ガスストーブ 試作1号

ガスストーブ 試作1号

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6月末の燃える系ビルダー集会で刺激的なストーブに触れたのが発端で、私もガスストーブをでっち上げることにした。
方針は、
・精密な工作機械を持たないので、あり物を組み合わせて何とかする。
・火力調整が効くようにする。
の2点。

火力調整のアイディアは、対象を既製の部品と限定したお陰で良い物を思いついた。それは...ガキの頃遊んでいた模型飛行機に積む小さなエンジンのキャブレター部のニードルバルブ。液体燃料の調整用だがライターガスくらいなら何とかなるだろうという根拠のない勝算があった。小学生の私が持っていたのはENYA09という小さなエンジンだった。まぁまぁ安いので田舎のはな垂れ小僧でもお年玉で買うことができた。FujiやOSなどのメーカーもあったが私は何故か無骨に角張ったENYAが好きで、あれは何度も分解掃除をしたから構造やサイズ感も憶えている。ちょうど09用のサイズで良いんではないかなぁとWebで検索したら、幸いなことにENYA社はまだ模型エンジンをやっていて、日曜の夜中であったが09用のニードルが通販で買えたのは二重に嬉しかった。これで面倒な工作の40%は節約できたかなと思った瞬間、小遣いを握りしめて通った鈴木模型店の酒焼けしたオヤジと無愛想なおばさんの顔が朧げながら脳裏に浮かんだのは少し悲しいが、とりあえず3本調達。ENYA社は埼玉にあり、二日後には手元に届いた。
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バネ先端の竜頭を回すとねじ込まれた針が動いてジェットから出る流量を調整する仕掛け。

とりあえず、どんな感じのジェットが出るかテストしなければならない。手元にあったシリコンチューブをはめ、ニードルを閉じ、ガスを送ったら、ポンと音がしてチューブが外れた。ガスを出し、チューブを押さえ、火も点けて...って手は三本も無いからどれかを固定しないとダメだな..と思う間もなくゼムクリップを伸ばして針金化し、チューブの両方の口を縛り上げてガスの方もガス管の蓋を裏返して固定モードにして送り込んでみた。が、みるみるチューブ管側の根元がプーッと膨らんで破裂してしまった。
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ちょっとガッカリしたが、これによってニードル側の気密は結構あることが分かったのは収穫。次にニードルを開けてガスを噴出させて種火として置いておいたロウソクにかざして点火した。かなり絞られた強い炎が出る。ガスが強いとすぐに消えるほど速い。ニードルを絞ってみたらちゃんと火力調整も効いているようで、思わずニンマリ...ほぼ完璧だ。ニードルを絞って消すと僅かにネジ部からガスが漏れているようで、火が移るのだが、本番ではニードルと燃焼位置は離れるから余り問題にはならないが、ニードルを閉じて消火したらすぐにガス缶側も外すことが必要だな。

チューブが破裂するのは盲点だった。やはり最初はニードルを閉じた状態で開始したい。対策はホースの補強しかない。最初はバネを外側にはめて膨らむのを防ごうかと思ったが、ガス缶側だけやったのでは、いずれ他の弱いところが膨らむだろうから(細長風船を膨らますときと同じ)、強度のあるホースが必要である。半田を吸い取る銅の編んだヤツを被覆にしてと思ったが、手持ちの物はチューブ状じゃなかった。みたいな感じでWebを探していると...ありました!ラジコンカー用の耐圧ホース!ステンレスを編んだヤツで被覆されている。即座に注文して、それも2日後には届いた。模型系のお店は送るのが速いと感心している。

ストーブだが、仕組みは市販のガスストーブと同じ。パイプ内に仕込んだノズルから出たジェットを燃えやすい比率で空気と混合させて先端部に送り出し、バーナーヘッドからまんべんなく押し出して燃やす。バーナーヘッドの形状は宿題として、予めうまく空気と混合させることが必要だ。これはパイプ側面に穴を開けてジェットの勢いで空気を吸い込ませてパイプの中で混合させるのが常套。この部分の工作は、09のニードルに合わせてφ10mmの金属管となる。そんなパイプは新宿ハンズの6階だな!というわけで今日はハンズに行ってきた。真鍮か銅かで悩んだが、銅管の90度エルボーをキセルの雁首のように使いたかったので、ロウ付けするなら同じ素材がよいかと思い銅にした。真鍮の方が肉薄のφ10mmがあったのだが...実はロウ付けも初めてなので、そこで失敗したくないの心で銅管とした。銅管と内径φ10mmのエルボー、これはガスの配管用だと思うが、調達。ロウ付け用のロウ材、フラックス、バーナーと耐熱断熱材も調達。失敗に備えて小さなタッピングビスも調達。
銅管をパイプカッターを使って適当な長さに切り、小さな径の電気ドリルで一見無造作に穴を開けたが、気持ちとしては少し工夫がある。精密に直角じゃなく、わざと斜に入れることで、ガスを管に当て、ニードルのシリコンチューブ側を冷却すると共に内部に螺旋の気流を作り出せればと思っていた...ま、適当にやってみた。穿孔跡をニードル外形4mmに合うように穴を開け直した。その穴と直交して位置的に少し向こう側には空気取り入れ用の大きな穴を開けた。細いドリルで開けて、順に径を大きくしたドリルで開けて、最後はリーマで仕上げた。ボール盤じゃないし万力も使わないし、少しずつ工作するしかないからね..

てなわけで、何とかカタチが出来たのでテストした。
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バリ取らないと...
先ずはニードルを閉じ、燃料管に圧を掛けてみる。ステンレスの被覆をシッカリ縛り付けてあるので中のシリコンチューブは膨らまない。これ成功!
次は点火せずにガスだけ出してみたら、側面に開けたエアインテークから空気が吸い込まれている音がするではないか!少し嬉しい。
最後に、ロウソクを種火にして管の先端を近づけてみた。おおお、理科室のガスバーナー並みに炎が吹き出す。先端に少し赤火が出るのはエアインテークの面積か形状位置の問題か。もう少し調整が要りそうだが、結構イイ感じだ。エアインテークの吸入音もステキ!ニードルも効いていて火力調整ができる。現状では全開にすると炎が立ち消えるが、適当なバーナーヘッドを付ければ解消するだろう。
ニードル部分は手で触っていられるほど、殆ど温度上昇がなかた。これならホースも溶けないだろうから肉厚のゴムホースで良いかも。
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いやー、2週間、悶々と頭上演習した甲斐があった。とりあえず試作一号はこのままバーナーヘッド装着まで進むことにしよう。
次の工作は雁首部分の固定、バーナーヘッド作成と固定、燃料管側の押さえ、ゴトク。バカブンドさん程やるとしたら吸熱仕掛けのお鍋まで...ああ、まだまだ先は長い。



久々に燃える系工作モード入り
このストーブの名前..やっぱりキセル野郎だろうな...

頑張りまーす!のでClickぺんぺん!!

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by ulgoods | 2009-07-05 03:09 | 燃える系 | Comments(22)
Commented by Vagabund at 2009-07-05 08:42 x
キターーー(゜∀゜)----- 新生GAS STOVE作家登場!
 同じ悩みを共有できるなんて素晴らしい  私非常に嬉しいです!
小物ロウ付けなどお初ということなので色々情報流します。

>先端に少し赤火が出るのはエアインテークの面積か形状位置の問題か
これも一時空気取り入れと噴射時の2次空気混合の問題があり 微妙なバランスですね!
自作STOVEは小型化に向かうと思いますので 極弱火の時の赤化燃焼は妥協がいいと思います
(つまり一次空気取入れだけで完全燃焼をさせないほうがいいと。。)

あ~ たのしい~~~ 今後の展開 期待しております!
Commented by ulgoods at 2009-07-05 11:18
Vagabundさん、遅れ馳せながら参戦しました。
とりあえずでっち上げましたが、何とか炎を吹いたのでよかった!

エアインテーク、もちょっと面積を広げてみます&キレイに研磨。
缶側のガス出力はかなり絞らないとスゴイ炎になりますね。
難点だらけですが、お陰で勘所が分かってきました。

ボチボチとやっていきますので、よろしく!
Commented by Vagabund at 2009-07-05 12:22 x
エアーインテークの大きさ これ語ると長くなります(笑)
本来ならへッドとの兼ね合いが必要になるので少しずつ。。。
それは へッドが付くと抵抗になって逆流・・または吸入不足になる時があります  時には小さい方が空気の吸いが良い事も。。。。 

>缶側のガス出力はかなり絞らないとスゴイ炎になりますね。
どんなタンク使っているんですか~?? タンク側のバルブも明○見せてくださいね~!
Commented by JSB at 2009-07-05 15:40 x
最初の写真を見た瞬間に、模型エンジンのキャブ部品だと、直感!
誰が使い始めるのか目配りしていました。やはり大御所からの出展で、一気に 篤志家向けにも 解禁となりました(爆笑)

2009年後半のガスストーブ・バトル(笑)に新たな潮流が生まれました。うちら素人仲間が、ボンベ側の単独バルブだけで、燃料の気化に伴う
暴れ現象に悩み、難題として抱えていた領域。
そこへ Cool valve 投入!というカードで応えたのが素晴らしいです
バーナー直近での、オリフィス追加は逆流を阻止する効果も大きく
今後の展開が大いに注目されます。
バルブ可変。その意味する範囲には、夢のアルコール~ガスまでを
シームレスに、使える可能性が内在してはずです!
ps
SOTOから、今月デビューのレギュレーター付きガスストーブ 85g?
あれも、今年の新潮流となるはずです
Commented by JSB at 2009-07-05 16:03 x
老婆心ながら、、、ラッパ状のインテイクで流速を加速させて、ベンチュリーで燃料を吸出す。そして混合室で攪拌する。と同時に混合ガスの速度エネルギーを膨張室で落とす。あるいはラビリンスで減速させる
すると速度エネルギーが、圧力エネルギーに換わりバーナーヘッドから
吹き出す。ヘッドにも。ラビリンスがあると、さらにその変換度合いが増し
炎が吹き飛ばなくなる。

早い話が 台所のSUSたわしを、もぎ取りを、適度に詰め込む!
なお、この作業は、台所の制空権に関わるので
     慎重に 隠密に 実行することを 期待する

改めて、刻みタバコの 奥深さを知る (苦笑)
 温故知新 新しい視点で古き物を再見する大切さですね (爆笑)
Commented by coolys1 at 2009-07-05 22:38 x
凄いところからの部品調達にビックリしました。エンヤかぁ・・
ulgoodsさんの目の付け所に感動しました。

これからの熟成がまた大変かと思いますが、形を為していく姿を楽しみにしましょう!!
Commented by ulgoods at 2009-07-06 08:41
Vagabundさん、
そうですね、二次燃焼というか混合時に酸素を取り込む機会がありますね。バーナーヘッドを取り付けてから調整していきます。

子細は今度お目に掛るとき!
Commented by ulgoods at 2009-07-06 08:51
JSBさん、ついに禁断の世界へ足を踏み入れてしまいました。
アルコールをノズルから噴霧して...やってみたいと思っているのですが、模型エンジンと違って負圧を生じさせる動力がないのでどーだろーなーと困っているところです。ガスと混合して容器に入れて押し出しますか...

とりあえず瓦斯、カタチがまとまったら、お見せしますね!
Commented by ulgoods at 2009-07-06 08:53
coolys1さん、
よいとまけではないですが、エンヤです。
ラジコンのキャブを使うと遠隔操作できそうですが、重くなるので見送りました...

ボチボチやっていきますので、乞うご期待!
Commented by 理事長 at 2009-07-06 19:45 x
ふふふ・・・、深みにはまりましたね。(笑)
しかし、ENYA と OS か・・・。思い出しただけでカストロールとメタノールとニトロメタンの燃えた甘い匂いがリアルによみがえってきますね。
ところで、ご教授いただきたいのですが、あの耐圧ホースは通販だとどこで購入できました?
では、今後の健闘に期待します!
Commented by なまこ at 2009-07-07 12:16 x
先生!質問があります。
ガスコンロでは、ガスは純正品を使ってください、と必ずあります。安全が保証できません、との脅し文句つきで。小心者のなまこは一様、その指示に従って、コンロとガスのメーカーを一致させて使っていますが。今度のコンロには何ガスを使っているのでしょうか?東京ガスでない?ですよね。


みなさまのレベルから、あまりにもかけ離れたところからの質問ですので、小学生のふりをしてみました。なまこ48才。
Commented by ulgoods at 2009-07-09 03:50
理事長殿、
妙に燃料配合に詳しいのは、やはりその筋のお方でしょうか?
私もUコン機のスターターとして排気を被り、ひまし油でベッタリ髪の毛をなでつけた派です。
あの耐圧ホースはこちら
http://www.mspeed-jp.com/
にありました。ちょっとページがわかりにくいので、キーワード
ステンレスメッシュシリコンチューブ
でググった方が速いかもしれません。

理事長殿の300の前、ヌーベルクチュールスペシャルを導入しました。
ぶ厚い箇所でもギュンギュン縫えて嬉しい!
でも、下針はシルナイロンとかだとあまり有用ではない感じ...
Commented by ulgoods at 2009-07-09 04:06
なまこさん、
八ツでお会いしたのは丁度一年くらい前ですね...

さてガス、難しい質問です。
ストーブメーカー指定のガス以外安全が保障できないのは向こうの勝手な言い分ですが、保障が必要な人は守るしかありません。しかし、例えば*社は自社でガスまで作っているでしょうか?ガスなりガス缶を実際に作っているメーカーは少ないし、規格品なので寸法が微妙に合わないとかは経験したことは無いと思います。
隣の生産ラインと単に缶の印刷が違うだけで保障対象外云々というのは解せぬ話でありますが...

私は気温というか燃やし方に合わせてガスを選びます。メーカーはまちまち...夏場はブタンで充分、寒くなるとプロパン含有量多いのを液出しで燃やします。なので、破裂しても保障は受けられないですが、下手な使い方は致しませんので、自由であることを選びます。
At your own riskでよろしく!
Commented by 理事長 at 2009-07-09 11:29 x
耐圧ホースの件ありがとうございました。
シリコンゴムは耐引き裂性が低く圧力の掛かる場所には御法度なのですがメッシュが有れば安心ですね。
とは言えシリコンゴムは耐アルコール性はあるものの、石油系や液化ガス等の炭化水素にはまったく不向きなのが気になります。
HNBRやフロロ系ゴムの小径ホースの小口販売があれば良いのですが・・・。(ちなみに私はガス用には炭化水素に強い内径Φ4mmのフューエルホースを使っていますが、これ以上の小径は無いようです)
MSRのようにテフロンホースを使うのでしたら、小径の物もハンズでも売っていたような記憶があるのですが、これだと硬くて扱いにくそうだし・・・。
素材の選択には頭を痛めますね。では!
Commented by 理事長 at 2009-07-09 12:00 x
追伸
職業用ミシン購入の誘惑に抗しきれず、ますます深みに嵌りましたね~ぇ。(笑)
で・・・、シルナイロンみたいな滑りやすい素材は工業用の上下送りミシンでも難しく、総合送りミシン(針も送り動作をする)を使わないと上手に縫えないかもしれません。
でも、下針送りは本来滑りやす薄物縫い用とはいえ、ひょっとするとシルナイロンのような素材にも有効かもしれませんよ???。
下送りだけだと上下の布がズレますが、下針が刺さった状態で送れば布のズレはかなり抑えられそうですから・・・。では!
Commented by なまこ at 2009-07-09 12:33 x
ありがとうございます、納得です。

お山に入る際には、偶然の出会いための心がけをしているのですが。
時折、山渓で登場するお姿を見ては、「ふむふむ」とうなずいています。
Commented by Vagabund at 2009-07-09 19:42 x
>とは言えシリコンゴムは耐アルコール性はあるものの、石油系や液化ガス等の炭化水素にはまったく不向きなのが気になります

あれ 内部はシリコンでしたか。。。  シリコンを使っていると黄色く変色して
硬くなっていきます そしてひび割れが。。。。
JSBさんとも話しましたが 我々のは変色してきたら即交換です。。。
(これBPLでも突っ込まれました)   お気をつけ下さいませ~~~
Commented by ulgoods at 2009-07-09 23:47
理事長殿、
シリコンが瓦斯に侵されるの件は聞き及んでおりまして、今回の耐圧物は取り敢ずのでっち上げ用に採用しましたが、試行の結果、ニードルあたりの温度が上がらないようですので、安心して肉厚のゴム管に買えようかと思っております。ストーブも、Φ10mmの管では市販のストーブ並みになってしまうので、ニードルバルブがぎりぎりはまる限界くらいまで細くすることも考えておりました。
テフロンホース...今度探しに行ってみます。

ミシンですが、シルナイロンでは下針が刺らずに送ってくれない感じです。まだ、ちょっと試しただけですが、もう少しやってみます。
しかし、フットコントローラがあるのは至極快適!膝での押さえ上げ共々に便利な物です。
Commented by ulgoods at 2009-07-09 23:53
なまこさん、
私も相変わらず同じ辺りをウロウロしますので...散歩もそうですが、同じ道を歩き続けることで見える景色もあり。
ヤマケイは、最近ご縁があって時々出させていただいております。道具コーナーではコメントし難い微妙系の時にお声が掛るようで、毎回楽しませていただいております。同じようなモノを一挙に見て比べるのは違いが分かってよいです。

Commented by ulgoods at 2009-07-09 23:56
Vagabundさん、瓦斯とシリコンの件は先日の集会で耳にしまして、気をつけますです。
耐圧にするために外径内径が合うに2種類を入手してあり、入れ子にできないかと思っています。
もう夏ですね。作りモノの季節ですよ~
熱中して朝方まで...ガキの頃と変わりません。
Commented by JSB at 2009-07-11 13:09 x
ひと夏の恋、みたいに(笑)

シリコンチューブと ガスの純愛は

  出会ったら バシッ と燃えて 早めに立ち去るのが、お似合い!
Commented by ulgoods at 2009-07-12 12:11
JSBさん、意味深な...
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