改造 固燃Ti五徳

改造 固燃Ti五徳

今や、アルコールストーブのコテージメーカーとして国際的に注目されているT's stoveさんから、チタニュウム五徳の派生として固燃Ti五徳が発表され、値札が付いた早々に三鷹のHiker's Depotで手にすることができた。今のところ、これを見て触って買えるのは三鷹だけだと思う。この形式は従来発表されておらず、JSBさんの型式認可を待たなければならないが(笑)、おそらく新式の型番とひねりの利いた愛称が交付されると思う。

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作りもT's式の品質で、わたし的にはお金を出すに値した。おそらく、最初に治具を作ってキッチリ製造していることが覗える。もはや精度的に素人工作では追従が難しく、この品質ならお金で買った方が安い段階になっている。この形状なら鍋のサイズを選ばないので良い。充分に太いチタン棒を使っているので、強度にも不安はない。足に滑り止めを履いているので加重時に足が開いてしまうことも無かろう。更に、上面に滑り止めが加工されているのがT's式。さすが国産、細やかな心遣いに泣けてくる。ネジは蝶ネジが普通だが、特別に軽量版を分けていただいた。力が入りにくいので、冬は蝶ネジ式でよいかもしれない。

現状で充分に使えて美しいのだが..ちょっと試作をblogで見た段階で思うものがあったので、早速改造に取りかかった次第。
私が感じた問題は、足を閉じた仕舞い時に燃焼台が畳んだ五徳から大きくはみ出ていることである。実はザック内環境は結構厳しく、デリケートな扱いを要するものは、ほぼ壊れることになっている。T's式固燃Ti五徳は燃焼台が薄板で作られており、ここが弱点に見えた。また、燃焼台がネジ留めで、そこがゆるむと辛い気がしていた。Victrinoxクラシックのマイナスドライバーが入ればよいのだけれど、極小+は持ち歩いていない。
そこんところ、何とか折りたたみ&メンテフリーに出来ないか...との思いが発端。

実は見たときから頭の中では工夫が出来上がっていた。あとは形にするだけである。T'sさんやHiker's Depotの店主にはそれとなく工夫の旨は伝えておいたが、図面を引くのも面倒なんで、現物合わせで手持ちのチタン棒をラジオペンチで曲げ始めた。ガキの頃にゴム動力飛行機のシャフトの加工(いわゆるZシャフト)で鍛えた腕前だからピアノ線細工は得意だ。幸い、手元にチタンの細棒がある。ラジオペンチを手にして5分、2作目で使える物ができたようだ。
換装したアームと、取り外されたオリジナルのアーム。
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裏から見ると、このとおり。
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工夫の要は、ネジで固定されていた燃焼台をスライドし回転して、脚が作る平面内に格納すること。引き出したときに燃焼台が安定するように棒の先端をT字型にしておき、そこに燃焼台を乗せれば不意な回転はしないだろう。縦長に置かれた燃焼台は、仕舞い時の寸法を気にしてのことだと思い当然だが、これをこの方向でスライド収納するとなると腕の長さが長くなり、燃焼時に充分に安定して燃焼台をT字の上に乗せられない。1mmずれただけで燃焼台が回転しては困るのだ。そこで、収納時には燃焼台を水平に90度回転させて、短辺方向でスライドさせ、更に縦方向に90度回転させて平面に納める。そうすると腕の長さはオリジナルとほぼ同じで済むし、引き出して乗せたときはTの横棒が引き出した燃焼台の先端から十分な距離があり、不意にずれて回転することが無くなった。また、燃焼台の方向を縦長でも横長でも選ぶことが出来る。対角線に置くのも燃焼台が腕に乗る長さが長くなるので良さそうだ。
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このくらいの操作なら凍えた指でも、あるいは手袋を填めたままでも可能だろう。

燃焼台の固定は、とりあえずは試作なのでゼムクリップを延ばして割ピン状にして使った。オリジナルは皿ビスで留めているので、ねじの頭が凹に納まるよう、下に凸に加工されていたが、コレは叩いて平面に戻した。ここが下に凸では安定が悪いので。
ゼムクリップ部品では、そのうち折れそうなので、材質を考えないと...女性が使う髪を留めるピンがよいかもしれない。ちょうど根元がチタン材を囲うくらい丸くなってるのが良いかも!


この改造で、いつもの固形燃焼系袋に収まった。
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袋には、チタンフォイルの巻風防と、燃料と、ストーブが入っている。T字の頭の張り出しが気になるが、これは強いからいいだろう。
ねじ穴の位置をもう少し足の方に寄せれば、燃焼台縦長方向使用時に安定がUPするかもしれない。

これはチョット良い改造だと思うが...T'sさんにはご検討いただけると幸いだ。
更にやるとしたら、展開したとき、燃焼時に燃焼台が不意のスライドを起こして燃料が落下しないために、腕部分の燃焼台の末端位置(ネジ側)に1mm程度のクランク状の段差を付けて(ネジ側->下にクランク->燃焼台側)、燃焼台が後ろ向きにスライドしないようにしてやる。折りたたみ時には、先ず燃焼台を90度回転させるのだから、この段差は仕舞いの支障にならないはずだ。この加工は面倒だったので行っていないが、製品として出すときは検討いただきたい。
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あるいは、燃焼台の短辺側の辺にチタン棒を押し当てて上に凸の溝を形成して、腕には少し角度を付けておいて、燃焼台をセットしたときにカッチっと溝と腕が填るようになれば不意な回転も抑えられて言うこと無いな。カチッっと填ればTの張り出しを抑えられるので、平面収納性が上がります。

手持ちのBPLで買ったチタン棒が少し細いので、T’sさん、お願い...

T'sさんと初めてお会いしたのは、ほぼ2年前。私もアルコールストーブ作りを工夫していた頃にblogで連絡が取れて、JSBさんcoolys creekさんsugawasterさんT'sさん、私とで渋谷の居酒屋で記念すべき第一回の燃える系交歓会を行った時だ。その時、T'sさんが取り出して見せてくれたストーブの数々、充分商品になる完成度で驚いたことを鮮明に憶えている。興奮気味の私が無理にお願いして二人で行った二次会で商品化をお勧めし、T'sさんも少し手応えを感じたらしく、その後は何度か山で使うに当たってのアドバイスをさせていただいたが、ご本人の飽くなき探求心と高い製造技術、物創りへの真摯な哲学、続ける努力が結実し、現在では海外からも注目されるストーブビルダーとして有名になった。
私は、T'sさんのストーブを一目見てから、その完成度に圧倒され、爾来、ULG印のストーブを売り出す野望が霧散したことを憶えている。
上には上がいる...

自意識過剰と思うが...せっかく仕入れた新製品の売り上げに万が一影響ありましたら御免なさい>>Hiker's Depot殿



私に出来ること、皆さんの工夫を背負い、ただただ歩くことだけだ。
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少しは慰めになりまする...

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by ulgoods | 2008-11-23 14:11 | 燃える系 | Comments(13)
Commented by beyondx at 2008-11-24 00:38
こんばんは。 日本が誇るT's stove製固燃Ti五徳、フラットに収納できると更に魅力的ですね。

>実はザック内環境は結構厳しく、デリケートな扱いを要するものは、ほぼ壊れることになっている。
全く仰る通りです。 私もこの法則が当てはまる方ですので、改良版を待ってみます。
Commented by T-z_stove at 2008-11-24 08:58
おはようございます。
良いアイデアですね。ゴム動力のプロペラの引っ掛けを思い出しました。

懸念するか所を書かせて頂きますと
燃焼皿の孔から燃焼時エスビット液が垂れる恐れがある。燃焼終了時に黒いカスが固まり開いたクリップのヒゲと孔の中で固まる。
取り付けステーの曲げ先端部は五徳収納時の幅程度にすればその2改造は無くても良いような。
上記を考慮して今朝がた試作品がやっとできました。(コンビーフの開けるやつみたいな形)
ので、もう一つ創って三鷹へ送っときますので気に入って頂けたら購入して下さい。(限定お一人様かぎり)
私はマグへ入れる派なのでこのままで良いような気がします。
TRSスペシャルモデルですね。オプションで収納時可動燃焼プレートとして発売か?

お陰様で徹夜仕事となりました。(笑
Commented by SGT. M at 2008-11-24 10:26 x
死蔵しているアルコールストーブ(グラムウィニー)でも使いたくて購入させていただきました。買っても良いですか?って何度も聞きましたw

中空パイプを蝶ネジが通る幅に縦に割り、ろう付け(チタンは真鍮OKでしたっけ?)して高さ可変の五徳、という妄想。
嗚呼、燃焼台は2本の棒のミゾに収まっているんですね……

> T-z_stoveさん
蝶ネジをユニクロメッキの物にしたのは理由がありますでしょうか。

オイラもクッカーに収める派です。
Commented by ulgoods at 2008-11-24 10:26
beyondxさん、ども!
ザック内ですが、大振りなタッパを防水耐圧区画として、ヤワ&要防水な物の雑多な物入れに使おうかと思っています。
最近はザックが軽くて大きいので、嵩張りは気にならなくなりました。小分け個々に気をつかうより、頑丈なの一発の方が気が楽な感じ。
Commented by ulgoods at 2008-11-24 11:03
T-z_stoveさん、おはようございます。
お待ちしておりました(笑

アイディアを形にする野優先でまだ燃焼実験していないですが、固形燃料の液化したやつがタレます?かね?結構粘性があって小さな穴からは漏れないのでは?一回燃やせば穴が詰まるのでは?という期待がありました。割ピンがネバって固定されると回転が抑制されて格納できなくなるのと、毎回ねじるとクリップの素材では千切れてしまいますね..

スペシャル、お創り下さったとのこと、ありがとうございます。三鷹で取り置きをお願いしておきます。
私、何故かマグには入れない派です。固形燃料は吹き消した後の燃料が燃焼台に固着しました、そのまま次回使うからです。あああ、これでは回転のギミックが働かないではないですか!破綻していますね(笑
元々、ギミックは少なめに、機械的に固定されるようになど、いろいろリクエストを出していたのは私でしたっけ..
ああ、燃焼台は最初の燃焼を横向きにして、それ以降は横向きで使うようにすればピンを中心とした回転が不要なので、何とかなるかも!
Commented by ulgoods at 2008-11-24 11:08
つづき..

>ゴム動力のプロペラの引っ掛けを
空転装置ですね!!
私もピアノ線のシャフトの先端を三角形に曲げて、別途、ゼムクリップを伸ばした材で小さな輪っか付きのピンに加工し輪っかを釘でペラに留めた空転装置を使っていました。
その他、大型機では折りたたみペラとかね。

ラジオペンチの先端でバシバシ火花を散らせるので、いつの間にか先も開いて磁化もしてたっけ(笑

細かな細工は久々でしたが、細かな作業をやっていないと掌の筋肉が笑います..
Commented by ulgoods at 2008-11-24 11:09
Hi SGT.M,
密かに五徳の妄想を練っていたとは!
私もロウ付け出来るようになりたい。

クッカー納め派が多いなぁ。私はWingストーブの燃焼台に固着した残りかすを次回も使う派だったのですが、カスが散らばるので、自然とクッカーに納めないようになったと思われます。

さて、山も雪なので、今年もやりましょう!
今年は更に面白い物を手配中です。
Commented by T-z_stove at 2008-11-24 11:54
SGT. M さん

ご無沙汰!
お買い上げ誠にありがとうございます。ほんとに買っても良いって言ってました。(笑

>蝶ネジをユニクロメッキの物にしたのは理由がありますでしょうか。

特に理由はないけど樹脂だと熱にやられるし締め付けられるネジって他にないし。何か他に良いのあります。



チタンのロウ付けは難しいようです。

グラムウィニーはアルコール入れ過ぎるとピッピッピと炎が噴出して危なく無いですか五徳の高さも合うのかしら。
サイドBならそんな事はなく安全に使えますよ。(軒先を借りて営業中

約束していたブラッシュ用のシリコンチューブ三鷹へ送っときますのでお時間ある時に行って下さいね。ほんとうに貰っていいのか聞いてからね。
Commented by T-z_stove at 2008-11-25 16:15
業務連絡。

明日着で三鷹へ発送しましたのでよろしくお願いします。
ulgoodsさん_スライドアーム付きプレート
SGT. Mさん_シリコンチューブ
Commented by JSB at 2009-04-29 01:05 x
JSBです、こんにちわ! 
アルコール燃料を滲みらせて燃やす方法で
耐熱性と柔軟性、加工性、そして、低価格、  ☆風防にも使える、、、
carbon felt という素材を、Bさんからのルートで知りました
360g/1m^2、¥2400、2.8mm厚みです

   いろいろと、基礎実験をやった印象として
保温材としては、靴下よりも上級だが、帽子ほどではない? (笑)
特徴は、立ち上がり5秒で、全開モードに達します!
アルコールの気化性能を、大いに改善します
赤くなる部分が、燃焼インジケーターの役目も兼ねます
ストーブにも、ようやくソフトシェルの時代がやってきた印象です(爆笑)
立ち上がりすばやく、火山噴火のような燃焼は
沸騰時間に於いても、加圧型アルコールストーブに肉薄出来ます
13mlのアルコールで、着火から190秒後には90℃まで達しました
カーボンフェルトの重さは、2gぐらいです

  ps 煤は発生しません!鍋は、ビューティフルをキープ (笑)
Commented by ulgoods at 2009-05-05 04:39
JSBさん、
最近はどんどんハイテク素材ですね!でも製法が昔ながら感が残っていてステキです。
私はアルコールストーブの場合は完全燃焼さにこだわります。その点どんな感じでしょう?シェルターの中で涙を流すのはツライですから。

そろそろアル中の集いなどいかがでしょう?
Commented by JSB at 2009-05-14 14:54 x
その言葉、プレイバック プレイバック(笑)
ぜひ!OUTDOOR会・開催したいと思っています。
でも企画を練るのがJSBは苦手なのです
  ulgoodsさん、ご苦労していただけませんでしょうか?
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
カーボンフェルト:素晴らしい気化作用です
真上で、目をぱちくりさせても、まったく目が痛くなりません(マジで)
それどころか
火力を落とす仕組みや算段に、苦慮しているほどですよ(爆)
とにかく、良くきれいに燃えます。しかもカーボンですので超耐熱性が
あり、同時に、フレキシブルであり、ハサミで自由に作れる!
 みなさんに、CFを配布しますよ。参加賞として、、粗品ですが
Commented by ulgoods at 2009-05-14 16:16
JSBさん、ども!
アル中会、今回やるとしたら多摩川の向こうですかね...二子玉でもいいけど、一番大事なのは燃やせる場所がいいですよね。目を盗んでコッソリ燃やすのは...危ない。スプリンクラーが作動したりね(笑
炎がきれいに見えないから薄暗い場所がいい、風がない場所、きれいなお姉さんはいらないけど、旨い酒が飲める場所....うーん、難しいな。
どこかの学校の理科室を貸してくれないかしら(笑

CF、ちょっと着想が湧きました!
集まりたいですね。
良い場所、心当たりの人は情報お寄せ下さい...
じとじとの梅雨時にでも!
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