VBL予備実験

VBL予備実験

以前からVapor Barrier Linerについて気になっていたので、ちょっと試してみた。
VBLは製品として数種類あり、とりあえずIntegral Desgines社のをカナダのお店に(セール品があった!)頼んでいるんだが、実距離以上に遠いお店のようでまだ来ない。呑気なのを待っていると春になるので身近な代用品を探すことにした。探したのはデカいビニール袋だ。最初はゴミ袋の底を抜いて何枚か連結しようかと思ったが、たくし上げたときに簡単に破けてはテストの意欲もなくなるので、一枚物で厚みのあるモノを物色した。その結果、まぁまぁ使えそうなモノがあったので注文したが、後で会社を調べてみたら...なんとその会社は同じ杉並区内の目と鼻の先、商品代金750円に送料750円は痛かった。今度散歩のついでに店頭販売しているか覗いてこようと思う。注文したのは0.08X950X1900mm、適度に厚く全身を収納するのに充分。
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このビニールというか、正確にはポリ袋だが、厚さが0.08mmあり米袋並みに厚い。切り開くとグランドシートに使えそう。また、最大では0.1X1500X2000mmなんてのが1枚300円なので、周が3mあるわけで、そのままでも一辺1mの正三角形チューブシェルターに張れたり、このくらい厚いと縫えそうな気もして、新たな作り物の素材になる予感がしている。グランドシートにはTyvekより良いかもしれない。Gossamer Gearでもポリのグランドシートは売っているが、あれは薄過ぎて辛い。

充分に寒い所でないとVBLによる寝袋の湿気防止効果は体感できないだろうが、いきなり寒い所で試すのは心配がある。なにしろビニールで全身を覆って横たわるなんて..恐らくは遭難して収容されるときくらいしか体験する機会(遅すぎるが..)が無いと思っていたくらいで、いざやるとなると勇気が要る。曰く、汗でベトベトとか、臭いとか、おおよそ良い話は聞いていない。いきなり寒い山でやって、そのまま収容されてしまってはご先祖様にアレなので、先ずは屋内で試すことにした。第一に、生理的な仕組みとして袋の内気が汗で飽和すると体が発汗を諦めるという辺りを確かめなければならない。さもないと汗かきな私は袋の中で汗の海に沈んでしまいそう。ただし、あまり熱いと熱が溜まって熱中症の危険もあると思い、適度に薄い寝袋の中で試すことにした。
数時間寝た結果は...熱の籠りは感じなかったが、やはり下着がビッシリ汗で濡れた。肌も汗でビタビタに濡れており、袋の中に水滴の汗が認められた。しかし、汗だまりができるほどでもなく、うまく熱をバランスさせれば水没は免れる感触を得た。
次はいよいよ氷点下の環境で試したいが、濡れをどうするか考えてから行かないと困ったことになりそうで悩んだ。素っ裸で入れば下着は濡れないだろうが、入るときはまだ良いとして、出るときに寒い場所で寒イボの肌を拭いて下着を着替えるのは辛いのは目に見えている。そこで考えたのがファイントラック社のフラッドラッシュスキンの下着で勝負すること。この素材は汗を吸わないから濡れないはずで、袋から出たら拭くか、さもなくば凍らせて叩いて落としてしまえば良いだろう。というわけで、持っていても悪くはないだろうから長袖とタイツを注文した。ナチュラムは在庫取り寄せらしく、しばらく来ないらしい...後で聞いたが三鷹なら翌日くらいでオッケーよということだったので、ちょと失敗。

某週末、その週末を逃すと再び自分で使える土日が来るのに2,3巡してしまうので、VBLは例の袋で、ファイントラックは手持ちの半袖の上だけにして、下はBPLのバーゲン40%OFFで買ったメリノウールのタイツで、この組み合わせは素材の違いで寒い所でどう濡れて乾くかを比較するのにも良いかと、不承不承の理由を付けて決行することとした。
場所は北八ツを考えていたが、前の晩の用事が遅くなり、起きてからのパッキングとなり、しかも冬タイヤに履き替えるのも面倒だったので近場でやることとした。
奥多摩駅に着いたのは12時。いつもながら遅い。
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とりあえず長沢背稜に出ることを目的に歩き、日没直前5時前に長沢背稜に出ることができた。雪はほとんど無く、気温も5時で-4℃程度と冷えてはいないが、モノが凍るには十分な低温なのでテストには丁度良かったと思う。

キャンプの詳細は省略するが、ColemanのPowerMaxストーブで常温保存おでんを暖めて餅を放り込んで晩飯とした。ColemanのPowerMaxストーブは寒冷でも予熱無しの一発青火点火なのでイザとなったらテント内でも危なげないし、海外のテストでは一酸化炭素の発生量が他のストーブに比べてズバ抜けて低いので重いけど愛用している。
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テントは着替えように広めの空間が欲しかったので、前回北八ツで張り損なったFirstLightとし、ポールは紛失を知ったBB氏から前日に譲り受けたカーボンを使ってみた。
肝心の寝袋は、MntFlyのHDP900を使った。着て寝て-17度は余裕だったが、今回は下着だけだが、外気温が-7,8度なので、裸で寝てもどうこう言うことはあるまい。VBLで数度の付加があるらしいが、どのくらいかはまだ把握できていない。

ここでひとつ失敗をやらかした。最初は寝る前と起きてから寝袋の重量を比較して寝袋が濡れていないことを確認したかったのだが、夕飯後のマッタリした時間帯にビニール袋に入る気になれず、とは言え-7℃くらいに冷えてきて、寝袋無しでは辛い状態になったので、ついついビニールを押しのけて寝袋で暖まってしまった。これでは体からの水蒸気を羽毛に吸わせることになり、乾いた状態でテストに臨めない。が、仕方ない。ここは定性的に確認できればOKとして、酒を飲みながらビニールに入るための心の準備をした。

12時を過ぎた辺りか、ふと目が覚めて、このまま寝ていてはテストにならないので、意を決してTシャツとタイツだけになってビニールに滑り込んだ。幸い、事前に寝袋内で暖めておいたので、ヒンヤリ感のないのが救いだった。頭部まで被ると別な意味でオロクなので、頭部は被らずに、首の辺りに手で絞った。て寝袋の頭を被ると袋から漏れた汗蒸気で濡らしそうなのと、間違って袋に潜り込んではイヤなので頭は帽子を被って露出させた。
いやーその後は爆睡しました。温くて気持ち良いよい。目覚めは8時だった。手で袋内を触ったが、案の定、下着はベタベタ、袋も肌も濡れてた。さて、どうしようかとしばらく考えたが、このままいつまでも居るわけにもいかないので、エイヤと袋を開けて上半身を剥き出した。

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その瞬間、袋から濛々と湯気が噴き出しテント内を満たし、口を大きく開けたテントのドアからモクモクと流れていった。おおお、これらが本来なら羽毛を通る筈だった蒸気で、実際には袋内の飽和で発汗が抑制されたと思うから少な目の筈。見事な蒸気に見とれているが、これと並行して上半身からもモクモクと湯気が上がっており、それと同時にファイントラックの下着はみるみる乾燥していった。30秒もしただろうか、テント内の視界もクリアになり、上半身も乾いてしまった。もっと寒いとどうなるか分からないが、湯気が盛大になるのだろう。上半身は着替えずに済みそうなので儲けたと思っていたがイヤなことに気がついた。呼気の濡れを低減するためにテントの通気を良くしており、起きる前は霜が付いていなかったのだが、テント内で盛大に蒸気をぶちまけたせいでテント内に霜が付いてしまった。たぶん寝袋にも少し付いたかもしれないのと、テントの霜は落とせばよいが、テントに触れて寝袋が濡れる。この点、二重壁の方が良かったかもしれない。ま、何事も経験。
写真は太もも辺りなのだが...水滴で中が見えない状態。
上に服を着て今度は下半身を袋から抜いてみた。やはり盛大に蒸気が上がる。薄いメリノウールのタイツだが、やはり、生地自体が汗を含むのか、乾く傾向だがファイントラック並の乾燥は得られなかった。乾く間で待っても寒いので履き替えた。
寝袋のロフトは寝ているうちに乾いたようでフカフカだった。寝袋を呼気からも守るとなると、内外の素材を非透湿素材にすると良いが...非透湿シェルの寝袋は乾かすこともできず、ま、濡れないのだから乾かさなくてもいいもしれないが、空気を通さないと収納もできずに現実的ではない。VBLをして更にBivy等でくるむ手もあるが、二重三重に仕掛けをやっては面倒で仕方がない。VBLからの出方と共に課題だ。
次回、ちゃんと時間が取れたら少し寒い目の寝袋と併せてやってみようと思う。興味を持った方は情報共有したいけど、お互いに自己責任でね。

着替え後はちゃんと朝飯を食って、長沢背稜を少し歩いて大ダワを下りて帰ってきた。
途中誰とも会わず。
遠くで犬が吠え、時々猟銃をブッ放つ音がしたが、大ダワで、たぶんクマの足跡列、数日前?を見た。猟師は鹿撃ちだと思うが、念のためクマと猟師に向けて時々声を出して歩いた。どちらもあぶない。
長沢背稜と大ダワの雪は多くてもスネくらい。日当たりの良いところは枯れ葉で乾いており、アイゼンとワカンは無駄だった。でも、しりもち三回。
大ダワの例の巨木周辺は枯れ木の円陣で立ち入り禁止になっていたが、ま、良い措置だと思う。長生きしてほしい。
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夜、街の明かりが見えた。街の上だけ悪そうな雲が垂れて街の灯が真っ赤に映っており、昔、避難先で見た(ような記憶があるが3歳の時だから怪しい)郷里の大火事の夜のようにも見え不気味だった。





雪の道で人の踏み跡の上に鹿の足跡を見た。
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で、一句
ゆき分けて 人が獣が かよい道...雪の奥多摩でULG詠む

なんちーてー、俳句になっているようでしたら一献Click!!

会うことはなかったけど、人も獣も同じ雪を分けた道を行き分けてるんだねぇ...
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by ulgoods | 2009-01-20 04:58 | 生活系
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