銀杏(ぎんなん) / Ginko

匂い立つような写真で申し訳ない。
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近所の公園も昨年は豊作で、うちでもスパーの袋一杯に採ったものだ。しかし、銀杏はビタミンB6を阻害する4'- メトキシピリドキシンなる物質を含んでおり、食べ過ぎると中毒を起こすから、一度に大量(子供は歳の数だけ、オトナもそれなりに)には食べられないという。料理屋で有るだけ取って平らげた友人が一週間ノタうち回った話しも聞いていたし。ので、時々、小型七輪で少し炙って食べていたが、そんなことでは食べきれないほど採ったのだった。もー数年は銀杏大尽だろうと思っていたが、先日、季節柄、久々に食そうと思ったら1年貯蔵した銀杏は中が乾いてダメになっていた。がっかりだ。今年は既に木枯らしも吹き、先日公園を通りかかったが、見える範囲で銀杏の実は無いよいうに思われた。落ちている実が期待できるほど人通りの少ない公園でもない。が、そうも言っていられない。冬が来る前に元旦の茶碗蒸しの分を確保せねば。

ということで、年に一度の木登りをすることにした。TNFのクライミングパンツに着替えた私はサロモンの岩用に近いデザインのシューズを履き、子らを伴い、長く伸びる剪定鋏を携えて公園へ向かった。
公園のイチョウは手が届く範囲は枝が切られて登れない、が私には昨年編み出した秘策があった。自転車を木に立て掛けてそれを踏み台にする。これで最初の枝に手が届く。
わはは、狙いは的中!高いところにはまだ銀杏が房で残っていた。三点確保を忠実に守り、イチョウは折れやすいので主幹だけ伝い4、5m登っただろうか、枝で張られた空間に頭を出すと視点も変わる。強風にも負けずに残った銀杏の王国がそこには在った。
いや、おもしろい。剪定鋏で叩いて落とす、子供らが下で待ちかまえ、嬉々と猟犬のように走り回りバラバラ降る銀杏を袋に詰める。ほらいくぞ!拾え!私も子らに負けぬほど楽しんだ。暫く遊び、昨年の轍を踏まぬよう、家族で時々食べるに充分な量だけを収穫して剪定鋏の矛先を納めることとした。勿論、枝ごと切り落とすような手荒な真似は致さない。

帰り道、これまた目星を付けておいた花梨の木がある。葉は落ちてゴロンとした花梨の実のシル
エットが遠くからも判る。頃合いは良かろう。これも行きがけの駄賃ということで5個ほど落として持ち帰った。こういう作業はさっさと済ませるのが基本。

長く伸びる剪定鋏は公園では無敵であった。焼酎に漬けるなり、風呂に浮かべるなりと、女房に今日の稼ぎを差し出した。
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公園の実のなる木の類、これは採っても良いと公園の管理者から聞いた。昨年の木登り中に公園パトロールが巡回してきて、少し青くなったが、採って良いかと木の上から聞くと「皆様の木ですから..」と、良い返事をいただいた。ついでに折れて落ちそうな枝を落としてくれと言う。合点でぃ!というわけで今年は出遅れたが堂々と木に登って収穫した次第。芝でBBQをしていた人たち、いーけないんだぁという目で見ていたが、私のコレはお墨付きなのである。今年も木登り中に駐車場の管理人がやってきて、ここいらで一番良い実がなる木を教えてもらったり。老人達には昔の自分か、制止するどころか妙に優しい。その木はとても手強そうなので、来年はハーネスでも付け、確保しながら登るかな。

寺田寅彦の「どんぐり」という随筆がある。何度読んでも泣かせるのだが、娘らの嬉々と銀杏を集める姿もまた女房の血筋なのだろう。佳き哉。
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by ulgoods | 2005-11-13 16:03 | 駄文系
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