mo-go-gear / ultralight pack stove 空き缶 アルコールストーブと五徳セット

mo-go-gear / ultralight pack stove
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参考用に買おうと思っていたが、先日Yahooでお安く落札できた。
$22.95だから中古を1500Yenで買えたのはラッキー。
プチトマトの容器みたいのに入ってる。付属カップは0.5液量oz、他に説明書1枚。

ストーブは
高さ40mm、重量12g。形式は気化側室付き、上面バーナー型。
缶は燃料缶が外側に来る配置で、上辺をストレッチしてバナー部を内部に押し込んである。内部のどこまで伸びているか判らないが、重量から考えるとボトムまで達していないような気がする。缶に荷重がかからないから気密ができていれば問題ない。
接合部は綺麗だ。開口部の切り口も綺麗。さすが売り物、作りの質は高い。

内筒の下部には比較的大きな切欠が3カ所あり、、気化室の内部にグラスウールが充填されているのが見える。一部内筒にはみ出しているし。切欠の大きさから勘案すると燃料を積極的にグラスウールに染みこませる作戦のようだ。私も初期の炎の噴出を早める目的で少量のグラスウールを気化室に入れた同形式のストーブを作ったことがあるが、mo-goの積極的な詰め方と異なるので燃焼特性の違いが気になる。
ノズルは16穴、径は0.6~0.7mm。径は比較的細いと思う。以前、0.5mm径で密閉式サイドバーナーを作成したことがあるが、細すぎてダメだった。恐ろしいほど火炎放射する。それ以来、1ないし1.5mmで作成していた。
16穴はBPLのアルコールストーブテストでも総合的に良い成績を収めていたことを思い出した。

どういう燃焼を見せてくれるか、早速、火入れしてみた。
まず、アルコールを入れた。かなりの量がグラスウールに吸い込まれる。点火するもすぐにはジェットに点火しない。と思ったが、何度かやるうちに息を吹きかたりすると、即座にジェットに点火することが判った。グラスウールのお陰で少しでも内筒が熱せられるとジェットが出るが内筒の炎が小さいので引火しづらいらしい。ジェットの径が小さいので炎は盛大には上がらない。誕生日ロウソク程度。内筒からの炎は前述のようにこの段階では小さい。
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暫くこの調子で推移する。実はこの状態では炎が五徳の上面まで届いていないのである..。お湯は沸かない。何故こんなに五徳が高いのか、この時点では判らなかった。

燃焼に変化が見られるのは内筒のアルコールが見えなくなってから。全燃料がグラスウールに含まれた状態になると、予想に反してノズルからの炎は小さくなり、内筒から大きな火柱が上がる。これは、小径ノズルから粘性抵抗に打ち勝って抜けるのを嫌った蒸気達が内筒壁の切欠を通して内筒内に戻っているのが原因かとも思われる。暫くこの状態で盛大に燃焼してフィナーレを迎える。
この状態では背の高い五徳が必要だ。
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このストーブを見て考えたことは、
・16穴の小径ノズルは個々の炎が独立し、充分に酸素の供給を受けるので効率の良い燃焼をするのではないだろうか。
・気化室のグラスウールから蒸発しやすいので気化熱がそちらに使われ、内筒内のアルコールは蒸発が押さえられるのではないだろうか。
という2点。

私がだいぶ昔に作成した少量のグラスウールを含むストーブ(写真左側)と比較すると、
私のは適当に開けた1mmが21穴なのだが(というか、缶の外周が21cm)、
・ノズル間隔が狭いので炎の連結が見られ、1本の巨大ロウソク化する傾向がある。
・内筒下部に敢えて切欠を設けずにできるだけシール性を高めているので初期の炎の立ち上がりこそ若干遅いが、燃焼形態は安定している。どちらかというと後半に火力が弱まるのでラーメン向き。
という違いが見られた。
21cmの1cm間隔と1.5cm間隔をいくつか試していたのだが、昔の私は炎が盛大に上がる1cm間隔を選んだのだと思う。

これによって次のストーブのデザインの方向性が決まった。
0.7mm16穴
シール性の高い内筒下部
大量のグラスウールの充填
の3点。
幸い、先日0.7mmのドリルは買ってあるので即テスト可能だ。時間があればね..


五徳の細部を見た。
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高さ80mm
上辺幅90mm
底辺幅110mm
針金はΦ2.5mm、材質は私が買ったものと同じステンレスバネ線と思われる。
重量27g。
パイプは外径5mmの肉薄アルミパイプのようだ。少し扁平させてある。上縁付近は裂け防止用?で真鍮パイプを被せて膠のようなもので接着している。2本が明確に分かれるように深く溝が刻まれている。足は自由に360度は開かない。パイプの扁平化と内部での針金の微妙な曲がりによって開きが制限されている印象を受ける。これは安全。
針金足にはステキな靴を履いている。恐らく金属製ボタンだろう。本来なら潰して止める部分がそのまま伸びており針金にカシめてある。接着剤も入っているのだろう。
パイプの足は裏に刻印があるが読めない。なにかの流用と思う。

この五徳に関してはターボ8978さんの自作五徳の方が優れていると思う。
mo-goが何故足を底部が開いたデザインにしているのか理解できない。台形は安定した形に見えるが、この場合、上面が狭くなるし、パイプに炎が掛からないためにはストーブを鍋中心から足の解放方向に偏心して置かなくてはいけない。また、直角でないから荷重がかかると足や屈曲部に曲げモーメントが働き、そのうち折れて全体が座屈することを余儀なくされる構造、あるいは地面に垂直ではないので足が開く方向の分力が発生しており(X脚の感じで接地)、各部の摩擦を使い切ると急に開脚する危険がある。鍋が落下して火のついたストーブをひっくり返すとかなり危険。
危険の芽はデザインの段階で排除しなければならない。

先日作成した二次酸素供給を狙った突貫ストーブや、実はその後に呼気強制過給式ZIPストーブ構造のアルコールストーブを作ったのだが、その辺りから方向転換して巨大なロウソク化を止めて連結しない微細炎が多数あるストーブのデザインを考えていた。各炎に充分酸素が供給され、径の小さいノズルからは高速のジェットが噴出し、すぐにジェットが乱流化、炎の高さも低いというやつ。炎が低いと五徳も低くすることができるので、足も短くて済み軽量頑丈。炎が低いと風の影響を受けにくい。
また、mo-go-gearは塗装を剥がしてあるが禅ストーブの教えによると金属表面が削れて薄くなって強度低下が見られるとあったので、剥がすのも面倒だし、塗装は残すことにする。幸い、アサヒもキリンもノズル位置には塗装はないし、何度か燃やせば燃える塗装は燃えてしまう。残った塗装の波紋も美しいし。

mo-go-gearのストーブを見て方針が明確になった。
お買い得だった

追補
コメントにも書いたが、五徳の寸法に関して。
プチトマト容器にピッタリの図を追加。まさか容器の金型は作らなかったでしょうから、容器に合うように五徳を作ったのかも。
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by ulgoods | 2005-08-25 09:34 | 燃える系 | Comments(19)
Commented by ろど at 2005-08-25 17:12 x
ファイバーグラス綿というよりも、グラスウールじゃないのかな。
毛管現象をつかっているのかな、それとも単にバナー面積を広くして、効率を上げるため?
気になったんだけど、製品(商品・手作り)の性能フォーカスとして、何リットルの水をどのくらいの時間でわかすのかなぁ。
Commented by ulgoods at 2005-08-25 17:50
ろどさん、どもです。
ファイバーグラス綿->グラスウール置換完了!旭ファイバーグラスという会社があったので。やっぱ語感に違和感あったよね。
グラスウールの心は、炎が上部にあるので上部は熱い。熱いところに毛細管現象で燃料を吸い上げて蒸発させる、しかも表面積も広いので蒸発促進!ということだと思います。
1oz位の燃料で0.5Lを5分とか。そういうささやかな湯沸かしに血道を上げております(笑


Commented by ターボー8978 at 2005-08-25 22:56 x
いは本当にすばらしい ご研究です。
その推理、分析は 並々ならぬと拝見しました。
ひとつ ひとつ になるほどと関心。

途中 当方の名前までご紹介ありがとうございます。
いろいろご紹介 今後とも お待ちしています。

ps
五徳も作って JSBさんの所で 発表は いかが?
Commented by JSB at 2005-08-26 02:04 x
点火から定常燃焼に至るプロセス、写真つきで理解できました。
そして
バックパッキングライトコム、記事の紹介を含めて、有難うございます

いわゆるpepsi缶ストーブの類型だけでも、微妙に動作原理が異なる
ので、JSBは検証する前に、ギブアップ(笑)しました
小穴に掛かる圧力と中央から立ち昇る噴流とのバランスが
大事なポイントでしょうね。
この小穴の噴出す向きを、swirl に変化できたらと
今後の進展を楽しみにしています
Commented by カワサキ at 2005-08-26 02:05 x
いやあ、JSBさん、ついに USA の最もコアなウルトラライターのサイト、BPLにデビューしましたね。しかも Welcome メッセージと賞賛の嵐!
やっぱり、世界に公開すればこうなるって思っていました。英訳しましょー!!
                        〜狩野川のほとりにて 今夜は凄い嵐〜ハーブ
Commented by ulgoods at 2005-08-26 05:56
>ターボー8978さん
どもです。まだ仮定や推測が多く含まれているので検証していかないとダメですね。精進いたしまする。
五徳..JSB様にお見せするにはハンパなモノでは許されそうにありませんね(笑
かつて人類が経験したことのないような五徳アイディアを捻り出すのは至難の業。いっそ、コミカル部門にエントリーしようかと思っています。
アイディアをすぐに現実化できる工房が欲しいな。
Commented by ulgoods at 2005-08-26 06:03
JSB様、BPLへは素早い対応、お見事でした。私もアル吉目指してがんばります。
アルミ缶のアルコールストーブは単純ですが微妙な圧力、温度バランスで成り立つので穴の位置やサイズだけでも全く異なる動作原理になりかねません。奥が深いです。
密閉小口径ジェット回転火炎..爆発させないようにやってみます。
Commented by ulgoods at 2005-08-26 06:07
>カワサキさん、
カワサキさんもBPLでは活躍のご様子、私も世界に通用するUL吉目指して精進します。
英訳..いろいろ溜まっているのでは?(笑

私もBLOGではなくてHP形式の方が良いかな?とも思い始めました。
そのうち、性能の良い英訳ソフトが出るだろうと思ってましたが、まだまだ使えませんね..
Commented by JSB at 2005-08-26 11:53 x
カワサキ氏へ
あのサイトで、お名前を見かけました。こちらからご挨拶に行かねば
と思いながら、、、失礼しました。HHハンモックなど、氏のULに関する
動向を、いつも拝見して頂いています。 に、日本語で(笑)
 BPLで紹介して頂いたのは、うれしいのですが英語などは昔からの
大の苦手、未だに冷や汗ものです。
 >英訳しましょー!!   に感激です。今後ともご指導よろしく!
 ★写真と動画をUPする手法が分かりません(涙)
   http://www.th21.jp/bbs/jsbjsb/index.html
   ここへ、お知らせいただけませんでしょうか?

ps ulgoodsさんの軒先をお借りしてしまいましたね(苦笑)
   寅さんでしたら
      「さっそくに、ありがとござんす!」 
 
  上記URL 落書きノートみたいな、お休み処です
  みなさん 訪れた足跡を気軽に書き込みしてくださいね
   
Commented by JSB at 2005-08-26 12:13 x
ふと 考えたことですが、このゴトクの角度について

 森の木々の枝分かれの角度、67度だったかな!?

自然の万象には、長い間に研ぎ済ませれてきた
ごく単純で、もっとも美しく、そして強い耐力の法則があるようです。

迷った時は、自然を注意深く観察すると、解が見つかるそうです。
サグラダファミリアを、一例に挙げてTV番組のパクリで(笑)
あれは、樹の枝の様子を写したもので 倒立させて観ると
素人のも理解しやすくなるのだとか、、、、、、

アメンボの脚 とか、ゲンゴロウ親分の足裁き
意味深であるのかも                JSBのたわ言でした

Commented by ulgoods at 2005-08-26 12:44
JBSさん、67度の秘密、お教え下さりありがとうございます。1/fとか、ひまわりの種がフィボナッチ数列だったりとか、自然は奥が深いですよね。
mo-go五徳は逆タンジェント8で82度と出ました。
実はあの五徳、パッケージのプチトマト容器にギリギリ入る大きさだったりします。容器が底面が小さめの四角錐台なので五徳を入れるとピッタリ。五徳の上辺が容器の下面の長辺に位置すると、足が開きながら容器の側面を沿い、容器の対する上辺の両端に五徳の開いた方の足ピッタリと。
偶然か?潰れやすい容器の骨として働いているのも事実です。
自然の摂理は美しいですが、mo-goは入れ物事情から来たデザインかも知れません..

軒先貸し、なんぼ貸してもタダなのでWelcomeです。JSBさんの署名付きコメント頂けるなんて光栄ですから。
Commented by ulgoods at 2005-08-26 13:47
JSBさん、容器に収まった五徳の様子の写真を追加しました。
Commented at 2005-08-26 16:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ulgoods at 2005-08-26 17:57
JSBさん、どもです。
失敗作頂戴権の付与をいただき、光栄です。
今日、床屋で髪を切りながら考えていたんですが..トーラス体というか、ドーナツ型の中にグラスウールを充填して、内筒に当たる部分の上の方(完全に上じゃなくて)からジェットを出せば...みたいなことを想像していました。帰りに世界も羨む日本の100Yen Discount Shopで材料調達!漏らさずに作れるかなー。ドーナツ型の酒フラスコを見たことありますが、アレが使えるのかな..
Commented by JSB at 2005-08-27 01:22 x
あのサイトに構造図が載っていましたね。シリンダーの上の辺りから
スパイラル方向に(笑)  プシュッ と 

いちど加熱して金属組織をオーステナイトに戻して柔らかくしてから
穴あけをどうぞ

JSBも密かに(笑) 2重炎サイクロン燃焼を 熟考中
Commented by ulgoods at 2005-08-27 05:18
金属変態なお話ですね..マルテンサイトとか、機械概論でテストに出るので覚えたっけ。懐かし。
JSBさんの2重炎サイクロンは公然の秘密ですよね。
今日、100Yenで買ったスマイル君携帯灰皿のアルコールストーブ化、先ずは失敗1でした(笑
Commented by JSB at 2005-08-27 20:32 x
今頃は TAKE2 用意ッ カチン! なんて やってる頃 (笑)
mo-goのゴトク
独立している足元部分の2つを、ナイロン糸で繋いだら どうかなぁ?
または、ごく細いSUSワイヤーで
例の chobit boil
 Tips 燃料皿を、極細SUSワイヤーで吊るす
     不要なときは、外せるように、アル缶ストでも使える
Commented by カワサキ at 2005-08-28 00:14 x
世界のJSBさん、Tさん、こんばんは。(^^)
なんか、Chanoyu とか凄いことになってます(^^;)。
Japanese Art の世界、、、
Commented by ulgoods at 2005-08-28 02:27
>JSBさん
私のmo-goもどき一作目は、ワイヤーの代わりに細い針金で両足を繋いで開脚を制限しましたが、足が斜め接地仕様だったので、ちゃんと針金を固定しないと開脚の力で針金が上にずり上がってきて、しかも足が細くて弱いので屈曲部までずり上がると今度はX脚が開きだして効果がなかったです..いくらでも開くのでビックリしたっけ。
チタンスポーク、入手しなくては。自転車屋へ走ります。
>カワサキさん
そうですね、JSBストーブが寿司、折り紙、茶の湯と並び称される日本の芸術と書かれるなんてスゴイ。しかし、ビルさんも本当の凝り性だ。
彼らも日本人が細かいことやり出したらトコトン突き詰めることは気が付いています。ゼロファイターの再来?みたいに畏敬の念が湧いているかも。先方が重装備のグラマンで来るか、零戦改で来るか、見物です。
来週、北欧へ出張なのですが、彼らは日本人は皆将棋が上手いと思っているらしく、一局申し込まれて焦っています..
しかし..私は無惨な連続ポストである意味鮮烈なデビューを飾ってしまった..
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