冬の準備 pulk sled

冬の準備 pulk sled

いよいよ雪のお山の季節到来。アイゼンやピッケルにヤスリを当ててギィギィと研いでいる人も多いのだろうが、こちとら登山家ではなく、しがないハイカーだから、アイゼンの前爪を立てるような肝を冷やすような場所へ行かずとも、それなりに雪の中を歩ければ面目は立つ。昨シーズンは終盤、八ヶ岳の雪も重くなる頃にイグルーを作り泊まって遊んだ。今シーズンは場所を変えて早いうちからイグルー作りに精を出すのはもちろんとして、更に雪上生活を楽しむために強力な運搬手段を計画している。

雪中ミニマム装備キャンプの計画と検証は毎年行っているが、別途、雪上で楽しいキャンプを行うには、それなりの物資の投入が必要だ。イグルーの時は、普段は用いないデカいフレームザックであれやこれや持ち込んだが、今シーズンは更に増量したい。こたつとか、発電機とか..はウソだが、..しかし、雪上で担ぐには限界があるる。スノーシューを履くとしても荷物着衣含めて100kg近くては浮力が不足するし、履いたとしても雪上歩行はそれなりにシンドいのであった。
そこで目を付けたのが曳き橇(ソリ)、pulk sledである。
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極地探検などで使うアレ。pulkは北欧方面の言葉であるらしい。sledは橇のこと。犬に橇を曳かせれば楽なのであろうが、そのためだけに春夏秋と犬の世話をするのも大変だし、飼ったとしても、本邦ではそうそう雪の平原は得られないから、犬橇でビュンビュン走れたとしても数分で平地は尽きるから飼う苦労の割に合わない。DVDを観ていると、本職でも急坂は犬橇でも難しいようで、紐が絡まっても解くのが辛そうだ..ので、自分で曳くことにした。
スノーモビルは騒音だし持っていくのが大変なので却下。
橇に荷を付けて曳けば、背負う重量はゼロ!装備は全て身につける物になるわけで、数字のお遊びになるが究極のウルトラライト雪中ハイキングの出来上がりとなる筈。

というわけで夏くらいから曳き橇を探していた。市販ではGranite GearのPULK SLEDという$600というのがあるが、たいそう高価であり、橇を含めた送料はいかほどになるか?格好良いが金額的に気が遠くなったので諦めた。だいたいああいうのは自分でも作れそうである。曳き橇といっても、たいそうなものではない。橇を曳いて歩くのだが、下り坂で後ろから曳き橇に轢かれないために、紐ではなく棒で曳く。棒は腰や背中に連結して手を使わない仕組みがあればよい。斜面をトラバースすることを考えると、下にフインが突き出ていれば上等だろう。最初はプラ橇の紐部分に塩ビパイプでも通してベルトに結びつけたくらいで良かろうと考えていた。さて、雪の便りを聞くようになって製作を始めようと思ったが、なんしか寒い所へわざわざ出向くわけで、件の塩ビパイプでは曲げ荷重がかかった瞬間にパリっと割れて役に立たなくなるのは想像に難くない。腰との連結もワンタッチでないと、橇を引きずったまま藪の中で小用をする羽目になり、ヘタをすると重量な橇に引きずり込まれて滑落するかもしれない。そんな姿で逝ってしまっては後々困る。では、そのへんの細工を施せばよいのだが、あいにく工具類が不足しているし、そんな工夫をしていたのでは雪の中で暮らしているわけでもないから数シーズンを費やしてしまい、今期の雪上計画にも支障がでてしまう。い、イカン..困った。

しかーし、世の中、探せばあるわけで、skipulk.comのEdさんは私が欲しいものたちを用意していてくれたことが判った。しかも安価!何があるかはサイトを見ればよいとして、私がEdさんにお願いしたものは、
フルのハーネス
曳き棒
取り付け金具
フイン
要は橇を除いた全部入りね!とお願いてみた。
ハーネスは腰だけの簡易な物もあるが、GraniteGearのものは肩部分も付いた着用型であり、カッコ良いので是非ともこれは真似したい。ザックを一つ潰せば真似できそうだが、かわいいザック達を切り刻むのは心が痛むし..幸い、Edさんのお店ではお安く用意されていた。曳き棒はグラスファイバー製の2分割を選んだ。曲げ応力も掛かるだろうから一本物が良いが、空輸の都合もあるし、本邦の交通機関や保管のお家事情もあるので。取り付け金具はどうやらGraniteGearの物と同じ金具のようだ。フインは自作できそうだが、面倒なのでお願いした。

さて、橇は雪遊び用の大型のプラ橇を使ってみる。安価で全長120cmくらいのものが手に入るようだ。それにドリルで穴開けして金具をネジ留めすればpulk sledシステムが完成するだろう。橇は荷物固定用のストラップを取り付けるが、それらは山道具屋で手に入る。本当は救助隊が使う橇が欲しいのだが..あれは大きいし重いのだろう。だいいち、売っている所が見つからない。一般には非売品なんだろうな..人一人を山から下ろすのに数名を要するので、調子に乗って大型橇に一杯の荷物を載せたのでは一人で扱うのは無理だろうし。

届いたモノたち、
曳き棒はグラスファイバー製で剛性も高い。連結金具も橇側はボールジョイントになっており、ガタつかずに正確に橇を制御出来るだろう。
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なになに、写真では交差させて橇と連結している..これでは腰のひねり方向と橇の向く方向が反対だが..ああ、腰を左にひねると橇の頭は右を向くから円弧の上に乗るわけだ..と解釈したい。交差でなくともよいので、この辺は試してみる。でも、スキー用なのかな?ちょと長い気がする。ま、使われている部品が判ったから、似たようなのを作ればいいから、この辺も先達の知恵を拝見できるならお安いものだ。

拘ったハーネスもMサイズでぴったり着用でき、連結具も手袋のまま操作できそう。GraniteGearのPLUK SLEDではハーネスの背中からもロープで曳いているが、そのへんの仕組みを真似するのも、このハーネスがあれば簡単だ。
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フインも思ったよりも肉厚のアルミが使われており、岩に擦ってもビクともしないだろうし、万が一橇に轢かれる羽目になってもスキーのエッジのように刃物化することはなさそうで安心だ。
使われているナット類はナットの内側が樹脂で出来ており、締めたら緩まない仕組みのようだ。
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さて、あとは橇を手に入れてドリルと鋸を握るだけ..だが、少し懸念がある。背負って歩くときは斜面での休憩でも体を垂直に保てば前後への力は発生しない。が、後ろに橇を着けているときは、常に重力の斜面方向の分力が体に掛かるので、反対方向にそれなりに体重を傾けないと釣り合わないだろう。体重で分力に釣り合わないと引きずられて滑落することになる。尤もそう言う道は初めから登れないので登らないのだが、道の横が急斜面という事は良くあるが、何らかの理由で橇がそっち方向に落ちてしまったときはヤバイ。直ぐにハーネスを外すか...ま、そういう所へは行ってはいけないと言うことだな。また、休憩の時はストックを使ってブレーキが掛かるようにしないと休憩にならないと思う。
さらに一ひねり要るな。楽しい。


ガキの頃、親父にソリを作って呉れろとせがんだことがあった。廃材とミカン箱とカーテンのレールで橇を作ってくれたっけ。
今度は自分で曳き橇を作ってみまする...




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by ulgoods | 2008-12-10 07:28 | 運搬系
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