積ん読の山を越えて

積ん読の山を越えて

先日来、blogはお留守で読書三昧であった。
e0024555_6421292.jpg

丹波天平を歩いた際に気になった山の廃屋、山で暮らした人たちの生活が気になって、Webでチラッと見たキーワードを手がかりに古い本を収集した。今回加わった積ん読の山脈は、山村民俗の会が編集した山シリーズ山と民俗、全15巻の2/3ほど。この会は昭和13年に設立され、現在もなお「あしなか」という会報を280号を超えて発行し続けている。HomePageによると「昭和13年創立以来、山村を中心に、自らの足で歩いて、見て、聞いて、そこに在る民俗文化を考え続ける在野の会です」とのことだ。本はあちらこちらから買い集め、まだ不足はあるが多くが揃った。平成元年に刊行された本であるが、話の内容は昭和の古い時代に取材されたもので、加速度的に消えゆく、あるいは既に消滅した山の生活を記録している。

現在、我々が利用している登山道であるが、これは登山者のために新たに開かれた道は少ない。かつて、かなり奥深い山の中にまで人の生活はあり、樹木や獣、あるいは鉱物などの資源を利用して生業を立てており、山道はそれらの人々の生活路、交易路、あるいは生活の場そのものであって、現在の山歩きで利用されている道はその一部が細々と維持されてきたものである。人が入っていない山など無い状態で、森林も大方が伐採され尽くした跡を我々は見ていることになる。当然、往事に栄えたり消滅した暮らしもあるわけで、山道を歩いていると時折その遺構や、地名に投影された人の痕跡を認めるわけである。

こりゃ、読まずに歩けまい、というわけで、一番濃そうな山脈を掘り出した訳だ。
いままでの催眠性な洋書の山脈に加わった古本の臭いのする山の民俗の積ん読の山。超えるのは容易ではないが、興味のある所を拾い読みして繋げつつ、かつ山を歩き、時間に埋もれた彼らの息吹を感じることができれば、私も少しは深まるかも、と思っている。
e0024555_6422830.jpg



奥深い山で、逞しくも敬虔な営みが、そこに在った。
一部、現在の山の民俗がこちらで垣間見られる...

[PR]
by ulgoods | 2008-11-11 06:46 | 駄文系 | Comments(13)
Commented by yasler at 2008-11-11 12:49
廃屋というと鴨沢からの登りの途中や石尾根の終わりのあたりにもありましたね。
田部重治の本によると尾崎や大久保という部落があったそうです。

長沢背稜近くの天祖山にある無人の神社や祠もいわくがありそうで今度調べてみようと思います。
山岳の本というと阿佐ヶ谷の穂高書房という書店が気になります。
一度通りかかった事があるんですが、定員オーバー(3人くらい)で入れませんでした。
Commented by ulgoods at 2008-11-11 13:00
yasulerさん、こんにちは。
長沢背稜の祠は、仙元峠の跡ではないですかね?秩父との交易ルートで、かつては日原の一石神社もたいそう栄えたそうです。一杯水の辺りは昔の荷物の交換場があったらしいし、ダワ尾根の途中には神社の両替所があったりと、いまでは信じられないほど活発に人が通っていたようです。
穂高書房...雪崩に遭わないように(笑
Commented by 神保町方面編集者 at 2008-11-11 15:13 x
これはまた大変面白い山に進まれてますね。素晴らしいです。研究の成果、折に触れて発表してください。
Commented by rwalker at 2008-11-11 18:53
興味深い全集ですね、私も探してみます。

>あしなか

前半分の草鞋ですね。
これの存在が、踵で踏む歩法説の最大の難敵です。
職業で歩き方が違ったのか、使い分けていたのか?
Commented by ER at 2008-11-12 01:33 x
小さい頃から「お化け屋敷」といって探検していた安達太良山中の廃坑のボロ小屋なども、私が知らない歴史や人々の暮らしがあったのでしょうね。

いろんな本を読んで背景を知ると、いつも歩いているところでも違ったモノが見つかるのでしょうね♪
Commented by ulgoods at 2008-11-12 06:54
を、神保町方の旦那!
地名に見る山の人の活動の跡など興味深いです。研究と言うほどではないですが、地図を見るとカタカナで不思議な地名があったりするので、その辺を解釈できるようになりたいと思っていました。
ま、山歩きの蘊蓄として...
Commented by ulgoods at 2008-11-12 07:02
ERさん、ども!
廃屋に限らず痕跡は残っていると思われ、わざわざ探し歩きはしませんが、思いを馳せるというのでしょうか、そんな感じ。
高桑信一さんの本でも、かつて山の奥に栄えた材木切り出しの街など出てきますが、少し気味悪いけど行ってみたい気がします。
Commented by ulgoods at 2008-11-12 07:27
rwalkerさん、
あしなか、悩ましいのですか?あれは昔のダイエット用健康サンダルのようなものです。というのはうそ、カカトは丈夫なので省略しているらしい。合理的です?
Commented at 2008-11-12 07:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ulgoods at 2008-11-12 13:00
rwalkerさん、Hut2斬、裏庭でテスト中です。
数日寝ましたが、なかなか住みよいです。
Commented by m&M at 2008-11-12 15:13 x
こんにちは
寒村の丹波周辺は何か妙に興味が湧いてきますね。
特にサヲウラあたりは静かなのに、ヒト気と獣気がムンムンで、、、、
私も去年の12月に彷徨ってみました。
根が釣師なので、小常木林道のほうを優先していまい、気になってはいましたが残念ながらでんで~ろは先延ばしにしてしまいました。
来る冬枯れには是非行って見ます。
Commented at 2008-11-12 16:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ulgoods at 2008-11-13 08:29
m&Mさん、あの辺りの渓も釣れるですか..ちょっとだけ、魚釣りもやってみたい気がしておりました。
釣りの人は山の一番深い所に分け入っている組もしれないですね。
山の本をいっぱい読んで、丹波の秩父側の大血川とかの地名に脅えなくなったら峠を越えて行ってみたいと思っています。
<< いい天気だ たばでんでえろ~飛龍山 >>