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積ん読の山を越えて

積ん読の山を越えて

先日来、blogはお留守で読書三昧であった。
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丹波天平を歩いた際に気になった山の廃屋、山で暮らした人たちの生活が気になって、Webでチラッと見たキーワードを手がかりに古い本を収集した。今回加わった積ん読の山脈は、山村民俗の会が編集した山シリーズ山と民俗、全15巻の2/3ほど。この会は昭和13年に設立され、現在もなお「あしなか」という会報を280号を超えて発行し続けている。HomePageによると「昭和13年創立以来、山村を中心に、自らの足で歩いて、見て、聞いて、そこに在る民俗文化を考え続ける在野の会です」とのことだ。本はあちらこちらから買い集め、まだ不足はあるが多くが揃った。平成元年に刊行された本であるが、話の内容は昭和の古い時代に取材されたもので、加速度的に消えゆく、あるいは既に消滅した山の生活を記録している。

現在、我々が利用している登山道であるが、これは登山者のために新たに開かれた道は少ない。かつて、かなり奥深い山の中にまで人の生活はあり、樹木や獣、あるいは鉱物などの資源を利用して生業を立てており、山道はそれらの人々の生活路、交易路、あるいは生活の場そのものであって、現在の山歩きで利用されている道はその一部が細々と維持されてきたものである。人が入っていない山など無い状態で、森林も大方が伐採され尽くした跡を我々は見ていることになる。当然、往事に栄えたり消滅した暮らしもあるわけで、山道を歩いていると時折その遺構や、地名に投影された人の痕跡を認めるわけである。

こりゃ、読まずに歩けまい、というわけで、一番濃そうな山脈を掘り出した訳だ。
いままでの催眠性な洋書の山脈に加わった古本の臭いのする山の民俗の積ん読の山。超えるのは容易ではないが、興味のある所を拾い読みして繋げつつ、かつ山を歩き、時間に埋もれた彼らの息吹を感じることができれば、私も少しは深まるかも、と思っている。
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奥深い山で、逞しくも敬虔な営みが、そこに在った。
一部、現在の山の民俗がこちらで垣間見られる...

by ulgoods | 2008-11-11 06:46 | 駄文系
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