Alphamid nano shelter

Alphamid型というのは、とんがり屋根の錐型(ピラミッド型)を縦に半分にたたき割った一見奇妙な形状のシェルターである。
典型的なAlphamidは下の写真のようなもの。
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この形式は軽量で耐風性が高く、傾斜が急なので結露が降らない&雪が積もらない利点があるとされている(もろに平面パネルに風を喰らったら辛いと思うけど...)。背が高いのは居住性も良好だろう。現在、製品として販売しているのは米国のOwareという会社(ヨーロッパ方面でも見た気はするが)だ。ポールで立てても良し、枝から吊れば尚良い。
前々から気になっていたシェルターゆえ、三鷹のHiker's Depotに委託品として置かれている物を見たときは、危うく即決で連れ帰りそうになってしまった。が、ちょと待てと脳みその片隅でささやく声があり、その日は引き下がってみた。

というのも、ちょうど一年ほど前、BPL(backpackinglight.com)の中古販売でCuben Fiber製のAlphamidシェルター、Alphamid nano格安で手に入れていたのを思い出した。これはBPLの主催者でもあるRyan氏がblogの中でも紹介しているソノ物、あるいは同シリーズの一つと思われて、おそらくはBMW(Bozeman Mountain Works)で製品化する際の試作品だろう。記事の関係から2年以上前の試作と推定されるが、製品化されていないことから没だったようだだが..
まぁ、BMWの製品でBPLが売るとしてもOwareが縫製すると思うけど。
写真はRyan氏のblogから
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nanoというのは、BPLがCuben Fiberを指すときに同時に使う言葉で、手持ちの物はCuben Fiber製の超軽量なシェルターだ。

ところが、これ、買ってすぐに張ってみたのだが、どうにもAlphamid型に張れずに、また、あらゆる稜線がキツイ懸垂曲線で構成され、何気なく張った感じが魔女の帽子のようにしか見えなかったので諦めて放置してしまっていた。
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ま、Cuben Fiberの素材だけでも元は取ったかなという感じなので、いずれ小物袋にでも仕立て直そうと思っていたところだったが、OwareのAlphamidに手を出す前にもう一度だけ張ってみようという気になった。というのも、今回は背を高く張ればAlphamid型になるのではないかという啓示が降りたのだ。

で、早速、再度張ってみた。
前回はトレッキングポール一本だけで張ったので高さは120cm程度だったが、今回はGolite Hex3のポールを持ち出してポールの節を一個残して150cmくらいに張ってみた。ら、だ!思ったよりAlphamid型を呈したような気がする。山で張るとしたらトレッキングポール2本を連結して長い竿を作ることになる。ポールの輪っかを小さなカラビナで連結し、マジックテープでグルグル巻にすれば良いはずだ。あるいはHex3用の延伸パイプをトレッキングポールに継ぎ足すか。
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おそらく、四角錐をスッパリ切った物ではなく、ビーク(くちばし)が出るように仕立てられていたのだろう。くちばし部分が前室として使えるから四角い室内も広く使えることになる。私の所に来た時は、隅々全部に張り綱が結ばれてあり、しかも幅広いno-see-um meshスカートがぐるり全周に付いていたわけだから、更に腰高に張られていたことは容易に推測が付いた。というのも、Alphmid型は頂部に換気口が付いていない。ベッタリ張ると換気が悪くて結露が凄いことになりそうだが、そんな状態をBPLの連中が甘んじているわけがない。今度は170cm程で張ってみた。まだメッシュに余裕があるし、換気はだいぶ良い。内部も広々した。

というわけで、このnanoを遊び倒すまではOwareのAlphamidはお連れしなくても楽しかろうと思う。
ああ、よかった...こちらの方がだいぶ軽量なのだ。Ryan氏のAlphamid nanoは重量が7.4 oz.(210g)と言われている。私の物は重さメッシュが付いている分重くて、それでも約10oz.(280g)で、悠々の広さの屋根が張れる。

Ryan氏の写真と詳細に比べてみた。だいたいの雰囲気は同じなのだが、一点、Ryan氏の物は補強布の一部が見えることから、背面に張り綱を取るタイがあるようだが、私の物には付いていない。後で取り外すことは考えにくいし、縫い跡もついていないから、やはり同型の別な試作品と分かる。
Ryan氏の張り方自体、Alphamidでないのが最初の混乱の元だ。たぶん、試作したは良いけど狙いが外れて換気MAXモードで張っていたのだろう。
寒そうだな...

今後、私の物にも背面にタイアウトループを縫い付けて室内が広くなるように張ってみよっと。

最近はCuben Fiberを小売りしてくれるお店がある。高価なのが難点だが...おまけに見た目は工事現場のガラ入れだしw
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だけど、とびきり軽くて可能性が広がる素材なのでね、仕方ないなぁ。

ヘンテコ好きには堪らない変な形だね。
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ああ、換気口も付けなきゃな→


ま、こんな屋根もありということで...ヘンテコ好きの人もClickちょ

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by ulgoods | 2009-02-12 12:03 | 宿泊系 | Comments(14)
Commented by カワサキ at 2009-02-12 14:31 x
え〜ヘンテコ好きのカワサキです。
Cuben Fiber 自体は今どこで入手可能ですか?
こっちの方がミシンで縫いやすいような(滑り具合)気がするんですがどうでしょう?
Commented by ulgoods at 2009-02-12 15:07
ヘンテコ好きのカワサキさん、毎度あり!

CubenはZPacks.comで切り売りしてくれます。
それ用のテープも扱っているので、縫いが苦手な人も楽しめると思います。
ご指摘の通り、CubenはSilnylonやSpinnakerに比べると表面が粗いぶん縫いやすそうです。
なに分、高価なので縫ったことはありません。失敗して解いても縫い目が残りそう。

ヘンテコ作るのお待ちしております!
Commented by rwalker at 2009-02-12 18:06
この形は昔から使われていますね。
似た形ではGeroge Tentと呼ばれるもので、床は正方形、入り口の面が垂直、のようなテントもあります。
手持ちの本では1917年版を底本としたKephartの「Camping and Woodcraft」には、気球用の絹を使用した5 1/4ポンドのテントが紹介されています。
また、同書に載っているハーフピラミッド型では、Royce Tentというのも有りました。
普通のピラミッドから一面を除いたような形で、ハーフピラミッド或いは入り口に地面まで達するビークを形成、前面を開放して左右の風除けにする、などの張り方が出来ます。

ハーフピラミッド型は、一枚の大型タープの角を折り込んでも作れます。
作る場合は、以下が参考になります。
http://www.hufsoft.com/pyramiddle/
Commented by ulgoods at 2009-02-12 18:30
rwalkerさん、
すいません、電話中でした...

George TentはIntegral designsから出ていたんでしたっけ。
確か、カワサキさんが風で飛ばして散々な目に遭っていたはずです..

一枚を折り込んで作れるのは良いですね。
ということはCubenの大きな一枚タープを作っておけば応用が利くわけで、稜線をFinetrackのZeltのようにコードで張力を持たせれば良さそうです。なんか、アイディアが膨らみそう。
CubenはZPacksで小売りしているんですが、高価で買う気力が出ません。
いつもながら、広くて深いコメント、感謝。追ってみます。
Commented by rwalker at 2009-02-12 19:44
IDのGeorge Tarpはシルシェルターの背を高くしたような形で、私の知っているテントではGeorge TentよりもForester Tentに似ています。
http://www.tentsmiths.com/egyptian-cotton-george-tent.html
http://www.trackofthewolf.com/(S(lezhu45544a25uz2gh2wd245))/categories/TENTKIT.ASPX?CATID=17&SUBID=121&STYLEID=455&PARTNUM=FORESTER-W

尤も、頂点が中央からずれている1ポールテントをGeorge Tentと呼ぶのかもしれませんが、未確認です。
Commented by ulgoods at 2009-02-12 20:48
TENTSMITHのイラストはOwareと似ていますね。Titanium StoveがあるのはTitanium Ghotっぽかったり。
TENTSMITHの方が歴史がありそう。世界が広がりました。

George TentもID独自ではなかったんですね。
昔から受け継がれた物を最新素材で作り直し。
Commented by 信ちゃん at 2009-02-13 18:03 x
こんにちは(^^。
正直皆さんの会話にはチンプンカンプンでついて行けませんが(^^;;、シェルター類への憧れというか、露天に近い状態でいちど寝てみたいという願望はあるんですよねー。
しかし山や渓に赴くくせにムシムシ君に愛されるのがイヤンな野郎なので、ライトコンディションの一泊でもトレックライズ0が手放せません。
そういや去年はけっきょく張る機会がなかったなぁ。。生地劣化してないだろうな(^^;;
Commented by moi at 2009-02-13 20:35 x
はじめまして、「魔女の帽子」良いですね。ちゃんと張れてない
云々ではなく、其れが気に入りましたw
お山でそんな形のシェルター見たら、私はすごく喜びますw
Commented by ulgoods at 2009-02-14 09:02
信ちゃん、ども!
凍死しない程度になれば寝袋程度で露天寝してみてください。簡単な雨避けか朝露避けがあればいいです。昔の記事でBivyなんか書いていますが、雨露しのげる最小単位ですよ。
虫は..暑い季節は涼しい所に逃げるので、あまり悩まされた経験無いです。あるいは気づいていないだけかもしれませんが..
虫避けの記事も昔書いていますから、参考になるかしら?

道具は時々使わないと、というか虫干ししないと腐るのでね...
私もそんなの一杯で、食器類は巡に使います。寝袋は時々は部屋でも使います。屋根類は時々は庭に張ってごろ寝したりします。ストーブは普段でも手元で湯沸かしやら使いますし。

お手持ちの道具たち、適度に使ってやって下さいまし。
Commented by ulgoods at 2009-02-14 09:04
moiさん、どうも。
あの形に惹かれるわけですね...
あれは失敗の張り方なのでもうやらないと思いますが、も一度帽子型に張って放置しておけばmoiさんが獲れるでしょうか?(笑
Commented by BB at 2009-02-16 12:12 x
へんてこ好きのBBです。
こんなにうまく張れないので、私には無理そうです。
ツェルとですらぐったりしているのに…。
Commented by ulgoods at 2009-02-16 12:20
BBさん、ども!
BBさんのヘンテコ好きも有名ですが、これは変でしょう(笑
張り綱がない系のシェルターは膜体の縫い目が張り綱の代わりですからキリキリ張らないと、シワが出ると耐風性が大いに下がるのでね。
CubenでGatewood cape縫いませんか?
Commented by BB@舞網 at 2009-02-21 14:09 x
CUBENでGATEWOOD?
CUBENは持っているのですが、何を作ろうか思案中です。タープポンチョは持っているし。。。今度、ULGさんの工房にお邪魔して思案しましょうか?
Commented by ulgoods at 2009-02-23 14:02
BBさん、今日は舞網ですか..いいなぁ。ハバナを薫らせて、モルト酒片手に夕日を眺めてるわけですね!
Cuben、最近、blogのメールアドレスにBivyのことで尋ねてきたフィンランドのトレールランナーと文通でCubenで軽いタープを作って差し上げるような話になってきました。UKのサイトに出ていた例の25gタープです。
縫いの練習で小袋でも試作してみようかしら。

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