八幡平から田沢湖 1日目

備忘録ゆえ、だらだら長文である

そうだ、東北があるぢゃないか!と行く気が固まったのは、どこか山へ行きたいと思っていた2日前のこと。本州に台風が接近している中、東北北部に天気予報で晴れの連続マークを見いだしたのが始まりだ。東北と一括りにしても青森・岩手・秋田は特に奥羽三県とも呼ばれる更に奥まった一括り。我が郷里では首都圏を直撃か!といった報道の台風ですら避けて通るので平気なのである。まだ紅葉には早いが紅葉になれば恐ろしいほど道が混むエリアでもあり、行くなら今かと思いWebを漁ると八幡平辺りの詳細な記事もあって、アクセスを調べてみたら八幡平頂上まで路線バスが運行されており、起点の盛岡までは東京からで夜行バス5000円というお安さ。これは、行けと言われているに等しいではないか。行かない理由は少ない。くたくたしているとボヤッとした週末になるので、先ずは速攻でバスを予約した。実は、夏にギクーリ腰をやってしまい、そのついでに二十数年前の肉離れ箇所の痛みが再発し、歩くことが困難かつ恐怖になっていたのだが、これを克服するには歩き込むしかないと確信していた。よーし、気前よくどんどん歩くぞという意気込みで八幡平から田沢湖まで歩く計画を持った。

■9/20 夜行バス
出発の土曜日、一日掛けてアライのシングルツェルトの足元に換気口を開けたり、あれやこれやと悩んだ荷物が完成したのは夜の9時くらい。バスは丸の内南口を夜の11:30発だからまだ少し余裕があるのはありがたかった。盛岡着予定は朝の6:30である。バス中の詳細は省くが、小一時間くらいは寝られたであろうか。お安いバスをギリギリに押さえたので文句は言わないが、席は運転席と反対側の最前列の通路側であり、運転席と客室間にカーテンを置かないバスだったので、高い場所にある客室の私の席は高速道では対向車のハイビームが直撃まくりであった。窓際のお隣さんは少しライトが陰になるのと、夜行バス慣れしているようでで、よく寝ていらっしゃる。ちょっと恨めしい。こちらにもたれてきたときは肩をすかしをしてやる。こっちが眠れないのに睡眠野郎の頭を肩で受け止めて差し上げるほど人間ができていないのであって、消極的にではあるが熟睡に協力はしない。
早朝の盛岡、路線バスは9:47だから3時間くらい時間を潰さねばならない。朝一の新幹線でちょうどくらいの設定か、世の中はお金を使わないと時間を使うように出来ている。私は山道具には金は惜しまないが、山歩きには金は掛けない主義だ。このままバス停で待つのが主義的には正しいのだが、眠らないと事故や何やで高くつく。幸い駅前にサウナがあったので、何度か躊躇しも結局は一風呂浴びて仮眠を取ることにした。サウナ代金2000円也はちょと痛いが仕方ない。一風呂浴びてサウナ支給の服に着替えていたら、おお、肩すかしを呉れてやったお隣さんがいるではないか!聞くとやっぱ夜行で来たらここで一風呂浴びるのが基本らしい。その後、休憩室で生ビールを干してリクライニングシートで2時間ほど仮眠できたので元は取った感じ。サウナから出ると雨になっていた...やはり駅前広場で寝るのはできなかったのだ。サウナで正解であった。
松屋で飯を食ってバス停に行ったらバスが来た。列の前の人に、このバスでよいのか聞いたところ、どうもそのバスは9:40の観光バスらしい。いろいろと寄り道するので八幡平頂上へは後の路線バスが先着とのこと。しかも、日曜だったので800円で路線バス乗り放題切符があると教えてくれた。を”、知らなかった。慌てて券売り場へ走ったり400円くらいお得。ビール代を取り戻した感じで嬉しい。

■9/21 黒谷地 11:33
バスは市内を抜けて、何とか牧場とかバス停を通過し、雪シェルターの連なる道をぐいぐい登って頂上に近づいて来るが、私は頂上の一つ手前の黒谷地で下車と決めていた。ここから頂上まで、湿原を歩くことができると先人のWeb記事で読んでいたのだ。通はここから歩くらしい(後になって過ちと後悔)。広い湿原に私一人..あいにくの雨で誰もいない。さい先が良いのである。この辺は観光地だから木道も整備され非常に歩きやすい。MontrailのHardRock、トレラン靴は木道では抜群のグリップだ。
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高層湿原と地糖を縫うように順調に歩を進めた。頂上が近くなって八幡沼に沿って歩くとやがて沼のほとりに小屋が見えた。小屋というかログハウスで陵雲荘とある。こんにちはー、とガラリ戸を開けたがこの時間だから空であったが、内部には立派な北欧製っぽい暖炉に使う薪ストーブが置かれていて目を惹く。新しいのかな、立派かつ清潔だ。トイレを拝借したが、重力式ではあったが室内は清潔でかすかに檜の香りもする。紙の類も補充されており不安はない。私は手動ウォシュレットを持っているので紙の量は削減できた。後で裏に回ったが、大きな浄化槽が埋められている様子だ。沼の辺でもあるから水質対策に抜かりはないのだろう。
折から驟雨が湖面を駆け抜ると、ああ、ここで一泊、別荘代わりに暖炉でぬくぬくと酒を飲むのも悪くないという邪な思いが頭をかすめたが、まだトレッキングは始まったばかり、八幡平トレールの入り口前で逗留している場合ではないと、自分に鞭打ち雨の中に出ていった。
ここで約20分休憩。

■レストハウス 13:18-13:32
レストハウスにはバスが着く。食堂も土産物屋もあり、地下方向に三階建てだ。ここのトイレで水を汲もうと思ったが、飲料に適さずと張り紙があったので止めて仕方なくポカリを一本買った。ここもヌクヌクと後ろ髪を引くのであるが、食堂で飲むといくら金を遣うか判らないので、やはり雨の中に出ていった。
外に駐車場事務所みたいのがあり、ログハウス風でレインジャーも常駐していそうな感じだったので殊勝に入山届けをと立ち寄ったら、あ、この辺ではそういうの無いから..と言われて少し肩すかしを食った。田沢湖まで歩くんでぃ!と言ったら、だざわこぉ?とあしらわれてしまった。珍しくもないか、あるいは呆れられたか。まぁ、良い。これで浮き世への未練が断ち切れたゼと寡黙に雨へ歩を進めた。ここからはしばらくは舗装道路を歩く。13:42、舗装走路と分かれ、やっとトレイルの入り口に着いた。今日の宿は時間的に大深山荘だろう。あああ、バスで頂上まで来ていれば2時間くらい節約できたはずで、実はこれは翌日の行程に大きく影響する。初日に更に向こうの八瀬森山荘に到達しないと翌日は順当に田代平山荘に着くのは難しいのだ。ま、仕方ない、降りたいところで降りて歩いて、寝むりたい場所で寝るまでのこと。

■トレイル 13:42-
地形的にはキツくない。が、トレイルでは雨、笹、湿地の泥濘が待っていた。思ったより歩が捗らない。少しだけ後悔。が、滑りながらも歩いた足跡を見つけた。まだ新しい。同じバスで頂上に直行した先発の人であろうか?姿は見えないが人が入っていることが判って少し心強かった。
畚岳下 13:58
諸桧岳 14:41
嶮岨森 16:12
道はすっかり藪に埋まっていた。久々の山歩きには堪えるが、時々開けて湿原や池、背の低い笹原が出現し、ガスっていたが歩いていて楽しい。高低差もさほどではないが、登っては降ろされ、下っては上げられといった感じ。雨の笹藪は頼まれても歩かないが、来てしまったものは仕方ない。一応ツェルトは持っているが、張れるような土地は一切無いから今夜のお宿まで歩くしかなさそうだ。5時までにはと思っていたが、16:52大深山荘着。これまたログハウスだ。
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■大深山荘 16:52-
ここは無人の避難小屋である。おそらく、バスで頂上まで直行して日没まで歩けば次の八瀬森山荘まで行けたと思うが、初日だし、雨で濡れたしで、本日は終了し、大深山荘泊とする。
入り口の外に靴が並べてある、ああ、ここで脱ぐのかとドロドロの足こしらえを解いて入った。小屋はまだ新しい感じ。土間がない。こんにちはーーと玄関からの戸を開けて中に入ると、中の人たちは既に宿泊体勢が整っているようだ。一階に3,1,1人、二階に1人が陣取っている。ゆったり使える。私は一階の片面の半分を占めることができた。充分広い。二階はあと3人はいけそうだった。
皆さん、室内でガスストーブを使って湯を沸かすので少し湿っぽい。土間がないので床の上でストーブを使うのもどうかと思ったが...そういうしきたりなのかな?私は固形燃料だけの敷き板もなかったので屋外でチマチマ湯を沸かすことにした。水場は歩いて数分の所、湿原の木道脇に水が湧いていた。冷たくて透き通って旨い水だった。飯の前に腹一杯水を飲んだ。幸せ。
飯は、今回はアルファ米だけでなく、ヒジキと板麩、味付けは顆粒の昆布出汁とちょっとだけ工夫した(翌日分の写真は次回)。これらをビニール袋に入れて湯を入れ保温して待つ。例によって袋メシだ。カップが小さいので一回200ccしか沸かせない。湯を沸かし飯を蒸らし、乾物で湯が足りないだろうからまた湯を沸かして追加し、さらに沸かして味噌汁を作る。前回の使いかけと4gエスビットを1.5個使って食事の準備ができた。湯沸かし中にプラティパスからバーボンを飲むと、ゆるっと肩の力が抜けた。辺りがとっぷりと暗くなった頃、一人小屋の外、フジッコの塩昆布を忘れてきたので、ゆかりを振りかけて、マイナスイオンをおかずに飯を食う。袋食なので食ったらゴミを入れて口を結んで後始末も終わるので楽でよい。袋はまだ沢山あるのだ。
部屋に戻り、酒を飲みつつ明日の地図を眺め、隣の人が沢を遡上した話を聞いて、ラジオはイヤホンを持っていないので聞くのを憚り19時には寝てしまったのだろう。
避難小屋の夜は遠慮がちに会話もなく静かに過ぎていた。

二日目につづく


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by ulgoods | 2008-09-29 02:32 | 山行
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