igloo 生活編

igloo 生活編

igloo内での生活は思ったとおり快適だった。
というのも、入り口を底面の直径の1/3程度まで、深さ膝上まで掘り込んであるから、ちょうど、掘り炬燵のヘリに座っているような、そんな体勢が取れるのが楽だ。壁により掛かると楽!もう一つ、igloo帝国では金属スコップを持っている人が王様だ。削る盛る、何でも如意!
先ずは出入り口の上に雪玉をくっつけてロウソク台にしてロウソクを灯した。

今回はBrunton ACDをセットしてigloo内の室温と湿度を30分おきに記録した。野外には最低気温を記録できる温度計を放置してあるから、後で最低気温を付き合わせることで、暖かいと言われているiglooの暖かさが測定できる。
換気であるが、空気より重い二酸化炭素は出入り口のトレンチから外に抜けるので問題ない。内部で火を使うのだが、一酸化炭素に関しては、とりあえず天井付近に直径2cm程度の小さい穴を3カ所開けてみた。ここを通って一酸化炭素がユルユル抜けてくれればありがたい。一応、頭より高い場所に一酸化炭素警報機をセットし、不測の事態に備えた。

室温と湿度の経過グラフを示す。赤が室温、青が湿度を示している。
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この時間軸に沿って、igloo生活を振り返る。

・夕飯調理
煮物をやったので急速に室温、湿度とも上昇した。室温は8度にもなり、さすがに天井から滴も落ちた。湯気が立つせいで湿度も急上昇した。余分な湿気は壁に吸収されるのだろう、衣類や寝袋類が湿気る感じは全くない。その分内壁の雪が緩くなるが、後で冷えて凍れば強度も増すだろうし、壁の厚さは25cm程度もあるのだ、少しくらい表面がグズグズになっても強度に問題はないと思った。

今回は、調理暖房用にはガソリンだと予熱時にCOが大量に出るので、Colemanの液出しPowerMaxを持ってきた。ガスも大きな缶で2本あるから、調理も暖房も好きなだけ使える。
食事は、いつもは、質や量より軽さで選ぶ食事になるのだが、最近はそれではイカンと富山方面の村上さんから言われているので、しかも肉体労働後だし、苦楽を共にしたSGT.Mに腹一杯たーんと食ってもらいたくって..ちょと飯らしいものを用意してきた。といっても、常温保存できるおでん(おつゆ入り)二人前だが..これに常温保存の魚肉ソーセージを入れて増量する目論見。どーせ魚の練り物系同志だから相性は悪くあるまい。常温モノはどちらかというと旨くないのだが、人に食べてもらう時は途中の電車が暖かいので食材が悪くならないように気を遣う仕方ない。今回は不評の際は味をごまかすためにチューブのカラシも持参した。

調理終了時で室温が最高を記録しており、8度を超えている。羽毛服など着ていたので暑い。


・食事中
火を使うのが終わって徐々に室温が低下するが、暖かいままで水蒸気だけ無くなったので湿度が急速に低下した。
食事は掘り炬燵に腰掛けて食べたので姿勢が楽で助かる。

最近は食べていなかったが、この頃の常温魚肉ソーセージは昔のツルツルなビニールのようなモノ(どちらかというと好きではなかった)とは異なり、ふっくらして旨そうであったし、おでん入れて煮込んだらふっくら炊きあがり、ハンペンの代用としてはまあまあ使えた。その他の具もなかなかいけたので、おでんは成功だ。
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おでんの後で、汁に水と粉末のうどんダシを追加して、これで乾燥うどんを食った。これは大失敗。乾麺から塩っ気が出てヒジョーに塩辛い。ラーメン系にした方が良かったなぁ。SGT.Mがこの味が苦手そうだったので、ほとんどを私が食べた...うっ

食事中は中太のロウソクを3本点灯した。内部が白で雪の結晶らが光を良く反射するから、これだけでも驚くほど明るい。
雪の家がロウソクの暖かい光で満たされた。

・酒飲み中、警報鳴る!
雪の中で呑むならキーンと冷やして旨いウオッカだろう、ということで500ccほど持参した。肴はタタミイワシ、エイヒレ、乾燥タラなど居酒屋系とチーズなど。これも豪勢に担いできた。乾燥魚系はロウソクの火に炙って食べた。美味。宴会なので喫煙もする。二人ともニコチンジャンキーなので、構わず吸う。ロウソクを点けると一本につき0.5度程度室温が上がるのが分かった。

至極快適..な時だ、CO警報機のランプが光り、警報音が鳴りだした。
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を”、CO発生中かぁ!この警報機は現在濃度ではなく、いままでの一定時間のCOの積算値に対して反応する。そりゃ、火を焚いて調理し、ロウソクも点けて、なおかつ煙草も吸ってではCOが発生していない方がおかしい。やっとこの時間になって警戒値に達したわけだ。
最初の警報が鳴ってもすぐ死ぬというわけではない。とりあえず、この濃度で240分は安全だ。折角なのですぐに逃げずに何か対策をして解決しようと思った。うるさいのは少し我慢する。対策としてCO発生源を止めるのが一番だから、先ずはロウソクを消した。タバコも消した。が、すぐには反応しない(積算値だから)ので、しばらく警報の中で酒を飲んでいたが、何ともうるさい。一応は対処したのでボタンを操作して警報音を消した。USの法律らしいが、一回だけ警報をキャンセルできる仕様だ。警報を切っている時間中に対策が功を奏して警戒値を下回ればそれでヨシ、駄目なら今度はスイッチ操作では警報は消えないことになっている。
が、再び警報が鳴り出した。警戒値より下がっていないのだ。これはマズイ。というわけで、換気を見直すことにした。下は出入り口が掘り込んであるのだが、上は先に書いた小さな穴を3つしかない。これは暖気を逃がしたくないココロなのだが、これが不十分なのだろう。雪の弱そうな所にアタリをつけ、缶を押し込んで本格的な換気穴の建設に取りかかった。天井は思ったように薄いので、グリグリやっていたら、ぽっかり穴が貫通した。最後は正拳突き一発ティエエエイと仕上げた。ので、穴の太さは拳のサイズである。
これで駄目なら..穴を大きくするか、暫し野外に退去するか、あるいは放棄して外で寝るか..どーしようかねぇ?とか言いながら様子を見守った。新たな換気口と出入り口の気流がリンクしたようで、吐く息の白いのが、すうっと上に抜けていくのが見えた。これで駄目なわけないでしょ、とか話していたら、ん?警報が消えた。
なるほど、細い穴では壁面も長くて空気には抵抗になるから、実質的には作用していなかったわけだ。小さく何個か開けるより、デカイの一発の方が効率は遙かに良い。
そんなこんなで、気付いたら11時を回ってしまった。
酒も飽いたし、COの心配もないので寝ることにした。

・睡眠
外が何度かは知らないが、とりあえず暖かい。
羽毛服を着ていたからWM Versalite寝袋の上は腕を出して寝ていた。
濡れを嫌ってTitanium GoatのEPIC Bivyを使ったが、マット類を中に入れなかったのは失敗だった。リッジットレストとサーマレストを併用したが、雪の床のこと、何とも納まりが悪い。
朝にはリジッドレストはトレンチに落ちていた。運が悪ければ私もトレンチに落ちて、滑り台に乗ったように排出されていただろう。寝床凹面に掘れば良かったんだなと思ったが、寝ている間は面倒なのでそのまま寝ていた。朝方少し冷えて、上半身も寝袋にもぐったが、基本的にはのどかな一夜を過ごすことができた。
睡眠中は気温も下がり、内部に水蒸気発生器が2体あるので湿度は高い。94%前後か。
夜中にトイレに立ったSGT.Mの話では、見事な星空だったそうだ。

・朝食
朝食で火を使い湯を沸かした痕が温度湿度に表れている。
朝は私はコーヒーだけ、SGT.Mはラーメンを食っていた。
向こう側から朝日が射し込み、雪の蒼が一段と美しい。清々しい朝を迎えた。

季節も春になろうとしているから暖かい夜だった。外気の最低は-4度を下回る程度。igloo内は-0.5度だった。出入り口開けっ放し&屋根に拳の換気口だったが、人間二人の発熱で+4度ほど稼いだことになる。保温性は良いね。
壁に接触した状態の湿度計では94%以上の湿度を記録したが、寝袋類に結露は付かなかった。乾燥した状態で目覚めることができて爽快!

外に出たら、雲海の上に青空で、白根、御嶽、中央..全部、白い頂がクッキリ浮かんでいる。見事なパノラマだった。
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この日は帰るだけだから、ウダウダとiglooの周りで過ごした。SGT.MがIntegral Designsの新作、SilDomeを張って見せてくれたり。
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撤収も済み、名残惜しいがピラタスに降りて温泉でも思っていた時、昨夜縞枯某所で張った二人組が訪れてくれた。エッヘン!これ作りましたぜ!というわけで、自慢げに、中を覗いてもらった。
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汗して積んだから、お褒め頂くと素直に嬉しい。時間があったら中で過ごしてもらいたかったが、一緒に下山することとした。

今ごろどうなっているだろう?
暖かかったから..まず、屋根が落ちたはずだ。壁体はまだ痕跡が残っているかもしれない。
次回作る時は確実にもっとマシに作る自信がある。早い時期に作れれば、壁の厚みも増して、また冷えるにしたがって強度も増すから、埋まっても入り口だけ掘り出して何度も別荘代わりに使うこともできるかな。楽しみだ。

話しに漏れた写真たちギャラリー
燭台
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メガネ置き場にも困らない。壁に突き刺した。
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燭台は熱で上の壁が面白い形に融けた。朝には明かり取りの窓になった。
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専用のドア、というより暖簾か。下に雪を入れて重くするポケットがある。
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型のエンボスもクッキリ出た。
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白い峰峰、igloo越しに
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朝日が透けて蒼い壁
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iglooも朽ちているんだろうな..なんか懐かしくてちょとだけ切ない。
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by ulgoods | 2008-03-23 12:14 | 生活系
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