風に吹かれて 白根三山縦走二日目 その壱

なぜ5時に目が覚めたのだろう。きっかり5時だった。たぶん周りが5時で活動を開始したのだろうか。どれどれ、と私も鷹揚に片肘ついてジッパを引き下げ外を見た。既に遠くの空は赤みが差すが周囲は海底のような深い藍色でヘッドライトが動いていた。富士はモッコリと山の形のままで黒い雲に被われている。
まだだなぁ...もう少し待つことにしてジッパを閉じた。
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そろそろか、次ぎに開けると、やがてそれは始まった。下層と上層の雲の間に登った太陽はその両面をオレンジから茜へのグラディエーションを付けながら染め上げてくる。そうすると不思議なことに光の圧力に押さえられて雲の波も凪ぐのか、富士もスッキリ姿を現し出した。これよ、下界の雲上で繰り広げられるショーの始まり。今日の生まれたこの場所に居られて良かったと、そう思う。
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やがてショー終わって辺りは長い影を映す朝になった。今朝も風は強い。

ヤベ、まだ暗い5時には出るんだったっけ...しかし14時間寝たおかげか、疲れも取れ、酸欠にも少し慣れたのだろう、動こうという気が湧いていた。いつもならキャンプサイト最終組の私だが、今日はさっさと事を始めた。
朝食は特に湯を沸かして摂ることはしなかった。昨夜の残りが体にあるだろうから、ナッツだけ放り込んで、でも良く噛んでドロドロにして胃に流し込む。とりあえずはこれで充分なはずだ。
さっさと食ったら体を起こしテント内のパッキングを始めた。先ずはテント内に散らかった物を着替え袋、食料袋、その他用の袋に分類整理する。その他袋の中は機能別に更に小分け袋に分けたり、必要ならAlocSackで防水してある。何であれ、袋に入れずに直接ザックに放り込むことをしないのが結局早い。
さて、中が片づいたら風が強いのでテントから抜けてすぐに骨を抜いて撤収に掛かった。のでテントの写真がない。今回のザックは背面フレームがないMLDのZipなので、先ずはマットを抜いてザックの骨格を作ってやらなければならない。来る時はマットを円筒状に巻いたが、ザックの容量を食われるのとザックが丸く仕上がってしまうのを嫌って今日は背中側に平坦に折り畳んで入れてみる。雨が予想されていたのでSeaToSummitの35L防水ライナーを押し込み、先ずはスピンのスタッフザックに詰めたQuiltを放り込み、次ぎにテント、防寒具、着替え、食料の順で入れて防水区画を閉じ、その上に雨具類、その他袋の順でザックの中に積んだ。カメラ、行動食等は別途MFDのベーベーポーチに入れた。この中にも2Lの防水ライナーを入れてある。今回は徹底的に防水だ。ベーベーポーチはスペクトラ生地の薄いA4サイズのポーチで肩から袈裟に掛けてからザックを担ぐ。腰の少し上に口が来て邪魔にならずに日用品と緊急用品を放り込めるので便利だ。ポーチが揺れて前に来ないようにショルダーストラップに100円カラビナで留めるのがミソ。

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と、準備ができたのは6:05だった。出がけに山荘で水を1.5Lほど補給した。天水は全部セイシェルを通して使うことにしたが、今年の水は色も匂いもなかった感じ。でもセイシェル通す!

間ノ岳 7:26 風でよろめく
トレッキングポールとしてODBoxのFoxTailを持ったが、これはすぐに短く折りたためるので、岩場では面倒くさがらずに畳んでベーベーポーチに入れて両手を解放して安全に渡ることができたのは良かった。
風が強いがmontbellのウインドシャツはよく効いた。体が冷えるのを防ぐし、少しジッパを開けると熱を逃がして快適な状態を長く保つことができた。
しばらく間ノ岳頂上横の平坦地にヘリが何度も荷下ろししてるのを見てた。道整備の資材だろうか?
さて、ここから農鳥方面は初めての道になる。
農鳥小屋 8:30 
ここで雲行きが雨っぽかったが、西農鳥岳への登りの途中で雨になった。少し様子を見たが続きそうなのでmontbellのブリーズドライテックの雨具(上はUS仕様のPitZip付き!)を付け、待ってましたとGoreTexの靴下を履き、すぐさま雨装束を完成した。
今回の足元はMontrailのHardRock、いわゆる非GoreTexな運動靴である。ここまでは蒸れずに調子良い。岩場の通過も問題ない。底がガチガチの登山靴とは勝手が違うが、しなやかに歩けば良くグリップも効くものだ。
西農鳥岳 9:49
農鳥岳 10:31 雨が上がったので雨具系を脱ぐ
ここまで結構時間が掛かってしまった...
大門沢下降点 11:19
暫し岩稜との別れを惜しむ。ここでもナッツだけで済ませた。
途中で抜きつ抜かれつ顔なじみになった数組を先にやり過ごし、やがて私もハイ松の中、下降に入った。
実はここからが長く、珍道中の始まりだった。


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by ulgoods | 2007-09-20 03:52 | 山行 | Comments(7)
Commented by べー at 2007-09-20 12:10 x
綺麗な朝焼けですねー。やはり雲がないと色気がでませんね。

修理したMLDのZIPも活躍しているようで良かったです。取れるようなことはなかったですか?
 うちのZIPは一度も出られていないです。秋にでも使おうかしら。
Commented by ulgoods at 2007-09-20 12:51
そうですね。影がないと山肌が平坦にしか見えないように、雲がないと空気は色づかないです。
MFDに修理してもらったMLD Zipの修理箇所はお陰様で大丈夫でした。弱点が分かったので少し気を遣います。
こちらはProphitが来るまでZipが活躍しそうですよ。
冬用ザック探し中...
Commented by azm at 2007-09-20 22:02 x
どもazmです。
かしいだアングルがドキュメンタリーですね。
自家製トレイルミックス、加藤文太郎ばりの携帯食も進化したものですなー(^^¥
荷が軽ければ、足元もグリップの効くローカットのアプローチシューズの方がやはり軽いし、足の負担も少なくてよいですね。
Commented by ulgoods at 2007-09-21 14:10
azmさん、ども!
行動食は好きずきありますが、私にはナッツが合っているようです。飽きるまでしばらくナッツ漬け。
ズックは、登りは断然楽ですが、雨の下りは少し気を遣います。これも好きずきですが、ズックで山なんて!という固定観念は崩しても良いかと思っています。
Commented by azm at 2007-09-22 05:25 x
はい、ども、azmです。
ulgな荷物なら、足元はローカットでも十分でしょう。
先日の前穂は、FIVE・TENのアプローチシューズで、結構快適。重い荷物で、長い下山だと、足が上がらなくなってくるので、重い山靴は次第に負担になりますね。
今日はこれから北八に行ってきますです。キノコです。
Commented by ★joxter at 2007-09-23 06:23 x
ああこの感じ_朱鷺色の雲の塊に、一見無愛想にも思える積み石ひとつひとつに_心和らげられます。。。
ああ、Zipくんもお元気そうで、なつかすぃ~。
続く珍道中の旅、楽しみです♪(笑)

_ウチも未だprophetは来ません。 が、ようやく昨日TiGからajustable poleが届きましたよ。
でもいつ使えることやら。。。帰国したら早々考えたいです。
Commented by ulgoods at 2007-09-26 14:57
たぶん同じ日でしょうか、TiGからポールが来ました。ウソのように軽い!
週末の山行で使いましたが、ご機嫌です!

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