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2012奥秩父主脈縦走

ちょうど一年前の縦走の記事です。
要約がヤマケイのウルトラライトハイカーという本に掲載されたのですが、だいぶ文章を書いたのですが文章の圧縮が強くて訳が分らなくなっちゃったし、写真も小さすぎで少し残念でした。機会があればオリジナルを出したいと思っていたのですが一年経って..そろそろblogに掲載してもいいでしょ。強圧縮される前の原稿のコピペです。

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■計画:三泊四日で奥秩父主脈縦走を金峰山から雲取山へ。足が延びれば奥多摩駅まで。
一通り軽い装備を買い揃えて一応の軽量化が済んでから、更に一段の軽量化を推めようと思うなら、持たない事、持つ物は徹底的に切り詰めると言う事を考えなければならないだろう。なかなか辿り着けない境地なのだが、今回の縦走ではそういうことを多少意識してみた。縦走の計画、準備、実施を通して私の考え方を表現してみようと思う。

■準備:実施時期は10月中旬を考えていたが時間が作れず、ついに11月の中旬になってしまった。想定すべき気象条件としては、ネットからは金峰から甲武信岳は雪、気温は-5℃程度という事、天気予報からは中一日に荒天が予想されるという情報が得られた。
装備を決める時に、何か主題がないと多くの組み合わせの中から選択するのが難しいものだ。この縦走路は2009年に大弛峠から雲取山まで単独で、また2010年にはGossamer GearのGlenさんらUL仲間と歩いたことあがる。その時のGlenさんのSULな装備に感銘を受け、いずれそれと近い装備を担いで歩きたいという思いを持っていたので、彼が使用したDRIDUCSの雨具、単四電池1本で点けるフラッシュライトなどの非力な小物を真似るところから道具選を始めた。

DRIDUCSは不織布で出来た簡易雨具である。軽量であるが強度も弱いので、担ぐ荷物の軽量化を進めないと生地が保たないという制約を持っている。これを使いこなすためには装備全般がSULに片足を突っ込むほどの精進が必要になると考えていた。DRIDUCSだけでは長時間の降雨には耐えられなさそうだったので、補完する物としてGatewood Capeを選んだ。これはSilnylonなので防水性があり、シェルターとしてもある程度の耐候性を持っているので、兼用で重量を削減できる。

LEDライトはGlenさんと同じFhenix L0D(14.5g)を買ってみたが、後発で更に軽量なiTP A3 EOS(9g)を選んだ。A3 EOSは電池の保ちはLowで50時間、Midで4時間、Highで0.9時間であり、LowとMidを使い分ければ3泊程に間に合うはずだ。というか、間に合うようなシンプルな生活を考えるきっかけになった。これによって予備の電池も単四1本で済むので相乗効果で軽くなる。

靴は雪道で濡れることが分っているのでGore膜入りのMontrail Hardrock GTX Midとした。更に靴の防水が破れていて水が沁みた場合の保険と防寒を兼ねてSealSkinzの防水靴下を追加した。もし、これでも水が漏るようであればコンビニ袋を履いて対応する。この点は重点的に手当てした。これに合せるクランポンはチェーンスパイクとなる。

寝姿であるが、0℃~-5℃程度に使える手持ちの寝袋はISUKA Air450やNunatak Arc Alpinist Quiltが使えそうであるが、今回は思い切って頭部のないGoliteの40°F用 Feather Liteでの軽量化を考えた。Feather Lite適用範囲は40F(4,4℃)と心細い設定であるが、首回りをしっかり締められる構造と、封入ダウン量から考えて0℃くらいまでは使える印象を持っていて、ゆったりしたデファレンシャルカットなので着て寝してもロフトが潰れず、行動用防寒着を併せればなんとか-5℃で眠ることができると期待した。寝袋は温かさの保険を掛けても良い装備であるが、今回は少しストイックにいくこととした。この寝袋には頭部が付いていないので、防寒着はフード付きのものが必要となり、着て寝るので湿気にも強い化繊綿の物にした。

選んだシェルターが床無しであり隙間も多い作りなので、雪による寝袋の濡れ防止と吹き込む風で熱が奪われないようにBivyサックを使うことにした。一応、屋根があるから強い耐候性が不要なのと、顔まで覆うと呼気が入って寝袋を湿らせるのでモンベルのブリーズドライテックでジッパー無しの寝袋カバーを選んだ。ブリーズドライテックは透湿性が良いので、内部での結露が少ないという期待がある。マットは山と道の15mm厚のショートタイプをバックパックの骨格としても使用。グランドシートはお馴染みのTyvekではなく、雪の上では穴も開かないだろうから防水性を優先して建築資材の薄いビニールシートとした。

衣類はPatagoniaのR1 Hoodyを中心に考えた。これは、行動中にフードが欲しかったのと、丈が長いので背中が露出しないのでこの季節には良い。R1 Hoodyの上にはR2を着る。R2は直接の風は和らげるが、ある程度の風通しがあって行動中でも蒸れないから雪の季節に重宝している。

これで主要装備が決まった。その他は無雪期と大きく変わらない。これらをMountain Laurel DesignsのZIPに詰めた。ZIPはペラペラ系であるがWebing類が幅広で扱いやすい。寒い中で捩れたWebingを直す作業が不要になることを期待した。

多少の心細さはあるが、これらの装備を担いで三泊四日の旅に出た。

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続く..
by ulgoods | 2013-11-07 15:55 | 山行
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