甲武信小屋へ

雨の甲武信と寝袋のテスト

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■前振り
例年どおり連休中は諸事情あって身動きが取れなかったのだが、連休も終わったのでボチボチ身動きを取ってみることにした。
さてどこへ行こう...と思い物色していたら、ありました。近くて良い山、まだ行っていない山、甲武信岳があるじゃないか。と、思うに至ったのには幾つかの理由が考えられる。

まずは、恥ずかしながら最近になって田部重治が阿佐ヶ谷のご近所に住んでいたことを知り、単行本の山と渓谷など買ったりして明治期の簡素で伸び伸びとした奥秩父の山歩きの記録に触れ、想いは幽玄な苔むす森に誘われていたことも甲武信を選ぶ下地になっていたのは間違いない。本来なら金峰からだけど、甲武信から雁坂へ下ってみようかと思った。
さらに、甲武信岳でググルと最初に甲武信小屋のページが表れるが、今年はオーナーが小屋に入って25年の記念ということで、ページの中央上段にスライドのコーナーが設けてあり、何の気無しに開いてみると動画のページがあって、開いて見たらヤラレてしまった。アコースティックギターのちょっと切ない、しかし力強く伸びやか繊細な旋律に合わせて展開される美しい甲武信周辺の山や植物のスライド、高画質で音質も良い。画像は小屋オーナーの徳さん、ギターはスタッフの爪さんによるお手製だと知ったら、だ、これは行かねばなるまいて。いつしか心地よい旋律が脳幹を満たし想いを強くしていた。小屋にDVDとかあったら買うつもり!
動機は万全なので実施計画として電車バスを調べたら、あずさ3号を山梨市駅で市営バスに乗換えると接続もスムーズで7時に家を出ても10時には西沢渓谷に着けることも分かってしまい、さほど高くない山だから5時間あれば登れるっぽく、10時に出て山頂に3時ならOKでしょということで行程的には無問題。
だめ押しに、金曜の夕方、隠れ奥秩父ファンで有名な三鷹の某店主の店に顔を出し雑談などしていたら、かねてから試作中の寝袋の2号機が展示されており、これに関しては構想や初号機の採寸問題など、勝手に首を突っ込んでは要望などを言っていたのだが、形になったモノはなかなかの出来映えであったので、勝手にテストを買って出て貸し出してもらった。こういう物でも無いと、朝の自宅での天気がイマイチだと行くの止めようかと弱腰になる傾向なのだが、これで行かない理由はよっぽどの暴風雨か大寝坊以外にあり得ない。
週末は天気が悪いらしく悩ましかったのだが、このまま悶々と悩ましいよりは行くが健全だろう。

と前振りが長いのだが、斯くして甲武信行きを決定し、楽しい荷造りを始めたのが寝て起きての朝の三時。
もちろん、パッキング中もあの旋律をバックに流しておいた。こっちも良い
時々音が出ないが(@IE7)、音量調整をクリックすると聞こえてくるようだ。回線事情が困らなければHD画質で見るのを勧める。断然美しい。
こんなの無料で覧られて未だに幸せ感が強い。

■荷造り
想定気温を摂氏0度と設定。雨が予想されたので雨具はちゃんとモンベルのブリーズドライテックの上下。それなりに登り初めは暑いだろうから上はUSモンベルのPitZip付きとした。防寒着としてはBMW製Backpacking Light UL 60の試作品を格安で買ったがフード無しだったので、別途UL 60 Balaclavaの試作放出品も持った。降られると手も冷たいだろうから、モンベルの薄いフリース手袋とオーバー手袋としてMLDのeVENT Rain Mitt(25g/組)も持った。下半身は弱い雨なら撥水しそうなファイントラックのストームゴージュパンツで、寝る時用にBPLのメリノウールのタイツとした。
テント場には雪がありそうなので、床付き二枚壁テントでTerra Nova Laser Photonを連れ出した。今回は雨対策で初めてポールスリーブカバー(86g)を持ち、スタッフザックは用いずにバックパックの底に詰め込んだから790g程度。Hilleberg Akto同様に広い前室のテントだから降り込められても何とか暮らせそう。防水でTyvekシートを敷く。
ザックはGossamer GearのMariposa Plusを引っ張り出し、背面のクッションとしてはR値を勘案してProLite4の3/4を入れた。二つ折りでは長いので、一部を三つ折りとして腰部分に厚い箇所が来るようにした。今回はレインカバーは用いずに、Sea to summitのライナーで対処した。

テストという名目で借り出した寝袋は三鷹ハイカーズデポ試作2号、高品質羽毛と20dのシェルを用いた550gの三季用。フードは省略し、ボディーは無駄のないメリハリの利いた形状を持っている。この形はこだわった部分で、上半身ゆったり下半身シェープの着て寝で適用温度が広くなるように考慮されている。あぐらはかけないが、特に問題ない。内部はコンテニュアスバッフル採用で、寄せてモッコリ除けて薄々というロフトの調整ができるし、フットボックスは足の裏までジッパーが伸びているので、全開ならアジの開きのようになって一枚モノとして掛けて使える。Goliteの昔の寝袋のように足元を開けてベンチレーションしても良いかも..など。ちょっと気づいた細かなリクエストを出したので、反映されれば面白いと思う。という言う以上のことは現時点では書けない。

飯はα米にオーサワのヘルシーカレー粉と同じくオーサワの大豆ミートなどを予め混ぜて袋に入れて持ってった。
ストーブはT's Stoveの固燃Ti五徳燃焼台改とチタンフォイル風防を合せた。
鍋はBackpackinglight Titanium 550
雨の日のアクセントで、Goliteの雨傘を持った。
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水筒にペットボトルを使うと途端に貧乏くさく見えるのだが、軽いし踏んづけなければ問題は少ない。くたびれたらお役御免にする。
トレッキングポールはTitanium goatのカーボンAdjustable Goat Polesなのだが、片側が最後のギリギリで抜けなくなり、変な力を掛けたら竹が割れるように長さ方向に沿って割れてしまった。いったんは割れ目にエポキシを注入して修理したのだが、やはり直らず試したら一発で割れたので、思い切って切り詰めて修理した。その強度テストを兼ねて持っていった。修理具合は時間と手間を掛けて丁寧に行ったが、一般的な製品ではないので面白くないだろう。

■登り
登りは戸渡尾根を使った。この道は昔の珪石運搬のトロッコ軌道が見られるとあったので、朽ちた線路を辿るのも面白かろう。
線路は所々見られたが、廃棄されてからの年月だろうか、山肌が迫り軌道を埋めている箇所もある。遅々としてだが山体の風化を物語る証、あるいは植物の膨張による侵食か。
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軽やかな新緑と対比して朽ちかけようとしている鉄ののたうつ道。切り取られてもなお原始へ回帰する営々たる自然の力と人が夢見た栄華の儚さを垣間見る。
廃墟萌えな人ではないが、かつての人の営みの痕跡を見るのは嫌いではない。建物は怖いので入らない。
道それ自体は歩きやすいが、所々斜面から落ちた砂で道が埋まり、危険な箇所もある。また、線路下が崩落し、宙に浮いている箇所も多かった。

GPSの記録を見直すと、登山口10:29出発、徳ちゃん新道の合流点12:33、木賊山14:40、甲武信小屋14:51であった。2300m後半から登山道に雪が表れ、2400mより上は一面雪。雪の薄い部分で木の根を踏むのでアイゼンを着けるほどではなかったが、踏み跡を外すとまだ深く踏み抜く。途中、2000mくらいでモヤが晴れたが、2200m付近から雨。降り始めはアラレ。手が冷たいので手袋とオーバーミットを着用した。これは持ってきて正解。
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登山道沿いの石楠花の葉が濡れておりズボンをするが、ストームゴージュは撥水良く、一部染みたが濡れた感じは無かった。
キツくはなかったが、それなりに発汗していたのでレインジャケットの下は直にTシャツ。胸を開けPitZipも効いており不快はなかった。
木賊山の雪はこんくらい。
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■小屋
小屋は風格があり、かといって古び過ぎてはおらず、どっしり建っている。到着時も雨だったが、入り口向かいのテラスに屋根が付いていたのはテント人にとっては嬉しい。
柱にさがった温度計は摂氏3度を示しており、夜冷えたら降雪かと思った。
まずは、涼しくて嬉しい。

ちょと書き疲れ、ギターの主との対面や楽しい夜と翌日の記録は明後日くらい

テント場の様子
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取り急ぎ、来週の人の参考になれば幸い。


自転車で太もも育成中...お陰で歩みも早いし疲れも少なかった感じで


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by ulgoods | 2009-05-19 00:47 | 山行
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