Patagonia
替えブリーフ 55 1組
替えTシャツ 150 Millet
Cap 84 ExOfficeo BuzzOff
Towel 16 MSR
Towel 23 MSR
Bug net 10 simBKISSity
SunGlass 15 Clip on
glasses 17
Stuff sack 30 Granite Gear
Gaiters 43 Montbell
Shoes 880 Montrail HardRock
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SubTotal 2640g

food 3000g
water 1000g

Base Weight 4742g
Packed Weight 9295g
Skinout Weight 11551g

この他釣り道具250g



参加中...減らせないものだ...

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by ulgoods | 2007-07-14 07:56 | 山行 | Comments(16)

石尾根歩き

石尾根歩き

先週に引き続き、歩きのトレーニングと道具の検証のため山歩きをしてきた。毎度、高尾では芸風に変化がないので今回は泊まりを入れて石尾根を歩くことにした。
この日、雨の予報に朝起きたらやはり雨。軟弱に寝直してしまい..慌ててパッキングし、家を出たのが11時半くらい。こんな時間に山へ行くヤツもいない。こうなったら奥の手だ。奥多摩駅から鴨沢小袖乗越しまでTaxiを使い、登山口到着が14:15くらいと少し挽回した。日没まで4時間チョイは歩けるだろう。行ったところで行き倒れて寝ることとする。
装備はこんなもの。
ザックは Golite Dawn。最近はショルダーポーチを付けて歩いている。
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ちょっと小さいでしょ。ステルスするならこのくらいでないとヤル気がバレてしまう。
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MFD製合成綿のキルトと、eVent Crysallis Bivy、montbell のU.L.コンフォートシステムパッド150cm+U.L.コンフォートシステムピローが主要装備で、水食料除いたBaseWeightは4.2kg。無造作に放り込んでいるピンチキットが無駄に重い気がする。もう少し絞れるだろう。
靴は午前は雨だったから靴のトラクションが欲いし、先週足を痛めているのでTNFのXCRのローカットを履いた。
今回結構忘れ物あり...今回は防寒着を持たずに行ったのが致命的だった(って、死んでないけど)。

乗り越出発14:20、七ツ石小屋着16:17。標高差約800mを2時間だから悪くない。というか、自己新記録かも。
七ツ石小屋を訪れるのは初めてだ。小屋のご主人に挨拶して奥のテーブルで一服させてもらう。塩ビパイプからドバドドバッと水が出ていたので手を洗ったが手がしびれるほどに冷たい。帰りがけに見ると小屋の外の寒暖計は10℃を示していた。こりゃ、結構寒いかも。小屋のご主人は人の良さそうな爺様で、ストーブにあたっていたが、さらに私の歩く気配を見て、どちらまで?と聞かれた。石尾根をチョットと答えると、懐中電灯はお持ちで?と。ナショナル印の懐中電灯は無いが、頭に付けるライトは持っている。がそんな事を言っても仕方ないので、あります!と答えると、気を付けて、と送り出してくれた。夜通し歩く人も多いのだろう、あまり面倒が無くて良かった。

少し登って気持ちの良い尾根に出た。3年くらい前になるか、山歩き1年目の4月、吹雪の中を雲取り避難小屋から七ツ石山を登って歩いたことがある。あのときは夢中で歩いたが、今回は雪も消え、若葉も出そろい、気持ちの良い防火帯の尾根歩きになった。
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ピークは全部巻き道が付いているのだが、今回は巻かずに頑張ることにしていた。巻くと楽なのだが、新緑の本道に対して巻き道は落ち葉が残り、暗い感じがした。人生巻いてばかりだから、せめて石尾根くらいは明るい本道を歩こうか。
高丸山、日陰名栗山と順調に進む。鹿をよく見たが、こんなことになっているらしい、
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日陰名栗山頂上を少し過ぎた辺りの登山道に、でん!と黄色のエスパースが張ってあった。おばちゃんが首を出し挨拶をしてくれ、あれやこれやと話し出した。大丈夫だよ。こっちも張るつもりなんだから咎めませんって。と思いつつ、相づちを打っていると、ここは東と南に開けているから、朝日と富士山が見えるという。ナルホド、良い場所だ。そろそろ18時、私も寝る場所を決めねばならない。かといって、テントの横では行き倒れ感に乏しいので、もう少し行って寝ることにした。そこから2分くらい下ったところに2つ目の鞍部があり、景色もまあまあなので、そこで行き倒れることにした。
ザックからCrysallisを引っ張り出し、モンベルのマットを入れ、枕をくくりつけ、ベーさん手作りのサラマンダーキルトを放り込んで行き倒れ準備完了。3分と掛からない。飯は簡略化し、青梅駅で買った胡桃モチを2こ、前回食いそびれでザックに残っていたカップヌードル、アルファ米とした。湯は固形燃料で沸かした。
ヨセミテでは固形燃料でやる予定なのだが、使い勝手をもう一度確認したい。固形は手軽だが1個で湧かせる湯量が決まっているから煮たりするには使い勝手が悪い。足りなかったり、余ったり。ま、ラーメン系汁物を摂ると湯が要るから燃料を無駄に多く使う。アルファ米と味噌汁くらいならエスビット1個、500ccの湯沸かしに良いだろう。今回はODで買ったFireLite Solid Fuel Tablets 互換の火力が強い固形を使った。日本で手に入らないのでもがいていたらODの土屋さんが原産国の中国から入れてくれたのだ。感謝!
でもなー、やはり、アルコールでヤルかな...
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19時近くなると急速に冷えてきた。手がかじかむ。風も出てきて汗で濡れた衣類が体温を奪う。これはヤバイ、楽観して防寒着らしきモノは持ってきていない。仕方ない、雨具として持ってきたmontbell PeakShellの上下を着て、食後の一服もせずに急いでBivyに潜り込み、手を股に挟みガタガタ震えた。
Crysallisはジッパーを15cmも開けておけば後頭部の排気口と連動して、ヒュウヒュウ風が抜ける。息苦しくはないが冷たい風が顔を舐める。寒いがこれをしないと息ができない。しばらく股に手でガタガタ震えていた。やがて体温が衣類を乾かし始めてbivy内がムっとし、僅かに内部に結露が認められた。今回はブリーズドライテックの雨具を着てしまったため、汗の抜けは、衣類->雨具->キルト->Bivyというまどろっこしい経路だ。全部を一度汗が通過することになる。どこで溜まるか、朝の結露具合が楽しみ。
夜半は風も強く、時々震えながらまんじりと時間をやり過ごした。
montbellの150cmのエアマットに空気枕を付けると丁度170cmくらいになる。マットに枕を括り付けるのは良いアイディアと思い、今回持参した。良い睡眠に枕は大事だが、大概は枕がズレて朝は枕を抱いて寝ていることが多い。マットにつながっていれば首と胴が離れない限り枕があっちへ行くこともあるまい。実際、朝まで枕は首の下にあった。もっと軽いマットにもっと軽い枕をくくりつける工夫をしてみよう。
長い時間安眠できなかったが、どうやら疲労凍死することもなく、少し寝たようだ。bivyから首を出すと見事な星空が見えた。bivyで寝るのは良いなー。
夕方10℃だったから夜は5℃くらいまで冷えたか?これで雨にやられたらもっと冷えて危なかったかもしれない。疲労凍死するかもしれないと、一瞬思った。
次に目を覚ますと空が少し明るくなっていた。雲が無く富士も見えた。少し暖かくなったかもしれない、と思ったら安心してぐっすり眠り、目が覚めたら7時になっていた。eVent Crysallis内は..結露ゼロ!衣類も乾き、bivy内に湿気は残っていなかった。呼気の湿りも残らず、体温が乾かした衣類からの汗も、雨具やキルトを通り、bivyを通じて蒸散された。やはりeVentは優秀だ。と確認し、昨日の残りのアルファ米と、生煮えラーメンで朝飯とし、8時チョイ過ぎに出掛けた。
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天気も上々!
たまには自分の写真も欲しいので少し重いけどTracks Sherlock Staffを使った。何枚目かで良い構図が撮れた。
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8:55鷹巣頂上。ここにもテントでカップ麺をすすっているヤツが一人。もー9時だぜ。自転車も上がってきた。ご苦労さんである。
キツイ登りはここまでで、あとは明るい尾根道をどんどん下る。どーも熊鈴の人が多いなぁ。カウベル風ガラガラや、仏壇風高周波など。熊鈴は苦手だ。申し訳ないが熊鈴の人とは挨拶も不機嫌調になってしまう。以前、穂高で会った穂高慣れしたおばさんは、雰囲気が悪い場所以外は鈴の音を消していたのを思い出した。それは鈴をちゃんと防御の道具として使っているので好感が持てたが、こんな所で熊が?みたいな場所でダラダラ鳴らして欲しくない。後ろで聞こえれば足を速め、休憩中に追い越されたら聞こえなくなるまで待ち、向かいから来たら聞こえなくなるまで急いで歩く..下に降りたら登山口に、熊注意、鳴り物必要と看板があった。ああ、それでみんな鳴らすのか..
奥多摩駅前12:20。前回同様裏の路地を入った蕎麦屋で
山葵漬け、蒟蒻刺身、岩魚薫製、山菜天麩羅を注文し、ビールを二本。最後は盛蕎麦でシメ。美味。

ヨセミテも夜はゼロ℃くらいまで下がるという。何か防寒着を用意しないと。普通のフリースは重いから...


参加中..最後は山より蕎麦屋じゃないか!と思った人はここをClickね

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by ulgoods | 2007-05-20 21:37 | 山行 | Comments(21)

高尾から陣馬で

高尾から陣馬で

少し寝坊をしてしまったのでリフトを使って時間を浮かせることにした。楽できるところは楽をする...最近思うのだが、私がやりたいのは登山よりはハイキングの範疇なのだろう。行く手に山があれば仕方なく越えるが、気持ちよく歩ければそれでよい。かな、と思っていることが自分で分かってきた。体力的にもそれが適当だろう。
この日やりたかったのは目的のある尾根道歩きであって登山ではなかった。ので、リフトは許されよう(くどいね)。桜が残る奥高尾の茶屋で酒飲むピクニックも良さそうだが、ま、一人だからトレッキングと銘を打たないと間が保たんし。

して、登山とトレッキングでの大きな違いは..全然違うのだが見た目で分かるのは足元だ。重くて堅い登山靴ではなく、最近の超軽量ハイカーはトレールランニングシューズを履くことになっている。走る訳ではないが、足の保護とか、ソールの堅さとか、ブロックパターンとか、やはりあれこれ考えられて能書きのある靴でないとイカンだろう。
実は、この夏に長距離のトレッキングを予定していることもあり、最近この種の靴選びを進めていたところ。
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どれも格安で手に入れた靴だが、やっと、コレぞという靴が見つかったので、その足馴らしが目的だった。
履いた靴はMontrailのHardRock Wide。奇跡的に大手野外通販サイトのワゴンセールに合うサイズが落ちていた。40%OFF!
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複数の筋金トレッカーからお勧めいただいたモデルだ。
私この靴を履いてから、今までの靴選びの間違いに気が付いた。農耕民族の末裔であり、甲高幅広の足を有するらしい私、オークションで安く買う靴の山屋で試着をヨシとしない私、何度幅が合わずに足と財布に痛い目を見たことか。素直に靴屋で買えばよいのだろうが、安い値段を見ると一か八か賭けてしまう私って..失敗が恐くて自然と縦に長い靴を選ぶ傾向になっていた。自分でも何か履いた靴姿の縦横比に違和感を感じていたが、痛くては歩けないので少し長めになる。足のサイズは26.5だが、厚手の靴下、カカトに指一本という教え等々を加味するとUSサイズで10とか履く羽目になる。9.5でもいけそうなのだが、靴だけはテントや服と違って少しでも小さめは致命的だ。
私の足の何が靴のサイズを規定しているかというと..左足の薬指。どうやら足のサイズが左右で微妙に違うらしい。しかも薬指が少し長いか?左足の薬指なんて20本ある指の中で最も使っていなさそうなのだが、先のトンガリ気味ではこの指がイヤイヤをする。で、このHardRockの幅広木型で作られたモデルwideの靴を履いた途端、ももももおおお、と今までの間違った靴選びを悟った次第。
サイズは先達のアドバイスに従って小さめ?と思われる9.5を選んだ。10じゃなくて良かった。感謝。で、この靴、幅もさることながら、つま先の丸さがいい、件の薬指さえイヤイヤしない。空手のケリを肘で受けられ何度も突き指をくり返し、スキー靴に痛めつけられ軟骨も飛び出た可哀相なこの足が、久々に洋モノでしっくり来るあの安住のズック靴の感触に出会った。

いやしかし、この日の高尾山にはまいった。春のお祭りだというのを知らなくて...歩き始めすぐに渋滞に出会った。人の隙間を縫って前へ前へと進んだら、気が付くと周囲は着物を着て頭に”しゃなりしゃなり”な金ぴかの仏塔冠を被った稚児さんだらけ。と、ビデオカメラに釘付けの親の群れ。やれやれ、何とか稚児さんを踏みつけないように前へ出た、と思ったら、続くは裃姿の爺様の行列だ。爺様らの足を踏まぬよう、人を縫って前へ出たら、だ、今度は坊さんの行列。まだまだありそうだ。ほら今度はホラ貝ならした山伏の列、もー驚かない、何かの時代がかった行列に紛れ込んだのだ。で、お次は...あああ、ボーイスカウト達が御輿を担いでいる。発泡スチロールの保冷箱を2段重ねた御輿を数人で..箱に大きく苫小牧ホッキ貝と書いてある。先頭の二人はホッキ貝と書いた旗差し物まで立てているではないか。orz...なぜ若者がニコニコとホッキの発泡御輿か?高尾の神様はホッキ好き?謎を残したまま先へ行くと、いたっ、極めつけ。この緩いとは言え登りが続く道をブランスバンドが演奏しながら歩いていた。先頭にはお約束のドラムメジャーもいるし。しかし、冴えない全然元気が出ない売れないサーカスの詫びの効いた戦前調のメロディーでだ。ああ合点、こりゃ、この時代行列の速度を落として稚児さんがニコニコ登ってくる役目を担っている訳だ。スーザホーンの息も切れないしね。
先頭に出たのだが、後ろから迫られるのじゃ何やら恐くなり、横道に逃げてサッサと登った。

GPSに依るとリフト上から陣馬まで約12.5kmを2.5時間、陣馬から下りの藤野駅まで含めて全20.3kmを歩行時間4時間13分で歩いた。休憩はストーブのテストもしたので昼食込みで1時間程。移動中の平均速度は4.8km/hと出ている。悪くない。
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これも靴のお陰だ。なんしか軽い。思わず走り出したくなるほど。実際に少し走ったが軽い靴と荷のお陰で重いこの体でも走れますな。緩い登りでおしゃべり青少年の長い列に出会ってしまい、業を煮やしたヲヤジは横の木の根が張った斜面を一気にワッシワッシと駆け抜けて追い越してしまった!1分は無理だけど30秒なら何とか..気持ちよい!

実は、この靴を買ってから試しに出られなかったのは、中敷きが気になってだ。足にフィットするように形成してもらう中敷きを試したかったのだ。山靴ではコンファーマブルを作って自分的に好評だった。ショートカットのトレランシューズも足に合った中敷きなら疲れも減って最も恐い捻挫の危険が減るだろうと。で、この日は靴に付いてきた中敷きと御徒町の山道具屋別館で作ってもらったSuperFeetのカスタム中敷きを持参した。
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違いは、あった!実感した!靴のことが少し分かってきた!

ということで、残りはto be continued later !
T-z_Stoveさんのツインジェットも連れ出した。風強い陣馬山での湯沸かしテストもあるし!

萌える里は山桜の点描ありて
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ああ、調子に乗って駄文長文だったけど、

参加中..まあ、次回も読むかも という人はここをClick!

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by ulgoods | 2007-04-17 01:09 | 山行 | Comments(19)

再び

1週空けて前回と同じルートを辿って巨樹に再会してきた。出不精な私が同じ場所に、しかも短いインターバルで訪ねるのは初めてのことが、普段の生活の中、あの場所に再び身を置きたいという欲求の募ってくるのが分かっていた。
今回はいろいろ試したい道具を担いだので軽量装備にはならなかったが、お陰で楽しくキャンプをすることができた。

2週間ぶりで巨樹に着くと先客がいた。ほお..と思い挨拶をしてからEsbitでお湯の準備をしていると、こちらに近寄って来て声を掛けていただいた。ら、何と、年末に北八つでお会いし、Blogにもコメントをいただいたshimonさんではないですか!あいにくコンタクトでもよく見えていないので気が付かず、失礼なことをしてしまいました。しかし、奇遇も奇遇、こんなこともあるんだなと驚き!引きこもりがちな裏庭キャンパーの私が2度も同じ方に出会うとは余計に奇遇。
shimonさんはトレイルランニングをなさるという。走り屋さんのウエアがかっこいい。尤も最初の1時間の急登、あれでは走ることはできなかっただろうが..
しばし再会を喜び道具談義などしたが、下る予定を聞くと登った道を降りる予定だという。あれでは傾斜がきつくて走るどころではなさそうなので前回トレンジャーに教えてもらった緩い道をお勧めした。shimonさんは「をーー」という雄叫びを上げながら颯爽と落ち葉を舞上げて走り去って行かれた。九十九折りの道なのであまりスピードは出せないだろうが来た道よりはマシだと思う。
またの再会を楽しみにしております。

今回のシェルターはHex3にした。この風景の中で張った姿を見てみたかったのだ。
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前回のGatewood Capeでは結露が見られたが今回のHex3では結露もなく壁面も朝まで乾燥したままだった。やはり、地面からシェルターを浮かして張ったためだろう。Hex3は背が高いので煙突効果で換気が期待出来る。
Hex3は窮屈さもなく、のびのびと過ごせるので全く快適だ。壁にあるループからキャンドルランタンを吊したHex3は真っ暗な闇の中、ほのかな暖かな光を放つ我が家となった。
三脚があれば長時間露光で内部のキャンドルで輝くHex3を撮れただろうが、ちょっと残念。新しく手に入れたデジカメのシャッター時間は最長8秒なので、いずれにしても露光時間不足だと思う。
夜中に数回ゴーという音と共に突風が来たが、Hex3は揺らぎもせずに薄い膜一枚で私を守ってくれた。

今回はINNOVATIVE PRODUCTS, INC.のPocket Cooker

という小さな折り畳み薪ストーブを持参し、小指ほどの枯れ枝を使って小さな焚き火をさせてもらった。このストーブ、日本で売っているところは知らない。USでもeBayで見る程度。別段軽くもないのだがパタパタと組上がった姿が薪ストーブらしくて好きだ。
ストーブの傍らにエアマットを敷き、寝そべりながら小枝をチョロチョロと。小さいながらも炎に照らされるのは何とも至福の一時、もちろん湯を沸かして焼酎は湯割り。

Nationalの暖房ベストを担ぎ上げたのだが、これは調子が悪かった。燃焼が持続せずにすぐに消えてしまう。何度も点火したり電池も交換したが働いてくれなかった。精密な電子機器で構成されたカイロなのだが、そんぶん動かなくなるとお手上げだ。空気の薄いところでは燃焼に懸念があったのだが高々1000m位の標高である。長野オリンピックではもっと高いところでも使われただろうが..ま、大勢には影響なかったのだが厳しい場所ではこういうギミックに命を預けてはいけないのだろう。同じ重量なら羽毛服やハクキンカイロなどを使うべきだった。
試しに戻ってからチェックしたが点火後に強にすると数分で消えた。弱、中で我慢していると持続した。お山でもすぐに強にしたのが拙かったか..結構重いので次回どこかで再テストするかどうかは不明。

前回チェックしておいた水場で水を汲んだ。片道20分くらい掛かるのだが、麓からの急登を水を担ぐよりも少しはマシだ。幸いチョロチョロと流れていたので必要な水を確保することができた。そのまま飲んでも腹は痛くならない。


翌日はもう少し上まで歩いてきた。地図で見るとおり落ち葉の緩やかな傾斜の尾根が続く。
途中、変わった形の枯れ木を見つけた。翼竜のようだ。
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1400m付近では雪もあり、軽アイゼンを使った方が良さそうなので今回はそこまでとした。だいぶ状態が把握出来たので、次回は向こうの尾根まで行ってみよう。

奥多摩の駅前で、いい蕎麦屋を見つけて飲んだ。


だ ん だ ん 似 て く る 癖 の、 父 は も う ゐ な い ...山頭火
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by ulgoods | 2007-02-07 08:25 | 山行 | Comments(8)

奥多摩にて

雲取山の地図を見るといつも気になる尾根がある。登山道が通っていない、それでいて等高線が緩やかな尾根はのんびりと気持ちよさそうに思えていた。
それとは別に何故か急に巨木が見たくなって、良さそうな巨木の検索を始めていた。どうやら奥多摩にあるらしい。地点は巨木保護のためか、ツアープログラムの保護のためか、詳細な地点は出ていない。更に地点を検索していくと、どうやら気になっていた件の尾根の上にあるらしいことが分かってきた。
これは行かねばなるまいて。
ということで、土日で日原へ行って来た。可能であれば巨木の傍らで添い寝させて頂こうと。幸い手持ちの装備はこの季節の低山野宿なら通用しそうだし。

出発は遅かった。なんせ大した行程でもないし、急いで行っても時間を持て余すだろう。というか、例によって寝袋やザックの選定に手間取ったのだが..
大まかな装備は
寝袋:MountainEquipment / LiteLine EN Limit: -5°C
Bivy:Integral Designs / Crysallis Bivy bag
火器:FireLite / Titanium Esbit Wing Stove
ザック:Golite / Jam
シェルター:Six Moon designs / Gatewood cape
ジャケット:Paine / eVent soft shell

日原へ行くバスは便が少ない。昼頃に着いたのだが、1時間以上バスがない。仕方ない、時間を買うことにしてTaxiで日原入りとなった。
取り付きは神社の裏なのだが、厚く積もった枯れ葉に目を細めると薄っすらと道が分かる程度。Garmin 60CSxにも登山道は乗っていないので、見落とさないように歩く。トム・ブラウン・ジュニアではないが、トラッカーになった気分。
それにしても川に削られたのだろう出だしの斜面は強烈な斜度だ。尾根が緩やかな分、この斜面で高度を稼いでいる?落ち葉の道を度々ずり落ちる。アイゼンとピッケルを持ってくるんだったと思うほど。
最近、片道12kmをパパチャリで通っているのだが、お陰で太股の馬力は付いたようだ。が、ふくらはぎが着いて来ない..。なんとか大汗を掻いて尾根に出た。
そこからは地図の等高線で予想した通り、なだらかな尾根が続く。しかも地面が乾いた落葉林なのでサクサクと気持ちがよい。途中で野宿好適地をいくつも見つけたし、疎林なのでハンモックの方が良いかもしれないと思いつつ、肝心の巨木の位置は不明なのだが、そのうち出会えるだろうと歩を進めた。

途中で山の作業をしている3人に会った。標高1000m位までの尾根の南側は杉の植林なので、その作業だろう。竹で編んだ籠とか使ってました。山の人。

黙々とトレースを探して歩いていたら、なだらかな台地に出た。下を向いて歩いていたが、ふと振り返ると、なんと、そこに写真で見た巨木がいるではないか!ああ、危うく通り過ぎるとところだった。巨木様に引き留められた感じ。をいをい、オレに会いに来たんだろ、みたいな。
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来る途中でも大っきな木は何本か見たが、こりゃまた幹が太いデカい木だった。姿は何やらでんでん虫のお化けのようでもある。
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広々平坦、倒木に苔が付き、こりゃ結構天国に近い場所かも知れないと思った。
荷を置いて散策していたら人の声、を”と思い、戻ったら4人のパーティが見えた。一応、愛想よく挨拶したら、こちらへ歩いてきた。
4人は何と都のレインジャー、トレンジャー四人衆だった。噂では存在は聞いていたが、お目に掛かれるとは光栄。ここで泊まるの?と聞かれたので、咎められるかと思いつつも嘘はイケナイ、ダメなら下れる時間だし。ので、はい、テント無しで野宿しますと答えたら、凍死しないでね(@_k)と言ってくれた。レンジャーの方々も巨木で記念撮影をしていたので、私も一枚お願いした。ラッキー!
来た道を聞かれたので、神社の裏からと答えると、下りは急で危険だからと緩やかな道を教えてくれた。指さす方向、目を細めると落ち葉の堆積に微かに平らな一筋が見えた。

この場所は鞍部のような、モレーンの内側のような勾配の付き方なのだが、古い木は一様に一方向に撓んでいる。若い木は垂直だ。昔は雪が相当積もったのか、隆起したか(それはないだろう)、地滑りしたか、なんとも不思議な感じのする場所だった。

と書いていると長いので、端折ります。

・雨に備えてCrysallisを持ってきたが、やはり冬の雨では辛そうなので、Gatewoodを張った。ペグはEastonの30cmを3本あったので、要所に配置した。
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横たわると落ち葉の地面は目と鼻の先だ
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・火器はEsbitのみとした。食器はスノピの700cc、チタニュームホイルを風除けとした。尤もほぼ無風だったが、炎が揺れると極端に熱効率が悪くなるので。
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・夕食は早茹でクルルにトマトのカップスープを2袋ぶち込んでEsbit1かけら分煮込んだ。ま、食える。
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・ライトはe+Liteを主として、でもまだコイツはテスト中なのでPetzl Tikkaをサブで持ってきた。e+Liteでも生活出来るが、深山の野宿では物音の方向を照らすビームが欲しくなるので、時々はTikkaも使った。光量はe+Liteで充分。額に付けても小さく軽いので寝袋に入っても外すのを忘れていた。
・Gatewoodは結露して凍った。地面からの蒸散をトラップしたのだろう。無風だし。背面も完全にペグダウンせずに少し浮かせる張り方を練習しないと。翌朝は朝日で溶けてきたので、中が雨にならないように気を付けて外してバサバサと払ったら全部取れたのでヨシとする。
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・熊や鹿を警戒し、食料と使った食器は離れたところに置いたが、杞憂だったろうな。
・朝食はスキムミルクをまぶしたグラノーラを袋に入れて持ってきたので、湯でぐちゃぐちゃにして袋から食べた。牛乳好きなので、ミルク味が嬉しい。
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・ICI石井のバーゲンで買ったICIオリジナルeVentのソフトシェルは大正解だった。PitZipが無いが、透湿性はよく働いていたと思う。トレンジャーもDiaPlexのジャケットだったし、無理にGoreで無くてもいいかも。第一、Goreはデュポンにライセンスを払い、たぶんブランドにも払うから高価なんだろうな。
しかし、2年前の型落ちだというICIのeVent、ずいぶん早くからeVentに着目していたのは恐れいる。侮れないな。別なパーカータイプのeVentもあったから、そっちをもう一枚買っても良いかな。
・LiteLineのシェルはDriLiteLOFTだが、濡れには強くない印象。重く嵩張るだけかもの感あり。
・夜は寒暖計(小さいので誤差あるともう)-7度くらい。
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・下りは教えてもらった道で楽だった。登山道は地図には出ていないが、GPSでトラックを採取したので、次回は雪でも大丈夫だろうと思う。

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腹ポケットに色々入れているので、実物以上に出て見える、中に化繊の防寒着も着ているし。しかし、腹が出てソフトシェルのジャケットは将軍様のユニフォームのようでもあり、自分ながら何とかせねばと思う..

夜はいっとき星が出た。星が濃い。視力が悪くなって星がだぶって見えるのが悲しい。昔は北斗七星の何番目の星だっけ、視力検査に使った星が識別出来たのに、今は何もしなくても二重に見える..
でも、凛と冷たい空気の中、良い空が見られた。Gatewoodから半身を乗り出し、何故か寒さも感じずに、頭も仮死状態か、あまり物を考えもせず、じーっ目にと染み入る星を見ていた気がする。何時間でも見ていられたかもしれない。が、そのまま意識を無くして寝ても危険なので切り上げたが。

翌日は気持ちのよい朝を迎え、倒木に座って朝食とした。ビニール片を発見したので、この場所はほかの人も泊まっていたなと分かる。というか、ここが一等地。
それ以上上にも似たような緩い地形の落葉林があるとトレンジャーに教えてもらったが、目的は達成したのでこれでよい。後は次回のお楽しみと言うことで食後に下山することとした。古くから山の人が入るのだろう、こんな遺構もあった。小屋の跡かな?案外、江戸時代の賭場の跡かも。
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結構寝坊したし、バス便が乏しいし...
鍾乳洞まで下ったら道に20名ほど集まって双眼鏡をのぞく講習を受けていた。昨日のレインジャーの方もいて、降りませんでした?寒くなったかですか?など気遣ってくれる。自然教室らしいが付き添いかな?休日までご苦労さまである。ども、お世話になりましたと挨拶をして別れた。

冬の低山というのは実は初めてで、しかも登山道のない山も初めてだったが、よい山行ができた。いろんなULテクニックの練習にもなる。私の山行スタイルとしては頂上より山歩き派だから、こっちの方が性に合っているかな。
調子に乗らず侮らず、慎重に行動範囲を広げていきたい。


何 を 求 め る 風 の 中 ゆ く ...山頭火
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by ulgoods | 2007-01-23 07:36 | 山行 | Comments(24)

おはやい帰り

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てくてく歩いてバス停まで。これからのんびり帰ります。
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by ulgoods | 2007-01-21 11:31 | 山行 | Comments(4)