ある種の空き缶ストーブ / Fire from a Can of Beer

無人島に流された、道具はない。しかし、運良く歯磨き粉がポケットに入っており、しかも、海岸に空き缶一つ漂着..
さてどうする?
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空き缶を凹面鏡として集光し発火させる..こんなページを見つけてしまったので試してみた。

先ずは缶の底面をビガビガに磨く必要がある。
ま、正月の夜、DVDを見ながら小一時間、検証に捧げるつもりで気長にやった。
ページではチョコレートで磨くとあったので、先日の山行の残りで磨いてみたのだが、これがチョコの質が違うのか、室温が暖かいのか?磨けずに溶け出して、甘い匂いがするばかり。缶底の印刷も消えてくれない。
小一時間捧げるにしても成果が欲しいので、チョコは見切りを付けて歯磨きペーストを使った。これは少し効いたようだ。印刷が段々薄れていくし、匂いもさわやかで良い。小一時間捧げてやろうと気になる。
が、!と閃いた。昔、金管楽器を磨いたピカールというもの、くすんだブラス楽器をパレードの前日にピカピカに磨いたあの白い液体、アレが効く筈!幸い数年前に懐かしく思い立って近所の荒物屋で買った物が手つかずで置いてある。わはは、夜中であってもやりたいことができる材料が手元にあるのは嬉しい。
さすがにピカールというだけあって、どんどん磨ける。あっという間にピカピカになってしまった。ウエスに黒い金属がベッタリ付く。こうなるとウエスの磨き傷が気になる。最後は指でなでて磨いた。
確か、車を磨くコンパウンドがあったはずだが..夜中なので見つからなかった。あれの仕上げようでやればもっと良いと思う。
磨き前と磨き後
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さて、磨けたのだが発火するのだろうか?冬で光も弱いし..と数日放置しておいたのだが、今日は良い天気なのでやってみた。

驚くことに!黒っぽい印刷の新聞紙は2秒後に煙を上げて穴が開いた。
少し束ねてやるとモクモクと煙が出る。固定できないので、膝で挟んで片手で写真を撮ってみた。
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ちょっと焦点がズレているのだが、それでも煙が立ち、立派な火種ができた。
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煙草をかざしてみたが、15秒ほどで吸えるようになった。

うーむ、たかが空き缶なれど侮れない。
アルコールストーブの底面をビガビガに磨くと緊急時の発火用具に使えるかもしれない。球面の一部なのか、放物面なのか分からないが、結構、塩梅のよい曲線になっているようだ。
が..そんなサバイバル物が必要になる場面は概して暗くて湿って寒くて..という場所。果たして小一時間を捧げた御利益は得られるのだろうか?

磨いた小道具達
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そういえば、昔の少年マンガの裏表紙の通販広告に太陽マッチとかいって凹面鏡で発火させるのが出ていたっけ..お金を出して買っていたら今頃後悔したんだろうなと思った。
磨いた空き缶面に影で太陽方向が分かるような棒を立てて、焦点位置に火種を巻き付ければ一石二鳥だ。商売になるかなぁー(笑)案外、空き缶のリサイクルとエコ発火装置と言うことで売れるかもしれない。はぁ、我ながら山は山でもこんなショボイ山っ気では情けない...

先に紹介したページはこれ以外にもサバイバルテクニックを紹介しているが、氷をレンズにして発火させたのには驚いた。何事もやってみなきゃ分からないな。
それにしても、いろんな人が居るもんである。


歩 く ほ か な い 草 の 実 つ け て も ど る ほ か な い ...山頭火
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by ulgoods | 2007-01-04 13:49 | 燃える系 | Comments(23)
Commented by rwalker at 2007-01-04 20:27
こんばんは。
この方法は私も試したのですが、チョコだけでは30分磨いてもピカピカにならず、耐水ペーパーを使いました。
そのまま実験もせずに忘れてました。
太陽光による着火といえば、私が使っている煙草ボックスにはレンズが付いてるので、晴れていれば数秒で煙草に点火できます。
http://rwalker.exblog.jp/3442871/

ユニークな着火器具では「ファイやピストン」もあります。
プランジャーの先端に火口をセットして押し込むと、断熱圧縮によりピストンのシリンダー内が高熱になり、火口に点火されます。
ご紹介のHP内に記事があるかもしれません。


Commented by r at 2007-01-04 22:18 x
これからはピカールも携行必需品って事ですな。
ことしもよろしうに。
Commented by ulgoods at 2007-01-04 23:08
rwalkerさん、やはりチョコでは捗りませんよね..
凹面鏡は焦点位置を探すのが面倒なので、凸レンズの方が実用的です。が、ま、試みということで。
火種を作ってから実際の炎にするのも一度経験しておこうと思います。Webの彼らはキノコなど使っていたようです。面白い。
フャイヤピストンも出ていました。テントの目止め用の注射器でも結構熱くなりますがアレで発火するとは驚きです。あのサイトは眺めているだけでためになります。
サバイバルは rwalkerさんが専門ですね。私にでも応用できる原理や技法などありましたら、折に触れご紹介下さるとありがたいです。

Commented by ulgoods at 2007-01-04 23:14
rさん、大阪方面の顔見知り系かな?
ピカールの携行は..他に役立ちそうもないので見送ります(笑
でも缶底で、思ったよりすぐに煙が出たのは驚きでした。作ったばかりの缶はピカピカに光沢があると思うのですが、火災防止用に曇らせているのかな?とも思ったほどです。
今年もご贔屓に!
Commented by rwalker at 2007-01-05 00:04
チョコを磨き粉にするよりも、食べて血糖値を上げてから木をこすり合わせて火を起こし、汗をかいた後は缶ビールで喉を潤おす、のが正しい姿ですね。

専門と言われると気恥ずかしいのですが、彼らが使っているキノコは何度か見たことがあります、サルノコシカケに良く似た感じです。
火の付きが良いので、火口としてはかなり優秀ですね。
綿布を炭化させた物や、ガマの穂も良いです。

ファイヤピストンは、結構前から本で読んだり、話では聞いていたのですが、実際に使ってみると本当に驚きです。
東南アジアで使われていたそうですが、良く考え付くもんだと感心しました。
Commented by JSB at 2007-01-05 02:19 x
>運良く歯磨き粉がポケットに
さらに運がいいときには、焚き火の跡があるものです(笑)
白い灰が使えます、水で溶いて、、、、

そんな場所はサバイバルとはいえない
バーベキューで薄汚れた、江ノ島の辺りだろうナァ(爆)
Commented by ulgoods at 2007-01-05 03:07
rwalkerさん、チョコとビールの使い方は仰るとおり。一生懸命缶の底を磨くより確実な発火用具を安全に携行する方法を考えた方が良さそうです。
近所の公園に秋になると堅い実から綿毛を大量に放出する木をを見たことがあります。恥ずかしながら名前は不明なのですが、アレが火口に使えそうだと公園に行ったのですが、もう見つかりませんでした。ちょうど縄文の住居遺跡がある公園なのですが、彼らも使っていたのかなと、ちょっと歴史に気を馳せたりしました。
ファイヤピストンは、良い火口が見つかったら試してみたいですね。原理は理解できますが、いきなり空中で発火するのは未だに半信半疑。
しかし、あのサバイバルのサイト、あらゆるタイプを追求して(自明なことまで)整理体系づけて公開するのは欧米人らしいと思いました。
Commented by ulgoods at 2007-01-05 03:13
JSBさん、白い灰を水に溶いて、、の続きが知りたいです!よろしければ、この際ですからお教え下さいm(_._)m
運良く歯磨き粉がというのは無さそうです。海辺の砂では目が粗いでしょう。本当に運がよい時には、島の裏にコンビニがあるものです。

正月の江ノ島辺りの映像を見ましたが、あっちこっちで焚き火をしていました。浜辺で焚き火自体は良いと思うのですが、集団でやると燃やす物がなくなって漁師小屋の板を引っぺがしたり..心配ですね。
何で群れるんだろう?
Commented by joxter at 2007-01-05 11:40 x
灰を水に溶いて… コンパウンド代わりになる、とか? う~む判りません。。。

しかし『Wildwood Survival』は本当に面白いページですね。即座にお気に入りに登録しちゃいました。 自然科学や考現学にまで通じる視点の広さが素敵ですね~。
Commented by ulgoods at 2007-01-05 12:15
ああ、ナルホド、磨き粉に使うのですね。私は火口の方に使えるのかと考えてしまいました。灰でよければ、囲炉裏に溜まっています。どうも磨き傷が気になるので、やってみることにします。

猿の腰掛けも欲しいな(笑
ULバックパッキングを突き詰めるとサバイバルになるのだろうか?いや、かぶる部分もあるけど、やはり違いますよねぇ。あんな調子で火を起こしていたら、なかなか道が捗らない(笑
Commented by joxter at 2007-01-05 13:11 x
両者の楽しそ~なところをチョイスしてMIXすると小生なんかかなりハマっちゃいそうです。(笑)
あの火口の作り方は知らなかったのですがこんど是非やってみたいですね。フーフー…って。

FOOD>Edible Wild Plants のコーナーも興味深いですね。
アメリカ人も羊歯(しだ)を食べるんだ、とか、日本でいうところのノビルやギョウジャニンニク、カタクリ、ヤブレガサなどの近種の植物が紹介されていて、食い物は世界共通なんだなあ、と。
常念の登山道で幻の山菜ミヤマウドを見つけたときには思わず手が出そうになりましたが、こと登山時には山菜を採らないと課しているのでぐっと堪えました。

BPにしてもサバイバルにしてももっとソフトなレジャーにしても、これはしちゃいけないという一線はしっかりおさえて向き合いたいですね。
Commented by ろびんそん at 2007-01-05 14:02 x
突然お邪魔します。
綿毛を飛ばす木はポプラではないでしょうか?
Commented by ulgoods at 2007-01-05 15:05
羊歯の小さいヤツですね。田舎では「こごみ」と呼んでいたような。
joxterさん、山菜採り好きなのですね!サバイバルで山菜採り山行というのも良いかもしれません。手ぶらで入って、お目当ての山菜が背負い籠一杯にならないと下山できないとか。私の母ならすぐ帰ってくるなぁ(笑

私も高桑信一さんの本を読んで、一時期ゼンマイ採り師になろうかと思ったり(汗
Commented by ulgoods at 2007-01-05 15:09
ろびんそんさん、どうも!
ゴルフボールを少し大きくした実でした。中は黄色っぽい綿毛で..ポプラですか..あまりにもポプラーな名前で驚木。今まで知らなかったなんてお恥ずかしい。
そういえば中学校の横だし、ポプラが植わっていそうな雰囲気です。

子供に先を越されないうちに覚えてよかったです。
ありがとうございます。
Commented by JSB at 2007-01-05 22:11 x
白い灰
本来は、ポットに予め塗っておいて焚き火に掛けるとススが付着しにくい
効果です(笑)  
微粒粉末でも、いちおうカーボンです

火口
甲賀忍法帳(笑)には、白樺の樹皮が有名ですが
都会では無理そうなのです。別の役者として
紫陽花の茎。枯れたものが火付きがとても良い
真夏になったら、思い出して採取しておいてください
茎の中芯は、特薦級の品質です(笑)
Commented by ulgoods at 2007-01-05 22:32
JSBさんのはキャンプの豚汁鍋は予めクレンザーを水に溶いて塗っておくのと同じですね!小学校の校内キャンプで、煤が付かずに即洗えるという主婦の知恵を教わりました。
枯れた紫陽花なら庭にある!昨年は切り詰めずに放って置いたので、何とかしなきゃと思っていたところです。明日ほじくってみます。

Commented by joxter at 2007-01-06 09:24 x
JSBさん、ulgoodsさん、
おおお、勉強になります!
Commented by JSB at 2007-01-06 18:27 x
>紫陽花の茎
誤解しないように、訂正します
枯れ枝です(苦笑) 穿り返して 犬等違いとなっては、、、(爆)
Commented by rwalker at 2007-01-06 19:18
火口には紫陽花のように髄がスポンジ状なら、他の植物も使えますね。

この手のサイトだと、こちらも見やすいです。
http://www.primitiveways.com/#anchor694080

本では、L・D・OLSENの「OUTDOOR SURVIVAL SKILL」(さいとうたかをの「サバイバル」で、サトルが水中に沈んだ家で見つけた本)、T・E・ELPELの「Participating in Nature」、M・KOCHANSKIの「BUSHCRAFT」などが、写真やイラストが多く読みやすいです。
さらに細かい情報は、The Society of Primitive Technologyのジャーナルが参考になります。
Youtubeで、「bushcraft」や「ray mears」で探すと、イギリスで製作された番組の動画がいくつかありました。

Commented by べー at 2007-01-11 08:38 x
普段タバコを吸われる方はライターを持っているので、緊急時には優位ですね。私は6年前にやめたのでライターを忘れてしまうことが良くあります。ファストエイドキットの中に入れておかねば。
Commented by rwalker at 2007-01-12 00:37
>べーさん
タバコもありますが、何度か木と木をこすり合わせて火をつける経験をすると、そんな面倒なのは嫌なので、ライターを忘れなくなります。

何年か前、飛行機に乗る前に装備からライターを出したら、ジャケット、パンツのポケット、サバイバルキット、ファーストエイドキット、非常食パック、MSRの袋から計6個出てきました。
それでも、帰国してから確認すると、ザックのポケットから予備のライターが2個出てきました。
Commented by ulgoods at 2007-01-12 01:19
私もライターは分散して多めに仕込みます。
日常でも煙草を吸うにしてもライターを忘れることが多いので、行く先々に置きライターがある状態(ペンも然り)

それにしても、100Yenのターボ系は寒い高所ではダメですね..100YenのZippoのコピーは安いくせにちゃんと働きます。無くす危険が大きいので専ら100Yen。それと、発火式は石が濡れるとダメで電子式と組み合わせて持ちます。

>何度か木と木をこすり合わせて火をつける経験をすると、そんな面倒なのは嫌なので、ライターを忘れなくなります。

重みのあるお言葉です(^_^)
Commented by ベー at 2007-01-12 03:14 x
>rwalkerさん、Ulgoodsさん

さっそく、ライターをファーストエイドキットに入れました。
Zippoなどはタバコを止めたときにみんな捨ててしまいました。もったいなかったです。。。
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