悪夢再び

山の話ではないが、あまりにバカバカしい話なので記録しておく。

マーフィーの法則にある、
「機械に急いでいることを悟られるな」
「機械は一番必要な時、最悪に壊れる」
「ジャムを塗ったパンはジャムの面で着地する」
過去に何度もこれらの法則の適用を受け、苦い思いをし、その度に機械やコンピュータシステムとのつき合い方を学んできた私だが、気が緩んでいたか、よりによって正月早々、最も避けたい時と場所で再度その鉄槌を受けることになった。

 前回の記事で昨年のチェーン事件の教訓を書いたが、おそらく、それが我が家に15年仕えるBMW(このBlogでおなじみのBozeman Mountain Worksではなく、バイエンルン発動機屋)E36の320に気づかれたに違いない。

1/2日 家族5人と大量の荷物を飲み込んで高速巡航し栃木県は馬頭温泉に無事に着いた。
1/3日 近所に買い物や食事に出かけ、夕刻に車のエンジンを切る。
1/3日 夜、女房が近隣の温泉郷をハシゴしたいというので車に行くが、エンジンが掛からず
断念したと、芋焼酎で満たされた頭で聞く。
1/4日 昼飯に餃子の有名店、正嗣に行こうと家族で乗り込むも、エンジン起動せず。コンピュータにはエラーは表示されず..

 実は数ヶ月前からイグニッションの調子が悪かった。最初は1発始動するのだが、停車後の再始動は時によっては3,4回のセル始動が必要な状況だった。が、最終的にはエンジンが掛からないということもなく、特に私が運転する時は問題が少ないのであまり深刻に受け止めていなかった。念のために12月に入ってバッテリーは交換した。普段乗る回数が減ったのでバッテリー性能が低下してセルの力不足と思ったのだ。走行停車後に掛かりが悪いのは電圧が降下したせいと考えた。プラグのカーボン被りも考えたが、走ってしまえば途中で息絶えることもないので、優先順位としてはバッテリー交換を先に行った。しかし、バッテリーを交換しても症状は変わらない。うだうだしている間に年末で時間がなかったこともあり、放置し様子を見ることにした..が悪夢の発端だろう。

 とりあえず、BMWのエマージェンシーに電話し症状を伝える。答えはありきたりだ。アクセルを踏んでエンジンを始動してみて下さい。そんなこと、15年もつき合った車だ、過去にも何度か聞いたことがある。プラグの被りの可能性を尋ねると、一考の価値有りという..やはり、やらねばならぬか。この車のプラグは普通のAutoBacsとかでは交換してくれないので、何やらの面倒は覚悟した。幸い日が高かったので、車載工具を使いプラグの摘出に掛かる。初めてエンジンカバーを外したが、そこで目にしたのは、イメージしていた牛の搾乳機型のプラグキャップではなく黒く無機質な四角な箱が6発あるのみ。ああ、独逸野郎のやることは流儀が違うのだ。戦意喪失し、しばらく呆然とした。が、プラグがこの奥にあるのは自明なので意を決して外せるネジを外しに掛かった。四角を取り外ずし、長いチューブを引き抜くと、あった、ずーっと奥にプラグの頭が見えた。ピストンのレイアウトの都合か?ま、こういう基本的なことは車載工具で出来るように作ってある。力を込めて工具を回した。見るとプラグ自体は比較的きれいなキツネ色に焼けており、被りや濡れはないように思う。が、今出来ることはコレを磨くことだけだ。1発ずつ外してはキーホルダーとしているビクトリノクス・クラシックの爪用ヤスリで磨いて格納した。ビクトリノクスの小さなナイフはシンプルだが、いろんな場面で活躍するので最小限のサバイバルツールとしていつも携行している。日の傾く頃、5発の磨きを終わった。最後の一発はネジのジオメトリが厳しいのでそのままにした。プラグが問題なら5発磨けばどれかに当たりがあるだろうから、それでとりあえずの症状が判断できる。ボンネットを閉じ、期待してセルを回すも何の変化も無し..徒労だったのか。

 改めてエマージェンシーに電話して相談する。燃料ポンプ系が怪しい。高々2,3万の部品だ。最近のヤツは調整して何とかという部品でもないので諦めた。結局、ディーラーが1/5までお休みなので、明けるまでどーしようもない。宿は1/5まで取ってあるが、それでは間に合わない。家族と大量の荷物を抱えて東京へ帰らなければならないのだ。とりあえずエマージェンシーから近隣のディーラーにSOS情報を流して貰う。近くても鹿沼か西那須野らしい。遠い..国産車ほど整備拠点が密ではない。次に、宿に話して車を数日放置させて貰う同意を取った。で、PCでレンタカー屋を探し、宇都宮で小型乗用車を1台確保した。明朝、私が宇都宮までバス電車で行き、レンタカーで馬頭温泉に戻り、家族と荷物を収容して東京で乗り捨てる。ディーラーとのコンタクトは1/6になるだろう。

 そこで一つ問題があった..借りた車は右ハンドル車ということだ。うちには壊れた車と同じメーカーの車がもう一台あるのだが(自分用2人乗りの小さいヤツ)、運転時の混乱を避けるために双方を左ハンドルで揃えてある。左は慣れれば楽だ。もうこれで15年慣れているから右ハンドルは別次元の体験の気がする。借りられた車はHondaのFit。引渡時の操作系の説明はナシ、ま、車なんて大して違わない。意を決してレンタカー屋を出て恐る恐る走る。無段変速で変な感じ。でも走ってる!へー結構キビキビ走る。面白い。
運転席を開けたつもりが、ハンドルがない?!とか、割り込んできた車に教育的指導をしようとパッシングを送ろうとしたが、ウインドウオッシャー液が出てしまったり、子供が運転席に乗り込んでしまったり..ハンドルがあるので不思議そうな顔をしていた..苦笑。

 車が小さくなってもクセは抜けないらしい。高速に入ると1300ccのエンジンからパワーを絞り出して、いつもと同じ速度で走っていた。なかなかよく走る。右ハンドルも頭の中で右右と確認しながら車線を維持して走った。どうも左側の車線と自分の位置が作る目線の角度を頼りに運転していたのだと思う。車線変更後など妙に左に寄りすぎる..ま、何とか無事高速を高速走行して来たが、一番怖いのは自宅の近所だった。道が狭くて混み入っているのだ..半ベソをかきながらも何とか到着し、無事パパの任務を完了!とてつもなく疲れた。高円寺の混み入った所に返しに行くのに、またベソをかいたのだが..

 やれやれ、我が320とあの温泉とは因縁があるらしい。修理の後始末が面倒だろうな。この320、13年目くらいから1速のクラッチが滑るようになった。元々脆弱なクラッチで滑りやすいそうだ。リビルド品と交換しても40万~。もーこの車に投資するつもりがないので*モード2速発進で走ったり、騙し騙し使ってきた。それ以外はボディーもシッカリしているし、まだまだ乗れそうだった。あちらこちら、騙し騙しが増えてきて..いつも平然と高速をこなす頼もしいヤツもストレスが掛かっていたのか、一番大事な時に黙りを決め込んだらしい。ま、高速走行中や雪のお山でヤラれたら、こっちの命が危ない所だった。困ったヤツだがその辺は心得ているらしい。
諸々で50,60掛けて直すより、Fitを買うという手もあるかも知れない。が、Fitはそこそこ走るがやはりFitだった。Fun to Driveがそこにはない。悩むところだ。

追記
休み明けのディーラーと連絡が取れた。が、陸送は自分でしてくれという。距離にして40km、JAFだと24000+工賃か..昨年お世話になった塩那自動車販売さんに電話したところ、覚えていてくれて..2万でやってくれるという。ありがたい。立派な陸送車をもっていたので安心だ。

昼頃連絡有り。陸送完了!仕事が速い。
ディーラーは..まだ正月モードなんだろうな。対応は連休明けだそうだ。
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by ulgoods | 2006-01-06 10:18 | 駄文系
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