杣工房KUKSAキット

飲んだ感想を末尾に追記した

時折コメントを戴いている杣工房さんは木工のプロでいらっしゃる。地元に根付いたしっかりした&お洒落な暮らしぶりはblogで垣間見ているだけでもステキだ。
私のKUKSAの記事も読んでいただいたのだろう、削って仕上げるククサKitを試作したので試してみないか、ということでサンプルをお送りいただいた。感謝。
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一つは木目も美しい白木の物で、これは既に削っていただいてある。枡で木の香りを楽しみながら酒を飲むことを考えればお猪口にちょうど良いかもしれないし、ジンやウオッカを飲むのにも使えそうだ。もう一つは固そうな木のブロックでこれがKitの原型だろう。肝心な、最も作業が大変なカップの中は既に加工済みなので特殊な曲がった刃物を要さずに、外側だけを好みに削ることに専念できるのは嬉しい。更にヘリの部分はテーパーを付けて削ってあるので大いに手間が省ける。驚いたのは取っ手部分が右利き用に少し湾曲して切り出されている念の入りようだ。三鷹のショップで同サイズのククサを見たことがあるが、やはり取っ手はビミョウに湾曲していたのを覚えている。

戴いたのは連休明けの頃のもうだいぶ前であるが、これを削るには鋭いノミが要るのかと思い込んで削るのを躊躇していたので時間が経ってしまったのだ。ノミは..100円屋で買った200円くらいのがあったが全然切れない。仕方ないので研ぐところから始めた。荒砥と中砥と仕上げに耐水ペーパーを買い、暫く研ぎ修行を行った。ついでに切出しナイフ、ナガサ、台所の包丁など、夜な夜な風呂場でギイコギコ研いでは紙など試し切りして喜んだり研ぎ直したり。包丁類はコピー用紙をサクサクと吊るし切りできるくらいには研ぐことができたが、肝心のノミがダメである。安物で鋼がなまくらなのかしらと、いくら研いでも上手くできないので、こっちは諦めていよいよククサを彫ることにした。

いやー、無心に二時間、結局は切出しナイフ一本で一気に削ってしまった。木目を見て刃の方向を考えないとササクレてしまったりするが、スパっと切れたときは気持ち良い。実はホンモノは白樺の瘤の固いところを使うらしいので固い木をリクエストしたのだが少し後悔した。あまり削りすぎないようにと自分に言い聞かせながら、たくさんの木屑を膝に受けながら、指を無くさないように刃物の向きと手の持ち方を変えながら、木がささくれないように木目を考えながら...削り出していく作業は楽しく、あろうことかblog用に写真を撮るのも忘れて取り組んだ。自分で研いだ刃物がサクサクと削っていくのも嬉しくてね。
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ともあれ、少々無骨であるが握り良い小さなカップを削り出すことができた。
仕上げには食用の胡桃油を塗った。胡桃油は良い光沢が出るので、いままでは時々思いだしたようにオリーブオイルやサラダ油を塗っていたKUKSAにも塗ってやった。瘤の木目あたりが金属光沢を発してイイ感じだ。その他、木のヘラやお玉など手当たり次第に塗ったのは言うまでもない。
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後で本家KUKSAの削り方が出ているサイトを見たが、水分を含ませた状態で削るのだそうだ。木口が乾かないように工夫するとも書いてある。なるほど、急激に乾かして割れないように気をつければ湿っている方が削り良いかもしれない。

この半削りKUKSA、試しに出した地域の催しなどでも好評とのこと。Hiker's Depotのご主人やLocusGearのご主人にも見てもらったが良い感触だったので話が進めばお店に置いてもらえるようになるかもしれない。というか、是非そのように話が繋げられるようにと思っている。
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追記
日本酒を注いで飲んでみた。
檜は芳香が素晴らしい。最後の一口は鼻がカップに収まる形になるので一層強い。樽酒か新品の升で酒を飲んでいる感じ。
桂はクセもなく、自ら削った満足感と共に飲む。
量はぐい呑一杯分くらいか。適量であった。


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こっちは、たぶん押してもらった1/100くらいしか反映されない模様...いいかげん謹慎を解いてもらいたい


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by ulgoods | 2010-07-21 14:10 | 生活系 | Comments(15)
Commented by t-h-arch at 2010-07-21 18:22
 すごいです。 こんな削り跡ができるのはタダモノではありません(あ、ちょっと褒め合いのようで見苦しいですか)。

 センスもさることながら、この切り出しナイフ、いいものですねぇ。これをご自分で砥がれているのだったら、2時間サクサクと楽しい時間であったのにも充分頷けます。 僕がククサの半製品を作ってみようと思ったのはこういうことをしてもらえたらなぁと思ってのことでしたが、早くもこんな素晴らしいものが出来上がり感無量です。
 三鷹の店主兄や陰ながら敬服して居るところのLocusGearさんにお見せ頂き乍ら、いまだHiker's Depotにさえお送り出来ていないレスポンスの悪さをお許し下さい。土屋さんにこちらから御試用をお願い致します。 

 ありがとうございました。
Commented by jotaro at 2010-07-21 20:11 x
これは、いいですねェ。ULGさんの削りっぷりも、すばらしい。出来合いのものではなく、自ら削って作ることで愛着もいっそうわくでしょう。ククサという北欧の文化が日本の豊かな森林資源によって日本の方々にも、作る楽しみという+αを伴って提供されるのは素晴らしいことだと思います。これで、日本酒を飲むと美味しそうですねw
Commented by ulgoods at 2010-07-21 20:40
t-h-archさん、ありがとうございました。
案ずるより何とかで、削り始めるとハマってしまい、一気にやってしまいました。キレイにするには紙ヤスリを掛けたりすると思うのですが、どうせ凸凹が残りそうなので削ったままで味が出るように、削り面が大きく出るように何度か削り込んで面を付けていきました。
土屋さんにもLocusGearさんにもモノは見てもらっていますから、是非売り込んで下さい。
上のテーパーの削りですが、数値制御の三次元切削マシーンでもお持ちなので?素晴らしすぎます。

ちなみに固い方の木は何の木でしょう?また製法として、湿らせながら削るというのはどうでしょう?木のプロのお知恵を拝借いたしたく。
よろしくお願いいたします。
Commented by ulgoods at 2010-07-21 20:49
jotaroさん、やっと削りましたよ。
t-h-archさんの思惑に乗って、一気に削ってしまいました(笑
以前、白木のカップの匂いを嗅いでいただいていますが、木の芳香が残り枡酒のように日本酒を旨くしてくれると思います。これは北欧のククサにはできない利点!白木の方が削りやすそうです。t-h-archさんからいただいた白木の方も削り直そうと思っています。気になったら自分で削れるのが良いです。取っても自分の指に合せて削りました。

t-h-archさんと是非コンタクト取っていただいて、お進めいただければ幸いです。サイズ数種類とか材質とか...
Commented by t-h-arch at 2010-07-21 23:05
 紙やすりは、この場合要らないですね、切れる刃で一気に切った面はつるっとして、汚れにくく、表面劣化しにくく、最高です。ペーパーをあえて塗装の為にあてる必要は無いでしょう。何よりこの肌が一番ULGさんらしく、懐の深さを感じさせるもので素晴らしいと思います。

 飲み口のテーパーは何の変哲も無いルーターマシンで取っています。工夫は少しありますが、僕の町のこの業界ではごく普通の工夫です、が、この機械を持ってみえるのは、実は我が工房のジャズライブでベース、ギターを弾いてみえる「まさひで」さんです。彼のご子息が実家の本業である木工の仕事に戻られたので、せっかくだから若い人と一緒に何か製品を考えようと言うことで予てより試作していたククサを本格的に作ろうということになったのでした。ですから、全く知らないところの機械と言う訳でもないですね。

 
Commented by t-h-arch at 2010-07-21 23:05
柔らかい方は官材の檜、固い方の木は「桂(かつら)」です。工房ではは引出しを作るときの箱の材料に使いますが、原木の良い部分は厚めの板に挽いて置いてあります。
 桂は、麺を作る「麺打ち台」に最も適した木でもあるようです。固過ぎず柔らか過ぎず、肌理が細かく、気孔も無い、麺を打つ時に粉や水分が取り付きにくい材ですから当然かもしれません。桂の打ち台を使うとスプルースはおろか檜の打ち台も使えないと本職の方に伺いました。 ククサにも適していると言えなくも無いですね(こじつけか)。
 麺を打つ場合は打ち台の板に力をかけたときの応力のようなものが大きく関係してくるでしょうから、そういった意味では確かに麺打ちには適した応力というものを桂の板を構っていて好感と共に感じます。

 
Commented by t-h-arch at 2010-07-21 23:06
 木を湿らせながら削る、これは数寄屋大工にとっては常套手段です。木工でも使いますね。 確かにククサを作ってみえるところでは湿らせて削ってみえますね、木を加工するのには蒸したり、電子レンジの大きなのでチンしてから切削工具にかけることもありますので、急激な乾燥戻りなどに気をつければ問題ないと思います。

 LocusGearご主人がいらっしゃっているので、ご挨拶に場所をお借りすることをお許し下さい。

 >jotaroさん はじめまして、いつもお仕事を拝見させて頂いて居ります。今後共どうかよろしくお願い致します。 ULGさん同様、ククサ是非御試用頂きたく、また御連絡差し上げたく思って居ります。その節にはどうぞよろしくお願い致します。

 ULGさん、重ねてありがとうございました。
 
Commented by ulgoods at 2010-07-22 02:08
t-h-archさん、詳しくご説明いただきありがとうございます。
ルーターマシンですか..凹部も気になりますが、聞いても分からないかも
白木はやはり桧ですね。良い香りが残っていました。桂の木は削っていて気持ち良く作業ができました。繊維に直角に近く刃物を入れるときのサクっという切れ方が良いですね。
もう少し湿らせて作業をした方がササクレができにくかったかもしれません。電子レンジでチンもなんか柔らかくなりそう。でも、YouTubeなどでBushcraftを追ってみましたが、乾燥は数日掛けて行うようですね。私はせっかちなので待てないです。

こちらこそずいぶんと楽しませていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by jotaro at 2010-07-22 11:20 x
t-h-archさん、こちらこそ、はじめまして。この場を借りてご挨拶申し上げます。(ULGさん、ありがとうございます)是非、トライさせてもらいたいと思います。当方HPのお問い合わせページより連絡いただければメールでやり取りできるかと存じます。よろしくお願い致します。
Commented by t-h-arch at 2010-07-23 09:17
 Hiker's Depotさん、LocusGearさんに御連絡させて頂きました。ありがとうございました。 また次なるサンプル、勝手に送りつけさせて頂くかと思います、どうぞよろしくご容赦の程、お願い致します。
Commented by ulgoods at 2010-07-23 10:46
昨日これを使って酒を飲みました。
追記のところに書きましたが、ぐい呑み替わりに使えます。

次なるサンプルもあるのですか!楽しみです。
ぶら下げ用にトナカイの革を探さないと...
Commented by tawamureyama at 2010-07-24 00:13 x
こんばんわ。
このキット、いいですね。材木街で働いていても、良い材料を仕入れるのは大変なんで。現在パープルの160角を探してもらってますが、3週間目に突入してしまいました。
自分が使うよく使う道具は切り出しと、スクレッパーという刃物です。
カンナみたいに削れるので、仕上げに、大きいRをつけるときに、重宝してます。
http://www.off.co.jp/index.php?id=4&c=78&b1=&s=11000417
Commented by ulgoods at 2010-08-05 16:26
tawamureyamaさんのも削り上がったら見せてください。
Kuksaは人から貰うモノらしいですが、手作りだと格別でしょうね。
Commented by tawamureyama at 2010-08-09 23:04 x
http://www.flickr.com/photos/tawamureyama/4871039255/sizes/l/in/photostream/
こんなのができました。製作期間は丸二日で、ロクロは使ってません。堅かった・・・・
Commented by ulgoods at 2010-08-10 03:09
戯山さん、
某所で製作過程も覗いていましたが、手彫りでここまで完璧なカタチを作るとは畏るべしです。これは才能の部類なんでしょうね...
まさしく、一生モノですね。いつかはプレゼントされたいものです。

材質でしょうか、胡桃油のせいでしょうか?ちょっと赤カブに見えますね(笑
箸、匙、椀、お次は何でしょう?楽しみです。

山に行って白樺の瘤を採ってきたくなりました。
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