奥多摩狼平

奥多摩狼平

富山からおいでの村上さん(リンク参照)と奥多摩の山を歩いた。
コースはいろいろ考えたのだが、結局私の未踏ルートということで、雲取山から飛龍山に向かう道を選んでいただいたので、途中で件の狼平を通過することができた。狼平とは名前も素敵だが、地図で見ると等高線間隔も広く、ゆるコンター萌えの私としては是非とも見ておきたい場所だったのでありがたい。

雲取山頂から三条ダルミへは、大きく下げられるので高度が勿体ないと思いながらも、その後は道が気持ちよいから許す、と思える山道を上り基調で歩く。この辺の道は稜線の少し下の南面に付けられれおり、この季節は明るく暖かくて気持ちよい。たぶん、冬でも乾いているだろう。そんな道を機嫌良く進んでいくと、やがて狼平に出た。
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さすがに狼は居なかったが、平らな地形、さほど広くはないが、ちょっとした鞍部の一面が苔で被われた広場になっており、明らかに周囲とは様相を異にしている不思議空間だった。一面の苔はフカフカして気持ちよさげだけど、踏み込んで植生を痛めても山と時間に申し訳ないので、縁から眺めるだけにするのが吉だ。縁を回り込んで向こう側に出ると裸地があった。休憩にはよいかもしれないが、傾斜があるので天場には向かない。ここは、そっとしておく場所だ。

奥多摩には他にも狼の字がつく地名があるようで、やはりその昔には狼が住んでいたのだろうな。この苔むした広場で親子の狼がじゃれ合って、満月の夜はウオーーと鳴くのが聞こえたのかもしれない。


地名用語語源辞典にあるらしいが、
〔狼、大上、大神〕
①オホ(接頭語)・カミ(上)で、「上の方。高所」を指す地名か。
②オホ(接頭語)・カミ(神)で、「神社のいます地」ほどの意か。
③イヌ科の獣の狼にちなむ地名もあるか。

ULG所感
奥多摩にはオオカミ信仰があったらしいので、③かもしれないが、飛龍山の祠が近いので、②の意味+①の意味の気もする。②の意味で人の踏み込みを避けるため狼の字を充てたのかも..など、結局は分からないが、特別な場所である予感はした。



さて、村上さんとの山歩きだが、装備的には軽量級と重量級の対比な、それぞれのスタイルで歩いた。傍目には手荷物だけの気楽な客と、一切合切を背負ったガイドさんに見えたかもしれない(笑
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村上さんは肩の力が抜けて良い感じ。
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歩こぉ♪歩こぉ♪わたしは元気ぃー♪

日も落ちてザックを降ろすと村上さんの80Lのデカザックからぞろぞろ出てくる食料と装備の数々、山と言わず野と言わず生活を始めてしまう力強さがあった。乾燥野菜を大量に投入して飯を炊き、更に炒めて胃の腑に納める。食用油のカロリーで暖かく眠られるだろう。たくさん食ってどこまでも歩く人。私は軽量派に転向する前は村上さんの本を頼りに道具を探して買い集めていたので、その筆者さんのそんなスタイルを間近に見て過ごせたのは嬉しかった。
年齢的には私がハナ垂れ小僧の頃には既に詰め襟を着ていた勘定なのだが、切り詰めた頼りない軽量装備でやっと普段の運動不足と不摂生を補っている私に比べ、長距離モードに入った村上さんの踏破力はデカ重いザックを担いでなお馬力がある。ストックを使った四輪駆動でガシガシ歩く。更に歯を矯正して男ぶりも上がっているから私など太刀打ちできないのである。

村上さんがフライパンで豪勢に飯を炒めている間、Possum Downの靴下で乾物入りα米の袋飯を蒸らす。やはり、詫び寂びの感が強い...
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そんな飯でも食えるとなると嬉しくて、つい頬がゆるんでいることが判明した写真である。寝る前に睡眠用靴下を暖めておくのは悪くない、よね...靴下から湯気が出ているが、幸いなことに芳香成分は検出されなかった。
村上さんの豪華な飯。米だけで1.5合ある。
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野菜とソーセージでオイスターソースが味の決め手だ。

早起きな村上さんに(やさしく)起こしていただき、久々に見事な朝焼けを見た。雲海の下の人たちには申し訳ないが、空気が澄んで富士もよく見えていた。
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この夜は暖かく、最低気温は2.5度ほど、NunatakのSkaha Plus EPIC仕様のダウンセーターととモンベル化繊パンツを身につけ、袋もNunatak Arc Ghost Quiltをかぶったが、暑いくらいで夜中にQuiltをはね除けて寝ていた。

起床の声を掛けて貰ったときに、村上さんが自分で焼いて担ぎ上げてきた、しっかり中身が詰まったパンを暖め、チーズまで付いた朝食を配給していただいた。自分で担いでいないので反則なのだがね..あのパンは率直に旨かったなぁ。感謝!
写真は私のTerra Nova Laser Photonと村上さんのAkto。同じ形なので対比させたら面白かろと、私も久々にテントを担いだ。Photonは800gを切るが、軽量化のため床材も薄くてフライと同じ素材はツルツル滑り、地面に傾斜あるとすぐに重力に捕まって隅っこに寄せられるのが難点と判明した。いずれ、シリコン材で滑り止めを描くことにする。

帰りに湯に寄った。バスの時刻まで30分なので、私は間に合う自信がないので少し離れた売店でビールを飲んでいたが、硬い意志で湯に向かった村上さん、そろそろ出るかと時間も押した頃からチェックしていたが一向に見えない。見捨てて帰るか、待って一緒にタクるか悩んだが、ギリギリに電話を鳴らしてみたらナント既にバス停で待っているとのこと。入って5分で出てきたらしい。カラスの上をいく。なかなか素早いので驚いた。私は、メロスのように悩んで損をした。


あんなデカいザックでいっぱい担いで悠々と山の上で暮らしてみるのも悪くないな→

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by ulgoods | 2008-11-18 10:52 | 山行 | Comments(24)
Commented by beyondx at 2008-11-18 12:38
こんにちは。
クールなセッション!素敵なコースでお二人のハイキングスタイルもバッチリキマッてますね!

靴下クッキング中のお写真、いい絵です。カッコいい。
Commented by bphiro at 2008-11-18 13:53
奥多摩の狼平も良い所ですね!
いつ拝見してもたっぷりの吉良食品の乾燥野菜入りの超旨そうな村上さんの焼き飯一度お山で喰ってみたいです(*^^)v
朝焼けバックのグリーンの2テントもイカシテマスね!
Commented by ulgoods at 2008-11-18 15:42
beyondxさん、こんにちは。
珍しくsoloではありませんでした。たまには楽しいものですね。
靴下飯、これで保温材を持たなくて良いので助かります。湯気はたぶんお湯をこぼしたせいであって、靴下が汗で湿っていたわけではありません。人としての一線は越えていないと思うのですが...

Rayのザック、縫いますよー
Commented by ulgoods at 2008-11-18 15:46
bphiroさん、ども!
そちらの狼平も良さそうですね。機会があれば行ってみたいと思っています。
耐久性はAkto、それを犠牲にして軽さを取るならPhotonかな。あの形は居住性がよいです。あと、ドアの開き方が左右違うのも、イギリスは右ハンドルの国だから?違いが比べられて面白かったです。
bphiroさんもAktoでしたね。
Commented by zzz_bear at 2008-11-18 16:14 x
こんにちは。2.5度とありますが標高はどれぐらいでしょうか?
Commented by ulgoods at 2008-11-18 16:50
zzz_bearさん、こんにちは。
標高は1740くらいでしょうか..野宿無頼派の二人ゆえ、みなまで申し上げません。
これからは奥多摩も涼しくてハイキング好適期ですね!
Commented by mobydick67 at 2008-11-18 17:12
はじめまして。いつも拝見しています。mobydickと申します。狼平は私もお気に入りの場所の一つです。三つ岩から三条ダルミのあいだはとても良い道で大好きですが、ついついビールと温泉の誘惑に駆られて下の三条の湯経由になってしまう私です。
Commented by ulgoods at 2008-11-18 17:29
mobydick67さん、こんにちは。
三条の湯へ下りて風呂ビールというのはだいぶ誘惑が強い選択肢ですね。帰りの3時間の林道歩きと何とか釣り合って、引き寄せられずに済みました(笑
ユル等高線萌としては、今度は牛王院平まで足を延ばそうと思っています。となると、三条の湯経由だな...
Commented by sugi_si at 2008-11-18 20:16
狼平はやはり不思議ですよね。何で苔?

お二人の対称的な感じがいいですね。
その表情ですと靴下はまだまだ続きそうですね。

zzz_bearさんの熊の一件が気にかかりますが、
これからは空気も澄んで景色もいいし、
お山が恋しくなります。

Commented by ulgoods at 2008-11-18 20:49
sygi_siさん、ども!
狼平、成因にも興味あります。多分、鞍部で湿っているんだと思うのです。湿原の一種なのでしょうか?掘ってみればわかるかな?って掘りませんが..
靴下は、今では違和感がありません。靴下を見るとお腹が空いて、よだれが出てきます。これ以上変なもので保温しないように気をつけます。

熊は居るんでしょうが、それなりの対策をして、あまり気にしないことにしました。
また、奥多摩あたりでお目にかかれますよう。
Commented by tortoise at 2008-11-18 21:07 x
初めまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。NunatakのSkaha Plus EPICはどちらで購入されたのですか?宜しかったら教えて頂けると幸いです。
Commented by ulgoods at 2008-11-18 21:33
tortoiseさん、初めまして。
Nunatakの製品はNunatakから買っています。店主のTomさんは私の拙い英文でも読んでくれるので、カスタマイズなどもお願いしたりします。
Clearance品などは待ち時間が短くて済むので、合う物があったら連絡してみると良いです。ドル安なのでチャンスですね!
今後とも、ヨロシク。
Commented by yasler at 2008-11-19 02:10
ああ、奥多摩は木々が枯れてきて良い感じですね。
実は三鷹で村上さんをお見かけしたんですが、巨大なザックと半袖短パンといういでたちにただ驚いてしまいました。
何ともオーラがあってエネルギーのかたまりという印象を受けました。
Commented by ulgoods at 2008-11-19 02:45
yaslerさん、おばんです。
ああ、土屋さんが言っていたのはyaslerさんの事でしたか...
あの後、野外某所で再びOFF会もどきを敢行しましたよ。私は素材、鍋、ガソリンストーブを担いで参入し、豚汁を献上して最終電車で帰りました。
夜行って朝帰る..良い場所なので、そのうち。
酒は村上さんから頂戴した焼酎を三鷹にKeepしてあるので、集まりがあれば頂きましょう。
Commented by ER at 2008-11-19 10:13 x
落ち葉を踏みしめながらの山歩きが楽しそうですね~♪
シャカシャカが伝わってきそうです^^

靴下クッキング・・・詫び寂びが伝わりました(笑
Commented by ulgoods at 2008-11-19 12:59
ERさん、ども!
この季節、シャカシャカいいますね。落ち葉のラッセルは楽しいですが、急勾配に落葉樹の堆積は足が滑って、踏ん張るので疲れます。アイゼンが要るかもと思ったほどです。

靴下、保温性は悪くないです。お試し下さい。
Commented by 村上 at 2008-11-20 09:40 x
急勾配の下りは、シリオの重登山靴では、何ともなかった。グリップ力とか、安定性はやはり勝る。重さ1キロだからね。何か、利点はあるよ。今回、スポーツ用のふにゃふにゃインソールを使った。これは失敗。帰りに、ソルボに交換した。靴ひもも丈夫すぎて締めにくいので、取り寄せ中。靴は何回か履かないと分からない。何回か履くと潰すけど。
Commented by ulgoods at 2008-11-20 12:55
村上さん、先日はどうも。
シリオの中で滑っていたようですが、お馴染みのソルボの登場で解決でしょうか。私、中敷きを足に合わせて作ったことがありましが、微妙な凹凸が合って、滑ることはありませんでした。尤も、接着が取れていまはパーツ毎にバラバラ状態です。
私は靴より体の重量が問題ですね。膝と踵が辛くなってきました。
村上さんの装備の耐用年数は平均2年というところでしょうか(笑

富山も雪でしょうね。
Commented by Yoshio at 2008-11-26 19:10 x
狼平は,キャンプサイトには適していないんですね。そっかぁ。

Possum Down についてお聞かせ下さい。グローブ(BPL)は,伸縮性が良く手にフィットするのですが,簡単に毛が抜けて困っています。グローブを脱ぐと手に付いているし,パンツにも簡単に付きます。電車のドア付近の手すりを掴んでいても,手すりに毛が付きます。ソックスは,その点どうなのでしょうか? 洗濯は,怖くて出来ません。

Commented by ulgoods at 2008-11-27 09:02
Yoshioさん、狼平は、そりゃ、あのフカフカそうな苔の上で寝たら天国でしょうが...植生と心が痛むのでやめておきましょ。
満月の夜、周辺の裸地にBivyで転がるのはアリかと思っていますが..鹿が集まるらしいので踏まれるかもしれません。
Possum DownはBPLのモノですが、毛が抜けたりのトラブルはありません。どちらのモノをお使いですか?洗濯は、今シーズン一回やろうかな。優しく手洗いしてみます。
Possum Downはニュージーランドから通販でいろいろ買えるようです。
Commented by Yoshio at 2008-11-28 18:43 x
グローブは,BPL の PossumDown です。ウェブにあるように毛が長いタイプになります。素材割合が同じでも,毛の短いソックス(BPL, PossumDown)とは(織りにより?)性質が異なるようですね。使い勝手を考えると,毛の短いタイプ(NZ)の方が良さそうです。

TrailDesigns のウェブ(Gallery)で,Glen Van Peski 氏が着用している手袋は,これではないでしょうか。パイオニアを見習えばよかったぁ。グローブ(BPL, PossumDown)は,お勧めできません。
Commented by ulgoods at 2008-12-02 07:02
Yoshioさん、Possumは主に就寝時用なので、手荒に使っていないので抜けのテストは出来ていませんが、気をつけます。
以前、飲み屋で帽子を無くして悔しい思いをしたので、普段使いは出来ないです。
NZ,いろいろあるようですが期待したほど安くはないので直輸入ためらい中。
Commented by mobydick67 at 2008-12-24 17:04
ulgoodsさんこんにちは。週末に三条の湯に寄った際、私も興味があったので小屋のご主人に狼平の名の由来を訊ねてみましたが、三峰神社も狼を祭ってあるので、むかしこのあたりには狼がけっこういたのじゃないか、というあいまいな答えしか得られませんでした。ちなみに切り株がいくつかあったと思いますが、あれは10年ほど前にヘリポートとして使用できるように切り倒した名残りだそうです。切り倒す前は今のように更地ではなく、まばらに樹木が立っていたようです。気になって三峰神社のホームページも見てみましたが、神社内に博物館があるようなので、そこに行けばさらに謎が解けるかもしれませんね。なんか狼の護符というのも欲しいなあ。今度行ってみよう。
Commented by ulgoods at 2008-12-25 03:44
mobydick67さん、ども!
奥多摩には狼信仰があった(ある?)らしいです。その昔は狼もいたのかもしれません。
しかし..昔からああいう場所かと思ったらヘリポート用に樹木を伐採したのですか...なんと!
とは言っても、踏み込めない雰囲気はあるので、私は立ち入らないようにいたします。
昭和時代の本を読んだのですが..狼の護符、狼は畑を荒らすイノシシや鹿を追い払う御利益があるらしいです。
奥多摩の山の講をやっているお家に行けば大山神大神の文字と山犬(狼)が彫られた版木が出てくるかもしれませんよ。
狼とは直接関係ないですが、赤指尾根の指(ザス)は焼き畑を表す地名らしく、探せば焼き畑の痕跡と、祠の痕跡くらいはみつかるかもしれません。
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